帝国魔将ゴルベーザ!   作:RIN

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第5話目の投稿です。
第一章も終わりが近づいてきました。私も会社の休暇中に書き上げたいですね。

今回の一言

「ジル君とのお話全カットは可哀想過ぎたかも。」byRIN


待たない者達

――INSIDE――

 

―――わたし帝国魔将になりました。

 

 

 どうしてこうなった。いや…私のせいなんだけどね。

 

 

 

 帝国四騎士を決める大会で私一人のワンマン勝ちをしてしまった後、ジル君にお呼ばれしました。

 

 表彰式で静寂溢れる中トロフィーを受け取り、前代未聞の事態なので追って褒美を取らせると引きつった顔でジル君に言われたので来ています。

 

 ああ、ちなみに王子さんの名前はジルクニフって言うらしいので、今度から心の中ではジル君って呼ぶことにしました。うん流石私!いいネーミングセンスだ!

 

 一応本拠地の空中神殿に帰って、皆に感想を聞いてみたんだけど大絶賛された。特にゴルベーザ四天王のみんなが大興奮で『ふしゅるるる!ゴルベーザ様がついに帝国に!』『ここからゴルベーザ様の進軍が始まるのですな!ぐへへ!』『ほほほ!ゴルベーザ様の御力で世界の全てを!』『ふふふ!武人の血が騒ぎますな!』とそれぞれ嬉しそうに感想を言ってくれた。

 

 うん…思ってたんだけど、何でみんな世界征服的なあれが一般常識になってるの!?私どっかで世界征服したいとか言ったっけ!?こっちの世界に来てからそんな物騒なこと言ったことないよ!?

 

 でもみんな嬉しそうだからそんなこと言えない!進んじゃいけない方向に進んでいる気はするけど、心の底から喜んでいるみんなをがっかりさせるのは私の良心が耐えられない!

 

 しかし悪いことだけではないぞ!私はこの世界で悪役ロールプレイがしたいんだから、これからいくらでもできるぞ!まぁそれって悪役ロールプレイって演技じゃなくてモノホンだけどな!

 

 とにかくみんなからはこれでいいっていう話だから、私はこのまま帝国のお城に乗り込むぞ!みんなのりこめー!ってほんとに来んな!戦争に行くんじゃねぇよ!?いやいや侵略でも占領でもねぇよ!?話し合いに行くんだ!だから待て、だから待てってーー!!

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 はいっ!何とかみんな私の話(物理)を聞いてくれてお留守番してくれました。そんで城の中に入って部屋の中でジル君を待っていたんだけど、その前におじいちゃんが私の前に現れました。

 

 そしたらいきなり泣き出して私の前で跪いてきたの!しかも土下座体勢で!当然私大混乱!私なにもやってないよ!と、とりあえず事情を聞きましょうね~!

 

「どうしたご老体よ。頭を上げて話をするがいい。私でよければ相談に乗ろう。」

 

 おじいちゃん落ち着いて話をしようね。わけがわからないけどつらいことがあるなら話を聞くよ?ほら背中さすってあげるからね、ね。

 

「あり…ありがとうございます…。…取り乱してしまい申し訳ございません。私の名前はフールーダ・パラダイン…この国で魔法を研究しているものです。私はあなた様にお願いがありこちらに参りました。」

 

 お願い?いったい何だろうか?何か魔法関連に関することだろうか?

 

「ふむ…よかろう。私に話してみなさい。」

 

「はい…今あなた様は魔力探知防御の装備をしていると思われるのですが…それをはずしてはいただけませんか?」

 

 むっ?これはもしかしたら魔探査封じの指輪のことかな?まぁそのくらいなら…いいかな。とりあえずガントレットをおじいちゃんに見えないように外して指輪を取る。すぐにガントレットをつけておじいちゃんを見てみると…。

 

「お…おおお…神よ…貴方様はやはり神であったか…!」

 

 ああ!また泣き始めちゃったよ!ほらほら背中さすってあげるから泣き止んでよおじいちゃん…。立派なおひげが地面にこすれちゃってるよ?大丈夫?

 

「伏してお願いいたします!私を…私を弟子にしてください!私は…私は…ただ魔法の深淵を覗きたいのです…そのためなら何でもします!」

 

 弟子って…私も魔法の原理ってそんなにわかってないんだけど…ってそういえばうちの四天王の中に魔術極めちゃった設定の奴がいたな…。彼に任せてみるか…?いやいやでも天空神殿まで来てもらったり帝国に行ったりはリスクがでかくないか?でもこのおじいちゃんみてると助けてあげたくなるなぁ…。

 

 ん…弟子?ということはこのおじいちゃんを育てて第10位階まで使えるようにすれば…?

