特典を奪う怪盗団   作:ボルメテウスさん

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予告状54 死者への手向け

「ここのようだな」

 

セレナとマリアの再会、そして杏が無事に仲間に戻ってきて、一安心した所に俺の元に一つの手紙が来た。

 

別の世界から来た俺の存在を知っている人物は極僅かなはずなので、疑問に思い手紙を開くとそこには場所と時間の指定だけがあった。

 

罠の可能性もあったが、あえて乗る事にした俺は一人その場所へ向かった。

 

「なるほど、貴様がルパンレッドか」

 

「祐介」

 

そこに立っているのは白くボロボロの着物を着た青年がおり、それが怪盗団の一人である喜多川祐介だと分かるのは容易だった。

 

「ならば、これで心置きなく戦える。

さぁ武器を出せ」

 

「ちっ」

 

俺はそう言い、VSチェンジャーを取り出し、奴を睨み付ける。

 

だが、そんな俺を見ていると、ふと奴は何か呆けた顔をした。

 

「おい、貴様、なぜ殺気を出さない?」

 

「てめぇから祐介を取り戻す為だよ。

仲間を取り戻すのが、俺の目的だからな」

 

「なるほど、そういう意味か。

だったら」

 

そう言うと奴は手に持っていた刀を地面に突き刺すと、手を広げてきた。

 

「どういうつもりだ」

 

「さっさと俺とこいつを分離させろ。

そうすれば心置きなく斬り合いができるだろう」

 

「そんな言葉を信じるとでも?」

 

「俺の望みはこの裏正に血を吸わせる事。

それを行うには、むしろこの身体は邪魔でしかない」

 

「ちっ」

 

例え罠だとしても、祐介の無事が望める可能性があるならば、やるしかない。

 

俺は警戒を高めながらも手に持ったダイヤルファイターを祐介に近づき、押し付けた。

 

そうする事で祐介から特典は離れ、先程まで祐介を支配していた特典が姿を現した。

 

「はぁ、これで心置きなく殺し合える。

さぁ貴様も姿を変えるが良い」

 

「分かったよ」

 

俺は祐介を近くに寝かせると、すぐにレッドダイヤルファイターをVSチェンジャーにセットする。

 

【レッド】

 

【0・1・0】

 

【マスカレイド】

 

「怪盗チェンジ!!」

 

【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】

 

「やはり貴様はシンケンレッドと同じか。

ならば、心置きなく楽しめるな!!」

 

その言葉と共に奴の姿が変わり、現れたのは赤い骸骨の頭が特徴的な白い怪物だった。

 

俺はそれと同時にVSチェンジャーを構え、奴を見つめる。

 

「我が名は十臓」

 

「俺は連、ルパンレッドだ」

 

「ならば行くぞ、ルパンレッド!!!」

 

その言葉とほぼ同時に奴は一瞬で俺との距離を零にして、こちらに向けて刀を向けてきた。

 

俺はすぐにVSチェンジャーでその攻撃を防ぐが、奴はそのまま刀を後ろに下げて攻撃を再開してくる。

 

十臓の攻撃の一つ一つに確かな殺意を感じており、これまでの戦ってきた奴らの中でも純粋な剣術で追い込まれたのはおそらくは十臓が初めてだろう。

 

「面白い、シンケンレッドとは違う速さ!

これ程、血を沸騰させる戦いがあるとはな、なぁ裏正!!」

 

そう言いながら、攻撃の手を緩める事なく襲い掛かってきており、全ての攻撃が切り裂かれていく。

 

だが、攻撃が当たりそうになる度に、十臓はなぜか裏正へと話しかける事が多かった。

 

「十臓、なんで戦うんだ?」

 

「そんなの、戦いの中にある快楽を求めるだけだ」

 

「だったら、なんでさっきから裏正に話しかけるんだ?」

 

俺はふとした疑問をぶつけると、十臓は動きを止めた。

 

それだけで、俺の中にある疑問がさらに広がっていく。

 

「なぁ、十造。

あんたは本当にそれだけなのか?」

 

「どういうつもりだ」

 

「あんた、さっきから快楽しかないと言っているけど、俺にはそうは思わない」

 

「何をふざけた事を」

 

「ふざけてなんてないさ。

だってさ、あんた裏正の事、ずっと大切にしていたじゃないか」

 

「それがどうした?」

 

「本当の人斬りだったら、刀なんて大事にしないと思ったんだ。

だけど、あんたはその裏正じゃないといけない理由があるんじゃないのか?」

 

「裏正でなければ」

 

そう言い、裏正は見つめる十臓を見つめていた。

 

「がぁっ!!」

 

そんな話をしている間に後ろから何かに打ち抜かれた。

 

「何をやっている。

そいつを始末するのが俺達の使命だろ」

 

「貴様らは」

 

なんとか後ろを振り向くと、そこには俺達、スーパー戦隊のように同じ形をした6人の奴らがいた。

 

「ふっルパンレッド、最後だから名乗っておこう。

ネジレッド」

 

