帝国魔将ゴルベーザ!   作:RIN

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第二章の始まりです。元ネタが分かる人にはネタバレ感がやばい。
ナザリック面々が登場しますが、基本的に原作と同じ行動をとる場合はダイジェスト風味になります。導入では視点変更が少し多くなりやすくなります。その行動を知りたければ書籍原作を買いましょう!新刊まだかなぁ。
一応今回はプロローグ第4話の新しいルールを見ないと分からない設定がありますので要注意。特に主人公SIDEのNPCついてです。

今回の一言
「得意技はかたくなる。」byRIN


第2章 死の水先案内人
帝国の大英雄


――INSIDE――

 

 

 この世界に来てから2年と半年ほどが経過した。帝国のみんなは私も含めて相変わらず忙しくて、でも帝国の国民のために働くのはやはりやりがいがある。この仕事を紹介してくれたジル君には感謝だね!

 

 でもジル君最近は私と話をするときに鎧を脱いだ私の話をよくするようになった。特に私の広めた噂で小さな女の子がたくさん謁見するようになってから『どうしてこうなった…。』とか『セオドール殿に勘違いされる…。』とか『セオドール殿に癒されたい…。』とかを言っている。

 

 ううむ…。やはりこうも幼女が多いと飽食気味になっちゃうのかな?ちょっと年上に癒されたいのかもしれない。あまりにもジル君が追い詰められた時には仕方ないからひと鎧脱いでやるか!

 

 

 でも今回は帝国のみんなの話じゃなくて、空中神殿にいる部下の話をしたいと思う。

 

 実は空中神殿にいる人型を取れる部下たちは帝国や王国などで情報収集や仮の職に就いていたりする。例えば七英雄ロールプレイヤーのノエルさんそっくりのNPC『ノエル』だが、実は帝国でアダマンタイト級冒険者だったりする。

 

 レベルは30~40ぐらいまで力を落としているので強くはあるが、私ほど突出した活躍をしているわけではない。しかし国民からは『帝国の大英雄』とまで言われ、帝国では力の弱い冒険者でありながらも彼の発言力はかなり大きい。

 

 彼の有名な事件としては冒険者組合に国からの兵士が大勢やってきて、正規兵として国からの強引な勧誘(私じゃないよ?)があった時に言った言葉が…

 

『正規兵がいるのでこの国は安泰だ。しかしそれだけでは解決できない問題がある。私はそれらに対処し君達を含めた皆の助けになりたい。』

 

 この真摯な言葉に兵士も組合内にいた冒険者も感動し涙したという。兵士と冒険者では今まで深い溝があったが、この言葉でお互い戦場で助け合ったり、兵士から冒険者へまたその逆を目指す人が多くいたそうだ。

 

 そしてその大英雄ノエルが今度王国の冒険者組合まで遠出をすることになったらしい。たしか『ト・ランセル』だったけ?あの城塞都市の名前。随分固そうな名前だが…まぁいい。確かそこにはうちの四天王の一人が縄張りにしていたはず。

 

 あいつは原作の四天王の強さと比べて随分強くなったからなぁ。一応最初は原作の技とか再現したけどあまりにも弱すぎたから、()()()()()()()()()()()()からねぇ。そのおかげか1on1ではかなり理不尽な能力してるから、ユグドラシル時代ではパーティ推奨の中ボス扱いだったからね。まぁ今この世界では戦うことはないだろうけど。

 

 ただあいつは設定のせいか、ややお調子者だからちょっと心配なんだよなぁ。わけのわからんところでフラグを作って来られても困るから、一応ノエルに様子を見てきてもらおう。《メッセージ/伝言》じゃあいつの場合だと状況が悪くても本当に調子のいいことしか言わないからな。

 

『ノエルよ…聞こえるか。頼みたいことがあるのだが。』

 

『師父よ!いかがされましたか!師父の頼みとあれば何でも聞きましょう!』

 

 このノエルは私のことを師父と呼ぶ。みんな呼び方は様々だが、私がユグドラシル時代に直々にレベル100にしたNPC達はそのキャラの役に合っていれば師匠やら師父やら先生などで呼んでくれる。

 

