転生者を更正する警察集団   作:ガンダムラザーニャ

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番外編 電気街の戦士

「…どこだよ、ここは?」

 

バンは困惑していた。

 

つい先程まで、交番で寝ていたのに、目が覚めたら街にいた。

 

しかも、パトレン1号に変身して。

 

「何で俺がこんなところに…!」

 

1号は周囲を見回す。

 

よく見ると、電気街だが、人が一人もいない。

 

すると、1号の横で、赤い怪盗のルパンレンジャーが立っていた。

 

1号は反射的にVSチェンジャーで赤い怪盗を撃つ。

 

だが、赤い怪盗はそれをバク転しながら避け、物陰に隠れた。

 

「…何で怪盗がここに?」

 

VSチェンジャーを構えながら1号は疑問を抱いた。

 

ルパンレンジャーが現れるのは主に転生者の特典を奪うため。

 

だが、どこにもそれらしき気配もなかった。

 

「まさか、あいつもここに連れてこられた、とかか?」

 

そう考えていると、物陰から赤い怪盗がVSチェンジャーを構え飛び出した。

 

「ここで消えるが良い、スーパー戦隊!!」

 

すると、どこからかともなく声が聞こえた。

 

聞こえた方向に振り向くと、そこには青いボディスーツに白い鎧を纏った戦士がいた。

 

「ウルトラマン?

でもあんなの見たことないが」

 

「私の名はプリズムA、かつて地球を守るためにやってきた戦士。

だがお前達スーパー戦隊によって倒され、死んでしまった為、天から復讐の為に舞い戻ってきた」

 

「スーパー戦隊に?」

 

正義の味方を名乗ってるのに、言動が全くそれとは違う謎の戦士に、1号も赤い怪盗も呆れる。

 

「そう、かつてスーパー戦隊を兄さんのように慕っていたのだが、なぜかVSシリーズの企画が来て、来てみると、その相手のスーパー戦隊によく分からない法則によって、いつの間にか倒されてしまったのだ」

 

「それって、ようするにお前が弱すぎたんじゃないのか?」

 

「そいつの話に騙されてはいけない!!

とぉ!!」

 

プリズムAの話を遮るように、白いマフラーに赤い服を身に纏った男が現れた。

 

プリズムAはその男に警戒する。

 

「お前は」

 

「ふっ、4月1日という事でエイプリルフールだからと言って、嘘はいけないぜ、プリズムA!!」

 

「嘘?」

 

「というよりも、まだ4月じゃないはずだが」

 

「それは画面の外にいる視聴者が知っているから良いんだ!

それよりも、あいつはプリズムA、かつてはスーパー戦隊の放送時間である朝7時30分の枠を奪おうとした、チガウヨーコーポレーションのヒーローだ!!」

 

「一応はヒーローなのか」

 

「だが、俺達の活躍によって、それは阻止された。

行くぜ、銃妄想!」

 

その言葉を言った瞬間、姿が変わり、赤い鎧を身に着けた戦士へと変わった。

 

「VSシリーズならカーレンVSオーレン推し!

アキバレッド!!」

 

「「…」」

 

そんな言葉を聞いて、プリズムAを除く二人は、何も言えなかった。

 

というか、どこから突っ込んだらいいのか、わからない。

 

「ほら、ほら、スーパー戦隊なら、名乗って、名乗って」

 

「いや、その前に、聞きたいのだけど、どういう感じ?」

 

二人は余りにもついていけてないので質問する。

 

「ふむ、よく疑問に思った.

そもそも、この空間はかつて俺達アキバレンジャーが戦っていた妄想の世界が、チガウヨーコーポレーションの妄想によって作られたあのプリズムAによって支配された世界なんだ!!」

 

「妄想の世界」

 

「あぁ妄想だからって、馬鹿にしたか!!」

 

「いや、別に」

 

1号と赤い怪盗はそう言って眼をそらしたが、アキバレッドと名乗った戦士が怒りながら、二人に迫った。

 

「良いか、妄想の世界は現実にリンクしている。

もしも、プリズムAがこの世界で滅茶苦茶にしたら、現実世界にも影響が出る」

 

「そ、それは、そうかもしれない」

 

アキバレッドは何かとすごいことを言っているが、その威圧感でそれどころじゃない。

 

だが、それを聞いたプリズムAは、得意げに笑う。

 

「ふっ、既に遅い。

私は既に、スーパー戦隊の放送枠である7時30分へと手を伸ばした。

これで今日からは私が活躍する『非公認巨人プリズムA』が放送するのだ!!」

 

「ぎゃ!」

 

そんなことを言っていると、赤い怪盗の顔に新聞が飛んできた。

 

赤い怪盗は慌てて引きはがして、それを見る。

 

「…」

 

「栄光の放送時間、これで私のグッズもばんばん…」

 

「売れないな」

 

「…え?」

 

「だって、そこもうスーパー戦隊、放送してないから」

 

「何だって?」

 

赤い怪盗はそう言って、プリズムAに新聞を見せる。

 

「さ、サンデーL●VEだとぉ!!」

 

「ええぇぇーーー!!」

 

プリズムAと同じく、アキバレッドも叫んだ。

 

すると、今度は1号の足元にポスターが落ちていた。

 

1号はそれを拾って読む。

 

「どうやら、去年から放送時間が変わったらしいな。

今は9時30分で放送しているから、2時間違いだな」

 

「なっ、なんだとぉー!」

 

「その時間は他のチャンネルでも多くの人気番組があるじゃないか!

