VSチェンジャー。
俺があの男、石堂愁一から貰った謎の変身アイテム。
転生者から転生特典を奪う為の姿、ルパンレンジャーに変身する事ができる万能型アイテムで現在の所、これは俺達三人しか持っておらず、ルパンレンジャーになれるのはこの三人だけだと聞いていたんだが。
「どうやら、そうではなかったみたいだな」
突然現れた三人組が持っているのは、間違いなく俺達の持っているVSチェンジャーだ。
だが問題なのは、その後だった。
奴らが取り出したのは俺達が変身に使っているダイヤルチェンジャーではなく、どちらかというと車に似た模型で、それをVSチェンジャーにセットする。
「「「ケーサツチェンジ!!!」」」
【1号!】 【2号!】 【3号!】
『パトレイズ!ケーサツチェンジ!
パトレンジャー』
その音声と共に、奴らの上に警察マークが出てくると、それは奴らが通り過ぎ、その姿は赤、緑、ピンクというこちらにはない色になっており、こちらとは違いまるで警察を思わせるような姿になった。
さて、ここで奴らと戦っても得はなさそうだな。
「てめぇらは何者だ!」
そのセリフであちらもこちらの正体は分からないようだし、ここは一時的に逃げた方がよさそうだな。
だったら取る道は一つだけ
「これから有名になる怪盗だよ」
俺はそう言うと共に手元に残っていた予告状を奴に向けて投げ、それをあちらが受け止めて読んでいる間に俺達は倒れていた転生者の特典を盗み出すと、三人で一斉にVSチェンジャーを奴らに狙い定め
「じゃあな」
そう言いながら奴らの足元に向けて放つと、奴らは少し怯んだ内に近くにあった出入り口に向けて素早く駆け込み近くにある自動販売機やごみ箱に寄りかかった。変身を解除すると共に口の中にあったイメージガムを膨らませると、それにそっくりに化けた。
「待て!」
そこから出入り口に入ってきたのは先程変身していた緑とピンクの二人が来た。
二人はそのまままっすぐに走っていき、俺達を探しに行ったようだ。
「ふぅ、さて逃げますか」
「そうだな」
その言葉と同時に近くにあるダフトから入り、奴らにばれないように抜け出した。
「さてと」
俺達は廃墟の喫茶店に入ると同時にコーヒーを入れている奴を睨み付けた。
「質問に答えろ、愁一。
このVSチェンジャーを持っている奴が他にいたぞ」
「おぉ、怖い怖い。
まさかここに入って、いきなり物騒な事を言う奴らだ。
帰ったら、きちんとただいまだろ?」
「こちらは聞きたい事があるからな。
このVSチェンジャーは俺達三人しかないと聞いたが?」
「それは少し違うな。
俺が三人しかなれないと言ったのは、ルパンレンジャーになれるのが現在はお前達だけだとな。
あいつらはルパンレンジャーではないだろ」
「確かにな、だがその口ぶりからすると、奴らの事を知っているようだな」
「あぁ勿論。
彼らは警察戦隊パトレンジャー。
お前達とは別に転生者達から人々を守る為の存在だ」
「ふぅん、だからと言って儂らの味方という訳ではないようじゃな」
「その通り。
彼らの担当する神、そして俺達の上司にあたる神はまったく別々の存在、というのもあるが、奴らは転生者を捕まえ、強制的に転生させる。
つまりはお前達の言う懺悔は行えない訳だ」
それを聞く限りは確かにこれからは力を失った生活を送るよりはマシだと考える奴もいるかもしれないが、俺達の場合は自己満足に近い。
「自身の罪と向き合わないといけない。
その為に俺達は奴らから特典を奪う」
「まぁ悪役は慣れたもんじゃからな」
そう笑みを浮かべながらも、俺達は特典を返却する。