帝国魔将ゴルベーザ!   作:RIN

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第3章の投稿開始です。
 今回はコロンボチックな書き方と勘違い系に挑戦!犯人は明らかなんだけど段々と犯行手順と動機が明らかになっていく感じと全然話が噛み合ってないのに何故か噛み合っている描写が書きたかった。うん…激ムズ!!
 勘違い描写では多少強引なところが出たりしますので苦手な方はご注意を。また時系列が行ったり来たりするのでそこも注意して下さい

 今話ではオーバーロードの原作っぽいお話。でも確実に何かが違う。
今回の一言
「その男はすでに不幸フラグが満載だったのだ…。」byRIN


第3章 狡賢い傀儡子
シャルティアの記憶


――シャルティアSIDE――

 

 

 

―――私は今どこにいるのでしょう…?

 

 

 

 

 

 

 

 

何も…なにも見えない…ここはどこ…?

 

暗い…とてもくらい中に…わたし…がいる。

 

わたし…?わたしって何…?

 

だけど聞こえる…呼ぶ声を…それが何かはわからない…。

 

 

 

 

 

 

―――そして、わたしが形に成っていく…。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

『ご安心下さい。精神支配は解除されています。』

 

『そうか…。』

 

 

 これは、アルベド?アインズさま?わたしは…一体何を…?

 

 重い瞼を力を入れて開く。光が眩しい…。私は…床で寝ていたのだろうか…。しかし、ここは玉座の間…?私は何で玉座の間で寝ているの…?

 

 光に影が差す。その陰の元を辿ると、そこには愛しき御方が私を上から見つめていた。

 

「あいんずさま?」

 

 愛しき御方はこちらを見つめながら膝をつき、そしてぎこちなくそのまま私を抱き上げてくれた。

 

「うぇえ!?」

 

 なぜ私を愛しき御方が抱き上げているのかわからない。しかし、私の表情を見て安心したかのように、その手にぎこちなさが無くなり、さらに強く抱きしめてくれた。

 

「よかった…。いや…すまない…。全ては私の失態だ。」

 

 失態?何を失態なんてしたのか?アインズ様が失態なんてありえない。

 

 だが、今裸の私を抱き上げて下さるということは…ここで私の初めてを捧げることになるのかしら!どんと来いですアインズ様!!

 

「シャルティアは疲れているのかもしれません。それぐらいに…。」

 

 ええ~!何で邪魔をするのアルベド!アインズ様も手を離さなくてもいいのに…勿体なかったわ…。まぁ仕方がないわ。やるなら皆が見ていない二人きりでやりたいものね。とりあえずは…

 

「ところでアインズ様、私はなぜ玉座の間にいるのでありんしょうか?それにこなたの格好といい、アインズ様のご対応といい、ご迷惑をお掛けするような何かがあったんでありんすかぇ?」

 

 何で裸で玉座の間で寝ていたのか。特に何もなかったと思うんだけど…。何かまずいことでもしたのかしら?

 

「それこそが私が最も聞きたかった内容でもあるが、何があったか覚えていないか?」

 

 え?やっぱり何かあったのかしら…。えっと、私の行動で覚えていること?確かセバスとソリュシャンと別れた後…特には何も…やっていないような…。とりあえず正直に伝えようかしら…?

 

「えっと特には…」

 

 

 

 

 

 

 

 

『――…この七英雄のボクオーンがお主を人形にしてやろう!』

 

 

 

 

 

 

「えっ…?あ…七…英雄?」

 

「――…!?何か覚えているのかシャルティア!?」

 

「えっと…七英雄…そう、七英雄ボクオーンという者が…私を人形にしてやると…言っていたでありんす…。」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 エ・ランテルの共同墓地でアンデッド事件が起きていた頃、他の場所では別の事件が起きていた。

 

 それは街道警備を行っていた冒険者の失踪事件である。生き残った鉄級冒険者によると、街道警備中に野盗のアジトを発見し、チームを二つに分けて突入したそうだ。しかし、野盗のアジトに凶暴な吸血鬼が現れ、野盗も含め所属していたチームが全員殺されてしまったとの証言である。

 

 最終的にその吸血鬼ホニョペニョコは、現アダマンタイト級冒険者『漆黒』に討伐され、事無きを得た。

 

