あの日の戦友たちは今敵となる   作:ゼノアplus+

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望んだ未来は虚構となりて
天災、世界最強、化け物、そして少女の序章


47話

 

 

「海、見えたッ!!」

 

 

1人の女子生徒の声によって目が覚めた。現在林間学校に向かうバスの中にいる俺たち1組は学生らしい雰囲気を醸しながら目的地へと向かっていた。

 

 

()()()()()、綺麗な海だな……」

 

「一夏……?何か言ったか?」

 

「なんでもねぇよ箒。そういや、お前にしては珍しく浮かれてるな?」

 

「そ、そんな事はない!!(別に、一夏と席が隣だからなわけでも……決してない!!)」

 

「そうかぁ?(姉さんが、特別だ、って言ってこの席にしたけど……別に、箒に俺からしてやれることなんて無いんだがなぁ……せいぜい、束さんが来る時まで悟らせないようにするくらいで)」

 

 

慌てふためく箒を横目に見ながら、俺は考える。

 

 

「はぁ……(憂鬱だ……)」

 

「一夏こそ、何を辛気臭そうにしている?せっかくの行事だと言うのに」

 

「今まで行事の度に……な?今回も不安なんだよなぁ……(まぁ……そっちじゃないんだけど)」

 

 

俺の憂鬱の始まりはあの日、クロニクルと共に亡国に帰還したときのことだ。

 

……

 

………

 

…………

 

 

 

 

あれから数刻たち、クロニクルとともに亡国へ帰還し姉御に任務の完了を告げた。

 

 

「お疲れ様、一夏。追加の報酬はまた口座に振り込んでおくわ」

 

「姉御……いつも言ってるだろ?いらないって。今でさえ、通帳の額がえげつないことになってるってのに」

 

「ちゃんと受け取りなさい。いい仕事には正当な対価を、これは社会の常識よ。うちは一応ブラック企業じゃないつもりだしね」

 

「……了解。はぁ……こんなに溜まっても使い時がなぁ……」

 

 

なんとも贅沢な悩みだ。昔から少しずつ貰っていたんだが……姉さんに金の出所を疑われるから生活費には出来なかったんだよなぁ……

 

 

「たまには無駄なことにお金を使うのもいいわよ。……オータムなんかは、ちょっと使いすぎだけど」

 

「アイツって結局何に金を使ってんの?いつも、金がねぇ!!としか言わないから使い方が分からん」

 

「さぁ、私もそこまでは。案外、ゴスロリ服とかでも買ってたりね」

 

「……姉御、それはちょっと」

 

 

想像しただけでもなんともいえない気持ち悪さが……いや、実際に着てたら抱腹絶倒だろうがな。

 

 

「うふふ、冗談よ。それよりも、ユニコーンは大丈夫なの?」

 

「ああ、さっきクロニクルから連絡が来て『任務完了しました』だってよ。全く、真面目だよなぁ」

 

 

これの意味するところは、ユニコーンはレイさんにしっかり届けられたってことだ。ちなみにクロニクルは今束さんによる精密検査中。別れる直前にもう一回念押ししたからな。

 

 

「あらあら、いつのまに連絡先を?一夏も隅に置けないわねぇ。学園で大量に女の子焦らせてるくせに」

 

「バカ言え。焦らせるような相手はちゃんと選ぶさ」

 

 

鈴とちゃんと約束したからな。

 

 

「そうね……後ろから刺された男を見たことあるし」

 

「……えッ!?」

 

「フフッ、冗談よ」

 

「心臓にわりぃ……」

 

 

全く、いつもの調子で言うからガチかと思った……

 

 

「いっっっっくぅぅぅぅんッ!!」

 

「へ?ごふッ!?」

 

「なにごとッ!?」

 

 

俺の腹に向けてしっかりとタックルをかましてきたナニカ。いや正体はわかってるんだが……

 

 

「束さん……何やってるんですか?」

 

「イタタタタ!!いたい!!痛いよいっくん!!なんでアイアンクローまで習得しちゃってんの!?ちーちゃんになんかにてきたn……いったぁ!?」

 

「あぁ……タバネだったのね……びっくりしたわ」

 

 

