帝国魔将ゴルベーザ!   作:RIN

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早速第3話の投稿です。
今回は巻き直し回。主人公SIDEのお話です。

今回の一言

「ボッチという言葉に馴染みがありすぎて心が痛い。」byRIN


戦いの裏側で

――INSIDE――

 

 

―――やりすぎました。

 

 

 うわーん!やばいよー!演技に興がのりすぎて第10位階魔法連発してもうた!この世界じゃ第3位階ぐらいでも強いって言われてるのに、いきなり6段飛ばしは一悶着あるよ絶対!

 

 私には何が起こるか全くわからないけど、ナレーションに『あの時の《○○魔法》が原因だった』的な表現があって私が追い詰められている展開が予想できてしまう!

 

 一応我が軍師の一人ボクえもんが『政治的駆け引きをするなら今回手加減は必要ございませんぞ。』と言ってはいたものの、国相手に駆け引きなんてしたくないし私じゃ出来ねぇよ!

 

 というかそもそもの原因が、あの4人が私の共闘の誘いを無視して敵になったのがいけない!私の強さを見せつけた上で『一緒に戦いませんか?』的なニュアンスをロールプレイ風味にアレンジして言ったのに、4人集まって敵対宣言されたときは本気で心が折れかけたぞ!

 

 これって昔のあれか!?クラスで厨二病的な発言しまくってから誰も近づいて来なくなって『私の愛する静寂が戻ってきた(リアル)』を体験したあれか!?人のトラウマ抉るんじゃねぇよ!…うっ…自業自得で悲しい気持ちになってしまったぜ。

 

 …とにかく心が折れかけた後に思いついたことがいけなかった。その時の再現VTR(脳内)どうぞ。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

『あれっ?これってボスキャラ最高の見せ場じゃね?』

 

 

 

 

 この時仲間外れからのショックで折れかけていた心に希望が灯った。1対4で私は魔王で4人は勇者。なんか観客も喜んでいるみたいだし、初めてこの世界の人々に私の悪役ロールプレイを見せることが出来るのでは?と思い始めてきた。

 

 一度思えば厨二病は止まらない!三千世界を四の五と言わずどこまでも加速し続けるのだ!

 

 ブレーキを失った私は『ゴルベーザ様用語集』の中から言葉を借り、4人に対して宣戦布告を行った。

 

 

「ふむ…それが貴殿らの選択か。では勇敢なる戦士たちよ…その若さを武器に挑むがいい。」

 

 

 この時、私の頭の中のBGMは~ゴルベーザ四天王との闘い~(原曲)が壮大に流れていた。

 

 

「どっちが若いかその身にわからせてやるぜ!」

 

「参るぞ…!」

 

 まずは小手調べと行こうか!前衛系の二人が私の《パーフェクト・グラビティ・コントロール/完全重力操作》エリアに入ってきた。さぁ…私(の魔法)を超えられるのか…?試してやろう!

 

 ちなみにこの魔法は第9位階で『サイキックファイター』のおかげでパッシブスキルのような使い方ができる。基本詠唱もなく近距離と遠距離で効果が違い、さらに自身の身体を浮かび上がらせ回避を行うことも出来る万能魔法だ。また一つの魔法で効果が多いことから類似魔法が多すぎて位階特定が難しい。なので高位魔法だけどこの世界でも安定して使っていけるのだ。

 

「うおっ!?なんだ体が重い…!」

 

「馬鹿な…!?」

 

 反応いいなこの人たち!ロールプレイをやっている身としてはおいしいセリフです!

 

 …っておお!なんとこの重力の網を2人が越えてきたようだ。今は《グラビティ・ウォール/重力の壁》と同じ効果にしてあるので30レベル相当のSTRはあるみたいだ。しかし速度低下は免れなかったのか攻撃は当てられなさそうだね。

 

「ほう…!この重力の網を抜けてくるとは…やるではないか!」

 

 一応褒めつつ空中で腕を組みながら足をかかとで揃える渾身のゴルベーザポーズで華麗に攻撃を躱していくぜ!

 

 さてでは《完全重力操作(パーフェクト・グラビティ・コントロール)》で他の技を見せてあげよう!近距離では腕を伸ばすことで半径5m以内にいる敵を掴むことが出来る。そしてもがいている敵を持ち上げ…横にドーン!

 

 遠距離では対象物を一方方向へ加速させる効果だ。だからこれを上に向けてやったりすると空に落ちることを楽しめたりする(戒め)。

 

「《ライトニング/電撃》!」

 

「《エクスプロージョン/爆裂》!」

 

 おっと?どうやら間髪入れず他の二人が魔法で攻撃してきたようだ。ふむ…普通に受けても装備で弾いちゃうレベルの魔法だな。だったらかっこよく魔法的に消してあげよう!

