帝国魔将ゴルベーザ!   作:RIN

13 / 39
第3話の投稿です。短いのは許して!
原作と同じ行動が多くカットも多くなっております。
その間の行動が知りたくば書籍原作を買うが良い!私は隙あらば宣伝をするぞ!

今回の一言
「カジッちゃんは強くなってもカジッちゃんだよ…。」byRIN


ナーベラルの不覚

―――その夜、エ・ランテルの墓地で大事件が起きた。

 

 

 エ・ランテルでの外周区画の共同墓地でアンデッドが大量に発生した。これは秘密結社『ズーラ―ノーン』が自らの欲望を叶えるためにエ・ランテルを死の都へ変える計画を実行に移したためだと言われている。

 

 その事件を解決したのが当時まだ銅級冒険者でしかなかった冒険者チーム『漆黒』であった。被害者であったンフィーレア・バレアレの祖母リィジー・バレアレの個人依頼によって、捕らわれたンフィーレア氏の救出のために共同墓地へ来ていたようだ。

 

 チーム『漆黒』の活躍は凄まじく、特にリーダーのモモン氏は巨大なグレートソードを二刀用いて次々とアンデッドをなぎ倒していたとの衛兵からの話があり一躍時の人となった。

 

 実際の戦闘を見たものはいなかったが、後から検分に入った冒険者組合の者たちによると、霊廟前にて見たこともないアンデッドの骸や激しい戦闘跡が見受けられたそうだ。そのことからズーラーノーンの幹部とここで激しい戦闘を行い激戦の果てに討ち取ったと考えられている。

 

 ただ不可解なこともあった。門の警備をしていた衛兵によるとチーム『漆黒』突入後()()()()()()()()()()()が中から聞こえてきたと言うのだ。

 

 おそらくズーラーノーンの仕業であろうと考えられるが、チーム『漆黒』の報告からは何も語られずいったい何の歌声だったのか未だに謎のままである。

 

 

――ナーベラルSIDE――

 

 

 

 

 

 

 

―――私は今生きていることを後悔している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私はアインズ様と共に名声を高める駒を殺した愚か者への復讐と、先程攫われた下等生物を助けることで新たな名声を得るために共同墓地へ来ている。アンデッドの群れがいたもののアインズ様が軽く蹴散らしている。

 

 私はアインズ様のペットになったハムスケがアンデッドの群れに襲われぬよう上空で待機をしている。アンデッドは生命に対する感知が鋭く生きているハムスケに対して群がってしまうため、少しでも傷を負う可能性のあることから上空に退避させている。わかってはいるがハムスケがもこもこして持ちづらい…。

 

 む…どうやらアインズ様の召喚した中位アンデッド二体によって道が開けたようだ。しかし、このままではハムスケが戦闘の邪魔になってしまうのでどこか高い木の上にでも乗せて…

 

「ナーベ殿ぉー!!このまま置いていかないでほしいでござるよぉぉー!!某怖いでござるぅぅぅー!!」

 

 …どうやらハムスケが駄々を捏ねているようだ。まったく情けないわね…。しかし、もしこのまま事故でもあってハムスケが死んでしまえばアインズ様からお叱りを受けてしまう。

 

「仕方がないわね…。ほら、これをあげるからしばらくここで頑張りなさい。」

 

 お守り代わりに『身代わり人形』を何個か渡して木の上にハムスケを降ろした。この『身代わり人形』は致死ダメージを受けた時にダメージを肩代わってくれるアイテムだ。一応ハムスケレベルならこの近くのアンデッドは問題ないだろうが、万が一、高レベルのアンデッドモンスターに出会った時のために持たせておく。

 

「ええー!?助かるでござるが某はナーベ殿と一緒にいたいでござるよー!!」

 

「駄目よ。終わったら迎えに来てあげるから。」

 

「うう…わかったでござる。」

 

 半泣きになりながらも何とか納得してくれたようだ。…早く終わらせて迎えに来てあげようかしら。

 

 

 

 

 

 

