あの日の戦友たちは今敵となる   作:ゼノアplus+

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麗しき夏 血に染めて
サラ・ウェルキン、亡国にて


57話

 

 

「くっ……ッ!!」

 

 

私の名前はサラ・ウェルキン。元イギリスの代表候補生よ。何で元、かですって?この前辞任したの。

 

やっと訪れた夏休み。クラスメイトは家に帰るとかなんとか言ってたけど、私は違うわ。今私がいる場所はかの国際的なテロリスト『亡国企業』の本部よ。少し前に正式に亡国企業の一員になった私は、念願の専用機を受け取って今までずっと完熟訓練をしているの。でも、ちょっと今はまずいのよねぇ……

 

 

「どうした!!その程度の機動でこれから世界とやりあおうってのかテメエらッ!!戦闘領域に入った瞬間コアごと撃墜されたいのか!!」

 

「「「「「「申し訳ありません教官!!」」」」」」

 

「謝罪などいらん!!罰としてさらに数を増やす。次は3ダースだッ!!」

 

 

また増えたッ!?ああもう!!さっきから精一杯だってのに!!

 

ああごめんなさい。今さっき言った訓練の途中なの。他にも複数人いるのだけれどその中に混じって一緒にやってるのよ。今私達を指導してくれてる教官様曰く、「何人居てもそんなに変わらないからいい」との事。これでも一応IS乗りとしては優秀だという自負があったから少しイラッときたわ…でも、

 

 

「きゃあ!!」

 

「1機落ちたぞ、すぐに陣形を立て直せ!!できなければ敵の集中砲火を浴びて死ぬだけだ!!」

 

「「「「「はい!!」」」」」

 

 

12対1で一撃も被弾する事なく残り5機まで減らすほど実力が高いのよね。はぁ……少し自信無くしちゃうわ。

 

 

「3番、11番、は後方支援。弾幕で近づけさせないようにしなさい!!5番と8番は私と一緒に肉薄よ!!」

 

「「「「了解しました隊長!!」」」」

 

 

ちなみに私はこの中で唯一の専用機持ちという事で隊長役を今回やってるわ。イギリスの軍でもここまで本格的な訓練はしたことがない……いえ、ISの所有数の関係で出来ないからいい経験になる。

 

 

「良い戦術だ。私じゃなければな」

 

「なっ……そんなのあり?」

 

「戦場になしは無い」

 

 

うへぇ……詰んだぁ……

 

いつのまにか私の目の前には教官様の銃口が。他の4人もBT兵器に囲まれて動けないでいるようね。

 

 

「そこまで。勝者はSだ」

 

 

審判として、広大な訓練場で拡声器を使って声を掛けてきたのは私のライバル、織斑マドカ。おっと……ここではMだったわね。そして、彼女の宣言したSという名前。私達の教官役を務めてるのがかの有名な織斑一夏。世界でたった1人の男性操縦者だ。

 

 

「総評を伝える」

 

「「「「「「ッ」」」」」」

 

 

隊長役の私を端にして一列に並んだ私達は、未だ『ユニコーン』という純白のISを纏ったままのSの厳かな雰囲気の言葉を待つ。表情が見えないのがいつにもまして怖いわね……

 

 

「……及第点だ。オールレンジ攻撃を可能とするファンネルの対応はまだまだだが、即席とはいえ連携をもしっかり出来ていただろう。ふむ……12番機」

 

「はっ」

 

「何故隊を離れた?」

 

「後方支援をメインに動く4機にファンネルの攻撃が集中していました。あえて1人だけ突出する事で敵機を引き剥がすことが最優先と判断しました」

 

 

無断の現場判断とはいえ、正直私も良い案だと思ったわ。イギリスでセシリアの相手にした時、自分の機体を不規則で動かす事であの子の気を逸らしたもの。ファンネルだって集中力は必要だから判断としては間違っていないと思う。

 

 

「なるほど、一理ある。現時点、表向きBT兵器適性が最も高いのはセシリア・オルコット代表候補生だ。彼女は6機のBT兵器を停止しなければ操作できない。それを鑑みれば良い判断だ」

