「居ないと認めることが第一歩。
まあ、聞けよ。
こんな生物は居ない、つまりこれはクイズではなく、なぞなぞなのさ。」
「なぞなぞも謎かけというのか?」
「おうよ。
寧ろ、クイズも謎かけっていうことを最近知った。
でだ、これの答えだが、お前、これを見た時になんて思った?」
「ん?こんな生物いる訳がない。」
「それをもっと短く言ってみ。」
「ん?こんな生物いなーい!」
「おしい、もっとツッコミを入れる感じで言ってみな。」
「んん?
……こんな生物イルカ(いるか)ー!」
『………………。』
「ねえ?」
「ん?」
「まさか、今のが…。」
「そう、恐らく正解はイルカだ。」
「そんなの解るかぁぁぁぁ!」
「まあ、なぞなぞだからね。
そんなもんさ。」
こうして俺達はパスワードを解き、ディスクを手に入れた。
皆さんは解りましたか?
では、本編へどうぞ。
「さて、それじゃ逃げようか?」
「ああ、そうすっか。」
戦いが終わり、変身を解いた神無月に俺は頷きながら答えた。
「………ところで、……どうやって?」
俺はそう言いながら、扉の外の壁に目を向ける。
先ほどの爆発の影響なのか、一向に上がる気配がない。
そもそも、入り口は固められていなかったか?
……まさか、帰り道は考えてなかったとかは、ないよな?
いやこいつ、以外と考えなしだからな~、下手したらあり得…、
「……君、今失礼なことを考えているだろ?」
「いや、まさか。
ははははは。」
…はい、考えてましたよ。
それがなんか悪いか?俺は心の中でそう思いながら見てると、あいつも俺を睨んでいる。
しばらくにらみ合いっているが、彼がため息をつきながら首を振る。
「まあ、今までの僕の行動にも問題はあったしね。
まあいいよ。
じゃあ、今準備するから、ちょっと待ってね。」
そう言って彼は左腕のコードを伸ばし、隅にあった監視カメラに向けてコードを投げた。
突き刺さったのを確認し、左腕の機械を少し弄ったあと、戻したコードを今度は壁に刺した。
そして、また左腕の機械を操作し始める。
すると、なにもなかった壁に突如扉が出現した。
唖然とする俺を尻目に、彼は扉を開け入ろうとする。
「なにをしてんだ?早く行くよ?」
「お、おう。
ん?あ、あれ?ペンが無い!」
「ん?どうかした?」
「いや、ペンを落としたみたいなんだ。」
「ペン?」
そう言いながら彼は、訝しげに俺を見る。
「ああ、大事な物なんだが…。」
俺は服の色んなところを擦るが、俺の探し物は見つからなかった。
さっき走りまわったり、プロレス技をかけまくったしな~、その時に落としたか?
あるいは、白い塊に捕まった時か?
それなら、見つけられそうだが……。
「……残念ながら、探している時間は無いよ。
もうすぐウイルスの効果が無くなる。
この扉の存在は特殊でね。
これだけは絶対に知られたくないんだ。
どうしてもと言うなら、悪いが置いて行く。」
「ん、そっか。
それは残念だ。」
まあ、命あっての物種だしな。
あれ一本でどうこうなるとも思えないし、あいつからもらった大事な物だが、諦めるしかないか。
あいつには、後で謝っておこう。
そう思いながら、扉に入って行く彼に従って、俺も扉に入って行った。
俺はこの時のことを思い出す度に、いつも後悔に駆られる。
悪の秘密結社相手に僅かでも隙をみせてしまったことを。
なんにせよ、こうして俺と奴らの最初の戦いは終わった。
だがそれは同時に、俺と神無月の真実を知るための旅の始まりでもあった。
先の見えぬ旅路。
様々な敵が待つ戦いの日々。
絶望と希望が混在する真実。
しかし、全てを知るための旅に行くことを、神無月を追うと決めた時に、無意識に選んでいたのだ。
明日は希望に満ちた日か、それとも絶望まみれの日かは、わからない。
しかし俺はその日、確かに一歩を踏み出したのだ。
そして、幕は上がった。
これにて第1章は終わりとなります。
いかがだったでしょうか?
満足いただけたら幸いです。
そして、第2章もお付き合いいただければ嬉しいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。