特典を奪う怪盗団   作:ボルメテウスさん

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予告状29 信頼の先には

「ここは」

 

俺が目を覚めると、その場の周りを見ているとどこかの病室なのか、服装も病院で見られる白衣へと着替えられており、近くにはVSチェンジャーも置いているので、おそらくは二課の関連施設だろ。

 

「というよりも、お前はまた噛んでいるんだよ!!」

 

俺は腕を見ると、また寝ぼけているのか俺の腕を噛みついているが、今はソーマは寝ているから、あれを受け取る事ができない。

 

「はぁさて、どうするか」

 

「雨宮君、起きたって!?」

 

どうやら響達が来たのか、ドアを開いて入ってくると、全員の視線が俺から俺の腕で血を吸っている忍を見て驚いているようだ。

 

「雨宮君、その、忍ちゃんは」

 

「んっ、あぁ。

そういえば話していなかったけど、忍は吸血鬼だぞ」

 

「あっさりと言ってしまったデス!!」

 

「そういえば、話していなかったな」

 

俺は今更ながら話していない事を思い出す。

 

何かと忙しく、彼女達と出会ってから落ち着いて話をする事も少なかったからな。

 

「いや、でもあいつが話していた感じは、もっと深刻そうな感じだけど」

 

「おい、それってもしかして、おっさんの事か」

 

全員が俺の腕を見ての反応から見てもそうだし、暁の「あっさりと」という意味からも、俺達の秘密を話したのは間違いないだろ。

 

「すぐに分かったの」

 

「まぁな、あのおっさんがどういう行動しているのかは大体予想できるからな。

大体は忍が吸血鬼の事とソーマの出身、あとはそうだな、俺の目的か?」

 

「どうやら、全部知っているようね」

 

それらは全員知っているのか答える。

 

まぁ実際に俺の目的は復讐だからな

 

「まぁね。

まぁ大体は合っているし、俺は今でも目的を変えるつもりはないよ」

 

そう言いながら、俺はVSチェンジャーを近くに置いていきながら答える。

 

「あの、雨宮君はその、殺す気?」

 

「殺す?」

 

「その復讐すべき相手を」

 

「いいや、殺す気はない」

 

「そうか、だったら私は信じるよ」

 

「はい?」

 

それを言ったら、全員は安心しきった表情で、俺は思わず呆れて言ってしまう。

 

「ふむ、まぁそれでこの一件は解決だな」

 

「とりあえず、退院祝いデース!!」

 

「いやいや、普通はそこはなんか違うだろ」

 

「だって、私は短い間だけど雨宮君の事は大切な仲間だと思っているよ。

忍ちゃんもソーマさんもどんな人なのかは関係ない。

今まで、雨宮君達が人を守ろうとした姿を私は信じたいの」

 

「まったく、この馬鹿は一度言い出したら聞かないからな。

まぁ私もその意見には賛成だがな」

 

「酷いよ、クリスちゃん、馬鹿なんて!!」

 

「だから、引っ付くなよ」

 

「・・・そうか」

 

「それじゃあ、私達は先に出ているからね」

 

「ご馳走があるから早く来てね」

 

「おぉ分かったよ」

 

そう言い、彼女達は部屋から出ていった。

 

「まったく、あんたは本当にどこまで喋ったんだ。

石堂」

 

俺はそう言い、彼女達とは反対の方向を向くと、そこにはコーヒーを飲んでいる石堂が座っていた。

 

「別に俺の目的の為に彼女達に話しただけだ。

信頼を産む、それも計画の一部だからな」

 

「あんたがどんな計画を立てようが知らないが、俺はてめぇが誰かを傷つけようとしたら止めるだけだ」

 

「それはそれで面白い。

だがな、勘違いするな、俺は別に敵対をしたい訳でもましてや世界を滅ぼす気もさらさらないぜ」

 

「それを信じるとでも」

 

そう言い、石堂の背後に立っていたソーマはVSチェンジャーで石堂の頭をいつでも打ち抜けるようにする。

 

「まったく、ここまで信用されないとは悲しいね」

 

「儂らとしては、あんたみたいな奴が使者なのが不思議で仕方ないんじゃがな」

 

「噛みながら喋るな」

 

忍も起きたのか、睨み付けるように喋るが、俺の腕に噛みついたままだった。

 

「それもそうだな。

だけど俺の履歴など関係ない、今、お前達をサポートしたいのは本当だぜ」

 

そう言いながら笑みを変わらず続ける石堂。

 

「まぁ良い、今はあんたを少しは信じる」

 

「おぉ嬉しいね。

雨宮の信頼ポイントゲットか?」

 

「だけど勘違いするなよ、何かしたら、絶対に止めるからな」

 

「分かっている、分かっている。

それよりも早く行かないとやばいぜ。

奏者の皆と再会する前に一仕事だ」

 

そう言い渡してきた資料に書かれていたのは

 

「オートスコアラーだとっ!?」

 

響達と戦っていたという人形で、確か人間の思い出を吸って戦うと言っていた。

 

「そっ、この世界に来てから、なぜかこの世界の住民が特典を持つのが増えたんだよな。

そして、今の奴の居場所はここだ」

 

「なるほど、確かに放っておけないな。

行くぜ、忍、ソーマ!!」

 

「まったく、血が足りないのに、無茶をさせる」

 

「はぁ、面倒な事だ」

 

そう言いながら、俺は病室へと出ていった。

 

「果たして、俺は今度は成し遂げれるのかねぇ」

 

そんな、病室から抜け出す際に僅かだが聞こえた石堂の言葉に疑問を覚えるよりも前に俺達は走った。

 

