展開の矛盾により修正や書き直しが多すぎて大変だったこの話。とりあえず仕上がったので投稿だ!
なかなか原作を外れるところまで行きつけない蜥蜴人編…小分け投稿もあって話数ががが…。
今回の一言
「傍から見たら拠点内のアインズ様達ってこう見えるよね。」byRIN
――???SIDE――
―――クカカカカ…愚かな奴らだ。俺の仕込んだ拠点に何の疑いもなく居座ってやがるぜ…。
情報収集の為にちょいと危ない橋を渡ってみたが、あいつら馬鹿みてぇに俺に情報を渡しやがった…!俺の能力が特殊なのもあるが、偽装の得意な奴がいることぐらい想定出来るもんだと思ってたぜ…!見えない敵ばかり探すだけで見える敵は見逃しちまうんだもんなぁ…クカカカカ…スキルや魔法の使い方が未熟すぎるぜ…!
いつかのゴルベーザ様もぼやきながら言っていたが、プレイヤーっていうのはこの世界が遊戯の世界のように見えるらしい…現実と区別が出来てないそうだ。もし未だにここが架空と思っている馬鹿が相手のトップならこの醜態も頷けるもんだなぁ…!
それにあいつらの種族や行動とかを見てると『悪の組織』ごっこでもやってるつもりなのか…?ごっこ遊びだったら別にどうでもいいが、もしこれで本気な悪を気取ってんなら…
あいつらのお遊びな『悪』には反吐が出る…!取って付けたような表面だけで中身は何も伴ってねぇ…!卑怯な手段に慣れてない上、明らかな違和感を放置し、仲間にも疑ってかかれねぇ…『悪』を貫く必死さが全く足りてねぇんだよ!
こんなふざけた奴らにあのスカルミリョーネの野郎が負けるなんて…!ここであいつの名誉の為にも絶対に俺がこいつらを皆殺しにしてやる…!蘇生なんてさせねぇぞ…蘇生なんてしたくなくなるように
――…おっと。少し考えに熱を持ちすぎちまったみてぇだ…。
慌てなくていい…じっくりと準備を整えればいいんだ。あいつらの拠点内の部屋での行動はよく見えている…音だけ聞こえないのが残念だがな。バレないようにするためとはいえ、少し仕込みに容量を割き過ぎたな…。まぁ、本格的に拠点に仕込んだものが発動すれば音も聞こえるようになる…それまではこれで我慢しよう…。
それにしても拠点内のこいつら…さっきから何やってんだ?俺の
…まぁ、俺には理解できねぇあいつらの性癖なんぞどうでもいい。悪魔っぽい女が一回部屋の外に出たぐらいしか動きはねぇみたいだしな。
後は単独で動くコキュートスとかっていう厄介な虫野郎を何とかすればいい…。あいつだけは明らかに俺と相性が悪い…見えないところで処分しておきたいところだが。さぁて…どうするか。
――ん?これは…《伝言》か?湖のあいつからだな…何かあったのか?
『――すまんな忙しいところに。先程、勇気ある亜人の娘から
面白い情報だと…?一体この場面で何があるっていうんだ…?
――クルシュSIDE――
―――私は救ってみせる…
私――クルシュ・ルールーは今森の中を走っている。普段
ただ湖の周囲はこれらの木々に囲まれていることもあり身近な存在と言える。森の木々は様々な恩恵を私達にもたらしてくれ、
「はぁ…はぁ…。私は…絶対に…ザリュースを…!」
私は
これほどまでに私が急いでいるのは、私が全てを懸けた賭けをしているからだ…。しかも誰が見ても明らかに無謀な賭けをだ。
発端は突然現れた謎の侵略者――アインズ・ウール・ゴウンという死者の王…あれらと関わったことで
別に生贄を差し出せと相手は言ったわけではない…ただ、こちらの降伏を許さず戦いを強要し、攻め手は桁外れな力を持つ者が信頼する側近一人を嗾ける。明らかに勝算という言葉が存在しない相手と戦えと言うこと…これを『生贄の儀式』と言わずして何と言うのか。
そして、その『生贄の儀式』の中には私の愛する雄――
儀式に使う生贄は弱い者では意味が無く、強い者達を戦闘に出しその全てを殺戮し希望を無くさせることで成立する。そして、ザリュースは
私も一緒に戦う決意をしたが、それはザリュースや他の部族の族長によって止められてしまった。私が今後の
頭では分かっている…。誰かが
でも、心では皆に死んでほしくない…!そしてザリュースと一緒に暮らしていきたい!ここでザリュースが死んでしまったらその願いも夢幻で終わる。そう…二度とその夢を掴むことが出来なくなるのだ!
