特典を奪う怪盗団   作:ボルメテウスさん

54 / 83
予告状48 友よ、また会う日まで

雨宮Side

 

「すまなかった!!!」

 

戦いを終えて、竜二はこの世界の二課に行くと同時に土下座を行った。

 

それに対して、全員が全員どうすれば良いのか、迷ってしまい、一番の大人である風鳴指令が前に出てくれた。

 

「君がそこまでする必要はない。

話を聞いた限りでは君は奴らに操られ、むしろ被害者ではないか」

 

「それでも、俺は人を傷つけた!

だったら、土下座をするのは当たり前だ」

 

「竜二」

 

そんな様子を見ていた奏さんはため息を吐きながら、竜二に近づき、肩を叩いた。

 

「もういいって。

それに反省の気持ちがあるんだったら、今度は私達の事を手伝ってくれよ」

 

「はい、私達もたった5人だけでしたので、竜二さんがいてくれたら助かります」

 

「それにそこまでやって、あんたが良い人だっていうのは分かったしな」

 

「・・・本当にすまなかった。

でも約束するぜ、絶対に皆を助けるってな」

 

「良かったな、竜二」

 

そう言い、竜二の事はひと段落着いた所で、改めて話す事にした。

 

「それじゃあ、一応は自己紹介だな。

俺は雨宮連、今はルパンレッドとして活動していて、竜二とは怪盗団を結成してから一緒に行動していた」

 

「ソーマだ、ルパンブルーだ」

 

「忍野忍、ルパンイエローじゃ」

 

「なんだか相変わらず個性豊かな面々が揃うな」

 

「それじゃあ、次は私達だな。

私は天羽奏、ガングニールを使っているぜ」

 

「私はセレナ・カデンツァヴナ・イヴ。

同じくシンフォギアのアガートラームを使っています」

 

「ガングニールに」

 

「アガートラームだとっ!?」

 

「うわぁ、なんだ知っているのか?」

 

「いや、すまない」

 

「びっくりしたなぁ。

まぁ次は私だな、私の名前は三ノ輪 銀、ミノさんとでも呼んでくれ」

 

「・・・なぁ、ソーマ、忍。

一応確認だが、三人は転生者ではないな」

 

「あぁ、それは間違いない」

 

「だとしたら、この世界はそういう事か」

 

「一体何の話をしているんだ?」

 

「なぁ一応聞くが、風鳴翼、マリア・カデンツァヴナ・イブ、乃木 園子という名前に聞き覚えは」

 

「えっなんでその名前を!!

確かに私の相棒だったけど」

 

「私の死んだ姉です」

 

「私の大切な友達だった。

でも」

 

「なるほどな、この世界はそういう世界だったのか」

 

「えっと、どういう事ですか?」

 

「この世界は反対の世界という事だ」

 

「反対?

意味が分からないです」

 

「先程言った三人だが、俺達の世界では三人共生きている」

 

「「「えっ」」」

 

「そんな事ってあるの!?」

 

「パラレルワールドだからな。

可能性としてはある」

 

まさかこの世界は俺達が死んでいる人が生きており、生きている人が死んでいるというあべこべの世界だとは。

 

「さて、目的も果たした事だし、儂らは元の世界に戻るとするか」

 

「あぁ、もしも翼達も遊びに来るんだったら、教えてくれ。

別の世界だけど、翼とはもう一度会いたいから」

 

「分かった、そう伝えておく」

 

そう言い、ソーマと忍は歩き始め、俺は竜二の方へ向くと、手元にあったソニックダイヤルファイターを竜二に渡す。

 

「竜二、これを預かってもらっても良いか?」

 

「これは?」

 

「ダイヤルファイター、転生者の特典を奪う事ができる俺の大切な奴だ」

 

「えっ良いのか!?」

 

「竜二だったら、正しく使えるからね。

それに、これがあった方が良いだろ」

 

「分かったぜ、お前の信用、確かに預かったぜ」

 

「それじゃ、またな」

 

「あぁ、また会おうぜ」

 

その会話を最後に、俺達は元の世界へと戻った。

 

三人称

 

その空間はどこかのパーティ会場なのか、どこまであるのか分からない程に長く高級感のある机にそこには赤禰とクロウの二人がルパンレンジャーと竜二の戦いを見ていた。

 

「あぁ、あっさりと見破られちゃったね。

これからどうするつもりなの?」

 

そう言いながら、赤禰は向かいに座っているクロウに挑発するように笑みを向けるが、クロウは涼しい顔でそれを聞き流した。

 

「別に問題はないよ。

残りの奴らでも精神的に追い詰めるには十分だよ。

でも厄介なのは彼の周りにいる奴らだね、彼らの存在のせいで、心を折れる事はないだろ」」

 

「それはそれで厄介なんだよね。

最終的には分断させるつもりだけど、力を上手く取り戻してもらう為にも奴らは必要だからね」

 

「君とは目的の一致という事で手を組んでいるけど、分かっていると思うが、君の目的を達成したら、彼は僕の物だ」

 

「そうね、私の目的には絶対に彼が必要。

でもどうだろう、私ってば案外欲張りだから、そのまま彼を頂くかもね」

 

その言葉から互いの空気は一触即発な雰囲気になっていた。

 

そんな空気の中で二つの足音がし、二人はその方向を見ると、そこにいたのはブラッドスタークともう一人は全身が影に隠れており、上手く姿を現していなかった。

 

「そこまでだ」

 

「エボルト、貴様がいながら、なぜ殺し合いをさせようとした?」

 

「別に良いだろ。

適度なガス抜きは必要だからよ、それよりもボスの方はどうなんだ?」

 

「ふっ問題ない、私としても、彼らには楽しませてもらっているからね」

 

「死神の奴がどのような手を使っても、計画に支障はない」

 

「おぉ、怖い怖い。

それで憑依は上手くいっているのか?」

 

「まぁな。

しかし貴様の言うように悪の存在を特典に入れたせいで、とんでもない失敗をしてしまった」

 

「失敗?

あんたがか、もしかして特典の失敗か?」

 

「いいや、特典を入れるのには問題ない。

だがな、その存在が問題だった」

 

「女の一人に憑依させた奴は憑依後、すぐに基地から脱走しやがった」

 

「あぁ、そうかそうか。

そう言えば、あいつは元々は悪の組織だったが、最後に改心したんだったな。

すっかり忘れていたぜ」

 

「そして、あの猫擬きにいれた奴。

奴はかなりの危険があったぞ、おかげでこの世界に既にいない」

 

「おいおい、猫にいれた奴は問題ないだろ。

俺自身も最後は確認したが、奴はれっきとした悪だぜ?」

 

「さぁな、だがどういう訳か「キラキラ」なる物を探しに行った」

 

「あぁ、そうか。

なるほどな、どうやら記憶が曖昧な状態だったから、その状態になっていたが」

 

「だが残りの奴らは問題ない。

こちらに従っているのでな」

 

「やっぱり、ボスは凄いねぇ。

それで、次は何時仕掛けるんだ?」

 

「慌てるな、まだゲームは楽しまないといけないからな」

 

「さてっと、あの野郎のご機嫌取りも大変だぜ。

まっ俺はこういうのも楽しむからな」

 

「あんたは本当に厄介だよ。

俺が知る中でもあんたとは敵対したくないよ」

 

「そうだね、でも邪魔をするなら容赦はしない」

 

「おぉ怖い、怖い。

だったら、俺もすぐに準備しないとな、さってと」

 

「次の世界はこいつで決まりだな」

 

ブラッドスタークはそう言うと、手元にあった資料を取り出し、笑みを浮かべながら部屋から出て行った。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。