『うむ…冒険者として遠出をする際に王国へ行くはずだが、我が四天王のあやつの様子を確認してほしい。あとあやつに伝言を頼みたい。』

 

『なるほど承りました。…それでなんと伝言致しましょうか。』

 

 とりあえず突飛なことをされては困るのでそれとなく伝えておこう。

 

『うむ…では――判断は任せるが引き時を見誤るな。危なくなったら生きて必ず情報をこちらへ持ち帰れ。――以上だ。』

 

 少し仰々しくなったがこのぐらい言っておかなきゃ突っ走るからなあいつ。特にあいつが四天王の状態で見つかったら、この世界の社会的に大変なことになる。基本的には見つからないように言及しなければ。

 

『かしこまりました、必ずお伝え致します。他に何かありますでしょうか?』

 

 そうだな…あと王国にはアダマンタイト級冒険者チーム『青の薔薇』がいるらしい。たまにト・ランセル(?)の冒険者組合にいると聞いたことがあるからそれも伝えておこう。

 

『あとはノエルにもだが――冒険者に気を付けろ。――と伝えておいてくれ。』

 

『かしこまりました。では私も出発致します。師父よお元気で!』

 

 ふぅ…これである程度安心だろう。ノエルはかなり細かいところまで気が利くから、なんとかあいつを助けてくれるだろう。あ!そういえばボクえもんも王国で情報収集をしていたっけ。この後メッセージでも送っておくか!

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

――アインズSIDE――

 

 

 ここはエ・ランテルの冒険者組合だ。ナザリックでの情報収集と外貨獲得を名目にナーベラル・ガンマと共に冒険者へとなることにした。

 

 今は漆黒の鎧を纏ったモモンとその仲間ナーベとして変装し受付にて冒険者の登録を済ませるところだが…ナーベの機嫌が悪い。しかしそれは無理もない話ではある。というのも…

 

(なんだ?先ほどからこちらの姿を見て噂をしているものが多いな。)

 

 最初は漆黒のフルプレートが珍しいのとナーベの美貌が噂になっているものだと思っていたが、それにしては多すぎるような気がする。しきりにナーベが『ウジ虫どもが…』とか『モモンさーんに向かって…汚らわしい…』などぼやいている。

 

 それらのナーベのぼやきを無視し、少し耳をそばだてて聞いてみると人物のような名前が聞こえてくる。

 

(『ゴルベーザ』?ん?どこかで聞いたことがあるような?)

 

 丁度手続きをしている受付嬢が少し手隙になったようだ。少し聞いてみるとしよう。

 

「すまない。先ほどから私たちを見て噂をしている『ゴルベーザ』とは何者だ?」

 

「はい…?ああ、それは帝国魔将ゴルベーザのことではないでしょうか。」

 

(帝国魔将ゴルベーザ?聞いた限りでは帝国の重鎮のようだが…。)

 

「帝国の皇帝直属最高位の方ですよ。なんでもとんでもなく強い魔法詠唱者だそうで、ちょうどモモン様のような漆黒の鎧を着ている方らしいですよ。」

 

(なるほど…その人物と似ているということか。ただそれにしてはやはり噂をしている人物が多い。)

 

 確かに漆黒のフルプレートなどそう見る物ではないのだろう。だがここは王国であって帝国内ではない。そんな重鎮がここまで来ることはそうそうないのだから違う人物だとわかるはず。ではいったいなぜ?

 

「本日はアダマンタイト級冒険者『帝国の大英雄』ノエル様がこの冒険者組合に来る予定となっております。帝国の有名人が来る日に登録するのはモモン様にとって少し不幸でしたね。」

 

(ああ…やっとわかってきたぞ。帝国での有名人来訪で帝国関連の話に敏感になっているのか。)

 

 しかしまたわからない人物が出てきた。アダマンタイト級冒険者のノエルか…。いったいどのような人物なのか…。

 

 

「うわぁ…すげぇ!初めてみた!」

「なんだあの美形は!」

「来たわよ!あの御方だわ!」

「やはり雰囲気が全然ちげぇよ!」

 

 

 考え事をしていると何やら入り口が騒がしくなってきた。

 

「あっ!モモン様、ナーベ様。やはり今日は幸運かもしれませんよ。あの御方がノエル様です。」

 