だから、私はザリュースの願いを踏みにじってでも最後の賭けに縋った。――それが湖の支配者である『湖の主』に会って協力を要請することだった。
『湖の主』は生贄を要求したり、私達を実験動物のような扱いをするとも言われ、とてもではないが素直に話が通じるとは私も思っていない。しかし、私はそれでも万が一の可能性に賭けたい…待つだけではなく少しでも足掻きたいのだ。
走る内に段々と周囲の木々が疎らになってくる。肌に感じる土臭い空気に湿気を帯びてきていた。私は息を切らしながらも速度を緩めず駆け抜ける。
森を抜けた先――私は遂に瓢箪湖の上の湖…『湖の主』の居場所までやってきた。
周囲は先程の騒動が嘘のように静かで閑散としている。生物らしい姿も一切見えずここだけ世界から切り取られたかのような平穏を保っている。
後ろから追いかけている者はいない…どうやら敵からは上手く撒けたようだ。後は噂の『湖の主』を探すだけだけど…どうすれば会えるのか私には分からない。
とにかく祭司の力で祈ってみることにする。祭司の力を風や水に込めてこちらの居場所を分かるようにすれば、もしかしたら顔を出してくれるかもしれない。一体どのような者なのかは私にも分からないが、今は思いついたことを少しでもやってみるしかない。
私はその場で座り湖に対して祭司の力を行使した。こちらの居場所が分かるように私の想いが全てに対して届くようにと…。
だが、しばらくそのまま同じように力を行使し続けたが湖には変化がない。周囲も最初と同様静かで閑散としたままである。諦めずに続けるが時間が差し迫っていることもあり集中が出来なくなってきている。
――やはり、駄目なのかしら。私の想いは『湖の主』には届かないのかしら…。
私が無駄であるのかと諦めを感じたその時、一つの変化が訪れた。
『――ほう…?私に対して会いたい者がいるとは驚いた。勇敢なる亜人の娘よ…その胆力に免じて話だけでも聞いてやろう。』
私は私の耳と自分自身を疑った。最初は私の強い願いが幻聴になって聞こえたのかと思ったが、直接頭の中に響いてくる声…《伝言》とは少し違う方法での会話のようだ。
「どこ…?どこにいるの…!?」
私は混乱しながらも周囲を見渡すが、その声以外には一切変化が無く、どこに潜んでいるのか全く見当がつかなかない。
『その前に…お前はどうやら誰かに追跡されているようだ。このまま姿を現しては私も場所を特定されてしまう。それでは話にもならんだろう。』
(嘘…!まさか敵に見つかって追跡されていたの…!?このままじゃ私も捕まって
私は焦りで更に混乱し思考も纏まらなくなっている。そんな中にこの声の主は冷静にそして淡々と私に一つの提案を持ち掛けてきた。
『ふむ…ではこうしよう。お前に一つ
私は最初この声の主が何を言っているのか理解が出来なかった。だが、段々とその提案を頭の中で噛み砕いていくと、これはとんでもないことを言っているのだということに気が付いた。
(み、湖の中に飛び込めですって…!?巨大生物の巣窟に自分から入る…つまり自殺しろと言っているようなものじゃない!?加えて私は魚みたいな呼吸は出来ないし、どうやって話をすればいいのよ…!?)