 

「ありがとうございます!!」

 

「だが、独断というのが不味かったな。隊長の練度不足もあるが、貴様のせいで指揮系統が乱れたことも事実だ。励めよ」

 

「はっ!!」

 

 

今地味に私の練度不足とか言われたわね……まあ隊長なんてやった事がないから当たり前なのだけれど。

 

 

「よし、では次11番だが……」

 

 

そう……彼は毎日、1人ずつの評価を公開して伝える。戦闘行動中に1人1人の行動を見て審査しているのも十分アレだけど、こういうところはIS学園で聞いていた彼の評判とは違う。マメすぎるというかなんというか……いや、褒めてるのよ?

 

順番的に私の総評が最後になった。ただ、いつも内容が似通ってるのよねぇ……

 

 

「では、最後に隊長」

 

「はっ」

 

「12機を擁する部隊の指揮にしてはよく出来ている。空間把握能力もなかなかに高い事も幸いしているな。まだまだ時間はあるが、指揮と戦闘を完璧に両立できるようこれからも精進しろ」

 

「了解しました!!」

 

 

そう、空間把握能力が高い。本当は、適性が低くともBT兵器を扱えるようになるために努力していたのだけれど、まさか部隊の指揮で役に立つとは思ってなかったわ。Sはそれを毎度の事に言うけど、正直に少し皮肉に聞こえる。だって、Sが操縦するユニコーンにはBT兵器と原理が似通ったファンネルって言う武装が156機搭載されていて、彼は当たり前のように全てを使うもの。

 

 

「これで今日の訓練を終了する。ISを用いて訓練場の整備を終えた後、各々で自身支度を整え次第解散だ」

 

「「「「「「ありがとうございました!!」」」」」」

 

「そうだ、自主練を行うのは自由だが休憩はしっかり取るように。それと隊長は後で私の部屋に来てくれ」

 

「了解です教官」

 

 

そう言ってSは、Mと一緒に去って行った。だけど腕を組んで歩くのはどうかと思う。話だと実の兄妹って聞いてるから悪くはないのだけどね。

 

 

「はい、じゃあ自主練する人〜?」

 

 

私が聞くと、人ほど手を上げた。熱心ね……

 

 

「了解。でも教官の言う通りちゃんと休憩しなさいよ?」

 

「分かってますよ〜」

 

「じゃあ私達はお先に」

 

「う〜ん……見るだけにしようかな?」

 

 

確か日本のことわざに女3人よれば……ってあるけど、本当に姦しいわね。私も女だけど。

 

そういえば言ってなかったわね。ここにいる11人は全て未成年で構成されている。なんでも、ずっと前から孤児として亡国企業に引き取られて過ごしていた子達が恩を返したいと言って参加しているそうよ。もちろん表向きはPhantom corporationのバイトとしての身分があるそうだから裏が潰れた時のバックアップは完璧らしい。……ホワイト企業すぎてびっくりよ。テロリストなのにね。

 

 

「んじゃ、私は行くわね。彼に呼ばれてるから」

 

「はーい。お疲れ様です隊長。と、こ、ろ、で、教官と逢引ですか〜?」

 

「いや、正直彼は無いわね」

 

「「「え〜面白く無いな〜」」」

 

「面白がらないの」

 

 

操縦者同士の仲も良いというもイギリスにいた頃と違うわね……Sは情が湧くから仲良くしないほうがいいと言ってたけど。

 

そしてシャワーを浴びて身支度を整えた私は、私服でSの部屋に向かったわ。

 

 

「サラ・ウェルキン、到着しました」

 

 

ノックをして返事を待つ。少し物音がした後、扉が開いた。

 

 

「ようこそ先輩。どうぞ」

 

「ええ、失礼するわね」

 

 

プライベートな時は彼……一夏君が敬語で私が普通に喋っている。日本人らしいのよね。IS学園には通ったままだから立場的には正しいのだけれど。

 

 

「おーい、一夏。煎餅はもう無いのか?」

 

「食い過ぎなんだよレイン。太るぞ?」

 

「んなっ……私は栄養が胸にいくからいいんだよ!!セクハラで訴えんぞ」

 