 振り向いて見てみると、まさに剣士といったような出で立ちの男がいた。腹部と腕を露出させた非常に身軽な格好をしており、その腰には大きな剣を携えていた。背は結構高く、肌の色は褐色であるがそれに反して髪の色は真っ白なショートヘアであった。顔立ちは目が鋭いせいか尖った雰囲気を感じるが落ち着きのある態度から理知的な性格が見て取れる。アインズの総評としては冷静なワイルド美形剣士といったところだ。

 

 

 ノエルは入り口から隣の高ランク用の受付に歩いてくるが…。

 

「ん?あなたたちは…?」

 

 アインズたちが受付をしているカウンター前で止まりアインズたちを見つめてきたのだ。

 

「何か?」

 

 アインズは自分の正体でもばれたかと内心ひやひやであったが…

 

「いえ…帝国のゴルベーザ閣下に似ていたものでつい…ね。」

 

 とりあえずホッと胸をなでおろす。さっきまで噂されていたのを思い出せばこの感想も納得のいくものだ。

 

「ここで会ったのも何かの縁です。私の名はノエル。帝国で冒険者をしております。」

 

 なんとアダマンタイト級冒険者がまだ登録もしていない者に対して自己紹介をしてきたのだ。こちらに気遣いをさせない為か自身の階級はあえて伏せているようだ。これにはアインズも驚き反射的に自己紹介をした。

 

「私の名前はモモン、そして仲間のナーベです。しかしこのようなルーキーに自己紹介などしても大丈夫なのですか?」

 

 これは例えるなら、会社の社長が自分の新入社員に対して名刺を出して敬語で話しているようなものだ。あまりにも不自然である。事実周りの私を見る目が懐疑的だ。

 

「構いませんよ。冒険者としての年月なら私もルーキーと大差ありません。それに…あなた達の実力なら私程度の実績ぐらいすぐに追い抜けるでしょう?」

 

 何っ…!?この男…こちらの実力を見破ったのか!?いや…社交辞令の可能性もある。ここは怪しくても流しておくべきだろう。

 

「ははは…御冗談を!しかしアダマンタイト級冒険者直々にそういった言葉をもらえるのは光栄なことです。ノエル殿の言葉に負けぬよう精進いたしますよ。」

 

「ええ。では私も楽しみにしています。」

 

 …やはり社交辞令だったか。警戒のし過ぎだったようだな。とりあえず受付を済ませて…

 

「ああそうだ…モモン殿に言い忘れていた。」

 

 

―――敵にならないことを祈っています。

 

 

 耳元でそう囁いた後、ノエルは別の受付に依頼を受けに行った。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

――ノエルSIDE――

 

 

――私はエ・ランテルの外周部にある共同墓地に来ている。

 

 

 先ほど冒険者組合で受付を行った際にとてつもない気を感じた。おそらくそれは我が偉大なる師父と同郷の者であると感じた。

 

 その気を発していたのは、なんと不遜にも師父と同じ漆黒の鎧を着用した()()()の者であった。私と同じように何かしらの制約を掛け、レベルを落としているのだと思われるが私の目は誤魔化せない。

 

 おそらくこの戦士風の者が師父の言っていた気を付けるべき冒険者であろう。さすがは師父…帝国にいながらも皆の情報からこのことを推測したに違いない。加えて我が師父が直々に創造した四天王に忠告を出すということは…おそらく戦う運命にあるのだろうな。

 

 受付を済ませたのち、このことを伝えるために共同墓地へ来たのだがあいつはどこに…。

 

「フシュルルル…。どうしたノエル…。この場所にいるということは私に用があるのだろう…?」

 

 どうやらあちらから来てくれたようだな。

 

「手間を掛けさせてすまないな。師父…ゴルベーザ様から伝言と忠告を預かった。それを伝えたい。」

 

「おお…おお!ゴルベーザ様からか…!かまわぬ話してくれ!!」

 

 興奮気味に話を促している。まぁ師父がらみの話なのだ。気持ちもわからんでもない。

 

「ああでは『判断は任せるが引き時を見誤るな。危なくなったら生きて必ず情報ををこちらへ持ち帰れ。』との伝言だ。」

 

