仮面ライダーハッカー   作:六界の魔術師

21 / 40
遅くなってすみませんでした。
再び前後編です。
後編も急ぎ書き上げます。


DISK21 部隊長と古の一族(前)

「……っていうかお前ら、いつの間にそんなに仲良くなったんだ?」

「そりゃまあ、なあ?」

「共通の話題があれば、ねえ?」

「……さようで。」

ニヤリと笑みを浮かべながら顔を見合せる二人に、俺はそう言いながらため息を一つ吐いた。

ちなみに、共通の話題の中身は聞かないでおく。

なんとなく想像はつくんでな。

「…まあ、お前と真の友にまた一歩近づいたし、お前に友達が増えたのだから、ここは喜ぶべきなんだろうな。」

「真の友?」

「……ああ、あれか。

まだそんな恥ずいこと言っているのか?」

「恥ずい言うな!

別に間違ってないだろ?」

「……ごめん、意味がわからないから、説明お願い。」

「ん、こいつの持論でな。

【本音を言えん間柄は、真の友に非ず。

喧嘩し、仲直りして、判り合ってこそ、友なり。】なんだと。」

「……どんな格好つけだ?」

「格好なんてつけてねえよ。

本音を言えない仲なんて、ただの馴れ合いだろ?

そりゃ、お前みたいに言えないこそあるかもしれないけど、普段の会話位は本音で言って欲しいし、お前ともっと判りあいたい。

だから、今回最悪なことが起きたけど、お前のことをまた一つ知れたことは、素直に嬉しいと思っている。」

「……はぁ~、まったく。

なに馬鹿なこと言っているんだよ、お前は。」

ニヤリと笑って見せる俺に、生助は困った様な笑みを浮かべていた。

「……さて、いい加減行くとしよう。

本気でそろそろ人が来そうだ。」

「だな。

だれかさんが犬を愛でてなければ、もっと早かったんだけどな。

今更言ってもしょうがないが、な?」

「そうだね、もっと早く行けたよね。

今更言ってもしょうがないけど、ね?」

「~~だぁぁ!悪かったって言っているだろ!」

そう言いながら扉に向かおうとした、その時だった。

「へ~、ずいぶんと仲が良いんだね。」

『!?』

突然扉の向こうから聞こえた言葉に俺達が身構えると、クスクスとの笑い声共に中学生位のメイド服の少女が、扉を開けて現れた。

「あなたは!」

「お前は!」

「久しぶり、犬正。

あの時以来かな?」

「え?」

「……知り合いなのか?」

「ああ、二度と会いたくなかったけどな。」

そう言いながら睨む神無月を、俺は戸惑いの目で、生助は驚きの表情で見ていた。

「……なんでお前がここにいるんだ、孔月(こうげつ)。」

「そんなの、ご主人様の指示に決まっているでしょ?

大きな音が響いているから、見て来てくれ。って、“わ、た、し”、に命令されて来たの。

わたしや周りは、ただ珍走族が走り回っているだけだと思っていたけど、的確な指示のおかげで、こうして反逆者達を見つけることが、出来たんだもの。

流石はご主人様よね~。」

 

そう言いながら笑顔で、誇らしげに胸をはる少女。

それだけを見るなら、多分微笑ましい光景なのだが、

「……なあ、二人。

一つ聞きたいんだが、良いか?」

『なんだ?』

「……こいつ、何者なんだ?」

そう言いつつ俺はひきつった笑みを浮かべ、背筋に冷たい汗を感じながら、孔月と呼ばれた少女を睨み続ける。

一見、無防備に自分の主人の自慢話をしている様に見えるが、其の実一分の隙も見当たらないのだ。

表情も満面の笑みを浮かべているが、目は獲物を狙う狩人の様に鋭かった。

「……この組織、ルートキットは、ボス直属部隊とその下の7つの部隊で構成されている。

そして、彼女は7つの部隊の一つ、ルシファーの部隊長だ。」

「……なるほど、道理でな。

まったく、一番上が直々に来るとは、ご苦労なこって。」

今までの敵と違う雰囲気に気圧されそうになりながらも、俺は軽口を言いながら真っ直ぐ少女を見上げた。

「………へ~、いが~い。

犬正と一緒にいるぐらいだから、てっきりただのお人好しか、超絶なお馬鹿さんかと思っていたけど、思ったよりもしっかりとした目をしているんだね。

見直しちゃった。」

「は、はぁ。

そりゃ、どうも。」

「……もっとも、ほとんどはその通りだけどな。」

「僕について来たのも、半分は勢いだったみたいだしね。」

「……うるさい。」

……まあ、実際その通りだから、強くは言い返せないんだけどな。

「ふ~ん、そうなんだ~。

……ねえねぇ、そういうことなら私達の仲間にならない?

もし仲間になるのなら、命は助けてあげてもいいよ?」

「ほ、本当ですか!?」

「うん、もちろん。

君のしたことも不問にしてあげる。」

彼女の言葉に反応した生助に頷き、笑みを浮かべながら言う彼女に、俺はいぶかしげた。

「……ずいぶんと気前が良いな?

普通、こういう風に反抗した奴って、問答無用で殺されるもんじゃないのか?」

「まあ、普通はね。

でも、その人物が優秀で組織に忠誠を誓うなら、許す場合もあるんだ。」

「………へ~、なるほどね。」

そう言いつつ俺は、右手の人差し指の先を額につけながら、彼女を見つめ続ける。

「……ちなみに、下手な抵抗は止めておいた方がいいと思うかな?

