影と僕   作:源 腐卵

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高橋と裕二
二人の関係についての
短編です。

最近こういった暗い話に這っています。

コメント、感想、どんどんお待ちしております。


高橋と裕二

 

 

 

「何かいいことないかな。暇すぎて笑っちゃうよなハハハハ」

そう裕二は呟いた。

別に意味なんかない無いことを息をするように言う。

次に出てきた言葉は「死にてぇ」20歳にもなって若者と同じような言葉を口にして命を軽々しく捨てる。

 

いや、死にてぇって言っても実際に死ぬわけではなくただ、その時の気分が憂鬱だったってだけ。

 

「軽くそんなこと言っちゃダメだよ〜」

 

こいつは高橋最近よく現れては告げ口をしてくる厄介な奴おかんかよ。

 

「ハハハハいいのいいの俺はもう終わってるからてか、この部屋暑くね?」

 

「今真冬だよ?!体がダメになってるんだよ…」

 

外は雪がつもり、部屋は暖房なんて付けちゃいない。

はっきり言ってとても寒い状況なのに裕二は寒さを感じるどころか暑いのか異常に汗をかいている。

 

「ご飯は食べたの裕二?」

 

「いや、腹減ってないんだよね。食わなくても平気最近気分悪くないし。」

 

「そういう問題じゃないの。揃っと僕も手が付けられないよ」

 

「そーならどっかいってくれる?俺もお前のこと仲間だなんて思ってないから〜」

 

「は〜最近おかしいよ?」

 

「おかしいのはお前だろ高橋君よ〜」

 

高橋はは〜っと頭を悩ませて消えていく。

 

誰かいるとうるさいけど一人になったらやっぱり少し寂しい。

 

そういう時はいつも薬使う。何の薬って?精神安定剤だよ。周りからはえ?って言われるけど仕方ない。

若者で言うメンブレなのだ。

寂しい時薬を使えば寂しさなんか忘れられる。

 

ハハハハハハハハ

 

寂しい気持ちを忘れ笑いがこみ上げてくる。

 

あ〜いい気分だ。

 

「ねーそろそろきちんとしたら?裕二?」

 

「何がだよ〜俺はきちんとしてるだろ〜ハハハハ」

 

「てか、また薬つかったの!?もう辞めなって!」

 

「仕方ないだろ〜彼女もなし、仲間もなし、仕事もなし寂しいんだよ〜」

 

「彼女も友達も前はいたじゃん!でも裕二がそんなふうになったからみんな…」

「あ〜うるさいうるさい何しに来たんだよまじで」

 

高橋は寂しそうな顔で裕二を見てくる。

それが無性に腹が立った。

 

お前に俺の気持ちが分かるのか?

 

お前は俺に何を求めてる?

 

何も言わないくせに見下したような目で、哀れんだような目で俺を見てくるな。

 

何もないからこんなふうになったんじゃない。なかったからこういうふうになったんだ。

 

どいつもこいつも俺を見下して全員俺が切り捨てたんだ。捨てられたわけじゃない。

 

「裕二の気持ちわからなくはないよでも…」

 

「うるせーっていってんだろ!」

 

裕二は我慢の限界を迎え高橋に殴りかかった。

 

腹を、顔を、いけ好かない高橋を殴りまくった。

 

いけ好かない、いけ好かない、いけ好かない!

 

「昔は裕二そんなんじゃなかった。」

 

殴りつかれ体をどかすと高橋は去っていった。

 

何なんだよあいつは。

 

高橋をいけ好かないのには理由があった。

まるで自分の昔を見てるみたいで、クラスの子たちに地味だモブだ言われて、ヤンキーに絡まれて殴られて、それでもヘラヘラしてないとまた殴られる。それがいや、で裕二は自分を変えるため悪い奴らとつるみ出した。

 

それからはもう楽しい日々、今まで虐めてきた奴らも周りを見ればヘコヘコして道を開け、殴っても馬鹿みたいにヘラヘラして最高の気分だった。

 

その時の裕二は優越感で満たされていた。

 

なのに、なのに、みんな俺を捨ててった。

 

昔っから病みっぽいところがあったからなのか精神安定剤を使うようになりみんながまた見下すように変わった。

 

『あいつやばくね』『あいつ薬やってるんだって』『前から気持ち悪いって思ってた』

 

イライラする。精神安定してない奴の何が悪い!?

