クロウSide
巨大な画面に映し出されているのは先程まで戦っていたアブレラがやられる場面であり、それをこの場にいる僕とエボルト、そして僕達のボスはそれを見つめていた
「もう既に大半がやられたな」
「どうした、昔の仲間がやられて、寂しくなったのか?」
「別に、今の俺は人々が望む世界を作り出す、その為に行動しているだけだ」
そう言った彼は心底興味がないように言い、手に持った聖杯から一つ取り出すと、人の魂に入れて飛ばした。
これまで行われてきた光景とはいえ、未だに慣れない。
「そろそろ本腰を入れないと、あの世界は手に入れられないぜ?
といっても、お前の役目は変わっていないようだな?」
「俺は元より、世界の人々が望むようにするだけ。
大衆とは一致しない願いもある」
「ははぁ、これは怖いね。
大半が望んだ通りやって、外れてもどうでも良いように捨てる。
お前は狂っているよ」
「さて、それはどうかな。
明智、お前はどうするんだ?」
「僕としては彼らの活動は良いと思うよ。
彼らのおかげで魂の選別もやりやすくなっているからね」
「俺もだがな」
「そうか、ならば俺は少し寝る」
そう言い、彼はその場から離れていった。
「それじゃあ、俺も離れるとするか。
明智君も、そんなに詰め込まないようにな」
そう言い、エボルトもふらっと、その場から消えていった。
「彼は本当に変わっていないな」
僕はそう言いながら、画面の向こうで勝利を飾ったルパンレッドを見つめながら、言う。
「本当になんでこの世界になってしまったんだろうね。
不思議で仕方ないけど」
「それが運命という奴じゃないですかね?」
そう言っていると入ってきた友奈はそのまま窓の方へと向かった。
「私達のようなちっぽけな存在がどうこうできない巨大な物に操られ、全ての人間が望んでやっている。
どんなに生き返ろうともね」
「それでも彼らは抗った。
だからこそ、彼らは辿り着いたんだ」
「やっぱりあなたも望むんだね」
「あぁ、彼が神殺しの力を得る時をね」
雨宮Side
春に取りついていたアンブレラをなんとか倒す事ができた俺達はすぐに基地へと戻る事にした。
「んっ電話?」
そんな中、俺の電話が鳴った事に気になり、出てみると
「あっ連か!!」
「双葉、もう大丈夫なのか!!」
電話に出たのはなんと今は基地で休んでいるはずの双葉からだった。
「うん、今は休んでいて、さっきまで戦いを見ていた。
それよりも、さっき戦った場所の近くでモルガナがいた!!」
「モルガナ!!」
その言葉を聞き、俺は改めてモルガナの事を思い出した。
怪盗団を結成したきっかけでもあり、俺達を導いてくれた大切な仲間。
いつもは猫じゃないと言っており、竜二とは違う意味で相棒だったモルガナがすぐ近くにいる!!
俺はその言葉を聞き、急いで辺りを見回した。
すると、小さい黒い何かが動いているのが確かに見えた。
「急いで追いかける!!」
「気を付けて!!」
俺はそう言うと走り出した。
「どうしたんじゃ!!」
「怪盗団最後のメンバーが見つかった!!」
「マジでか!!」
「それってもしかしてモルガナ!!」
「あぁ」
モルガナの事を聞き、驚いた真は驚いており、俺も急いで走り出す。
「とにかく、見失ったらやばいから、俺は急いで向かう。
皆は春の事を頼む」
俺はそれだけ言うと、すぐに走り出し、モルガナがいたであろう場所を探る。
「確かに痕跡は残っているな。
だったら」
俺はそう言い、よく視線を凝らして、周りを見て、証拠を見つけると、その後を追っていった。
すると、そこにはこちらを振り返らず走っている黒猫がいた。
ビルの合間を入って、こちらの追跡を逃れようとしているが、俺は懐からボールを取り出すと、モルガナの行く先に向かって投げる。
「にゃぁ!!」
「スパイダーボール。
本来だったら、足止めや警備員を縛っておく為に使うけど、こうして道を防ぐ事に使えるようだな」
「連」
「久しぶりだな、モルガナ。
それとも、その身体を乗っ取っている奴か?」
「どちらも正解だ」
そう言うとモルガナは立つと、そのまま黒い瘴気が出てくると、モルガナの背後に出てきたのは銀色のスーツを着た男がいた。
「俺がこいつに憑いている特典、まぁお前達で言うと闇の皇帝Zだ」
「Z」
聞いた事のない名前だ、だが奴から感じるのは、これまで戦った中でも一番やばい気配している。
だが気になるのはモルガナは見た感じだと、真のように和解しているようだが、なぜ逃げるんだ?
