俺は先程出会った少女、友奈ちゃんから事情を聴く為にも近くに話ができる場所へと向かっていたのだが
「あっ」
「あっ」
話ができる落ち着ける所という事で紹介されたのがうどん屋だったが、丁度腹が減っていたという事もあって、そこで食事をしようと思ったのだが、そこには既に何杯目かのうどんに手を伸ばしている響がいた。
「響、ここにいたのか。
それにしても、よく食べるな」
「いやぁ、情報収集しているとお腹が空いてしまいまして、
それにここのうどん、とっても美味しいから、ついつい食べすぎちゃって!!」
「まぁ良いけど。
丁度良い、俺の方にも詳しい話ができる子がいるから、一緒に聞くぞ」
「あっ本当ですか!!」
そう言い、振り替えると、友奈ちゃんは驚いた表情で見ていた。
「もしかして、あなたって響さんですか!!
「えっ私の事、知っているの?」
「はい!
だって、テレビでも出ていたし、驚きっぱなしで」
「テレビ?」
俺はそこで疑問に思い始めた
「それは何時の話だ?」
「えっはい、確か一週間前なんですが、可笑しい事ですが、見た記憶はあるんですが、実感というのがなくて」
「まぁそれが合っているな」
「えっ?」
俺はそこから多次元融合についてと、こちらが四国についての調査を行う為に訪れた事を説明した。
最初はただ驚いた顔しかしていない友奈ちゃんだったけど、何か納得したのか落ちつき始めた。
「それじゃあ、もしかして、四国以外が存在しているのも、その多次元融合のおかげなんですね!!」
「四国以外が」
「存在している?」
その一言は驚きしかない、この子はまるで四国しか生き残っていないという言葉で
「いや、他の世界だから、その可能性もあるのか」
パラレルワールドならば、その可能性も大きくあった。
「といっても、戦いはもう終わったんですけど」
「終わった?」
そこから聞かされる彼女の話はまるで神話のような出来事であり、彼女が変身したという勇者、そして世界を滅ぼした天の神との戦い、そしてその結末に勇者の戦いはは終わり、人類が守っていた神樹は元の存在へと帰っていった。
「正直、未だに分からない事だらけですが、色々な人と会える機会ができたんですね」
「なんていうか、ポジティブな考えだな」
「はい、それに色々な所を勇者部の皆と一緒に行きたいですし」
「そうか」
話を聞いている限りだと、乗り越えた場数はある意味俺達以上だが、それでも信用できる人物だと思える。
「これはまたっ!」
突然友奈ちゃんは叫ぶと、俺も気づき、周りを見渡すと、そこには先程の戦闘のように周りは樹海になっていたが
「先程の話ではバーテックスは全滅したはずだが」
「はい、それに神樹様も、もう」
「これが結界?」
先程までとは変わった事に対して響も驚いていたが、俺はふと遠くを見つめると、そこには確かに何かがいた。
「大丈夫!!」
響が突然叫びながら、どこかに走り、俺と友奈ちゃんも一緒に向かうとそこには倒れている少年がいた。
「どうした、何があった!?」
「僕はぁ」
俺達の声に気づき、僅かに意識を取り戻したようだが、周りを見渡すと必死に周りを見渡していた。
「ぽっポチはどこに!!」
「ぽっポチ?」
「はい、僕の大切な家族で一緒に散歩していたんですが、周りの景色が突然こんな風に変わって、その後は突然意識が無くなって」
「そうなの」
それは本当に心配している様子で嘘は付いておらず、感情も嘘をついている訳ではない。
「なぁ一つ質問だが、お前は転生者か?」
「えっ」
「転生者って」
「はっはい。
その通りです、もしかしてあなたも!!」
「残念ながら違う。
だけど聞くが、お前が転生者だと僅かだが分かったが、なんで特典がないんだ?」
「奪われました」
「奪われた?」
まさか、俺達のように他人の特典を盗み出す事ができる奴がいるとは。
パトレンジャーか?