「サファイア先輩が聞いたらぶん殴りそうだな……いくとこまで行ったんだから今更だろうが、誰のせいだか知らんけど」

 

「んにゃ!?……それはずるいだろてめぇ」

 

 

部屋に入った瞬間に、学年とかそういうものを超えた会話が聞こえた気がしたけどまあ気のせいよね。ええ、きっとそう。

 

 

「マドカ、レイン、席を開けてくれ。ウェルキン先輩が座る」

 

「分かった」

 

「お、来たのかウェルキン」

 

「ええ、ありがとう」

 

 

何故か元々一夏君の部屋にいたマドカとダリル先輩改め、レイン先輩はベッドの上で私の分の椅子を譲ってくれた。ちなみにマドカは二段ベッドの上に登ってレイン先輩は下だ。

 

 

「そういえば一夏君、何のようかしら?」

 

「ああそうだった。えっとですね……異動命令書をスコールの姉貴から配ってくれって頼まれまして。どうせならと思って今空いている面子を呼びました。あ、お茶をどうぞ」

 

「あら、ありがとう」

 

 

一夏君が淹れる紅茶はすごく美味しいから嬉しいわ。前にセシリアのメイドさんの紅茶も飲んだけどそれに匹敵するくらい。

 

 

「ええ、では読みます。

 

【モノクローム・アバター】

 

隊長:S

副隊長:M

隊員:C(サラ・ウェルキン)、K(クロエ・クロニクル)、レイ

 

【フォールン・ワールド】

 

隊長:スコール・ミューゼル

副隊長オータム

隊員、レイン・ミューゼル、R(篠ノ之・束)

 

 

だそうです」

 

「質問いいかしら」

 

「どうぞ」

 

 

内容は分かったけど、ちょっと流石に無視できない部分があったわね。

 

 

「私、イニシャルはSなのだけれど……」

 

「ああ、俺がSなんで」

 

「軽いわね!?」

 

「ふっ……その程度でいちいち怒っているとそこが知れるぞ?」

 

「何か言ったマドカ?」

 

 

この子……いちいち突っかかってくるわね。それでも気が合うから憎めないのよね。

 

 

「へぇ、俺はスコール叔母さんのところか。でもオータムが副隊長っていうのがなぁ〜」

 

「束さんいるから十分だろレイン」

 

「そこを言われたらそうだけどさ……まいっか」

 

 

レイン先輩が亡国企業なのは意外だったわ。でも、フォルテは違うって面倒くさいわね。2人揃って『イージス』とか言われてるのに。

 

 

「これからよろしくね、隊長さん?」

 

「よろしく兄さん」

 

「ああ、よろしく頼む」

 

「うへぇ……私場違いじゃねえかよ」

 

 

1人だけ部隊違うもんね。それにしても……

 

 

「ねえ隊長。クロエって子はいないの?」

 

「ん?ああ、クロニクルなら……」

 

「ここに居ますよ」

 

「「「えっ!?」」」

 

 

私達以外の声が突然聞こえたと思ったら、座ってる一夏君の膝の上に銀髪の子が現れた……もしかしてこの子がクロエ・クロニクル。

 

 

「クロエ・クロニクルと申します。これからよろしくお願いします、サラ・ウェルキン様」

 

「え、えぇ……よろしくね?」

 

「びびったぁ……」

 

「クロエ、そこを退け。私が座る」

 

「嫌です。そしていっくん様も嫌がってません」

 

「あぁー……うん、まあいいか」

 

「兄さん!?」

 

 

なんか不思議な子ね……突然現れたり一夏君に懐いてたり……様付だったり……

 

 

「…………」

 

「ク、クロニクル?」

 

「クロエとお呼びください、いっくん様。せっかく同じ部隊になったのですから、よそよそしいですよ?」

 

「……分かったよクロエ。うん、ちゃんと自分が出せるようになって何よりだ」

 

 

そう言って一夏君はお母さんのような顔でクロエの頭を撫で始めた。そういえば、さっきの、どういう原理なのかしら?