「ネジブルー」

 

「ネジイエロー」

 

「ネジブラック」

 

「ネジピンク」

 

「ネジシルバー」

 

「「「「「「邪電戦隊ネジレンジャー」」」」」」

 

「おいおい、ここでまさかの追加かよ」

 

「あぁ、我らはメガレンジャー達に復讐する為にこの世に蘇った。

その為には、こいつが必要だからな」

 

そう言い、ネジレッドはネジシルバーの肩を叩くと、変身は解除され、そこに出てきたのは

 

「双葉!!」

 

そこにいたのは双葉だったが、その目は明らかに死んでおり、生気がまったく感じられない。

 

「俺達5人の意識の再現はさすがに難しかったがな。

だがこうやって、戦わせる事はできるようになんとかした」

 

「てめぇら!!」

 

「おっと、ターゲットはそのまま大人しくしてなよ。

今、楽にしてやるから」

 

そう言い、ネジブルーは手に持ったトマホークを持ちながら近づいて来る。

 

「てめぇを倒したら、次はメガレンジャーだ!!」

 

その一言共に俺にトマホークが襲い掛かり、もう終わりかと思った。

 

だが、何時までも衝撃が来ず、眼を開けてみるとそこには

 

「なっ貴様、何をする!!」

 

そこにはトマホークを裏正で受け止めていた十造がそこにいた。

 

「なぜ我々の邪魔をする」

 

「俺はこいつとの斬り合いを楽しんでいた。

だが、貴様らが邪魔をするからな、邪魔な奴を切り捨てるのは同然だろ」

 

十造はそれだけ言うと、ネジブルーを切り裂き、吹き飛ばした。

 

「だが、我らは6人に対して、ルパンレッドと既に消滅しかけている貴様に何ができる」

 

「それはどうかな」

 

「祐介!!」

 

「俺の身体に再び十臓が使えば、せめてなんとかなるだろ」

 

「祐介、何を言っているんだ!!

そんな事をしたら」

 

「いいだろう。

こいつらを始末した後、再びはなれば良いだけだから」

 

「信じているぞ、連」

 

その一言で、祐介と十臓は手を握ると、そこに赤い光が包まれ、祐介は先程まで戦っていた姿へと変わった。

 

「貴様っ!!

ギャングラーを裏切るつもりか!!」

 

「俺はもともとははぐれ外道だ。

貴様達との戦いも楽しめるからな」

 

「ふっいけるか、ルパンレッド」

 

「あぁ、すぐに終わらせる」

 

「だが所詮は数はこちらが上、ならば「「それはどうかな!」」」

 

その言葉と共に現れたのは二人の影だった。

 

「あなた達は」

 

「ここではシンケンレッドと言わせてもらおう」

 

「俺はメガレッド、まぁネジレンジャーに狙っていた奴だと言えば良いな」

 

「メガレッド!!」

 

「よう、久しぶりだなネジレッド。

よくも俺の可愛い後輩を虐めてくれたな、たっぷりと仕返しさせてもらうぜ」

 

そう言い、メガ先輩は構えており、対して、シンケン先輩は何を思ったのか十臓を見つめていた。

 

「あの時以来か。

こうしてお前と再会するとはな」

 

「あぁ、本当ならば、あの時の続きをここで果たしたい所だが。

今は奴らが邪魔だ、この場は協力しろ」

 

「お前の口からそんな言葉が出るとはな」

 

そう言い、苦笑しながら改めてネジレンジャーに向き合った。

 

「グットストライカー、ぶらっと参上!

おうおう、なかなか面白い事になっているじゃないかよ」

 

「丁度良かった、これで」

 

俺はそう言い、グットストライカーをVSチェンジャーにセットする。

 

【3・2・1】

 

【MAKE A GAME!】

 

【アクション!】

 

その音声と共に俺は分身をし、先輩達と十臓が並ぶ。

 

「これで6対6、十分に勝機はあるようだな」

 

「なら、やるとするか」

 

「あぁ」

 

「「「ルパンレッド」」」

 

「メガレッド」

 

「シンケンレッド 志葉丈瑠」

 

「ふっ不破十臓」

 

「ふっ数が揃った所で、良い気になるな!!」

 

「それはこちらのセリフだ。

行くぜ、お前達のお宝、頂くぜ!!」

 

その言葉と同時に俺達は走り出し、ネジレンジャーもそれに合わせるように走り出す。

 

俺は先輩達に任せながら進み、ネジシルバーの前に行くと、ネジシルバーは武器を構え、襲い掛かる。

 

「双葉!!」

 

俺はすぐに攻撃を避け、ルパンソードで動きを封じると共に手に持っていたレッドダイヤルファイターをセットする。

 

だが、まったく解除されず、ネジシルバーの攻撃によって、吹き飛ばされる。

 

「ぐはぁ」

 

「馬鹿め、俺達を奪う事など不可能」

 

そう言いながらネジレッドはメガレッドを追い詰めながら

 

「これまでの特典とは、俺達は格が違う」

 

ネジブルーは十臓にトマホークで切り裂き

 

「貴様一人で解放するなど」

 

ネジブラックはシンケン先輩にエネルギー弾を浴びさせ

 

「「既に負けているのさ!!」」

 

ネジイエローとネジピンクによって俺の分身体が吹き飛ばされる。

 

「ぐっ」

 

「諦めるのか」

 

俺はどうにかしようと考えている時に十臓がこちらに叫んだ。

 

「貴様は俺との戦いでそのような腑抜けな気持ちで戦っていたのか!!