「おおぉ…?危なくなるとは何故だぁ…?とりあえず承った!それで忠告はなんだぁ?」

 

「ああ『冒険者には気を付けろ。』との忠告だ。」

 

「冒険者ぁ…?なんであんな弱っちい奴らを気を付けるんだぁ?」

 

 確かにこの疑問はわかる。この世界での冒険者では私たちと戦えるレベルの者はほぼいないと言っていい。師父に言われなければ気に掛けることもないかもしれない。しかし…

 

「私も先ほどまではそう思っていたが、冒険者組合にこちらと同郷の者がいた。漆黒の鎧を着た戦士風の男とそのお付きの女性だ。どうやら師父はこいつらのことを予見していたらしい。」

 

「な、なんと!同郷の者なら確かに危険だぁ!そうかなるほど…こちらの人間を使った計画が邪魔されるかもしれんということか!さすがはゴルベーザ様だぁ!」

 

 そう…実はこのエ・ランテルでは共同墓地を使った計画を進めていた。ズーラーノーンという人間の組織を使って秘密裏にエ・ランテルを占拠しようというものだ。

 

 まだ師父にはお伝えしていなかったがどうやら察知されていたらしい。流石は偉大なる師父!

 

 

 

「師父は君のことをとても心配されていた。計画も必要だが、くれぐれも師父のお言葉は忘れないでくれよ。」

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

――アインズSIDE――

 

 

「殿!殿!皆が某たちを見ているでござるよ!手の一つでも振ったらどうでござる?」

 

「そうじゃよ!こんな立派な魔獣なんてこの無駄に年を食ったわしでも見たことはないぞい!ぜひともそうしなされ!」

 

 私は今メリーゴーランドに乗ったおっさんの気分を味わっている。

 

 これは何の罰ゲームだよ!明らかにいい大人がしていい恰好では無いだろ!何でみんなはこの光景にきらきら目を輝かせちゃってんの!?笑われたら一生立ち直れない気がするからそのままでいいけどさ!!

 

 

 先ほどトブの大森林から新しくハムスケを連れ街に戻った。魔獣の登録を済ませた後にリィジー・バレアレと遭遇して一緒にバレアレ家まで報酬をもらいに行っている。今は銀級冒険者チーム『漆黒の剣』が薬草の積み下ろしを行っており、時間的にもうそろそろ終わる頃だろう。

 

「ンフィーレアやーい!モモンさんがお見えになったよ!…どうしたんかね?鍵は開いていたんだがの?」

 

 …どうやらやっかいごとが降りかかってきたようだ。中の様子を見て来ようか…。

 

 




<原作を知ろう!>
ノエル
出典:ロマサガ2(ロマンシング・サガ2)
容姿:褐色の肌の白髪ショートヘアの剣士
○原作では?
 ロマサガ2の七英雄の一人。七英雄とは古代人の時代に吸収の法という術を使って魔物を取り込むことにより強大な力を得た七人のこと。その強大な力によって魔物を討伐し七英雄と呼ばれることになった。しかしその力を恐れた古代人達が七英雄を罠に嵌め、別次元へ転送し追放してしまった。それらが数千年の時を経て現代に帰還し物語が始まる。
 ノエルはメルー砂漠の移動湖を基本拠点とし活動。現代にいなくなった古代人に復讐するために各地の遺跡や遺産を調べている。このノエルはボスの中でもかなり特殊で、実は話すだけで戦闘を回避することも可能。現代人に危害を加える気は無くかなり温厚な人物。しかし、妹のロックブーケを先に倒していると問答無用で殺しに掛かってくる。また七英雄には倒しに行く順番や年代経過などによって形態が変わる。このノエルには第二形態まで存在するが、だいたいのプレイヤーは第一形態が強すぎると感じるであろう。第一形態は体術中心、第二形態は剣術中心で戦うのが特徴だが、ソードバリアがあるだけで第二形態は完封できてしまうのが残念。ちなみにLOV参照で吸収の法で吸ってきたのはその道の達人と書かれている。お前魔物吸ったんじゃなかったんか。

○この小説では?
 プレイヤーのノエルさんが去り際に作った元NPC『ノエル』として登場。性格は原作の性格に加え、オーバーロードのNPC性格設定に準拠しています。
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