 

―――早く私を殺してほしい…誰でもいいから…。

 

 

 

 

 

 

 

「《二重最強化(ツインマキシマイズマジック)・電撃球(・エレクトロスフィア)》!」

 

 

 私は先ほどアインズ様より命令を受け、冒険者ナーベとしてこいつら下等生物の相手をすることになった。霊廟の前にローブを纏った下等生物どもがうじゃうじゃいる。こいつらを掃除するなら、この程度の魔法で十分だ。

 

――着弾。

 

 破壊力を増大させた電撃球が一気に膨れ上がり、広範囲に渡ってその膨大なエネルギーを飛散させた。墓場の周囲を煌々と白色光が照らし出す。魔法によって生み出された電撃は瞬時に収まるが、その破壊力は絶対なるものだった。

 

 効果範囲にいたカジットの部下達は大地に転がっていた。

 

 

――そんな中、立つ影は()()

 

 

(この下等生物どもめ。さっさと死ねばいいものを…!)

 

 どうやらカジットの方は僅かに火傷の痕があることから《電気属性防御(プロテクションエナジー・エレクトロシティ)》で防御したようだが、もう一人は深めのフードを目深にかぶっており表情すら見えない。おそらくカジットと同じ魔法で防御をしたのだろう。

 

「単なるバカではなく、第三位階まで使いこなせるバカだったか!」

 

「……バカ?下等生物たる人間がこの私を?」

 

 その時カジットの方からの言葉に怒りで反応してしまった。この程度の魔法しか使えない人間どもが…!アインズ様のご命令が無ければこの程度の人間など…!

 

 フードの男から視線を外し、私はこの暴言を吐いた下等生物を殺す態勢に入った。そう…視線を外してしまったのだ…。

 

 

 

 

 

 

―――あの時に視線を外さず見失わなければ…こんなことには…。

 

 

 

 

 

 

「下等生物でも焼けると良い匂いがする…エントマのお土産にどうかしら?」

 

 足元にある焼け焦げて身体を丸く埋めたカジットの死体を見て、嘲りの表情を浮かべる。少し()()()()()()()()()()()()ような気がするが見えないところがまだ燃えているのだろう。

 

(そういえばさっきのフードの男は…戦闘に巻き込まれて死んだのかしら?)

 

 私の電撃魔法に耐えたさっきのフードの男が見当たらない。周囲は()()()に包まれており視界が悪い。しかし所詮は下等生物。先ほどの戦闘できっと死んでしまったのだろうと考え、死体から離れた。

 

 

――()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

(あ…れ…?私は死体から離れて…?え…身体が…動かない…!?どういうこと…?)

 

 落ち着いて目だけで周囲を見渡し確認すると、どうやら私は横向きに地面に倒れているようだ。そして自身の身体の状態を確認すると…なんと『神経麻痺』と『致死毒』に掛かっていた。

 

 『神経麻痺』は通常の麻痺のように動けなくなる効果と魔法詠唱の阻害やアイテムの回復阻害がある。周囲の者に専用のアイテムか魔法で治してもらうかとても長い時間経過で治すしかない。

 

 『致死毒』は通常の毒より進行は遅いが時間経過での回復が一切なく、通常の毒ならHPが1残るところを削りきる効果があった。

 

(馬鹿な!?私はそれらに対して耐性を持つアイテムを装備しているのに!!)

 

 耐性を持つアイテムを装備しているのに、それでも状態異常に掛かるパターンは2つ。それらの装備の効果をなくす効果を発動されるか、自身よりレベルの高い者によって専用スキルで施されるかだった。

 

 

 

「フシュルルル…よくぞ()()()()()()()()()()。死してなお恐ろしい土のスカルミリョーネの強さ…そこで仲間がいたぶられるところを見ながら、ゆっくり味わって死ぬがいい…。」

 

 

 

―――アインズ様…!私を捨ててお逃げ下さい…!

 

 




今回は黒幕さんの説明をするとネタバレ過多のためコーナーは休載。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。