たった一度の失敗で、それ程に落ち込むのか」

 

「そんな訳ないだろ!!」

 

「ならば、見せてやれ」

 

「お前の覚悟を」

 

そう言いながら、メガ先輩とシンケン先輩は立ち上がり、言ってくれる。

 

「お前のこれまでの戦いを否定しない為にも」

 

「今、ここで倒れるんじゃない」

 

「はいっ!」

 

俺はそう言い、ネジシルバーを見つめる。

 

「一度で無理なら、二度!

二度無理なら、三度!

何度失敗したって、乗り越えてやるぜ!!」

 

俺はそう言い、ネジシルバーに向かい、走り、ネジシルバーがこちらに向けて放ってきた攻撃を避けると、同時にレッドダイヤルファイターを押し込み、さらにサイクロン、シザー&ブレード、マジックを押し付け、バックルのワイヤーでそれら全てを固定させる。

 

「なっしまった!!」

 

それと同時に全てのダイヤルファイターが鳴り始め、終わるのと同時にネジシルバーは後ろへと倒れ、代わりに双葉が現れる。

 

「双葉!!」

 

俺は急いで双葉を受け止めると、気絶しているようだが、無事な様子だ。

 

「ばっ馬鹿な!

そんな馬鹿な行動をするのか!!」

 

「へっお前達にとっては理解不能な考えでも、試したら上手くいったんだ」

 

「お前達は少し人間を舐めすぎだ」

 

そう言うとシンケン先輩はその刀に付いてるディスクを回した。

 

「烈火大斬刀」

 

「「「「「があぁぁ!!!」」」」」

 

その言葉と共にシンケン先輩の巨大な一撃によって、全てのネジレンジャーが吹き飛ばされ、それに合わせるように俺達はネジレンジャーに各々の武器を構える。

 

「大筒モード」

 

「ドリルスナイパーカスタム」

 

「なぜだ、ルパンレッドはなぜ」

 

「俺じゃないよ。

一緒に戦ってくれると決意してくれた祐介、力を貸してくれた先輩達。

そして十臓、そんな人達が協力してくれたから、ここまで来れただけだよ」

 

その一言を最後に必殺の一撃を与え、ネジレンジャーを倒した。

 

「このような最後なんて」

 

俺はそれと同時に十臓へ振り向く。

 

「続きをするか」

 

俺はそれだけ言うと、VSチェンジャーを構えた。

 

「その必要はない」

 

「えっ」

 

そう言うと十臓の身体から光が溢れていた。

 

「なっ」

 

「二度目の憑依など、どのよう物かと思ったが、このような結果になるとはな」

 

「確かにそうだけど」

 

「だが、このような最後も悪くはない。

人の時は外道に落ちる事で終わり、外道の時は裏正によって、終わった。

だが物としての最後は人を守る為に散る、落ちた者としてはなかなかだったがな」

 

そう言い、裏正を地面に突き刺すと、祐介の身体から出てきた十臓、そして見た事のない女性だった。

 

「ルパンレッド、感謝する。

俺が求める空白を見つけさせてもらって」

 

その一言を最後に十臓はこの世を去った。

 

「どうやら、俺達の役目はここまでのようだな」

 

「ルパンレッド、これからの道はお前が決めろよ」

 

そう言い、先輩達は新たなダイヤルファイターを渡し、姿を消した。

 

「未だに信じられない顔をしているようだな」

 

「祐介。

まぁ確かにそうかもしれない」

 

俺はそう言い、地面にへたり込むように座り、眠っている双葉に膝枕をしながら、空を眺める。

 

ふと、近くには祐介も座っており、俺は自然と口を開いた。

 

「俺はこれまで人々を助ける為に特典を盗んできた。

けど、やっぱり特典にも誰かの思いがあるかもしれないって、この戦いで実感したよ」

 

「どのような人間でも一つの心ではない。

かつてお前と共に絵を描いた時を思い出す」

 

「あぁ、そうだな」

 

もしかしたら、俺にとっては、あの出来事があったからこそ、無意識の内に考えたのかもしれない。

 

人は決して悪だけではない、善へと変わるかもしれない。

 

その事を知っていたからこそ

 

「俺はこれからもこの考えを曲げたくない」

 

「ふっどうやら、この世界でも創作意欲は欠きそうにないな」

 

「頼むぜ」

 

そう言い、俺達は握手を交わした。

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