 

 

「ああそうだった。補足しておきますけど、今のはクロエのIS『黒鍵』の能力で大気を操作して幻影を見せることができます。今回してたのはクロエを透過させた光景を作っていたという事です」

 

「へぇ〜便利な能力ね。もしかしてISを使っても分からない?」

 

「はい、私の『黒鍵』は対IS用と言っても過言ではありません。一部例外はありますが……」

 

 

クロエはそう言って少し不機嫌そうに一夏君の方を見た。そういえば、一夏君は気付いてたっぽいわね。

 

 

「あぁー……俺って結構人体改造をしてまして……そのうちの一つがこの『越界の瞳』です。ISを展開してなくても使える擬似ハイパーセンサーと言ったところですかね。これでファンネル操作の補助もしてます」

 

 

……あらあら、確かに一夏君って歳不相応な体付きをしてると思ったけどそんな事実が。セシリアが知ったら卒倒するでしょうね。

 

 

「この部隊、結構色物多いわね」

 

「人のことは言えないぞサラ。お前もなかなかだ」

 

「どこらへんがよ……適当言わないでちょうだい!?」

 

「いや、わりと涼しい顔して兄さんの訓練に順応していってるのはヤバい。私達のようにどこかしら肉体を強化してるわけじゃ無いのにそれはヤバい。ちょっと今から模擬戦しない?」

 

「しないわよ……さっき訓練してきたばっかりなんだから」

 

 

まぁ……一夏君の訓練メニューなら丁度いいくらいかしらね。私の初めての専用機も、恐ろしいくらい私にフィットしてるし。

 

 

「はは、頼もしいですよ……ああ、訓練内容によっては今日のメンツから何人かウチの部隊に来るかもなんでその時は仲を取り持つの任せますよ先輩」

 

「あら……意外と貧乏くじかしらね……」

 

「ちなみに給料はこれくらいです」

 

「…………いや…え?ホントに?」

 

 

桁が……桁がおかしいわ……ウソでしょ?まともに出動もしてないのにこんなに入るの……?イギリスなんて【自主規制】じゃない。

 

 

「大人しく受け取っとけサラ。私も初めての時は思わず叔母さんのところに聞きに行ったくらいだ……」

 

「俺も……こっそり新しい口座を作りましたよ……流石にこの大金は普通の口座に入れるのは無理でした。姉さんに絶対バレるし……」

 

「……?現金で持っておけばいいのに。2人とも何を悩んでるんだ?」

 

「それはマドカが可笑しいだけですよ。ちなみに私は束様に差し上げました。使う事がありませんので……何故だか、同情するような目で見られた後何かをなさってましたが」

 

 

それ絶対偽造口座作ってるわよクロエ。だってあの篠ノ之博士ですもの……いや、博士にそんな顔させたクロエもなかなかの大物ね。

 

 

「束さん苦労してんなぁ……まあいいや、あの人のことだし。あ……ウェルキン先輩、面白いものあるんですけど見ます?」

 

「んー?なになに〜……プフッ……なにこれ……ふふっ……」

 

 

こ、これはダメでしょ一夏君。面白すぎるわ……

 

一夏君が携帯の画面を見せてきたと同時に、私は吹き出してしまった。紅茶を口に含んでなかったのが幸いだったわ……だって、【真っ白に燃え尽きた篠ノ之博士がウサミミ型カチューシャを遂にかじり出した】写真とかどんな状況よ!!

 

 

「あっははははは!!これは卑怯よ……一夏君……」

 

「あれか……あの時の博士は……うん、兄さんがど外道だった」トオイメ

 

「いやこれどんな状況だよ……チラッと映ってるけどレイさんも相当な顔してるぞ」

 

「……私にも責任の一部があるので何も言えません」

 

「詳しくは言えないけど、まぁ……いろいろあったんだよ。ハハッ、あれは酷かったな。やらせたの俺だけどさ」

 

 

私がツボり、織斑兄妹が遠くを見つめ、クロエの目(閉じてるけど)からハイライトが消え(てるような雰囲気)、レイン先輩はドン引きしている。明らかに誰が見てもカオスだった。

 

 