 

 

ふーるーだ「パワーをメテオに!」

 

ごるべーざ「いいですとも!」

 

 

 ふぉぉぉぉぉ!これはイイぞ!実にイイ!なんかおじいちゃんの名前も似ているし、モップの設定的にも行けそうな気がしてきた!これはこの世界のロールプレイヤーの第一人者として育て上げねばなるまい!

 

「…よかろう。ただし私についてくるということはこの世界の裏側の一端を見ることになる。ともすれば命を懸けることになりかねん…後戻りはできぬぞ?」

 

 一応部下に魔法を教えてもらうことになるかもしれないからちょっときつめの言葉で脅しておこう。…下手すれば部下に殺されかねんし。

 

「おお…!おお…!命を懸けることは元より承知の上!このフールーダどこまでも付いていきます!」

 

 …って待っておじいちゃん!泣きながら足元ペロペロしないで!わかった!嬉しいのはわかったから!それにもうすぐジル君来ちゃうよ!こんな姿見られたら勘違いされるよ!だから待て、だから待てってーー!!

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 はいっ!ジル君との話も終わっておじいちゃんにも戻ってもらいました。最初はジル君とお話ししていたはずなんだけど、途中からおじいちゃんとジル君がずっと話をしていました。要約するとこんな感じ。

 

『わし隠居して師匠に座を譲ります。』

 

『まるで意味がわからんぞ!』

 

『だったら師匠偉くしてね?』

 

『それならおk!』

 

 ってことで帝国魔将ゴルベーザとして帝国で働くことになった。というかジル君王子なのになんでそんなこと決められんの?とは思ったが、きっとお父さんを説得しに行くんかなぁ?

 

 あとよくわからないけど、今度なんか戦いがあるから協力してねって言ってた。おじいちゃんもそれは協力したほうがいいって言ってたから今度一緒に参加します。

 

 あとあと帝国四騎士も自分の部下になるみたいでその四騎士はこの前闘技場で戦った4人なんだって。またあの4人か…回復はしてあげたけど元気かなぁ。今医務室にいるらしいしそれならちょっくらお見舞いに行ってみるか!

 

 一応私の部下にはなるんだし顔合わせは大事だよね!でわいってきまーす!

 

 

 

 

 

 …今男性3人組の…えっと…バジウッドさんとニンブルさんとナザミさんが目の前にいるのですが…

 

「あああぁぁ!俺の腕が…足が…寒い…寒いのか…ああ死ぬ…妻達よごめん…!」

 

「く、来るなぁ!私に近づくなぁ!そ、そうだ高いところへ!地面のない高いところへ…!」

 

「はは…溶ける。全部溶ける…。燃える…ああ…水…!水をくれ…!」

 

 私が来てから全員錯乱状態です…どうしてこうなった!めっちゃトラウマになってんやん!ああバジウッドさんしっかりして!奥さんきっと元気だから大丈夫!っておおい!?ニンブルさんここ5階だよ!?ワンチャンダイブしないで!!ってええ!?ナザミさん水に顔突っ込んじゃだめ!!窒息死するぞ!!だから待て、だから待てってーー!!

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 はいっ!3人とも疲れたのか寝かせました(物理)。このくだり何回目だよ…。とにかく次はレイナースさんだけどこの調子じゃまた(物理)をしなければならなくなりそう。しかし医者の見解ではこういうのは1回爆発させた方がいいらしいんだとか。まぁ一緒に働くんだし慣れてもらわないと困るわなぁ。

 

 ということで今度は女性医務室側にやってきました!一応私の中身は女性だけど男性扱いなのでちゃんと女性看護師さんについてきてもらってます。これでムフフなハプニングは起こらないのでトラブルは未然に防げるぜ!では失礼しまーす!

 

「失礼する。レイナース殿は健勝か?」

 

「はい身体的には大丈夫です。ですがまだ精神的なところが不安定ですので注意して下さい。」

 

「わかった。何かあれば世話を掛けるがよろしく頼む。」

 

 そうして看護師さん達は一度退出し、近くで待機する。男性医務室でもそうだったが、高官の話は聞かないように徹底されているのだろう。

 

 白いカーテンを見えない程度に少し開け、まずは声掛けから始める。

 

「レイナース殿。少し話をよろしいか?」

 

「ええ…どうぞ入ってください。」

 

 おや?男性組はこの時点で取り乱していたが、レイナースさんは落ち着いているようだ。看護師の話では起きた時点で男性組と同じ取り乱し方をしたらしいと言っていたので、山場は越えたのかもしれない。

 

「そうか…では失礼する。」

 

 今度は白いカーテンを自分が通り抜けられるくらいに開け、中に入り近くの椅子に座り様子を見てみる。

 

 白い病院服を着ており、女性ながらに鍛えられた身体が薄っすらと外見からでもわかる。それでいて出ているところは出ており、引っ込んでいるところは引っ込んでいるけっこうグラマラスな体形をしている。金髪は腰まで届くくらい長く、それでいて顔立ちはまるで人形のように綺麗で、この世界の人間を見た中ではトップクラスの美人である。