「久しぶりだな。
お前の活躍はいつも遠くで見ていたぜ。
あの時の怪盗団とは違って、凄い活躍をしているのは関心したし、仲間を救っているのも知っている」
「そこまで見ていたのか、だったら」
「だけどな、悪いな、連。
吾輩はこのままZと一緒に戦う」
「どういう事だ?」
「お前も気づいているだろ、ギャングラーの力の巨大さを。
だからこそ、お前達を巻き込まない為に俺達だけで蹴りを付ける」
「何を言っている!
皆で力を合わせれば「無理なんだよ!!」っ!」
「お前は絶対に勝てない。
ギャングラーのボスは、吾輩が見た中でも最強の存在だ」
そう言って、身体を震わせているモルガナは見た事なく、自分の存在が分からなかった時の恐怖とまた別の事だと分かる。
「だからモルガナ、お前だけ戦わせるのか?」
「吾輩は本来は人々を導く為に作られたシャドーのような存在だ。
Zは世界を闇へと包もうとするが光を求めた存在、吾輩達は他の怪盗団に比べて、相性は良く巨大な力を得た」
「だからこそ、俺達は奴を封印する。
恐らくは敵わないが、それでもお前達の世界にこれ以上転生者を送る事を阻止する事はできるだろ」
「だから頼む。
連、吾輩はお前達の元には「そんな事知るか」連!」
「モルガナ、お前が俺達の為に犠牲になろうとしている気持ちも分かるし、Zも良い奴だってなんとなく分かる。
だけどな、俺達はお前が犠牲になった未来なんて望んでいない!
俺達は今もそして前の心の怪盗団の時だって、一緒に望んだ未来の為に戦っただろ!!」
「だが、ギャングラーのボスはお前が想像以上にやばいんだ!」
「俺達はもう心の怪盗団だけじゃない。
ルパンレンジャーの仲間、響や友奈に飛鳥、他にも沢山の人々と協力すれば、不可能だって可能になるさ!!」
「だけど、俺達はもう止められない!!」
「吾輩達はすでに覚悟を決めているんだ!!」
「だったら、止めてやるよ!
モルガナも、Zも、一緒に進める為にな!!」
【レッド】
【0・1・0】
【マスカレイズ!】
「怪盗チェンジ」
【怪盗チェンジ!ルパンレンジャー!!】
変身が完了すると同時に俺はVSチェンジャーとルパンソードを構え、モルガナもその姿を怪人としての姿へと変わる。
「行くぜ!!」
俺はその言葉と共にVSチェンジャーで牽制を行いながら、接近するが、モルガナは軽々とそれを切り裂き、接近した所で放ったルパンソードの一撃も軽々と受け止める。
「はぁ!!」
「がああぁ!!
