帝国魔将ゴルベーザ!   作:RIN

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第5話の投稿です!
仕事から帰ってきたら感想が凄いことになっていた!返信をしようと思ったけど、きっと皆更新を期待してるからまずは執筆しました。感想は息抜きに見ますね。

…って投稿前にちらっと見たらすごいの来てるぅぅぅ!?えっと…支援絵はどうやって表示させるんでしょう!?初めてだから私には方法が分からないわ…!?張っておけばいいのかしら…間違ってたらごめんなさい!

くろきし様より小説内のセオドールさんをいただきました!ありがとうございます!
https://img.syosetu.org/img/user/65239/37459.jpg

今回の一言
「役に立たぬ者などどこにもいない。」byRIN


起死回生

 霊廟の入り口を背にアインズがデスナイトを指揮しながら、スカルナントの群れをいなしている。しかし、4体のデスナイトは確実に損傷を受けており、いつ限界が来てもおかしくはない。

 

 アインズの後ろで『神経麻痺』と『致死毒』を受け、苦しそうなナーベラルが必死の想いでアインズに話しかける。

 

「ア…イン…ズ…さま…わたし…をころ…し…」

 

 それは嘆願だった。偉大にして至高なる死の王の重荷になりたくない…そんな想いを込めて。

 

「馬鹿なことを言うな!私が必ず助ける…それまで耐えるんだ…!」

 

――しかし、死の王はその死を否定する。

 

 絶望的な状況でも生きることを願う死の王は起死回生の一手を見出すために、今もアンデッドの群れに挑んでいる。

 

 

――アインズSIDE――

 

 

――考えろ…考えるんだ!この状況を打破する手段を…!

 

 

 現状ではスキル<のろいのうた>で魔力阻害と回復阻害を受けて、魔力を使う魔法・アイテム・装備の使用が一切できない。相手の攻撃手段は物理耐性のあるスカルナントを使った<貫通攻撃>での物量攻撃だ。またこちらを長期戦にさせないように、ナーベラルに『神経麻痺』と『致死毒』を掛けて時間制限まで設けてきた。タイムリミットは夜明けまでだ。

 

 こちらのスキルでの<アンデッド創造>は相手も同じスキルを使用できることから、相打ちか時間稼ぎをして相殺してくる。加えて死霊系スキルや絶望のオーラなどでは相手もアンデッドであるため効果がほとんどない。

 

―…っ!?デスナイトがやられる!代わりのデスナイトを召喚して戦線を維持するしかない…!先ほど中位アンデッド召喚は道中で2回使い、さらに4体のデスナイトと代わりのデスナイトで残り召喚数は…

 

 

 

―――残り召喚数5

 

 

 

 上位アンデッド召喚も使うか…?いや駄目だ…!もしこの状態で上位アンデッドを盾で召喚してしまったら、スカルミリョーネの上位アンデッド召喚を攻撃に使われてしまう。その時にデスナイトが攻撃されてしまえばこちらの陣が瓦解してしまう。永遠の死(エターナル・デス)の召喚も同様だ。

 

 

 

―――残り召喚数4

 

 

 

 では経験値を使って具現化した死の神(グリムリーパー・タナトス)や死の支配者の賢者(オーバーロード・ワイズマン)を呼ぶか?いや…それも駄目だ。もしスカルミリョーネがレベル100のユグドラシルの者だった場合10レベル差はあまりにも大きすぎる。加えてどちらも魔法を主体とするので起死回生にはなりえない。

 

 

 

―――残り召喚数3

 

 

 

 ならばアイテムはどうか…これも駄目か。魔力阻害に引っかかるものばかりだ。爆発系や召喚物系も全て魔力を帯びている。装備関連も《パーフェクト・ウォリアー/完璧なる戦士》が使えなければ装備すらできず弾かれてしまう。くそっ!<のろいのうた>さえなければ…効果が最悪すぎる!

 

 

 

―――残り召喚数2

 

 

 

 私自身がスカルミリョーネまで直接攻撃しに行くのは…だがスカルナントが厄介だ。30、40体程度なら行けるだろうが、既に数百体まで数が膨れ上がってしまっている。またナーベラルを置いてはいけないし、ナーベラルと一緒に特攻をするには分が悪すぎる。

 

 

 

―――残り召喚数1

 

 

 

 最終手段は一応ある。私の…ワールドアイテムを使えばおそらくスキルの影響を受けず突破は可能だ。しかし…確実にナーベラルも巻き込まれる。ユグドラシルとは違いフレンドリーファイアがあるためだ。だが…私の手でナーベラルを殺さねばならないのか…。私の失敗の責任を部下に押し付けねばならないのか…。他に、他に方法はないのか…!

 

 

 

―――残り召喚数0

 

 

 

 後がなくなった…私は決断せねばならない。ナーベラルよ…すまん…必ず助けると言ったのに…!私は…私は…!!

 

 

――…!?なんだ!?スカルナントの様子が…?

