天国に一番近い男は勇者である   作:じーらい

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恥ずかしながら、思いついたので単発で一つ。
ドラマ覚えてる人いるかな?クロスは設定だけになりそうです。


天国に一番近い男

 

 俺こと甘草四郎は勇者である。讃州中学の3年生だが、決して重度の中二病を患って勇者を名乗っているのではない。

 

「こんにちは! 私、こういうものです!」

 

『\大赦/』と書かれた名刺を差し出しながら名乗る変な男に『命題』を課せられた中学1年生の時以降、樹海と呼ばれる異空間に行ってはバーテックスというゲテモノから御国を守るために戦う国防仮面なのである。

 ――と、思っていた中1の頃がありました。正確には勇者絶対守らされるマンなのであると悟ったのは、一度目の戦闘が終わってからだ。

 

『勇者絶対守るマンに武器は必要ない! 必要なのはそう、Love&Peace!』

『やかましいわ!』

 

 \大赦/に渡されたスマホで変身しても武器はなく。拳で殴っても吹っ飛ばすのが精一杯、爆発四散させることはできない。初めての戦いでファイト一発突撃したものの戦果0。戦闘後に落ち込んでいた所を銀に慰められたのはいい思い出である。

 

『絶対勇者守るマンは手をかざせばバリアが張れるぞ! これで命題をクリア、バーテックスを殲滅だ!』

『メイン盾じゃねぇか! 命題をクリアする前に俺が死ぬわ!』

 

 手持ちのスマホからサイレンが鳴れば後輩三人組と樹海にダイヴ。持ちつ持たれつの末、俺は中学1年生をなんとか生き延びることができた。

 

 その2年後、3年生になった俺に再び届いた命題をクリアしつつ、今度は勇者部の仲間と一緒にバーテックスと戦った。なせば大抵なんとかなる、の精神で突撃する勇者イエロー、レッド、ピンクを死ぬ気で守りつつ、グリーンとブルーのメイン盾になるには体が幾つあっても足りませんでした。だってあいつら、深く考えずに突撃するからさぁ……ほんと、毎回滑り込み顔面セーフで守る俺の身になって、ほんと。

 

 そんなこんなでバーテックスを倒し切り、その後で合流したかつての後輩とか、\大赦/の奴との関係とか、なんやかんやあったものの俺たち勇者部は今日も元気です。

 

 ―――この時点で異常なほど慕われていなければイイハナシダナーで終わるんだよなぁ……

 

「四郎せんぱーい! あっちで一緒に遊びましょうよー!」

「四郎先輩? 友奈ちゃんもこう言っているんですし、向こうで遊びましょう?」

「わ~、しーくんモテモテだね~流石だよ~。ゆーゆ、わっしー、わたしも一緒に引っ張るよ~」

「アンタ、こんな所でも日記付けてるの? マメなのは良いけど、せっかく遊びに来たんだから遊ばないと損よ?」

「そうよ四郎。あんたも楽しんで男を上げないとねー」

「男子力って、なんか不良っぽく聞こえるよお姉ちゃん。四郎さん、皆さんも待ってますし、私も四郎さんと一緒に遊びたいですし……ダメ、ですか?」

 

 後輩たちの笑顔の何たる綺麗なことか。腕を引っ張る強さが異常に強く、有無を言わさんとばかりの力強さを秘めた瞳でなければどれ程よかったことだろう。あと風よ、自分で歩けるから押さないでくれ。夏凛と樹、見てないで止めてホント。

 

 いやね? 俺は命題をクリアしてきただけなんだよ。命題って文字通り『命を賭けた課題』なの。命題をクリアできないと即死亡。分かりやすいよね? 俺は自分が死にたくないから必死になってクリアしたわけで、自己犠牲の精神とか皆無なの。お前らを助けたくかったわけじゃ……なに? 分かっている? いやいや待て待て、何も分かってないって。お前らほんと人の話聞かないのな。

 

 もうあれだ、どっかで誰かが言っていた言葉を引用させてもらおう。

 

「なんもかんも大赦が悪い」

『《命題》甘草四郎。中学卒業までに彼女ができないと即死亡』

 

 彼女ができても死ぬ気がするんですが、それは……?

 

 

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