 

「クソ人間共が…!」

 

「クソなのは裕二も一緒でしょ」

 

また高橋は現れた。イライラしてる時にさらに拍車がかかる。

 

「てめぇいい加減にしろよ?俺怒らせるとタダじゃすまねーぞ?」

 

「自分でもわかってるんでしょ?読んでも誰も来てくれないことくらい」

 

「呼べば誰だって来るわ!試してみるか?あぁ?」

 

「したきゃすればいいけど無駄だと思うよ?」

 

高橋がいけ好かない。

携帯を取り出し片っ端から電話をかけるが誰も出てはくれない。

タンカを切って誰も呼べないのは恥ずかしくてどんどん汗が出てくる。

 

「誰もいないでしょ?一緒だね。」

 

「うるせぇ…うるせぇ…うるせぇ!俺がお前と一緒?馬鹿にすんじゃねーよ!俺は昔の俺とは違うんだよ!」

 

「確かに違うね。今も昔も結局はモブキャラだけど今より昔の方が断然良かったと思う。もう超えちゃいけない所まできちゃってるじゃん…」

 

「はぁ?何がだよ?俺のどこがモブキャラだよ!」

 

再び高橋の胸ぐらを掴む。

 

「痛くも痒くもないよ?」

 

こいつ絶対殺す…

 

拳を握ると玄関から音がする。コンコンっとノックする音。

また、汗が出てくる。

 

「出なよ?」

 

「うるせぇ…!俺の勝手だろ!」

 

「は〜気づいてる癖に」

 

「は?何がだよ?」

 

もう高橋は去っていった。

 

本当にイライラがやばい。

 

また薬を使う。

今日はイライラがやばいから多めに摂取する。

 

精神安定剤使ってるやつの何が悪いんだよ。

 

『本当は気づいてる癖に』

 

高橋の言葉がチラつくあーイライラする!

 

ふぅ〜何かどうでも良くなってきた…

 

「ハハハハハハハハハハハハ」

 

 

 

朝目が覚めると気分は最悪できっと高橋のせいだろう。

 

顔を洗いに洗面台で自分の姿をみる。

 

「結構痩せたな…筋肉も落ちたし…」

 

ここの所何も口にしていない。

腹が減らないんだ。

 

「気づいてる癖に…」

 

鏡越しで後ろを見るとまた高橋が立っている。

不意に後ろに人がいるもんだから驚いて鏡に頭を勢いよくぶつける。

 

「てめぇ、どっから入ってきたんだよ。鍵しまってたよな?」

 

「いや、空いてたよそれより頭痛くないの?」

 

「痛くねーよ。何なんだよ本当に。」

 

「お母さんとか心配してるよ」

 

「はぁ?何でだよ?どうせ俺がいなくてせいせいしてんだろてか、なんでそんなこと高橋に言われなきゃいけねんだよ」

 

「僕はお母さんに心配掛けてばっかだったからさ…仲間だ意識ってやつ?」

 

また、その言葉にイライラする。

 

「おい?俺とお前一緒にするんじゃねーって昨日も言ったよな!?」

 

「一緒だよ?モブで誰にも相手にされなくて、女にキモいって言われて、母親に心配掛けてばっかりで、友達がいなくて…」

 

「うるせぇ!やめろ!あ〜イライラする!」

 

こいつ本当にウザい!イライラするわ!薬使って忘れよう!

部屋に戻りまた薬を使おうとすると

 

「待って!今の状態で使うのは危険だって!」

 

「はぁ?お前に何が分かるんだよ精神安定剤だよお前のせいでな!」

 

「なんで、わからない」

 

「ハハハハハハハハハハハハ」

 

「裕二。」

 

楽しい〜!もう何でもいいや〜!ハハハハハハハハ

今なら空も飛べそうだ〜!

 

「裕二待って!それは…」

 

裕二と高橋は部屋から居なくなった。

外は吹雪いていて部屋の中に入る風が何とも冷たかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『昨夜〇〇県に住む高橋裕二(20)がアパートから飛び降り亡くなっているのが分かりました。

高橋裕二さん部屋からは大量の覚醒剤が見つかっており精神錯乱に陥り飛び降りたのではないかという見方をしています。

また、近所さんからも苦情が来ていたみたいで一人で大声を出している、壁を殴り付けているなど覚醒剤の副作用だと思われる行動が多々あったそうです。』

 

ピッーーー

 

 

 

 

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