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 その時スカルナントの大軍を指揮していたスカルミリョーネは、スカルナントの隊列に大きく乱れが出始めたのを感じた。

 

『どうした…!?さっさと奴らを仕留めに行けぇ…!!』

 

 その場を動けないスカルミリョーネはスカルナントの群れに激を飛ばす。しかし、従う者とそうでない者が入り乱れ混乱をきたしていた。

 

 スカルナントは元々本能の部分が強い魔物だ。デスナイトとは違い数を作ることは出来るが、乱れる要因があるとその群れの性能を著しく落としてしまう。

 

 スカルナントの本能はアンデッドの本能と同じ…()()()()()()()()()()()()()()()だ。つまりはこの近くに()()()()()()()()()()()ということである。

 

 そして、森の奥から潜んでいた生命力の強い者が現れた。

 

 

 

「――何やら遅いと思って来てみれば、とんでもない化け物がいるでござるぅぅぅ!!」

 

 

 

 それは巨大な魔獣の…ハムスケであった。明らかにこの共同墓地に見合わぬ類の畜生がここにいた。

 

『なんだぁ…こいつは…?』

 

 スカルミリョーネも困惑している。話では二人連れのみと聞いていたため、この魔獣の存在を知らなかったのだ。

 

 しかし、このハムスケの生命力が原因でスカルナントの群れに支障が出ている。早急に対処しなければアインズが包囲網を突破してしまう危険性がある。

 

『よくわからん奴だが…邪魔をするなら容赦せんぞぉ…!デスナイト達よ…あいつを殺せ…!』

 

 スカルナント達が混乱をしていることと、アインズからの<上位アンデッド創造>に対処するために上位アンデッドが出せないため、周囲に付いている二体のデスナイトに対処させた。

 

「そそそそれがしを食べても美味しくないでござるよぉぉぉ!!」

 

 ハムスケは二体のデスナイトに襲われながらそこらじゅうを逃げ回っている。それらを追いかけようとスカルナント達がさらに混乱をきたし、スカルミリョーネの指示も届かなくなっている。

 

『ぬぐぐ…くそぉ…!こいつは一体何がしたいんだ…!<中位アンデッド創造>デスナイト…!』

 

 さらにデスナイトを召喚し、六体のデスナイトで今度こそハムスケを囲み追い詰めた。しかし…

 

「おおおおお助けぇぇぇぇえぇ!!!」

 

 謎の叫び声を上げながら蛇のような長い尻尾をバネのように縮め…

 

 

 

―――…なんと勢いよく()()()()()のである。

 

 

 

 ハムスケを囲んでいたデスナイトの包囲網を抜け、しかもその着地先は…

 

 

 

 

 

『…なっ!?こ、こっちに来るなぁぁぁあぁぁ!!!?』

 

 

 

 

 

――ハムスケの向かう先には…スカルミリョーネがいた。

 

 

 スカルミリョーネはスキル<のろいのうた>のデメリットによって攻撃力・防御力が激減し、さらに動けず魔法やアイテムがほぼ使えないため、この攻撃?を避けることや迎撃することができない。

 

「ぴぇぇぇぇぇぇえぇぇ!!?」

 

 上空から謎の奇声を上げながら白と茶の混じった巨大な毛玉が、スカルミリョーネに流星のように高速で降り注ぐ!

 

―――着弾。

 

 

 

『…グ……パァ……!』

 

 

 

 防御力が下がっていたこともあり、レベル30程度のハムスケでもダメージが出てしまった。ハムスケの高速の体当たりの勢いでスカルミリョーネは()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

「《トリプレット・ワイデンマジック・ナパーム/三重魔法効果範囲拡大・焼夷》!!」

 

 

 

 

 

 その瞬間、三つの炎が地面に広がりデスナイトとスカルナントの群れを全て燃やしていった。デスナイトは一撃には耐えるものの炎の継続ダメージで倒れ伏し、スカルナントに至っては魔法面に対して全く耐性を持っていないため、あれだけいた軍勢も数秒と持たず燃え尽きてしまった。

 

 そして、霊廟の奥から先程まで瀕死に近かったナーベラル・ガンマと傍から見てわかるほどの憤怒のオーラを纏った死の王が現れた。

 

「よくも…よくもここまで虚仮にしてくれたな…。…スカルミリョーネぇぇ!貴様だけは絶対に許さんぞ!!」

 

 

 

――偉大にして至高なる死の王は敵対者(スカルミリョーネ)に対して無慈悲な死の宣告を突き付けた。

 

 

 




<原作を知ろう!>
グ……パァー!
出典:FF4
使用者:スカルミリョーネ
橋でバックアタックを仕掛けてきたスカルミリョーネが敗れた際に、崖から落ちる時の最後の断末魔のセリフ。かろうじてグ…までは攻撃を受けた際の音として分かるが後のパァー!は一体どのような発音で出てきたのか、そして何でこんなに勢いがあるのかよく分からない台詞。また、崖から落ちる際の効果音がSFC特有音のピューンからその後小さくポンッとなるボスらしからぬシュールさが際立つのも拍車を掛ける。作者は正直当時は気にしていなかったが、一度知ってからSFC版をやり直すと確かに違和感が凄い台詞であるとは感じた。
小説内では流星毛玉落としの際に言っているが、多分このコーナーまで読まなければほとんどの人は原作のセリフをリスペクトしていることは分からないだろうとは思う。分かった人はきっとFF愛に溢れた人だと私は確信している。

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