こちら政府対策課戦闘部隊!   作:天闇

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第壱話ー政府対策課まかり通る!ー

『今日も一日ヨロシクな』

 

ある本丸へ繋がるゲートの前

 

その言葉と共にと1人の背の高い男性らしき人物がそっと愛刀二振りに口付ける

 

それにカタリと鯉口を鳴らして答えてくれる二振りにその人物は心底嬉しそうにその口元を緩ませた

 

その流れは1種の儀式のようであった

 

『さて……給料分の仕事をしましょーかねぇ?』

 

己を鼓舞するためにもそう呟くとその人物は目の前のゲートである扉を蹴り開け中へ入る

 

扉の向こうではリアルお化け屋敷のようになってしまった本丸

 

そしてこの者の仕事はこーなってしまった所謂“ブラック本丸”の摘発だ

 

「ここへ何しに来た」

『ココはブラック本丸と認定されました。よって審神者に然るべき処分を下し貴方方を保護する為に参りました………と言っても聞く気は無いでしょうがね』

 

その言葉にさっきの音で集まって来た刀剣男士達が刀を抜いて構える様にヤレヤレと首を振る

『政府対策課戦闘部隊切り込み隊長黒月、まかり通る!』

声高々にそう告げると愛刀である三日月宗近を抜き放ち切りかかってきた刀剣男士達にその人物、黒月は応戦した

 

しかし、いざ戦闘が始まって見れば結果は呆気ないものだった

 

『もう終わりですか?』

 

戦闘が始まってものの数分でその場にいた全ての刀剣男士が地に伏していた

 

それもそうだろう

 

彼らはカンストしていない上に中傷以上の傷を負っている

 

そんな刀剣男士が彼、否彼女に勝てるわけが無いのだ

 

先程黒月と名乗った彼女、本名神喰 雪華(カミジキ セツカ)は政府の中でも精鋭部隊が揃う対策課戦闘部隊の最年少隊員であり総合能力は実質二位、黒猫の面を使用している事から通称“狂猫ーキョウビョウー”と呼ばれる程の実力者だからだ

 

その武勇伝は数しれず、カンスト済の刀剣男士相手に素手で戦い無傷で圧勝したと言う話も存在する

 

勿論それらは本当の話で彼女相手に勝とうと思うならばカンスト済みの刀剣男士10振以上が絶対条件であるのだから末恐ろしい話である

 

そんな彼女の真価は刀剣男士以上の剣術に加えそれ以上に得意とする体術、短刀に勝るとも劣らぬ機動力、隠密に優れた偵察力だ

 

それに加えて彼女の身長は太刀と変わらぬ170後半、その細腕に宿る力は女とは思えぬ刀剣男士と引けを取らぬほどの力

 

その上それなりに長い藍の髪を一つに括り長い横髪は半ば程に付けられた独特の真珠の髪飾り、中性的な彫りの深い顔立ちに女性らしい体つきをしてはいるものの常に晒しで胸を潰しゆったりとした男物の服を来ているのだから最早刀剣男士とほぼ変わらないだろう

 

寧ろそんな彼女に勝てという方が無理な話である

『さて、審神者部屋に急ぐとするか』

 

静かにそう零した雪華は1度三日月宗近を仕舞うともう一振の愛刀である物吉貞宗を懐から取り出しそれを抜き放つと次の瞬間には本丸を駆け出していた

 

目指すは審神者部屋である

 

時折出くわす刀剣男士を素早く昏倒させながら走っていた雪華は徐々に速度を落とし1つの部屋の前でピタリと立ち止まるとその襖をスパンと開け放つ

 

襖には開けられないための結界が貼ってあったが雪華の前ではそれは最早薄い氷の膜も同然である

 

「なっ!?何よあんた!!!」

 

中には肌蹴た着物を着た厚化粧をした女審神者とその審神者に押し倒されている死んだ目をした刀剣男士はギョッと雪華の方に目を向けた

 

『おや、お邪魔したようで?』

「誰よあんた!!」

 

嫌味ったらしく口元に手を当てながらクスリと嗤った雪華にキンキン声で食ってかかる審神者はこれから自分がどうなるのかを分かってはいない

 

無知とは本当に恐ろしいものである

 

『あぁ、私はただのしがない政府役人ですよ。今この場を持ってココはブラック本丸と見なされ貴方は審神者の任を解かれました……あぁ、それとお上からは“処分しろ”との命が出ておりますのでお覚悟を』

 

ニッコリと嗤って告げられた言葉にサッと女の顔が青くなる

 

やっと自体の重さを理解したらしい

『無理な出陣、単騎出陣の強制、刀剣男士を不用意に折る、刀剣男士に夜伽を強制、その他諸々………………本来なら神である彼らが我ら人間に力を貸してくれているに過ぎぬと言うのにそれを忘れ驕り結果がこのザマとはな…………まぁ取り敢えず』

 

スラスラと言葉を紡いでいた雪華はそこで言葉を止めると一つ溜息を吐き次の瞬間には審神者の目の前へと移動する

 

「っ!?!?」

『去ね』

 

素早く審神者の後頭部に思い一撃を加えて昏倒させると雪華は女審神者の手足を拘束し乱雑にその辺に転がした

 

その間その場にいた刀剣男士は彼女の動きに魅入っていた

 

一切の無駄のない動きに流れるような、それでいて羽根のように軽い動きとそれに見合わぬ鋭く思い一撃

 

相手を傷付けるための技、力であるにも関わらずこうも美しいのか

 

それがその刀剣男士の感想だった

 

『さて………助けが遅くなり誠に申し訳ございませんでした………………一期一振様』

 

刀を静かに仕舞った雪華が刀剣男士、粟田口派唯一の太刀である一期一振に近づきその背を支えゆっくりと起き上がらせる

 

「貴方は………役人……ですか?」

『えぇ。政府対策課戦闘部隊切り込み隊長黒月と申します。貴方方の保護と審神者の処分に参りました』

 

何処か縋るような目を向けてくる一期一振に雪華はニッコリと優しく笑いかけたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……To be continued




次は兄姉が登場します!
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