48話
「んじゃ、いっくん任せたよ!!束さんも詳しいことは知らないからできれば教えて欲しいけどね♪」
「知らないほうが身のためですよ?」
「束さん本当に何されちゃうのかなぁ!?」
「ハハッ……これもちゃんと考えての行動なんでまあ許してくださいな」
さっきから俺に発言に驚いてはビックンビックンしてるの面白いな。
「むぅ……ホントに頼りにしてるからね〜」
シュバッと束さんが去っていった。……わざわざそんなことしなくてもいいと思うんだが……
「一夏さん?何をしていらっしゃるのですか?」
「セシリアか。いや、こういう縁側って旅館にしかないから珍しいな〜と思ってな」
前言撤回。さすがは束さん、気配遮断も完璧だ。
「なるほど……わたくしには、日本の『旅館』というものが初めてですので、全てが珍しく感じますわ」
「確かに……まっ、せっかくの自由時間だ。好きに楽しめばいいさ」
「そうですわね!!……差し当たっては一夏さん、お願いがございまして」
逆に日本が特徴的すぎる部分もあると思うけど、まぁ文化だからな。
「どうしたんだ、そんなに改まって?」
「いえ……そのぉ……後ほど、サンオイルを塗っていただきたくて……よろしいですか?」
恥ずかしそうに言うセシリア。だが……1回目の記憶が邪魔をする。
「うッ……それは……」
そういえばそんなことあったな……今回は流石に断ろう。このアプローチは流石にキツイぞ?
「遠慮しとくよ。ただでさえ、男一人だからな。視線がキツイ……」
「そ、そうですわよね……申し訳ありません」
「いや、こちらこそすまんな。あっ、でも水着は楽しみにしてるぜ」
「えッ……ふふ、はい!!では一夏さん、失礼しますわ!!」
そうしてセシリアは機嫌良さそうに更衣室へ向かった。……やっぱ俺、女性の扱い方を学んだほうがいいかもしれない。姉御の部下に女性関係で強い人いないかな……
「さて……俺も着替えて準備しに行くかな。明日のために場所とかシチュとか考えとかないと……俺は俺で武装のテストがあるから忙しいしな」
まぁ、もしも『銀の福音』が来ても束さんはマークしてあるし、今回はモノクローム・アバターも護衛に来ている。戦力的には問題ないだろう。正直、今の俺ならば白式でも勝てるが……無闇に力を晒すわけにもいかない。ほんとにやばい時は、箒には悪いけど束さんも連れてこよう。
〜海〜
やはり目の毒だと思う。真夏の海で100人以上いる生徒の中でただ一人の男である俺。そして、以前から思っていたがレベルの高い女子たちがほぼ生徒全員……やはりIS学園は魔境だったのか(今更)
そして忘れてはいけない本来の俺の任務。IS学園に潜入(入学)し情報を亡国に流す事。ならば……亡国(にいる男性諸君)のために、学園の生徒の様子も写真に収めておくべきではなかろうか……?
ドシュ……
「いでッ!?……銃弾?」
右胸に当たったのは実銃の弾。大きさ的に拳銃だろう。辺りを見回すと、ライフセイバーみたいな格好をしたマドカが海から顔を出している。え……お前そこにいるの?てかなんで撃ってきたの?