走り抜けた先にある施設からそう遠くないビルにたどり着くと、そこには踊っているオートスコアラーがいた。

 

「あれぇ、なんでシンフォギアではなく、お前らが来ているんだ?」

 

「さぁな、だけど響達が来る前にてめぇを始末する」

 

「人形相手だからな、今までのように容赦なく始末できる」

 

「酷い、ガリィちゃんが人形だから倒すの。

人形には心がないとでも」

 

「あぁそうだな。

まぁ人形とか関係なく、てめぇを動けなくするだけボコボコにするつもりはあるがな」

 

「ふぅ情け深いルパンレンジャーとは思えないですね。

まぁ別に良いけど、あんたらの死体を見たら、シンフォギア達の顔が楽しみだけどね」

 

「やれる物ならば、やってみろ!!」

 

「「「怪盗チェンジ」」」

 

【レッド】 【ブルー】 【イエロー】

 

【0・1・0】 【2・6・0】 【1・1・6】

 

【【【マスカレイズ!】】】

 

【【【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】】】

 

「ルパンレッド」

 

「ルパンブルー」

 

「ルパンイエロー」

 

「「「怪盗戦隊 ルパンレンジャー」」」

 

「今頃、出てきて何をするつもりなの?」

 

「少し用事があったからな。

まぁ覚悟しろよ、今からの俺達は容赦はしないぜ」

 

その言葉と同時に走り出した。

 

目の前にいるガリィは余裕の表情は変わらず、俺達が放ったVSチェンジャーによる銃弾を水で作り出した盾で防ぐ。

 

水の盾を作り出している間にもソーマは一気に横へと飛び、その手に持ったルパンソードで薙ぎ払うが、その攻撃を見ても余裕の笑みを崩さずにその手は巨大な氷の剣に変えて、受け止める。

 

忍も同様にルパンソードでの攻撃を行うも、今度は足から氷の剣を作り出し、それを出鱈目な動きで対応していく。

 

「本当に、人形でよかったぜ!!」

 

「あらぁ、ガリィちゃん、そんな事を言われてショックですよ。

人じゃないから、消しても良いんですか?」

 

「別に俺は人間だとかそんなので、分けるつもりはないよ」

 

そう言いながらもVSチェンジャーでの攻撃の手を緩めず、ルパンソードで近接攻撃を行っていく。

 

「キャハハッ!

そんなに攻められたら、ガリィちゃんも本気を出しちゃいますよぉ!!」

 

その言葉と共にガリィの口から飛び出たのは小さな光だったが、その光がガリィを包み込んだ瞬間、俺達はその場から離れて、その姿を見ると驚くべき姿へと変わっていた。

 

着ていた服は着物へと変わっており、四本の腕と四本の脚になっていたが、その笑みは不気味な物に変わりなかった。

 

「転生特典」

 

「そう、マスターがガリィ専用に手に入れたそうなんですよ」

 

「興味深い話だが」

 

「今の儂らには関係ない話じゃ」

 

その言葉に答えるように俺達はルパンソードで攻撃を仕掛けるが、先程でも苦戦していたのに、その数が倍になり、こちらが完全に不利となっていた。

 

「だったら、これはどうかな?」

 

そう言い、俺はVSチェンジャーにシザー&ブレードダイヤルファイターをセットする。

 

【シザー】

 

【怪盗ブースト】

 

その音声が鳴ると、こちらに迫ってきた刀が直前になって現れたシザーダイヤルファイターが現れて、その攻撃を防ぐ。

 

「それは」

 

「さぁこれからが本番だぜ!!」

 

その言葉と共に俺はそのままガリィの攻撃を防ぐと、手に持っていたブレードダイヤルファイターも一緒に現れ、巨大なブーメランを投げる。

 

「例えイグナイトの欠片で何ができるんだよぉ!!」

 

「まぁ一人だけだったら」

 

その言葉に答えるようにソーマは巨大なブーメランを両手に持ち力の限り切り裂き、ガリィを支えていた脚を次々と切り裂いていく。

 

「何を「反撃に決まっておるじゃろが」がはぁ」

 

投げられたブーメランを軽々と受け取った忍もまた小型のブーメランを居合の要領で手を次々と切り裂き、もう一度投げる。

 

「馬鹿な、なんでここまでの強さを!

大体、お前らがなぜシンフォギア奏者達の為に!?」

 

「あいつらが信じてくれたからな」

 

「信じた?」

 

「あの時、俺達の事を聞いても信じてくれた。

それだけでも戦う理由を加えるには十分なんだよ」

 

俺はそのままVSチェンジャーを腹に合わせ、サイクロンダイヤルファイターを動かせた。

 

「こっこんな奴らに負け」

 

【サイクロン】

 

【シザー】

 

【ブレード】

 

【【【怪盗ブースト】】】

 

その言葉を終える前に俺達は各々の手に収まったVSダイヤルファイターをVSチェンジャーに装填し、狙いを定めた。

 

「「「永遠にアドゥー」」」

 

その一言と共に各々から放たれたエネルギー弾がガリィを襲い掛かる。

 

俺のサイクロンによる風がガリィを空中まで吹き飛ばすと同時に二人のVSチェンジャーから飛び出たブーメラン型の二つのエネルギー弾がガリィを切り刻みながら、最後にはサイクロンの風と一体になった巨大なブーメランがガリィを切り裂く。

 

「どうやら、上手くいったかな」

 

そう言いながら、俺の手元にはガリィが使っていたと思われる転生特典が手の中に納まっている。

 

「さて、飯に行くとするか」

 

俺はそう言い、響達の元へと向かった。

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