前にも言いましたが、怪人もライダーもまだ出ません。
待っている方いたら、すみません。
-ジリリリリリリリリリリリ-
「…うるさい。」
カチッと目指しのボタンを押しながら、俺こと睦月 好子(むつき こうし)は寝ぼけ眼を擦りながら、起き上がった。
「くぁ~~、……ん、眠いぞ、チクショウ。」
そんなことを呟きながら、俺はポット型の湯沸し器にスイッチを入れ、顔や歯を磨きに洗面所に向かう。
歯磨き、髭反りなどの諸々のことを終わらせて戻ると、丁度湯が沸いたので、俺は昨日炊いといたご飯をよそいつつ、カップの味噌汁を用意。
「うーん、やっぱり無難に豆腐か?
…いや、油揚げも捨てがたい。
…ん~、どっちにすっかな?悩む。」
……どっちも豆腐だろ?なんていう突っ込みは受け付けない。
突っ込みは受け付けない。
大事なことだから2回言った。
「こういう小さなことの変化って大事だよな、きっと。」
そんなことを言いながら、一人でうんうんっと頷いた。
……寂しい奴とか言うな、一人暮らしが長いと独り言も多くなるんだよ、ちくしょいめ。
世のカップル共なんて爆発してしまえば良いんだ(泣)
等と一人小芝居をしながら自爆した俺は、豆腐のカップ味噌汁を開け、お湯を注ぎながら一人涙を流した。
……今日の味噌汁は、塩分が多そうだな。
「いただきます!
ふー、ふー、……アチチ、今日はやけに熱いな、まったく。
モゴモゴ、ふぇーと、ひょうのヒューフふぁ、っほ。(訳えーと、今日のニュースは、っと。)」
そう言いながら俺は、ご飯を食べながら、机の上に置いた端末を操作すると、
-ブゥーン-
という音と共に、新聞の記事が、俺の目の前に立体的に写し出される。
それを味噌汁をすすりながら、空いた手でスクロールさせて読んでいく。
ちなみに、食べながら記事をいじくるのは行儀が悪いので、良い子のみんなは、食べる時はちゃんと食べることに集中しなきゃ駄目だぞ?
俺みたいに悪い大人の真似しちゃ駄目なんだぜ!
「…うーん、また子供が親を殺した事件か。
嫌な世の中になったもんだね~、まったく。」
そんなことを呟きながら、味噌汁をすする。
他人事の様に言っているが、こういうのはやはり一人、一人が当事者意識を持って考えないと駄目だよな。
特に俺自身の夢にも関わってくる話題だしな。っと、そんなことを考えていると、
-ピピピピピピピピピピ-
と、携帯のアラームが鳴る。
「ん?おわ、やべ!!
もうこんな時間じゃねえか!?」
そう言いながら、ご飯茶碗に味噌汁を流し込むと、一気に掻き込んだ。
「…ふぅ、ごちそうさまでした!
良し、急いで準備しなきゃ。
今の時間なら、まだ電車に間に合う!」
そう言いながら俺は素早く着替えると、荷物を持って部屋を飛び出した。
階段をなるべくゆっくりと降りるが、築29年のボロアパートの階段がミシミシ音をたてる。
うぅ、大家さんにいつも「静かに降りなさい!!」と怒られるんだけど、これはどう考えてもアパートの問題だよな~。
まあ、部屋は狭いし風呂無しだけど、便所と洗面所はあるし、家賃は198に丸2つだけだから、貧乏学生の俺には助かるんだけどねぇ~。
ちなみに、別に曰く付きとかじゃないよ?念のため。
そう、たまに壁に影ができたり、染みが移動したり、物音がしたり、お札が四隅に貼っていたりするけど、曰く付きじゃないよ?
大事だから2回言った!
そんなことを思いながら俺は、駅まで駆けていく。
もうすぐ駅というところで、電車が向こうからやってくるのが見えた。
くっ、普段普通に来ると2、3分は遅れて来る癖に、ギリギリだとほぼ定時に来るんだもんな、どちきしょうめ!
そんなことを思いながら加速し、素早くPASMOを取りだし、改札にかざして、階段を駆け上ろうとした、その瞬間
-ピンポーン-
と共に改札の扉が閉まる。
疑問に思いながら横を見ると、
『残金98円、チャージしてください。』
との文字が浮かんでいた。
「ギャー!チャージし忘れてた~!!」
慌て切符売り場でチャージをし、急いでホームに向かうが、既に電車は走り去っており、俺はその場でガクッと項垂れた。
「で?そんな馬鹿なことがあって、俺との約束に遅刻した。っていうわけか?おい?」
「本当にすみません。」
そう言いながら俺は目の前の男、大津 生介(おおつ しょうすけ)に深々と頭を下げた。
彼は小学校の頃からの数少ない友人で、たまにこうして会ったりしていた。
ちなみに、友人は数でなく、質だと俺は思う。
「まったく、久しぶりに会おう。って誘ったのはお前だろうに。
なにやってんだ、お前は?」
「ま、待って、待ってくれ!これは罠、そう誰かが仕掛けた巧妙な罠なんや!
俺とお前の仲を引き裂こうと誰かが仕掛けた罠なんや!」
「はいはい、そう下らんこと言ってないで、早く行こうぜ?」
「うぅ、親友が冷たいよ~。」
「それ何回聞いてると?もう飽きたよ、それ。」
「うーん、そうか、流石に飽きたか。
……わかった、別なの考えておく。」
「そういうことじゃねえし。
というより、まだ別のを考えるつもりなのか?」
「当然だろ?
なんせそういうことを考えるのが、俺のライフワークなんだからな。」
胸を張りながら答える俺に、生介は呆れながらも苦笑を浮かべる。
「ライフワークも良いけど、そんなことばっかりしてたら、友達無くすぞ?
主に、お前の目の前のやつとか。」
「おっしゃる通りです。
大変申し訳ございませんでした。」
「冗談だよ、冗談。
……7割りほどな。」
「残り3割りは!?」
「ん?そりゃまあ、お前次第だろ?」
「うぅ、善処します。」
「そうしてくれ。
じゃ行こか?」
「…おうよ。」
そう言いながらショボーンっと項垂れる俺は、生介と共に今日の目的地である、近代文化博物館へと歩きだした。