姉御がほっと一息ついているが、その間にも俺から束さんのへの頭へのアイアンクローは続いている。

 

 

「あの……いっくん?束さんなんか痛みを感じなくなってきたんだけど……」

 

「まあ、天災ならそこらへんも気合でなんとかなるでしょ」

 

「いや束さんこれでも理系だからさ、気合とかいう曖昧な概念は……」

 

 

ふむ。ちょっと力を込めすぎたか。まあ本人もなんともなさそうだし大丈夫だろう。

 

 

「へぇ。……で、何の用です?」

 

「あっ……このまま続けるんだ……えっとね、IS学園で今度海に行くでしょ?」

 

 

束さんが俺にアイアンクローをされながらも要件を話す。一方で姉御は無音のカメラでこの様子を写真に収めている。何に使うんだ……

 

 

「ええ。あっ、箒に紅椿渡すために来るんですね」

 

「いつも思うけどなんでわかるのかな……まあそうなんだけどね。束さん……箒ちゃんとちゃんと仲直りがしたいな〜……ってイタッ!?……いっくん?」

 

 

思わず束さんを落としてしまった。そうか〜束さんにもついにまともな家族愛が目覚めたか。なんだろう、感動しすぎて涙が……

 

 

「いっくん泣いてる!?えっ、束さん何かしちゃった!?スーちゃんたすけて!!」

 

「タバネ、一夏をよく見てみなさい。大丈夫よ」

 

「え?」

 

「束さん……ちゃんと話し合えば箒と分かり合えます。束さんだったら強制的にその場を作ることもできるはずです。俺も手伝いますから、絶対に仲直りしますよ!!」

 

「い、いっくん?」

 

「返事は?」

 

「はい!!」

 

 

ピッ

 

 

「えっ、あのいっくん今の音……」

 

 

よし言質は取った。じゃあ次は姉さんに送って……協力を取り付けてっと……

 

 

ピコリン♪

 

 

「いっくん今誰に何を送信したのk……『ブーブーブー!!』……あ、はいもしもし……」

 

『束が普通に挨拶しただとッ!?いやいい。おい束、私も協力してやるから死んでも箒と話し合え。いいな?』

 

「ヒィ!?ち、ちーちゃん……突然すぎじゃ……」

 

『返事は?』

 

「はい!!」

 

 

ブチッ

 

 

「「「……」」」

 

「タバネ……今のは?」

 

「俺の姉さんですよ姉御。まさかこんな一瞬で電話してくるとは……」

 

 

ていうか俺と姉さんの言い方似てたな。返事は?のくだりとか。

 

 

「いっくん……」

 

「どうしました?」

 

「……でづだっでぐだざい〜!!」

 

「うおッ!?ちょ、束さん抱きつくな!!てか泣いてる!?分かりました、分かりましたから!!とりあえず離れて!!」

 

 

束さんを引き剥がしながら俺は叫ぶ。この人、マジで変わったな〜。……って、

 

 

「おいコラッ!!俺の服で涙を拭くな!!そして鼻をかむな!!」

 

「いっぐん……ありがど〜 ぢーぢゃんも〜、うわ〜ん!!」

 

「……全く、束さんも結局は人なんだな。写真撮っとこ」

 

 

カシャっと一枚。今度箒にあげよう。

 

 

「クロニクル」

 

「はい。束様を回収しに来ました」シュタッ

 

「うおッ!?」

 

 

適当に言ってみただけなんだけど……マジで来るとはおもわなかった……

 

 

「束様、お部屋に戻りましょう。いっくん様も学園に帰らねばなりませんし」

 

「グーぢゃん……」

 

「はい、貴女の娘のクロエですよ。ほら、行きましょう」

 

「うん……」

 

 

そうして束さんとクロニクルは行った。

 

 

「……あの、姉御」

 

「思うだけにしなさい……それとその写真のデータこっちにも頂戴。忘年会のネタにするわ」

 

「えっ、お、おう……」

 

 

データを姉御に渡しながら俺は思った。

 

あれ……どっちが母親だっけ?