せっかくのスーパーヒーロータイムがぁ」

 

「あなたは知らなかったのか?」

 

「あぁ、最後の戦いで死んでしまって!

それからシーズン3も放送されないし!!」

 

「死んだっていう事は転生者か?」

 

アキバレッドの言葉を聞いた瞬間、1号は手錠を、赤い怪盗は戦闘機の機械を取り出し、構えた。

 

だが、それを見た瞬間、アキバレッドは慌てながら待ったをかける。

 

「いやいや、死んだスーパー戦隊が助けにだって来るよ!

ほら、アバレキラーさんもそうだし、ビートバスターさんだって、VSシリーズでは一時的に蘇っていたじゃないか。

ゴーカイジャーのレジェンド大戦なんて、とんでもないことになっているし!」

 

1号たちに対して、必死で説得するアキバレッドを見て、転生者になっても、目の前の戦士は正義の心を忘れないんだな、と1号は内心で思った。

 

「まぁ、そこまで言うんだったら、力を貸してくれよ、アキバ先輩」

 

「先輩?

今、先輩って言った?」

 

「えっ?

あぁ」

 

その言葉に反応し、うれしさいっぱいの勢いで、赤い怪盗の手を握った。

 

「非公認の俺を先輩だなんて!

燃えて来たぜ、力を貸すぜ、後輩!!」

 

そう言って、アキバレッドは二人から距離を離しポーズを決めた。

 

「受け取れ、ルパンレンジャー、パトレンジャー!

これが俺達アキバレンジャーの大それた力だ!」

 

その言葉と共に、アキバレッドの体は二つの光に変わり、1号と赤い怪盗の手元に来る。

 

よく見ると、アニメのプリントが特徴の、所謂痛車だった。

 

「マジかぁ。

なら、やるしかねぇか!!」

 

『イタッシャー!

パトライズ!

ケイサツブースト!』

 

VSチェンジャーに取り付け、操作したときに音声と共に、美少女のフィギュアが現れた。

 

「あの人、これ以外に何かなかったのかよ!?」

 

1号はフィギュアを手に取り叫んだ。

 

すると、フィギュアから『ズッキューン!』と音声が流れ、フィギュアが銃へと変化した。

 

それだけでは無く、1号の横には先ほどまで戦ったアキバレッドと、別に青と黄色の戦士が立っていて同じように銃を構えていた。

 

それと同じように、赤い怪盗はアキバレッド一人だが、アキバレッドが謎の鎧を装着し、さらには赤い怪盗が手に持っているものと同じ短剣が握られていて立っていた。

 

「なるほどな。

それじゃ、あんたらの力、貸してもらうぜ!!」

 

「任せてくれ!」

 

「任せて!!」

 

「お任せにゃあ!」

 

「行くぜぇ!

…えっ、あんたら喋れたのか!?」

 

「そりゃあ、バスコが出した公認様じゃないからな。

非公認だからこそ、出来た技だぜ!」

 

「にゃっふうぅああああ!?」

 

「回転ジャンプしながら驚くな!?」

 

「赤木さんが増えてる!!?」

 

「…何なんだよ、この人たち」

 

1号は3人のやり取りについていけなくて少しげんなりしそうになるが、今はそれどころじゃないと振り切った。

 

「そんなことしてる暇はない!

行こうぜ!」

 

「おう!」

 

「えぇ!」

 

「わかったにゃぁ!」

 

アキバレッドと二人の戦士は銃を構え、1号は銃とVSチェンジャーを構え、それぞれエネルギーを溜める。

 

「「「「5連ムニュズキューン!!」」」

 

1号たちから放たれた五つのエネルギー弾が怪盗たちを通り抜け、プリズムAに全弾命中する。

 

そして、怪盗と鎧のアキバレッドが短刀でプリズムAを斬りつけた。

 

「こっ、こんな短い戦いがあるか!!」

 

「馬鹿を言うな。

こういうのはテレビくんの付録DVDならば当たり前だぜ!!」

 

「最後まで言っている意味が分からない!!」

 

その言葉を最後に、プリズムAは爆散した。

 

「プリズムA、もしも純粋な放送番組だったら、見ていたかもしれない。

全ては商品の売り上げしか興味を持たなかったチガウヨーコーポレーションが引き起こした惨劇だったんだ」

 

「そもそも、どうやって放送枠奪ったんだ?

もしかして、買収か?」

 

「…それを言うと、このSS自体消されるから、言えない」

 

「???」

 

「それじゃあ、皆、今度はシーズン3(仮)で会おうぜぇ!!」

 

「放送すんのかよ!?」

 

1号はアキバレッドの言葉に叫ぶと、目が覚めて交番にいた。

 

「…変な夢、だったな」

 

バンは頭を掻こうと、手をあげる。

 

すると、手にはマシンイタッシャーのトリガーマシンが握られていた。

 

「…」

 

バンは無言でそれをしまい、缶ジュースを飲んでいた。

 

 

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