 

 《完全重力操作(パーフェクト・グラビティ・コントロール)》を使って今度は《グラビティ・プレス/重力圧》を再現し、両手でぐしゃっ!マントを翻しながらかっこよく消しました。

 

「なっ…!?」

 

「うそでしょ…!?」

 

 この人たちもいい反応するな!ロールプレイをやっている身(ry

 

「それではお返しと行こうか…《ドラゴン・ライトニング/龍雷》!《エクスプロード/破裂》!」

 

 ではお返しの魔法は今使った魔法より上の位階で行きますね。やっぱり魔王的なロールプレイでは自分がやった魔法よりさらに強いのが返ってくるってのは、強者演出として重要だよね!でも直撃したら流石に可哀想なので照準はずらしておこう。

 

 

 

 

 

 どーよ!これがボッチの力!今更言っても仲間に入れてあげないぞ!で、でもどうしてもっていうなら考えてあげても…。ってそりゃなさそうだね。

 

 手加減はしたが、レベル30相当ならこれでもかなりきついはず。それでも立ち上がって向かってくるか。なんだか本気で四騎士になりたい人達に失礼な気がしてきたな。よし、次のド派手な手加減魔法を撃ったら降参してあげようじゃないか!

 

 

「苦境でも覇気を保つか。その折れぬ心に感服するが…そろそろ決着と行こうか《魔法効果範囲拡大(ワイデンマジック・)・属性核爆発(エレメント・コア・バースト)》!」

 

 

 これは私秘蔵のロールプレイ専用コンボ魔法だ。第10位階魔法なので通常通り使えば、各属性のクリスタルがとんでもないダメージを叩き出す魔法である。だが、なぜかワイデンと一緒に使うと派手な見た目とは裏腹に、通常より威力がとんでもなく下がってしまうのだ。

 

 どのぐらい下がるかというと、魔法職ならちゃんとした装備をすればレベル15でも耐えることが出来るくらいだ。

 

 おそらく《エレメント・コア・バースト/属性核爆発》では元々分散して攻撃する魔法な上に、ワイデンで点の攻撃をいきなり面にするため、威力が伴わないのではないかと考えている。

 

 さっき重力の網を突破し、使ってきた魔法から考えるとレベル30付近はあると思われるので、魔防が低くてもなんとか耐えられると思うし…何より私が使いたい。だから使う。異論は認めない。

 

 

「これがクリスタルの力だ。勇者諸君…耐えて見せよ!!」

 

 

 さぁ…この魔法に耐えて立ち上がり勇者的なアレに目覚めて私を降参させて見せろ!

 

 ってあれ?誰も立ち上がらないぞ?というか足とか手がスプラッターしてるぅぅぅ!!?やべぇぇぇ!!生きているのか!?ら、《ライフ・エッセンス/生命の精髄》!《ライフ・エッセンス/生命の精髄》!《ライフ・エッセンス/生命の精髄》!ついでに《ステータス・ライブラリー/能力閲覧》!《ライフ・エッセンス/生命の精髄》ぅぅぅ!!

 

 

「…ふむ、素晴らしい。この私の魔法に耐えたか。流石に意識はないようだが生きているだけでも称賛に値する。」

 

 

 よ、よかった…全員生きているようだ。だけどこのままだと流血・骨折・火傷・凍傷のスリップダメージで死んでまう!しかも一人は何か私の知らない状態異常に掛かってるし!ええい!それもついでに治してしまえ!

 

 

「見事耐えて見せた褒美だ。さぁ…回復してやろう!《集団標的(マス・ターゲティング)・完全治癒(・パーフェクト・ヒール)》!」

 

 

 《パーフェクト・ヒール/完全治癒》は第10位階に属する魔法で、対象が生きている限りあらゆるバッドステータスと状態異常と体力を回復させる魔法だ。ルビカンテ君のセリフ取っちゃったけど緊急事態なので許して下さい!何でもしますから!

 

 それで一応生命の危機は脱したが4人を決める大会なのに残っているの私だけなんですけど…とりあえず王子さんに聞いてみよう!

 

 

「さて…私が勝ち残ったが、この場合はどうなるのかね?」

 

 

 無かったことにしてもいいのよ!その時は私もう帰るからね!!

 

 

 

 




<原作を知ろう!>
さぁ!回復してやろう!
出典:FF4
使用者:ルビカンテ
ゴルベーザ四天王の一人であるボスのルビカンテが主人公パーティと戦う前に正々堂々と戦うためという理由で回復してくれる時の言葉。一戦目では漢らしさが溢れるセリフだが、二戦目の他の四天王と協力して戦う場面でも同じことをするので、ある意味四天王の足を引っ張る行為だったと言える。この二戦目は原作でもかなり差し迫った場面だったこともあり、この言葉に感謝しつつも疑問を覚えたプレイヤーは多かった。


ロールプレイがやりたくてノリノリで帝国の主力四人を廃人にするところだった主人公。その感じが表現できていたら嬉しい。

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