「勝手に入るぞお前ら。準備が出来たから呼びに……ってなんだこれ?……もうちょい後にするか。スコールに言っとかないと」

 

 

突然部屋に入ってきた……えっと、オータムさん?も何やら引き気味だったけど、ツボに入って笑いっぱなしの私には関係の無いことね。……誰か私を止めて〜。

 

 

 

 

〜30分後〜

 

 

 

 

「「「「「「サラさん、亡国企業へようこそ〜!!」」」」」」

 

「……そういうことだったのね」

 

 

あれから、なんとかして落ち着いた私達は部屋の片付けをしてオータムさんの案内の元、少し大きめの部屋に向かったわ。そこで私と一夏君だけ待たされて、少し経って中に入ったらクラッカーの音が鳴り響いた。直前まで何か分からなかったから言葉とは裏腹にすごい驚いてるわ。歓迎会ってされたことないから新鮮ね。

 

 

「はい、というわけでサラ・ウェルキンさんの登場で〜す!!」

 

「「「「「「イエーイ!!」」」」」」

 

 

一夏君の音頭で、さらにテンションを上げている何人か。えっと、マドカ、レイン先輩、オータムさん、IS研究所のレイ所長、篠ノ之博士、後はいつも一緒に訓練してる子達。結構多いわね。その他にも、スコールさんやクロエ、なんとまさかのボスまで参加してるわ。後私の専用機開発に関わってくれた人達も。ちょっとしたパーティーね。ネタなのかは分からないけど、ボスが首から『今日は無礼講』って書いてあるカードを下げてるのは笑っていいのかしら……

 

 

「じゃあ主役のウェルキン先輩から一言頂きましょう!!はいどうぞ先輩!!」

 

「え!?ちょっと一夏君!!私何も考えて無いんだけど……」

 

「なんでもいいんですよ。ノリで」

 

 

ふぇ……みんな私を見てるわ……恥ずかしい……うーん……そうねぇ……

 

 

「ご、ご紹介に預かりましたサラ・ウェルキンです!!えっと……きゅ、給料以上の働きをしてみせるわー!!」

 

「「「「「「うおーーーーー!!!!」」」」」」

 

「「「「「「ひゅーひゅー!!」」」」」」

 

 

お、思ってた以上にウケたわ……ホントにノリでいいのね……

 

 

「オッケーイ!!じゃあテメエら!!今日は呑むぞー!!」

 

「「「「「「イエェェェェェェイ!!!!」」」」」」

 

「ボスゥ!!景気付けに一杯オナシャアス!!」

 

「「「「「「ボスゥゥゥゥゥ!!」」」」」」

 

「ふっ……そこで私に降るか一夏。いいだろう!!私の飲みっぷりを見るがいい!!」

 

 

あ、ボス結構ノリがいいわね……普段の威厳を保ちつつこんなにノリがいいなんて……イギリスの【自主規制】で【自主規制】【自主規制】……【自しゅ……error】とは大違いだわ。

 

そしてボスは明らかにお値段のしそうなワインをボトルごとゴクゴクと……え、アレ死なない?大丈夫なの?

 

 

「…………ふっ」

 

「「「「「「うおぉぉぉおおお!!!!いい飲みっぷりだボスゥゥゥゥゥ!!!!」」」」」」

 

 

親指グッ、しながら飲み切ったボスは、結論から言えばそのまま倒れたわ。……倒れたわよ一夏君!?

 

 

「大丈夫っすよ先輩。あの人あんまり酒は強くないから」

 

「じゃあなんで飲ませたのかしら!?あれ重症よ!?」

 

「いや、あの人気絶するだけで30分くらい寝てればいつのまにか復活してますから。前の歓迎会の時もいつのまにか料理食ってましたし……慣れた方がいいですよ」

 

「そ、そう……凄い人なのね……」

 

「はい、ボスは凄い人ですよ!」

 

 

どうしよう……ここまで目の輝いた一夏君を前にして凄い(褒めてない)なんて言えないわ……うん、こういう時は……

 

 

「ねぇ一夏君。私もお酒、頂こうかしら。少しよ?」

 

「了解です。あ、レイン!!テメェは飲むなよ!!」

 

「分かってるよ!!アレ以来一回も飲んでないわ!!いちいち言うなぁ!!」

 

 

ねぇセシリア……多分、早めに亡国企業についた方がいいと思うの。ホワイト企業なのはもちろん上司も優しいしセクハラしてこないしパワハラもないし戦力的にも申し分ないし……何より篠ノ之博士もいるし!!