 

 コロシアムの時と違うとすれば髪をかき上げており、こちらから見て左側の顔半分が見えていることだ。もしかしたら顔を隠すのは戦闘時だけなのかもしれない…メリットがあるかは定かではないが。

 

 他にも若干ではあるが頬や耳が赤くなっていて、何故か少し恥ずかしそうにしている。快適な鎧ライフの私ではこの部屋の気温はわからないが、少し暑くて汗でも出ているのかもしれない。

 

「突然すまない。今四騎士たちの容態を見て回っているのだ。私も勇気を試すだけのつもりだったが、あそこまで君たちを痛めつける気はなかったのだ…どうか許してほしい。」

 

 他の四騎士さんにも同じように話す予定だったが、さっきの男性組には話すらできなかった。今回の件は私が調子に乗って魔法を放ったせいである。しっかり頭を下げて謝罪をした。

 

「そんな…!閣下はあれだけの力をお持ちなのです!むしろ未熟な私たちが手加減されている方が恥なのです!頭をお上げください!」

 

 えっ?閣下?ああ!もしかして私が帝国魔将になる話は既に知っているのか!話し方も丁寧だしきっと私を上司として見てくれているのだろう。とりあえず言われた通り頭は上げておこう。

 

「ところでお聞きしたいのですが…ええと…」

 

「…?どうかしたのかね?言ってみるがいい。」

 

 なんかもじもじしてどもり気味な感じである。そんなに聞きづらいことなのか?

 

「…閣下は私に特別なこと…何かしましたか?」

 

 ええええ!!?事案か!?事案なのか!?私なんもしてないぞ!!ちょっとそこを詳しく聞いてみようか!?

 

「特別なこと?ふむ…事柄が広すぎて判断が出来ん…少し話を絞ってくれんかね?」

 

「あ…申し訳ございません閣下!具体的には呪いの類なのですが…」

 

 呪いの類?むぅ…何かあったかな?レイナースさんの件で…ってあったよ一つ!そういえば回復するときに私の知らない状態異常があったよ確か!もしかしてそれのことかな?

 

「もしやそれは私も知らぬ何かの状態異常のあれか…?」

 

「…!それです!閣下はそのときそれをどうされたのですか!」

 

 ベッドから跳ね起きて私の方に興奮気味に距離を詰めてきた!ええ…?もしかしてアレって治しちゃいけない類だったのか?

 

「それならば君たちを回復させるときに一緒に治療してしまったが…何かいけなかったかね?」

 

「…!――――!」

 

 うええええぇぇ!?なんで言葉にならないような声を出しながら泣いてんの!?えっもしかしてその呪いって結構重要だった!?と、とりあえずほらレイナースさん泣き止んでね。背中さすってあげるから。ほーら怖くないよー。

 

「ありがとうございます…ありがとうございます…!」

 

 ん?感謝してるってことは…もしかして逆なのかな?治療したかったけど治療できなくて、それがあの時治ったからうれしいのかもしれない。とりあえずはこの場所では体勢的にきついからレイナースさんの隣に行って背中をさすって泣き止ませよう。よっこいせっと。さすりさすりっと。がばっと。…ん?『がばっ』て効果音は何ぞや?

 

「はぁ…はぁ…!閣下…閣下…!」

 

 ちょ、おま…うえぇぇ!?え!なんでレイナースさんは私に抱き着いとるのかえ!?こ、ここは冷静に、冷静に…。

 

「どうしたレイナース殿よ?私に何か?」

 

 

「閣下!私のことはどうぞレイナースと呼び捨てて下さい!そして私と結婚してください!!」

 

 

 お~い~!!これはどういうことだ!?まるで意味が分からんぞ!!身体とか鎧に押し付けないで!!それ痛いでしょ!!っていうか匂いとか嗅ぐんじゃない!!くすぐったいぞ!!あっ兜を取ろうとするな!!私中身は一応女なのよ!!結婚とか駄目だから!!だから待て、だから待てってーー!!

 

 

 




<原作を知ろう!>
もうひといきじゃ パワーをメテオに
いいですとも!
出典:FF4
使用者:フースーヤ、ゴルベーザ
ゴルベーザの叔父に当たるフースーヤが元凶のラスボスにWメテオを発動させる際にゴルベーザが応えたセリフ。特にこのいいですとも!というセリフはFF史上で1,2を争うネタ台詞で有名。FF4全般を通して悪役を務めたゴルベーザが放つ言葉にしては、あまりにも似つかわしくない台詞だったことがネタに走る要因となった。ただこの台詞には洗脳が解けたゴルベーザであるという意味が込められた台詞ともいわれる。この言葉を引き出したフースーヤはやはり偉大である。ちなみにこの小説中に出てくるモップとはフースーヤの髭のことを指している。
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