冷静に考えるとこの試練と言う名の提案は問題だらけである。やることは簡単だが、明らかに私を苦しめて殺そうとしているような提案にしか聞こえない。だが、私のそういった思考を読み取ったかのように更に声の主は続けて言った。
『中に入った後は私が身の安全を保障しよう。もちろん死なぬように息もできるようにしてやる。…そしてこの試練の最大問題は
やっとここに来て理解した…声の主がこれを何故
(うう…確かにこれは試練と言える内容だわ…。声の主の話が本当ならば話が出来て、嘘ならば溺死か巨大生物の餌ね…。)
これは私の覚悟を試しているのだ。僅かでも決心に揺らぎがあれば、この湖に飛び込むことなど出来はしないだろう。声の主が何と言おうとも、一つでも間違っていれば死んでしまうのだから。
(でも、私は覚悟を決めたのよ…!ザリュースのためにも…ここで迷ってなんていられないわ!)
「―――っ!!!」
―――そうして、私は無言のまま身を投げるかように湖の中へ飛び込んだのだった…。
――
―
――…不思議な感覚を感じる。普通なら身体が浮くはずなのに湖の中に身体が沈んでいく。
巨大生物の姿などは一切見えない。水の中も地上と同様に静寂が保たれており穏やかだ。肌に感じる水も体温を奪うものではなく、とても心地の良い毛布に包まれている感じである。
しかし、沈めども『湖の主』の姿は見えない。もしかして騙されてしまったのかしら…。
…息がもう持たない。どうやらここまでかもしれない。大切な空気を失うのが怖くて大事にお腹の中に貯めていたが、目を閉じそれらを咳き込むように吐き出す。ごめん…ザリュース、私何の役にも立たなくて…。
『――怖がるな亜人の娘よ。もう息は出来るようになっている。そのまま身を任せよ。』
…暗闇の中で声が聞こえた。その言葉を信じ私は息を恐る恐る吸ってみる。――空気が…ある?どうなっているのかしら…?でも、この声の話は本当だったようだ。
浮遊感の漂う中、なんとか落ち着いた私は恐怖で閉じた目をゆっくりと開けてみる。――そうしてぼんやりと開けた私の目の前に、いつの間にか誰かがいたのだ。えっとこれは
青髪の上半身裸の人間の男が目の前にいた。人間の違いは私にはよく分からないが、とても自信に溢れた顔をしておりかなり筋肉質な身体をしているように見える。エルフのような大きな耳にはピアスが何個も付いており、身体には赤い文様のような刺青が入っているのも特徴的だ。
しかし、私は
「あ、あなたが『湖の主』様ですか…?」
『いかにも、本来の名は違うが近くの者からはそう呼ばれているな。それで亜人の娘よ…私に何か御用かな?』
「え…?あ、えっとその…。」
湖の主は水中で器用にお辞儀をしている…聞いていた話より随分と紳士的だ。そういえば追手の方は大丈夫なのかしら…?万が一この会話を聞かれていたら…。
『ああ、追手はここまでは来れんよ。未だに遊戯の世界に生きている連中では、スキルや魔法に頼り切って本質を見失う。現実ではそれらとて絶対では無いというのにな…。』
「遊戯の世界に生きる…?」
何のことを言っているのかしら…?おそらくあいつらのことを言っているのだと思うんだけど…。
『なに…こちらの話さ。気にしなくても良い。それよりお前の話を聞こう。まぁ、あいつらに追いかけられているということは中々に厄介ごとだと想像できるがな。』
う…見破られているわね。でも、ここまで来たからには後には引けない…!
「私の名はクルシュ・ルールー!
――私はこの賭けに勝ってみせるわ!待っててみんな、そしてザリュース…必ず助けるから!
――???SIDE――
…………………
……………
………
『――どうだ?この情報は役に立ちそうか…?』
ほぅ…俺が森や湖に仕掛けを設置してる間にそんなことがあったとはな。これは確かに面白い情報だ。虫野郎が直接出てくる上に、あいつら律儀に時間と場所まで指定するとはな…!是非とも襲って下さいって言っているようなもんじゃねぇか…!あいつら舐めてんのか…?
丁度良い、それなら計画を変更だ…。あいつらを一網打尽にするだけじゃ
「――お前にも動いてもらうぞ…?『七英雄』と呼ばれたお前の力…あの虫野郎に存分に振るってくれ…クカカカカ…!」
さぁ…対戦カードもやっと見えてきたかな?…まぁ、まだ名前も出ていないんですが…。最初のプロットではこんなに長くなる予定じゃ無かったんだけどね…表現ってとても難しいです。