 

 

 

…………

 

………

 

……

 

 

こんな感じのことがあったのだ。いや〜、まさかあの束さんが遂に……ねぇ……まあ確かに、俺たちと良く訓練しているから一般生徒よりもISの操縦技術は高いし、なんなら1回目よりも1,5倍は強い。これならッ……とは思うが、多分調子に乗るだろう。

 

 

「ふむ……クラス代表決定戦、クラス別トーナメント、タッグマッチ……確かに行事のたびに事件が起こっている。でも大丈夫だろう。流石にこんな所まで出張ってくるような輩がいるわけがない」

 

 

ほらっ、こんな風にな。確かに、今回は束さんはナターシャ・ファイルスの『銀の福音』を暴走させていないし、亡国企業も関わってない。だが……もう一つある。この間襲ってきやがったフェンリルに謎の声。あの時は、ラウラの目を治して貰ったし俺の負傷だけで済んだからまだ良いが、ウチのボスも珍しくとても警戒していたしな。おそらく……来るんだろう。またフェンリルが相手となると、白式だけでは厳しい筈だ。第1形態では……

 

 

(白式……今回は、もしかしたら無理して一気に形態移行させるかもしれない。もしそうなったら、耐えてくれよ)

 

『まっかせてよ!!ユニ子ちゃんには休んでもらわないとね!!王理は無理だけど……ユニコーン以上には仕上げて見せるよ!!』

 

 

やっぱ頼もしいな。俺の相棒は……

 

 

「そういえば兄様、兄様のISは大丈夫なのか?」

 

 

俺の後ろの席からひょこっと顔を出してきたラウラ。

 

 

「この前、倉持技研の人に簡単なメンテナンスの仕方を教えて貰ったからな。試しに自分でやったら意外と出来たから大丈夫だ。今回も試験装備のついでに診てくれるらしいし」

 

「ほぅ……倉持は参加しないと思っていたが……もしや兄様、倉持の専属?」

 

「よく分かったなラウラ。あの頃の姉さんの機体を作ったところだし、何より白式を作ってくれた恩がある。信用はできるさ」

 

 

どちらかといえば、俺が信用されてる方なんだがな。実質俺、倉持のトップみたいなもんだし。

 

今回はレイさんが作ったという装備を俺が試す予定だ。いつものゲテモノ類じゃなくて、量産型に積む武装らしい。あと、ウェルキン先輩の機体の武装もだな。

 

 

「倉持技研……打鉄を作ったところか。あれはいい機体だ」

 

「箒も愛用してるもんな。打鉄を」

 

 

さすがは武士といったところ。まあ、浮遊してる盾があるのは扱いやすいよな。最悪投げれるし。

 

 

「こーら、ウチのラファールだっていい機体だよ?取り回しの良さや、装備の自由度の高さは世界一だって言えるし」

 

「ああ、シャルロットが乗ってるからといっても量産型であのレベルの動きができるのは素晴らしいな。自由度が高いというのは部隊でもしっかりと役割を持たせることができる」

 

「ラウラ……」

 

 

ラウラの隣の席に座っていたシャルロットは、打鉄の話ばかりしている俺たちに不満そうに話しかけてきた。相変わらずラウラは少しズレてるな。

 

 

「それを言うなら、わたくしの祖国、イギリスのメイルシュトロームだって……いえ、なんでもないですわ」

 

「セシリア、無理するな……」

 

「うん、BT兵器なんてものが作れる時点ですごいよイギリスは」

 

「皆さん……実は少しバカにしてませんことなくて?」

 

 

ラウラとシャルロットの慰めるような言葉に一瞬感動するセシリアだが、よく考えるとあまり慰められてないことに気づいてしまった。気づかなかったら幸せだったのに……

 

 

「もうすぐ到着する。全員しっかり座れ」

 

 

姉さんのその言葉に全員が神速の動きで着席する。流石は1組、洗練された動きだ。程なくして、目的地に到着した俺たちは、バスから降りて整列した。4組の生徒たちが乗っているバスを見れば、1回目の時参加していなかった簪さんの姿も見える。あの時彼女が参加していなかった理由は、打鉄弐式が完成していなかったから。今回は倉持がしっかりと完成させたから簪さんも参加できたと言うわけだ。

 

 

「「「「「「よろしくおねがいしま〜す!!」」」」」」

 