『邪念を感じたよお兄ちゃん』
「コイツ……脳内に直接ッ!?……ああ、秘匿回線か。白式だな?」
『うん。ユニ子ちゃんが居ないからね』
『今回はしっかり護衛するから任せてねお兄ちゃん!!』
「おう、頼もしいよ。オータムと姉御にもよろしく言っておいてくれ」
『了解。それじゃ〜。あっ、ダメだからね?』
ズブブと潜行していくマドカを見送り、俺は歩き出す。何もないことが一番だけどな。……それにしてもマジか〜、言い値で取引するつもりだったんだけどなぁ……
「にしても、俺の体はちゃんと隠れてるのか?」
『私から見た感じだと大丈夫そうだけど……一夏も『瞳』で見ればいいじゃない?』
「どこで誰が監視してるか分からないからな。むやみに『越界の瞳』は使えんよ」
俺の体は、投薬とかナノマシンを入れたりするのに施術で体の縫い跡が痛々しいからラッシュガードで隠している。この前のフェンリルに抉られた横腹も、傷はないが傷跡はまだあるからな。年頃の女子陣には目の毒だろう。ISスーツを着ればいいと思ってたんだが……
『塩水で濡れたISスーツごと体を包むの嫌だからね!?』
という白式の意見を汲んでちゃんと水着に着替えた。なんでだよ……必要だったら機体ごと海に入るのにな。
「一夏〜」
「ん……?おう、鈴か」
「アンタ遅いわよ。もうみんな集合してんの。早く行きましょ?」
「わざわざ待ってくれてんの?そりゃ、早くいかねぇとな。……そういえば、箒はどうしてる?」
「箒?あの子は……着替えるまでは不機嫌そうな顔だったけど、私が『一夏にその水着着てそんな顔で会う気?』って聞いたら真っ赤になって、タオルケット被ってどっかいっちゃったわよ?」
「……元気そうで何よりだ」
コイツ、悪魔か?ていうか、それを俺に言っちゃいけねぇだろ……
「あら、一夏はもうみんなの気持ちに気付いてるでしょ?だからいいの。知ってようが知っていまいが、どうするかは結局一夏次第なんだし」
「……そうだな。ありがとな」
「ふふ、襲っちゃダメよ?」
「なッ……バカ言うな」
最近は鈴にペースを崩されてばかりだ。
「それにしても一夏、ISスーツ越しでも見えてたけど、筋肉すごいわね……」
「そうか?…まあ鍛えたからな」
死ぬ思いを何回もしてな。なんでISなしでISからの銃撃を避け続けなきゃいけねぇんだよ(遠い目)
「あっ、見えてきたわよ」
「おおー、確かに全員揃ってる。これは待たせて申し訳ないな」
「そう思うんだったらさっさと遊びましょ。明日はどうせ個別でやる事違うんだから」
「だな。……あのバスタオルの妖怪みたいなのはなんだ?」
「妖怪……あぁ、あの子まだあの格好だったのね」
俺の視線の先には、その全容がタオルで隠れて見えない謎の物体がいた。時よりもぞもぞと動いている。息苦しいのだろうか……?(すっとぼけ)
「あっ、一夏〜ちょっと来て〜!!」
「ほら、行って来なさい。あたしは準備運動しとくから」
「あ、あぁ……」
シャルロットに呼び出された俺は少し小走りでそこに向かう。
「ほらラウラ。一夏来たよ?」
「くっ……どうせ笑われるのは分かっている……だったら……だったら!!」
「もう……大丈夫だって。ほら、この前も言ってたじゃない?どうなりたいの?」
「ッ!?……そうだな。感謝するシャルロット」
ボソボソと何か聞こえるが聞こえない聞こえない。決して耳がよすぎて内容が丸聞こえな訳がないだろう?
「私はッ!!兄様が誇れるラウラ・ボーデヴィッヒでありたいッ!!」
バサッ!!っとバスタオルを脱ぎ捨て、露わになったのは、髪をツインテールのように括り、黒の水着を来たラウラの姿。
発言の内容からも分かる通り……ていうか、聞いてる身としては少し小っ恥ずかしいが……
ドシュッ……
「ぐふッ……おお、ラウラ、水着似合ってるじゃないか。可愛いと思うぞ?」
「可愛ッ!?わ、わわわ……私が……可愛いッ!?……うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「逃げたッ!?」
マドカに銃撃されながらもラウラの水着を褒めたところ……顔を真っ赤にして逃げられた。……ま、まぁ、こういうことを言われ慣れてないし、耐性もないしな。仕方ないね。そしてマドカよ……あまり人を撃つでない……
『ニイサマ……?お兄ちゃん、後で説明ね』
……うっす。
「…………」ムスッ
「……ど、どうしたシャルロット?」
「僕は?」
「……ラファールのオレンジに合わせた感じか?めっちゃ似合ってる。すっげぇ可愛い」
「……改めて言われるとすごく恥ずかしいね。ラウラの気持ちも少し分かるかも」
「お、おう……」
気まずいッ!!鈴さん早く助け……いないだとぅ!?どこに行きやがったアイツ……あ、もう遊びに行ってやがる。アレは……ティナ・ハミルトンか。
「飲み物を買ってこようと思うけどなんかいるか?」
「えっ!?……ああ、うん。それじゃあ……紅茶で」
「……今は午前だぜ?」
「……?」
「いや、なんでもない。んじゃちょっと行ってくる」
……ネタが通じなかった。アレじゃない紅茶って自販機に売ってたかな?