 だが、生き残った鉄級冒険者によると、その吸血鬼と遭遇中に、とても()()()()()()を見たのだという。

 

 その夢の内容は『まるで自分が最強のアダマンタイト級冒険者になったかのように、()()()()()()()()()()()()』夢だそうだ。

 

 吸血鬼と対峙している時に夢を見るなどありえないし、またその冒険者はアダマンタイト級のような力など欠片も存在しない万年鉄級冒険者である。

 

 吸血鬼の幻術や魅了の効果が最も有力な説と考えられているが、もし本当に鉄級冒険者がアダマンタイト級ほどまでになっていたのであれば、きっとその冒険者にはアダマンタイト級になれるだけの素質が備わっているのかもしれない。万が一もありえるので、今後は要観察である。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

――ブレインSIDE――

 

 

 俺はブレイン・アングラウス、今は『死を撒く剣団』と言う傭兵団に所属している。しかし、別に幹部や構成員とかではなく、用心棒としての所属だ。金払いが良く、人と戦う機会が多いため、この傭兵団に雇われているだけである。

 

 この『死を撒く剣団』は戦がある時は傭兵団として働いているが、基本的に野盗と運び屋が本職である。野盗で金品や女を奪い、中身のわからない品物を運び屋で運ぶときに、それら奪った物を同時に売り払うのが主な収入源だ。

 

 いつかガゼフ・ストロノーフに勝つため研鑽を積んでいるが、正直この傭兵団は()()()()()()()ように感じる。

 

 俺は一年ほど前にこの傭兵団に入ったが、何と言うべきか…そう、()()()()()()()()のである。まず野盗でさらった女に手を出さないことだ。普通なら一回味見をしてから商品として渡すものだが、団の規約だからと奪った後は牢に入れたまま手を出そうとしない。

 

 たまに新人がルールを破って手を出そうとするが、結局商品は傷者にされることはなく、その新人も次の日以降には何故か物分かりが良くなったかのように女に手を出すことはしなくなる。

 

 また、こいつらは外では野盗のような下卑た行動をするが、アジトでは宴会や喧嘩などをしない上、酒も嗜好品も全くしないのだ。野盗や傭兵をしない日はただ起きて、ただ飯を食べ、ただ剣を振って、ただ寝るという健康的な奴らである。

 

 金払いが良いのも、こいつらが全く金を使わないためである。ただただ鍛えたい俺にはいい話ではあるが、こいつらは何のために野盗をやっているのか俺にはよくわからない…()()()()()()()()()()()である。

 

 一応俺からそいつらによく話しかけるが、普通に返答は返ってくる。この野盗生活についても『この生活が一番気に入っており、自分達のやるべきことをやっているだけだ』と答える奴らがほとんどだ。

 

 まぁ、それぞれの傭兵団にはそれぞれのルールがある。俺もこの傭兵団に入る時に団長からルールを長々と説明され、紙での誓約書まで書かされた。傭兵団としては当たり前のことばかりだったから、一度もルールを破ったことは無いが、今時ここまできっちり契約する傭兵団は珍しいなとは思う。

 

 おそらくこの傭兵団は、最初はお行儀の良い奴らが集まってできた傭兵団で、そんな歴史があるとか何とかで、今も伝統で続いているのだろうと俺は納得している。そういうのは長生きする傭兵団には多いからな。

 

 

 それにしても強襲組の帰りが遅いな。今日の獲物は新人のザックが見つけた奴にするといって、武器を持って10人程出て行ったが、もしかして返り討ちにでもあったか?

 

 そう考えていると、騒音がアジトの入り口付近から聞こえてきた。

 

「ブレインさん。敵襲です。」

 

 すれ違った傭兵団の下っ端が、敵に襲われているというのに、冷静に敵の状況を俺に伝えてくれる。

 

「そうか、女二人の少人数か…。ああ、来なくていいぞ。それより奥でも固めてくれよ。」

 

 どうやら待ち望んだ強者のようだ。俺は自身の闘争心を滾らせながら敵襲への対処へ向かった。

 

 

 




オーバーロードの設定が多く利用されるためしばらくコーナーは休載します。



今回の章はかなり伏線の入れ方と状況設定が難しい…やはりコロンボや古畑は偉大だった。
突っ込みどころ満載な感じになりそうですなぁ…。
もうちょっと書き方とか練習しないとなぁ。

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