44話
ボーデヴィッヒのVTシステム事件があった次の日の朝、なぜか部屋にいなかったシャルルはさておき俺は亡国に報告をしていた。
「だからさ姉御、ユニコーンの修復を頼みたい。武装もビームサーベルとビームマグナム以外弾切れだし腹部もがっつりもってかれてるんだよ」
『それは全然良いのだけれど……今レイさん忙しいみたいで……あっ、変なもの作ってるんじゃないのよ?真面目な方でね』
「マジか……今回出てきた奴は試作システムであの性能だ。俺のユニコーンの過剰な火力で倒せないようなやつだからな……現行ISでは歯が立たない。正直、束さんに本気の最新鋭機を依頼するか、俺が意地でも二次移行するかってところだ」
『
「おいおい……どうせそれで熱が入ってなんかしてんだろ?ハァ……束さんのところの嬢ちゃんはどうだ?不自由してないか?」
クロエ・クロニクルの事だ。束さんの入社後も引き続き補佐をしてもらってる。もちろん、生活とかは完璧にしているらしい。
『ええ、最近はタバネのために料理の勉強してるらしいわ。オータムが暇な時……まあほとんどだけど、クロエちゃんとマドカに教えてるわよ』
「へぇ……オータムがねぇ……」
何秒か空けて……
「オータム料理できんの!?え、うっそマジ?いやいや、冗談だろう?しかも人に教えれるレベル!?ありえねぇ……」
『本当よ?マドカなんかは結構上達してるし……』
そっちの方が信じられない。俺が教えても無理だったのに……
「嬢ちゃんが問題ないなら良いけど…… まあ誰か空いてる人間送ってくれよ。ユニコーンをマジで頼みたい」
『分かったわ。代わりにうちで開発中の第2世代試作量産型を貸すわ。データ取りのついでにね。どうせ白式もぶっ壊れてんでしょう?』
「いや、早めに交代したんでメンテナンス程度で済むから良いよ。それよりも、サラ・ウェルキン用のISを頼む。コアは強奪してきた分が結構余ってるだろ?」
違法研究所にコアがあったからね。仕方ないよね。
『世界に500もないコアを余ってるって貴方ね……もう良いわ。もう製作中よ。今回の事件で、また案の練り直しらしいけど』
研究者達はきっと今頃デスマーチが進行してるんだろうな(他人事)
「作り始めてるんなら良好。最初の任務も考えといてくれな。……俺はどうせボスから勅命が来るはずだからな」
『でしょうね。まあ諦めなさいな。じゃあ切るわね』
『ああ、またな姉御』
通話終了。
「ユニコーン 。修理はもうちょっと待ってくれな?」
『……仕方ないもんね』
「ああ、ごめんな」
そういや束さんが何してるのか聞いてないな……まあいいか。ボスに矯正させられたんなら多少はまともになってるだろうし。
「さてと、教室行くか。……ボーデヴィッヒの奴、何もしてこねぇよな?」
一抹の不安を覚えながらもまあ大丈夫だろうと思う。そういえば1回目の記憶通りなら昨日は大浴場が男子に解放されているはず……デュノア凄えな、貸切だ。……今度温泉行こう。
〜〜〜〜〜〜〜〜
「おはよう」
「一夏!?」「一夏さん!?」
「「大丈夫だったのか/ですか?」」
「ああ、現にこうして来てるだろ?」
嘘です。腹の肉を装甲ごとえぐり取られましたよ?
箒とセシリアに心配されるが、まあ大丈夫としかいえないもんな〜。
「あっ、一夏」
「ん、鈴か?」
そこへ廊下から顔を出して来た鈴。
「………おかえり」
「ッ……ああ、ただいま。鈴」
聖母のような優しい笑みでそう言ってくる鈴。………やっぱかなわないな。
「箒さん、これわたくし達の出る幕ありませんこと無くて?」
「ああ……悔しいが、完敗だろう。まだまだ精進せねば……」
「凰さんと織斑くん。なんか熟年の夫婦みたいじゃない?」
「あっ、確かに!」
ヒソヒソとなんか聞こえるけど内容までは聞き取れない。こういう時だけなぜ俺の耳は機能しないのだろうか。
「また後で話しましょ?もうすぐHR始まるし」
「了解、また後でな」
そして、鈴が教室に戻っていった。
「そういえばシャルル見てないか?朝、部屋に居なかったんだけど……」
「いや、私たちも見ていない。なあセシリア?」
「ええ、朝食の時も食堂でお見かけしていませんわ」
マジでどこに行ったんだ?