 

4クラス分の挨拶ともなれば本当に大きな声が出る。そして何より声が高い。俺1人だけ声変わりした男子の声だから余計に目立ってしまう……まあ、気にしてないけど。

 

 

「はい。やはり若い子は元気ですね〜」

 

 

今回宿泊するこの旅館の女将さんはとても丁寧なお辞儀をして答えた。ふむ……こう、改めて見るとやはり美人だな。あっ、目があった。

 

 

「あら……貴方が噂の……?」

 

「織斑一夏と申します。この度は私がいるせいで浴場の調節にご迷惑をおかけしました。これ……足りないかもしれませんが従業員の方に配ってあげてください」

 

「これはこれは大層なものを……ありがたく頂きましょう。清洲景子です。男の子1人ということもあって不自由があるかもしれませんが、何かありましたら遠慮せず従業員にお尋ねください」

 

 

俺は普段しないような言葉遣いで挨拶した。ちなみに女将さんに渡したものはちょっとしたクッキーだ。50枚近くあるから足りると思うけど……もうちょい作ってくればよかったか?

 

 

「全く……いつの間にそんなものを持ってきていたのか。不出来な弟ですが、よろしくお願いします」

 

「うふふ、織斑先生は弟さんに随分と厳しいんですね」

 

「いつも手を焼かされていますから」

 

 

いや、最近は俺が手を焼かされてるよ。酒を減らさせただけであんなに叫びやがって……まあ、減った分は俺がこっそり拝借したけどな。

 

その後、女子達は部屋に荷物を置きに行った。なんでも着替えて海に行くらしい。

 

グイッグイッ

 

 

「ん……?ああ、のほほんさん。どうした?」

 

「ん〜ちょっとね〜。おりむーの部屋ってどこなのかなぁ〜って」

 

「ああ……それなら……織斑先生の部屋だぞ」

 

「ええ!?遊びに行こうと思ったのにな〜」

 

 

両手をガバッとあげて驚いているのほほんさん。いつも通りゆっくり動いてるのに動きが大きいから何事かと思う。

 

 

「ハハッ、多分俺が個人部屋になると女子達がくるからだろうな。妥当な判断だよ」

 

「む〜、おりむーなんか嫌そうじゃないね〜」

 

「ああ、この機会に姉さんの矯正を、と思ってな」

 

「えっ?」

 

 

遠くで懐疑の声が聞こえているが気にしない。

 

 

「お〜!!織斑先生を矯正するのか〜……おりむー生きて帰ってきてね〜?」

 

「いや……そこじゃねえだろ……」

 

 

少し、のほほんさんと話してから別れた。彼女も水着に着替えに行くらしい。女子って海とか好きだよな〜。

 

 

「織斑、部屋に行くぞ。あとさっきの話を詳しく聞かせてもらおうか?」

 

「了解です。逆に聞きますけど俺が部屋に行かなくなってから自分でゴミ出しをしてないのと明らかに缶の数が増えているの気づいてないとでも思いました?」

 

「ぐぅっ!?……行くぞ」

 

 

あっ、話を終わらせやがった。このマダオ……マジでどうしてやろうか……

 

 

「ここだ。部屋の設備は自分でチェックしておけ」

 

「はい」

 

「さてと……今日は終日自由行動だ。好きにしろ」

 

 

姉さんは荷物をどかっと置いて俺に言う。

 

 

「織斑先生は?」

 

「ふむ……山田先生に誘われて買いに行った水着も持ってきたしな。あとで海に行くとしよう」

 

 

あっ、この人結局自分で選んだのね。1回目は俺が選んだけど、今回はレゾナンスで会わなかったからな。買ってないのかと思った。

 

 

「んじゃあ、俺はちょっと準備に……」

 

「織斑……いや、一夏」

 

「なに、姉さん?」

 

「箒と束のこと、頼んだ。あとで私も向かう」

 

「……ああ」

 

 

名前で呼んできた姉さんに対し、俺も敬語をやめて答えた。なんだかんだ言って姉さんも気になっていたらしい。ていうか、姉さんが”箒”って呼ぶのを聞いたのいつぶりだろうか。

 

 

 

 

〜少し経って〜

 

 