でもあいつらの場合は強制転生させるし、見た感じだと悪行は行っていないし、暴走もしていない。
「そんな存在が」
「雨宮君、友奈ちゃん!
あれを!!」
響のその声で見つめると、そこにはまるで蛇を身体に纏わせているような人型の化け物がおり、その特徴は明らかに友奈ちゃんが言っていたバーテックスだ。
「何、あれ?」
「えっ?」
「私が知っている、バーテックスじゃない」
その言葉が意味をしているのは
「多次元融合で誕生した新種か?」
「見たところ、蛇だから、スネークバーテックスっていう所かな?」
俺達はそう言いながらも構えていると、スネークバーテックスの傍らにはなにやら巨大な狼がいるようだが
「ポチ!!」
「あれがっ!!」
まさか、特典を奪った犯人だとは思っていなかったが、それよりも、まさかバーテックスが特典を奪う事ができるとは
「これはなんとかしないとな」
この状況を打開しなければいけないが、何よりも目の前にいるあのポチはある意味、転生者にとっては心を支える為に必要な存在であり、決して奪われてはいけない存在である。
転生者にとって、心の支えでもある、あのポチを救わなければならない。
「大丈夫!!」
友奈ちゃんはそんな事を考えている間にも転生者に話に目線を合わせて話し始めた。
「君の家族は絶対に君と一緒にいたいはずだから、絶対に取り戻せるよ」
「だけど僕にはもう特典が「モンスターを手なずけられる能力」はもう」
「そんな事ないよ、力なんて関係ない、君とあの子の間にはもうそんなのいらないだけ仲良くなっているんじゃない!」
「なんにも知らないのに」
「知っているよ!
君、○○小学校に通っているよね」
「そっそうだけど」
「私もあそこでよくボランティアで行くから見た事あるんだよ。
君とポチの様子、本当に家族のようだったよ。
それは無理矢理じゃないって」
「・・・・」
「なせば大抵なんとかなる!
大丈夫、絶対になんとかしてみせるから!!」
友奈ちゃんの叫び共に地面が光り輝くと共に、その光は俺と一緒にいた友奈ちゃんのスマホへと注がれた。
「これはもしかして、勇者システム!?
でも神樹様はもう」
「分からないけど、多分だけど、今まで人を守ってきた神様だから、一緒に戦いたいと思ったんじゃないのかな?」
「響さん」
「なるほどな」
もしも神から渡される力というのは、こういう子が人を助ける為に与えられるのかもしれない。
この子は前の転生者の心を変える事ができたし、今も彼の為に励まし、確かに勇気づける事ができている。
「下がっていな、ここから戦いは激しくなるぜ」
「・・・ポチを、僕の友達を助けてください!!」
「任せな」
俺はVSチェンジャーを構えながら、友奈ちゃんに尋ねる。
「行けるか?」
「っはい!」
勢いよく返事をし、俺は響と目を合わせ頷くと同時に、俺はVSチェンジャーを、響の手にはガングニールを、そして友奈ちゃんの手にはスマホを翳し、それぞれの動きをする。
【レッド】
【0・1・0】
【マスカレイズ!】
「怪盗チェンジ!!」
【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】
その音声と共に俺の姿はルパンレンジャーに
「Balwisyall Nescell gungnir tron」
歌声が鳴り響き、響はガングニールを身に纏う。
「はぁ!!」
友奈ちゃんの方も桜吹雪が舞い広がり、その姿は赤色の髪からピンク色の髪へと変わり、ピンク色の軽装な恰好へと変わった。
「ルパンレッド」
「ガングニール、立花響!」
「勇者部所属、結城 友奈」
俺達がそう名乗りをあげると共にスネークバーテックスに指を指し
「お前のお宝、頂くぜ!!」
その言葉と共にVSチェンジャーを構えて、スネークバーテックスが指をこちらに差すと狼がこちらに襲い掛かってくるが、その前に響がその手を掴み取り、狼を転げさせ、響の各々のパーツで地面を無理矢理に繋ぎとめる。