「皆さん…おはようございます……今日も転校生が来ます。……転校生?いやでもみなさん知ってるし……?どういえば良いんだろう?」
あっ、もしかしてデュノア君がデュノアさんになるの今日だったか?……まさか、1回目とは違う俺の動きがバタフライエフェクトとして作用したのか?そういえば、1回目の時もフェンリルなんてものは無かった。まあ、覚悟はしていたけど、まさかデュノアの再入学の日にちまで影響を及ぼすとは……
「どういう意味だ?」
「山田先生がとても疲れているように見えますわ」
そりゃそうだろう。男だと思っていた人が女子として再入学。俺と同室だったわけだから新しい部屋割りを考えないといけない。さらにいえば昨日の事件の後処理や各国への対応、VTシステムを搭載したであろうドイツへの追及。……お疲れ様です。6割くらい俺のせいでもあるけど。
「じゃあ、入って来てください。……また部屋割りを組み直さないと」
そして廊下から見知った顔が女子制服を着て現れた。
「「「「「デュノア!?/デュノアさん!?/デュノア君!?」
三者三様の反応、いやクラス全員だから三者じゃないな。二十九者だ。……ボーデヴィッヒもいないな。
「というわけで、デュノア君はデュノアさんでした〜。はあ……今日も徹夜かなぁ……」
山田先生から負のオーラが出ている。今日も、って事は昨日もか。
「シャルル・デュノア改め、シャルロット・デュノアです。皆さん、よろしくね!」
「……一夏?」
「ん?……うわっ」
呼ばれた方を向くと、箒とセシリアの顔が陰っている。……あ〜まあ来るよね〜。
「確か、デュノアと同室だったはずだ。知らなかったという事はあるまい?」
「そして昨日は、男子が大浴場を使った日でしたわ。つまり……一夏さん?」
2人の口から確かな事実が漏れる。察しが良くなったな〜。
「待て。俺は昨日、夜中まで織斑先生の取り調べを受けていた。だから風呂には入っていない。朝、部屋でシャワーを浴びただけだ!!」
「……なるほど。確かにその通りのようだな」
「そうだろう。だから俺に不備はなかっt」
「ですが、少しの間とはいえ同じ部屋で過ごしたのですもの。性別くらい知っていましたよね。否定もしませんし?」
セシリアが追撃をかけてくる。ああ……なんか部分展開の粒子が見える。
「いやまあ……最初から知ってたけどさ、ちゃんと女子を相手にする時の紳士的な対応をずっとしてたぞ?なんなら本人に聞いてくれたっていい。なっ!?デュノア!!」
「えっ、忘れちゃったの一夏?あの日僕にあんな情熱的に迫って来たのに(拳銃を突きつけられた時)」
「「一夏?/一夏さん?」」
「デュノアさん何言っちゃってくれてんの!?ていうかいつの事だよ!?」
「あの時は、運命を感じちゃったよ。一夏ったらすごく真剣な顔だったし♪」
「これは……ちょっと……」
「ギルティ……ですわね」
待て、いつの事だ……俺がデュノアに迫っただと?そんなこと……あっ
俺が、デュノアに拳銃を突きつけた時か!?ヤベェ……下手に弁解できねぇ。バレる……
「ほう……なにやら、身に覚えがありそうな顔をしているな?」
「一夏さん、わたくしは悲しいですわ。こんなところで級友を失うことになるなんて……」
そう言いながら箒は愛刀を取り出し、セシリアは愛銃を展開した。
「ハハッ……話せばわかる。だからもうちょっと、落ち着こうな、な!」
「問答無用!!」
「狙いは完璧ですわ!!」
あ、俺終わったかな〜。流石にボーデヴィッヒも来ないだろうしな〜。いや避けれるんだけど、避けたら壁に穴が空くし……
と、考えながら冷静な自分がいたのを確認したところで、
「「なッ!?」」
2人の攻撃を受け止めたものがいた。おお!!やっぱり来てくれたか!!
俺に向けての攻撃が全て止められた。まあそんな芸当が出来るのはほとんどいないからな。つまり……
「助かったぜボーデヴィッヒ。危うく召されるところだった」
おそらくISの受領で遅くなったのだろう。
「礼には及ばない。何せ私たちは……」
ISを纏った状態のボーデヴィッヒがゆっくりとこちらに近づいてくる。おいおい、まさか……
「兄妹だからな!
「「「「「兄様!?」」」」」
「落ち着けボーデヴィッヒ……兄さんてなに!?」
「おちttttttつけいいいいいちkkkkk」
「箒の方が落ち着いて!?」
俺にはすでにマドカというぱーふぇくと、な妹がいるんですが!?