 

 

「あっ、一夏か。……これ、なんだと思う?」

 

「おう。どうしt……あぁ」

 

 

更衣室に行く途中でばったりと箒に出会った。箒の訝しむ視線の先には、最近どっかの天災が着けなくなったうさ耳が砂に刺さっている。

 

 

「だいたい誰かは分かってるんだが……どうする?」

 

「好きにしろ。私には関係ないッ!!」

 

 

箒は不機嫌そうにどこかに行ってしまった。おそらく更衣室だろう。……こりゃあ骨が折れるな。

 

 

「あの人、どうやってくるんだろうか……まさかまた人参ロケットじゃないだろうし……埋めるか」

 

 

俺は一足先に来てチキっているであろう人のためにこのうさ耳を埋めることを決意した。こんな方法で来られても箒は嬉しくないだろうしな!!

 

 

「ちょちょちょ、いっくん、いっくんてば!!」

 

「……わざと気配を垂れ流しにしてビクビク震えて隠れていたウサギが何の用です?」

 

「いっくん辛辣ゥ!?……私だってタイミング逃しちゃっただけだって!!」

 

 

箒が歩いて行った道の角からひょこっと出てきた束さん。少し体が震えている。おそらく箒の前に出て行こうとしたのだろうが、怖かったんだろう。ちなみに服は懐かしのアリス服だ。姉さんに会うことも考慮したのか?

 

 

「はぁ……かの天災があわやヘタレだったなんて……まあそれが分かったからこうやって手伝ってあげているわけなんですけども」

 

「それについてはすごく感謝してるよ。お礼に今度白式の拡張領域を増やしてあげる〜!!」

 

「えっ……マジ?それはありがたい」

 

「まぁ、開いたその分『零落白夜』の機能拡張に持っていかれるだろうから意味ないと思うけどね!!アハハっ〜んぎゃ!?」

 

「このクソウサギ……脳みそひきづり出すぞ?」

 

「んにゃ〜!!いっくん頭痛い!!流石の束さんでもこれは流石に……おっふ」

 

 

カラカラと笑い出した束さん……もといクソウサギをアイアンクローで沈める。

 

 

「白式、今の話はマジか?」

 

『ん〜、頑張れば出来るだろうけど……そうすると62%の確率で零落白夜に異常が発生するかも。エネルギーが逆流するとか?』

 

 

確率めっちゃたけぇ……ていうか代償が恐ろしすぎるな。

 

 

「そういえばいっくんて……なんでコア人格と会話出来るの?」

 

「愛ですね」

 

「何故そこで愛ッ!?」

 

「冗談ですよ。俺が化け物だからじゃないんですか?」

 

『え〜冗談なの〜?』

 

 

俺が冗談を交えながら和やかに言っても、束さんは発言に気づき体を硬直させた。

 

 

「……ちーちゃんにも言ってるの?」

 

「いいえ?言っても意味がないですし、別に気にしてないですし」

 

「いつから……」

 

「ん?」

 

「いつから知ってたの!!」

 

 

束さんが珍しく狼狽し、焦った声で喋る。

 

 

「うーん……秘密です。解き明かしてみてくださいよ、天災でしょう?」

 

「……分かった。ちーちゃんには言わない」

 

 

珍しく束さんがしおらしい。

 

 

「よろしい。あっ、ボスは知ってるんで悪しからず」

 

「いっくんはもう少し事の重大さを自覚したほうがいいと思うだけど……まあいいか、いっくんだし。じゃあ……今日からよろしくお願いします。いっくん」

 

 

すごく失礼なことを言われた気がするが気のせいだろう。

 

 

「はい。殺してでも仲直りさせてやるから任せてください。化け物と世界最強がついてるんです。大船に乗ったつもりでいてください」

 

「いっくんがこの上なく頼もしい……」

 

 

束さんの目がキラキラしてる。……やっぱ、ちゃんとした人だなぁ。俺とは違って。

今後の進行における重要事項『アンケート結果がそのまま反映されるわけではありません。あくまで参考にさせて戴きます』

  • 凍結し、リメイクのみを制作、順次更新
  • リメイク版無しでこのまま継続
  • リメイク版ありで両方継続
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