くっアルセーヌ!!」
受け止めると同時にモルガナの声と共に俺は吹き飛ばされ、近くの壁に押し付けれるが俺は急ぎペルソナを召喚する。
「メルクリウス!!」
だがアルセーヌの前に立ちはだかったのは青い身体をしたペルソナが現れ、アルセーヌが吹き飛ばされる。
「ぐぅ」
「やっぱり、今のお前じゃあ勝てない。
そのペルソナだって、前の姿に戻っている」
「確かに、アルセーヌの姿を見ている時、何か足りないと思った。
だけどな、モルガナ、それでも良いんだよ」
「何を言っているんだ!」
「もしも、今のこのアルセーヌが俺の真実なら、それを受け入れる。
だけど、それでも前に進んで、俺はもっと強くなってみせるから」
「そんなの「よく言った」この声は」
気が付き、振り向くと、そこには壁に埋もれていたアルセーヌがこちらを見つめていた。
「我は汝、汝は我。
汝が成長をするように、我もまた、汝と同じくして、成長する」
その言葉と共に、アルセーヌの身体が赤い炎に包まれ、そこに立っていたのは赤い機械となったアルセーヌがおり、こちらを見つめていた。
「我が名はルパンマグナム。
ルパンレンジャーとして戦った日々により誕生した新たな姿、使いこなす事ができるか?」
「へっ面白いじゃないか、来いルパンマグナム!!」
「良かろう!!」
その言葉と共にルパンマグナムはその形が変形し、こちらの手に収まる銃へと変わる。
「ペルソナが武器になった」
「ほぅ、なかなかに面白そうじゃないか」
その言葉と共に俺はVSチェンジャーで再び打つが、モルガナはそれを軽々と受け流す。
「そんなので、吾輩達を倒せるか」
「まぁな、でもこれはどうかな?」
俺は素早くルパンマグナムをモルガナ達に向けて、放つと、先程とは違い、モルガナは吹き飛ばされる。
「なっなんだ、さっきの一撃は!!」
「あれをまともに受けたらやばいな」
「これは凄いな!!」
俺はそう言い、VSチェンジャーでの素早く攻撃を行っていき、隙が見えた瞬間、ルパンマグナムで一撃で確実にダメージを与えていく。
「くっそ、回復が追い付かねぇ!!」
「思った以上にやるな。
これ以上長引くのはこちらが不利だな」
そう言うとモルガナは剣を構えると、モルガナのペルソナから巨大な風が剣に集まりだす。
「フィナーレか、だったらこちらもだ」
俺はそう言うとルパンマグナムをVSチェンジャーにセットし、ダイヤルを回す。
【イタダキドストライク!】
「はあぁぁ!!」
俺達は互いに銃と剣を構え、全てが溜まり切った瞬間に攻撃した。
赤い光と黒い風がぶつかり合い、周りに被害が出ている中でも俺達は互いに引かずに放ち続ける。
やがて、光は風を貫き、モルガナ達に一撃を与えた。
「がぁ!!
モルガナ達はそのまま地面へと倒れ込み、俺はすぐにモルガナ達の元へと行き、ルパンマグナムを構える。
「勝負あったな」
「・・・そうだな、吾輩の負けだ」
その言葉で勝負が終わる事を悟り、俺はルパンマグナムを引く。
「正直、吾輩は負けないと思っていた。
前の世界で最後まで戦った時の強さを持っている吾輩なら、記憶を無くしていた連だったら勝てると。
けど違った、お前はこの世界でも成長し、今はもう前のお前なんかよりも強くなっているよ」
「モルガナ」
「悪いな、ここまで付き合わせて」
「別に良いぜ、俺も久しぶりに良いキラキラを見せてもらったからな。
しばらくは寝るとするよ」
そう言うと怪人の姿はなくなり、猫としてモルガナへと戻った。
「Zは」
「今は寝ている。
でもいざという時には力を貸してくれるからな」
「そうか、それでさっそくだが「ギャングラーのボスだろ?」分かったな」
「お前とは付き合いが長いからな。
でも覚悟しろよ、ギャングラーのボスはお前が想像しているよりもずっと厄介だ」
「あぁ」
「だったら聞け、ギャングラーのボス。
その正体は、お前だ」
そう言いモルガナが指したのは俺だった。