私、強いよ?」

彼女がそう言った瞬間、彼女を中心に風が舞い、それと同時に凄まじい殺気を感じた。

その殺気に今すぐ逃げ出したい衝動に駆られるが、膝が震えて動くことが出来なくなっていた。

「……っ、…みたいだな。

………ところで、神無月。」

「……なんだ?」

「仮にあいつと戦ったとして、勝つ自信はあるか?」

俺のその問いに神無月は答えず、孔月を黙って睨み続けていた。

「……なるほど。

それはちと厄介だな。」

神無月の無言の返答に、俺は左手を腰に当て、右手で頭をガリガリと掻きながらため息を一つ吐いた。

「……まあ、しょうちゃんと同じ組織に入るわけだし、命がそれで助かるのなら、それも悪くないかもな。」

「ふふ~ん、そうでしょ、そうでしょ~。」

と、俺の言葉に上機嫌に頷く彼女だったが、

「だが、断る。」

「……へ?」

「……は?」

次の俺の言葉に、その場に居た全員が、口をポカーンと開けながら固まった。

全員そのまま数秒間固まっていたが、生助がいち早く動き出した。

「いやいやいやいや、お前なに言っちゃってんの!?

ふざけるタイミングを考えろぉぉ!」

「ん?

いや、別にふざけてはいないぞ?

至極真面目に答えていたが?」

「今の受け答えのどこがふざけてないと!?」

「ん~、そんなにふざけている様に聞こえたか。

まあ、なんにしろ落ち着け。」

「落ち着いていられるか!

せっかくお前が助かるチャン「はい、ダウト。」……す?」

「お前はそれ、本気で言っているのか?

この世界の秘密を知ってしまった奴を野放しにする様な、そんな甘い組織だと、お前は本気で思っているのか?」

「そ、それは……。」

そう言いながら生助は、俺から目を反らした。

まあ、すがりたい気持ちはわからなくもないんだけどね。

だけど、

「………俺はこの目で見たんだ。

役にたたないから。という理由で、躊躇なく殺す奴らをな。

それにな、彼女が保証したのは命だけであって、俺の身は保証はしていない。」

「………?

同じじゃないのか?」

「普通ならな。

だが、相手が世界的秘密結社なら、別に考えた方が無難だろ。

例え四肢がもがれ、身体も内臓はぼろぼろで植物状態であったとしても、命があることには違いないからな。」

「それはまた、随分と極端で物騒な例だね。」

「そうか?

これでも想定する中では、一番マシだぞ?」

「え?それでか?」

「ああ、意識がない分、痛みも苦しみも感じないからな。

他のやつよりは、幾分かマシと言える。」

「他のって、例えばなにが考えられるんだ?」

「うーん、まず二度と逆らえない様に洗脳するのは第一前提として、あとは用途によって改装手術。と言ったところかな?」

「用途?」

「ああ、例えば戦闘要員なら使い捨てのきく戦闘員にして、最前線に送り出すだろうし、慰安要員なら性転換させて、昼夜問わずに使わせるだろうな。

まあ、慰安用なら需要と供給の少ない男娼にする可能性も、なきにしもあらずだな。」

「そ、それはエグいな。」

「いやいや、自分の意思で動ける分、まだこれの方がマシさ。

想定する中で一番最悪なのは洗脳処置はせず、手足の腱を取り除かれた状態で再生能力特化に改造され、永続的に拷問地獄。

足を噛み砕かれ、内臓はえぐり出され、股間は握り潰され、胸は引き裂かれ、首は不自然に折れ曲がり、顔はタコ殴りにされ、目は潰され、口を引き裂かれても、心臓と脳さえ無事なら次の日には元通りになる仕様なので、ぼろ雑巾の様になるまでボコされる毎日。

洗脳されていないから、思考がまともな故に苦しみが続き、狂おうとしても再生能力特化のせいで、次の日には元通りになっているという生き地獄。

しかも、時々道具を使ってくるのだが、それもエグい。

爪と指の間に鉄串を刺し、ピーラー(皮剥き器)で肉を少しずつこそぎ取られ、卸し金で肘や膝をゴリゴリとし、時に粉砕器で下半身を削り取「ストォォーーーップゥゥゥゥ!」……ん?どうした?」

「もういい!

もう止めてくれ!

聞いてるだけで痛くなってくる!!」

「ぞわぞわが止まらないんだが。」

そう言いながら二人して腕を擦っていた。

うーん、そうは言っても、

「これからが本番なんだけどな~。」

「なんでお前がノリノリなんだよ!

お前がやられることを言ってんじゃないのか!」

「そんなにやられたいのか!?

Mか?M男なのか!?」

「んなわけあるかぁ!!

……まあしかし、………そういう話だったのを、すっかり忘れていたよ。」

『おいおい。』

「あはは、わりぃ、わりぃ。

だけど、お前達はそうするつもりだったんだろうが!」

ガクッと肩を落とす二人を尻目に、俺はそう言いながら彼女の方を向きつつ、ビシッと指をさすと、

「い、いや~、流石にそこまでは~…。」

「あ、あれぇ~?」

両腕を擦り、表情を引きつらせ、ドン引きしながら彼女はそう答えた。

…というか、なんでやる側がドン引きしているんだろ?

「……と、とにかく俺はお前達を信用できん。

だから、組織に入る気もない!」

俺がキッパリと言い切った後、少しの間沈黙が辺りを包んだ。

「……そう、なら覚悟は出来ているよね?」

そう言いながら彼女は、重なり合った孔雀の羽根を取りだすと、扇の様に広げだした。

そして、半月状にまで広げた、その時だった。

「お待ちくださいませ、天慢寺(てんまんじ)様。」

後ろから聞こえたその言葉に、彼女はピタリと動きを止めた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。