そんなことを考えながら少し歩き、自販機に到着すると見知った水色の髪の少女がいた。
「あれ、簪さん?」
「ふぇ……い、一夏!?な、何してるのこんなところで!!」
「いや、飲み物を買いにきただけなんだけど……ん、簪さん、水着すごい似合ってるぜ」
「ファ!?」
俺が話しかけると、目に見えて驚きの声を上げる簪さん。……ああ、もともと内気な少女だったなそういえば。恥ずかしいのか。
「うぅ……すごく恥ずかしい。見せるつもりなかったのに」
「まあまあ減るもんじゃないしな?……そういえば、何買うつもりだったんだ?」
「うん?えーと、ドクペ」
「ここに売ってのか……マジか、あるじゃん。俺も買おうっと」
小銭を多めに入れて、ドクペ2本と紅茶を1本買った。
「はいよ」
「え……あ、ありがとう一夏。あ、お金……」
「いいってこれくらい。この前のトーナメントで世話になったしな」
「そう言うことなら……」
「んじゃ、簪さんも海楽しめよ〜」
「あ……うん。また後で」
「おう」
こういうのは勢いで押し切ったら勝ちなんだ。感謝してるのは本当だしな。さて、戻るか。
来た道を戻ること数分。
「ほい」
「ひゃ!?……一夏?」
座ってたシャルロットの首筋にペットボトルを当てる。『つめた〜い』だからな。効くだろう?
「ははっ……紅茶、買ってきたぞ」
「ありがとう……お金は……今の悪戯分奢りってことで」
「かまわんよ」
むすっとした顔だが、それではただ可愛いだけだ。
「んじゃ、俺は行くよ。ちょっと用事があるからな」
「僕もついて行っていい?」
「いんや、織斑先生からの頼み事だからな。最悪俺にとばっちりが来る」
「ああ……頑張ってね一夏」
「おう。昼飯までには戻るさ」
シャルロットと少し話して俺はまた歩き出す。箒と束さんが話し合うにベストマッチな場所を探さないといけないな。そんでもって明日にゃ話させる。
「あ、織斑くーん。ビーチバレーしない?」
遠くから話しかけてきたのは、かの7月のサマーデビルさん。相変わらず名前の意味がわからん。
「すまん。織斑先生からちょっと頼まれててな。午後も自由時間だしそこでやろうぜ!」
「やった!約束だよ〜!!」
周りの女子もキラキラしてるな。……海を舐めてた、すまんな海。
『モテる男共は許さん』
ッ!?……気のせいか……?とんでもない憎しみの波動が……
ま、まあそんなことは置いておいて、入江の方まで歩いた俺は、あまりいい場所がなかったことに落胆して来た道を戻ろうかと方向を変えようとした。
『一夏〜、なんかあっちの方に空間があるよ?』
「あっち……?いや特にそんな場所は……うわ、なんだここ」
白式の言葉で少し奥まで来た俺は、洞窟みたいになっているが、暗いわけでもなく海水が中に入ってきて反射で当たりを照らしているとても綺麗な場所を見つけた。
「……綺麗だな。……ここにしよう」
即決だった。こういう雰囲気の場所なら多少は箒も束さんの話を聞くかもしれない。アイツ、結構ムードとか気にするタイプだし。
「あとは……なんとかして箒をここに幽閉……誘き出さないといけないんだけど……ああ、姉さんに頼めばいいか」
困ったときの世界最強。流石の箒でも姉さんの言葉を無視したりしないだろう。
「よし!プランも固まったし、戻るか。白式、今何時だ?」
『11字53分分。集合時間5分前まであと2分てところかな?』
「なにッ!?……ヤッベ!!」
その瞬間、俺は風になった。1秒でも遅れたら姉さんに殺される!!
今後の進行における重要事項『アンケート結果がそのまま反映されるわけではありません。あくまで参考にさせて戴きます』
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凍結し、リメイクのみを制作、順次更新
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リメイク版無しでこのまま継続
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リメイク版ありで両方継続
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