 

イギリスの【自主規制「もう限界です」】よりかはずっっっっといいと思うのよね!!

 

 

「サラ!!お前それだけしか飲まないのか?もっと飲めよぉ〜」

 

「ちょっマドカ待って私お酒は……あははは〜マドカっあらひろいわ〜」

 

「この人……笑い上戸か……ああもうマドカは絡まない!!酒癖の悪さはホントに姉さんに似てるんだから!!家事も料理もできるのにさぁ!!クソっ……姉さんいいところねえじゃねえかよ!!」

 

 

それからの記憶はあんまり無いわ……気づけば朝だったし、いつのまにか私に与えられた部屋のベッドで寝てた。ん……?書き置き?

 

 

『束さんが良い感じに外泊届けを偽造してくれているので安心して休んでください。後、マドカが変な絡み方をしてマジですいませんでした。運んだのは俺ですけど不埒なことは何一つしてないんでご心配なく。朝起きてこの書き置きを見ると仮定して、今日と明日の訓練は休みにしたので楽しんでください。

 

ps 昨日のアレでだいぶ打ち解けたっぽいんでこれからは変に緊張しなくて良いですよ。

 

モノクローム・アバター隊長:織斑一夏』

 

 

あら……あらあらあらあら?いつのまにか色々と気を使われてたみたいね……

 

うん……今日と明日が休みなんだったら遠慮なく……

 

 

「寝ましょう……頭が痛いわ……」

 

 

二日酔いを治すことに専念しましょうか。




「マドカ……飲み過ぎだ、寝ろ。はぁ……ウェルキン先輩、マジですいません……って聞いてないなこりゃ。ファンネル」

「レイさん脱ぐな!!アンタ面倒臭いな!?」

「束さん……は、大丈夫そう。流石は究極の人類……」

「レイン……あ、寝てやがる。酒の匂いにやられたか?コイツも運ぶか。ファンネル」

「ボス……あ、復活早いっすね。はい、コイツら運んできます」

「クロエ……よし、飲んで無いな。流石にクロエにはまだ飲ませられん……慣れてなくて疲れたか?ファンネル」

「オータム〜……アイツまだ飯作ってんの?おいオータム!!もう作らなくていいぞ?え、自分の分?……料理を任せっきりですまん。今度なんか奢るわ」

「姉御は……あの、色気を振りまかないでもらえます?確信犯な酔い方でそういうのは……あー……ほっといていいか。一番タチが悪いわ……」

「コイツらそういや未成年だったわ……明日の訓練は中止でいいか。はぁ……寝てる奴ははい、ファンネル。えっとお前とお前は……はい、エチケット袋。少し離れてから吐いてな?感染る奴いるから。そっちは……あ、元々酒強いのか。飲み過ぎんなよ〜」

「研究所の人らは……あぁ、酔ったテンションで武装の設計図書いてやがる……ん?月光蝶は却下だよ。ファンネル、焼け。ハイパームテキゲーマーとかどうする気だよ……これもファンネル。目覚まし機能(織斑千冬ボイス)………………きゃ………っかだよファンネル」

「ふぅ……ひと段落ついた。よし、俺も飲も…………もう酒がない……だと?」




「ユニコーン……変なもん運ばせたり焼かせたり……ゴメンな?」

『復帰後の初セリフ……これなのマスター?暗殺◯室の◯林くらい遅いよ?』

「………マジですいません」

次に読みたいのは

  • 鈴と???(ヒロインズ監視付き)
  • 簪と???(某姉監視付き)
  • クロエと???(ラウラとばったり)
  • マドカと???(某姉はハブる)
  • 外伝 あの日あの時あの場所で戦姫達は輝く
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