「む、日本では尊敬する者を兄や姉と呼ぶと聞いたのだが……」
誰がそんなこと教えた!?………クラリッサ・ハルフォーフだな……フフフ、どうせいつか敵として会うんだ。私怨を入れて相手をしてやろう。
『ヒッ!?……何故か悪寒が……?』
どこか遠くで誰かに何かあったっぽいけどまあ気のせいだろう。
「ボーデヴィッヒその知識間違ってる……はぁ……直してくれ」
「断る。お前は私に尊敬もさせてくれないのか?それと、ラウラと呼んでくれ。他人行儀すぎるぞ、兄様」
「ぐっ……それを言われると……」
尊敬されてるのはいいとしよう。しかし呼び方がなぁ……
「はぁ……仕方ない。まあいいや。うん、きっと大丈夫だろう。姉さんは黙らす。よし!ヨロシクナ、ラウラ」
「一夏さん!?帰って来てくださいまし!!織斑先生を黙らすって、自殺行為ですわ!?」
いや、そこじゃねえだろ。後、出来る。酒を制限させれば余裕だ。
「はぁ……皆さん座ってください。HRを始めます」
疲れすぎでなにも考えていなかったのか、何事もなかったように話を進める山田先生。不憫!
〜昼休み〜
「ラウラ、少し話がある。ちょっと屋上に来てくれ」
「む、逢い引きか兄様。兄妹間でそれは良くないぞ」
「ちげぇよ!?まず、実の兄妹じゃない。………だとしても良くない!!」
なんか最近、人にペースを崩されることが多い……
「真面目な話だ。お前の
「ッ!?……分かった」
しばし移動タイム。
「それで、なんだ兄様?」
「もう兄様呼びは固定なのね……まあいいや。お前、眼帯の下どうなった」
「それが……右と同じ赤色に戻ってしまったんだ」
やっぱりか、あの時の声の奴が『越界の瞳』を奪った。みたいなこと言ってたからまさかとは思ったが……
「何故だかわかるか?
「いや全く検討がつかない。しかも違和感がある。安定もしないし目も金色にならない」
……ん?何かおかしい。確かあの時の声は、もうラウラには瞳は戻らないとか言ってたが……今の発言を聞くに制御がうまく出来ていないだけのような感じだな……
「お前、どうやって瞳を発動させてる?」
「そんなこと聞いてどうするのだ?」
「いいからいいから」
「……自分で制御できていなかったから、眼帯を外すことで使ってた。普段は眼帯で無駄に負担がかからないようにな。
マジか、そういやまともに適合してなかったんだっけ?
ふ〜む……まさかな。いや、でもワンチャンあるよな……ないと思うんだけどなぁ〜 まあ試すか。
「試しに、両目を意識して瞳を使ってみてくれないか?瞳の事を考えるだけでいい」
「両目?私は左目しか手術を受けていないのだが……ッ!?発動した……しかも、これは!」
目を瞑り、意識を集中させたラウラが目を開いた時、その目は
「マジかよ。絶対ないと思ったのが当たるとは……」
どういうことか、皆は分かっただろうか。詳しく説明すると、ラウラが瞳を発動出来なかったのは、片目しか発動させようとしてなかったから、バランスが取れていない、安定もせず発動していなかっただけだ。しかも自分で制御出来てないらしいしな。
しかし、片目しか手術を受けていないラウラが何故、両目で完全に『ヴォーダン・オージェ』を自分で制御しながら発動出来たのか。おそらく、あの声だろう。奴はあの時、『褒美をやる』みたいなことを言っていた。ボーデヴィッヒを返すことが褒美なのかと思っていたが、実際は違ったらしい。両目で、完全に適合するようにナノマシンに何かしたらしい。
「まあなんだ。よかったじゃん。これでお前は、不良品とか言われることもない、両目に適合した。これからさらに強くなれるぞ」
「あ、ああ……何故だろうか、すごく嬉しいはずなのに実感がわかない。どうすればいいんだ兄様?」
「もうちょっと落ち着いてから、素直に喜んだらいいさ」
今もちょっと引きつった顔をしているラウラ。
「一夏〜一緒にお昼食べましょ〜 箒とセシリアとデュノアも連れて来たわ」
屋上入り口から鈴達が姿をあらわす。
「お、良いねぇ。ラウラも一緒に食おうぜ。仲直りも兼ねてな」
「……ああ!」
この後めちゃくちゃ飯を食った。みんなの弁当少しもらったけど、1回目の時よりもうまかった気がする。……セシリアのは1回目の時よりマシになっている。食った俺が言うのだから間違いない。ソウダネ?
ラウラも無事、鈴とセシリアと仲直りしてすぐに仲良くなった。鈴が何故かめっちゃ頭を撫でてたけどなにも見なかったことにした。目線がラウラの胸に行ってたからな。同族だと思ったんだろう?
「ああん!?」
いえ、なんでもないです。
IS学園は、今日は平和でした。
今後の進行における重要事項『アンケート結果がそのまま反映されるわけではありません。あくまで参考にさせて戴きます』
-
凍結し、リメイクのみを制作、順次更新
-
リメイク版無しでこのまま継続
-
リメイク版ありで両方継続
-
この作品のまま加筆修正