「ここは私が」
「分かった!!」
「お願いします!!」
響が狼を怪我させない為に拘束している間に俺と友奈ちゃんはすぐにスネークバーテックスの元へと走ると、スネークバーテックスはこちらに狙いをつけて巨大な蛇をこちらに襲わせる。
巨大な蛇の攻撃を受ける訳にはいかず、俺達はすぐに蛇を踏み台にして、本体の人型に向かって走り出し、俺はVSチェンジャーを打ち続ける。
攻撃は効いているのか、後ろに下がった瞬間、追い打ちをかけるのように友奈ちゃんがバーテックスを殴り、後へと仰け反った。
「今だ!!」
俺はすぐにバーテックスへと乗るとレッドダイヤルファイターをセットすると共に特典を奪い返す事ができた。
「お宝、頂くぜ!!」
その一言と共にスネークバーテックスを蹴り上げ、後ろに下がる。
「やったんですね」
「あぁ、あとは奴を倒すだけだ」
そう言うと共に周りの地面から巨大な揺れが起きる。
「なんだ!?」
突然の揺れで驚く中で、地面を見つめると、それは先程友奈ちゃんを勇者にした光が現れ、俺の前に現れる。
「これは?」
疑問に思いながらも、俺は掴み取ると、その光は形を変え、現れたのは俺の持つダイヤルファイターとも、先輩達の力が宿っているダイヤルファイターとも違う、まったく新しいダイヤルファイターだった。
「これは、まさか神樹様が作り出したの!」
「よく分からないが、ありがたく使わせてもらうぜ」
それと共に俺はVSチェンジャーに新しいダイヤルファイターを入れ、ダイヤルを回す。
【3・1・9 マスカレイド!】
【怪盗ブースト!!】
その音声が鳴り響くと、VSチェンジャーにセットされたダイヤルファイターを中心に風が巻き起こり、まるで台風の真ん中にいるような感覚に襲われる。
「これでとどめだ!!」
俺はそのままVSチェンジャー構え、スネークバーテックスに狙いを澄ませると同時に引き金を引くと、余りの威力に俺は後ろに吹き飛ばされ、スネークバーテックスに巨大な台風が襲い掛かり、身体を完全にバラバラにする。
「なっなんつう威力だぁ!!」
俺は威力にも驚きつつもスネークバーテックスの様子を見ると、先程の一撃により、既に塵となり、その場から無くなった。
「やっ」
「やっ」
「「「やったあぁ!!」」」
それはこちらの勝利を意味をし、俺達は立ち上がり、喜び合った。
「本当に勝てて良かった」
俺はそう言い、後ろにいる狼を見ると、既に敵意を無くしたのか、大型から小型へと変身していた。
「よかった、元に戻って」
「うん!
あっでも」
そう言うと響は少し悲しそうな表情で見ていた。
「あの、雨宮君はやっぱりこの子を盗むの」
「えっ」
「だって、今回の事は明らかに危険だったし、もしもパトレンジャーが来たら」
「その心配はないぜ」
「えっ」
そんな不安そうな声を出す響に安心してもらうように、俺は説明する事にした。
「確かに特典を盗む怪盗だが、それはあくまでも特典によって苦しむ人の為であって、こいつのような奴を奪う事じゃない。
それに特典だって、既に貰っているからあいつらも手を出さないよ」
それに、警察を名乗るからな、市民を守る為に手を出す事は少ないだろ。
「それじゃあ、この子を送り届けましょう!
きっと、彼も心配しているしね」
「あぁ、そうだな」
そう言うと周りの景色はやがて樹海ではなくなり、先程の街並みへと変わった。
「あんたは本当に人が好きなんだな」
俺はそう呟きながらも、先程の戦いで助けてくれた神樹様の事を思い出す。
友奈ちゃんに戦う為の力を与え、俺にも新しい力を渡してくれた神、それはダイヤルファイターを通して、その温かさを確かに感じる事ができた。
「何時か、あんたと直接会って、話してみたいな」
今回はいりごま塩さんの転生者を採用させてもらいました。
今後も募集していますので、皆様の応募、お待ちしています。