波打つ海の中、バンたちは船を走らせる。
「まさか、島にも転生者の反応があるなんてねぇ」
「普段は誰も近寄らないような場所みたいですけども、その転生者は一体何を…」
アストルフォとかこが地図を読みながら、話し合っている。
すると、操縦席からバンが言う。
「あぁ、なんでもその島の環境を揺るがすことしてるみたいなんだ。
例えば、青い影が、目に映る生き物の殺意を感じ取った瞬間に惨殺したりとか、森を片っ端から薙ぎ払ったり、とかな」
「それって、島の生態系を揺るがしている、ってことですか?」
「どんな意図があって、そんなことになってんのかやってのかは、まだわかんねぇけどな」
「でも、青い影でそういう殺意を感じ取って発動ってEXAMみたいだね。
ブルーデスティニーの」
「EXAM、ですか?
でもあれって、ニュータイプの殺意とか敵意に反応するんじゃあ…」
「人とか動物にも対応するようになってるって可能性もあるぞ?
…うん?
アストルフォ、先頭に行って見てくれ」
「はーい」
アストルフォは船の前に行き、望遠鏡で見る。
その先に島があった。
探知機と望遠鏡を見比べた後で、アストルフォは二人に言った。
「隊長!
目的の島だよ、もう少ししたら降りる準備しよう!!」
「わぁーたよ!
かこ、お前も準備しとけ」
「了解です。
…?
あの、そう言えばなのはさんたちは?」
「管理局の用事で、来るのが遅れるらしいんだ。
終わり次第、すぐ来るってよ」
三人は船を島の近くまで動かし、ボートに乗って浜辺に着く。
「しっかし、ここで被害が出てるってのに森とか生い茂ってるんだなぁ」
「確かにそうですけど、奥が怖いですよ」
「情報の通りなら、動物の死体とか荒らされた森とかありそうだけどね」
「こ、怖いこと言わないでよぉ!」
三人はそう言いながら、森の中を進む。
しばらくすると、バンは何かを見つけたのか、眼を見開いた。
「止まれ。
この先、なんかあるぞ」
「どうしたの?」
「この茂みの奥、何か血の匂いがするんだよ」
「まさか、死体?」
「それか、血の着いた何かだと思いてぇけどな。
行くぞ」
バンは茂みを掻き分けて開いた。
「…マジかよ」
その奥には、血に濡れた動物や人の死体があちこちであった。
さらには薙ぎ倒されたり、切られた木があった。
それらを見たかこは、気になるものを見つけた。
「まるで、何かで焼き切られたような跡がありますね」
「焼き切られた?
あぁ、本当だ!」
「確かに、これは普通に切ってもこうはならねぇな」
死体や木の状態を見ると、切り傷の断面が火傷のようになっていて、木の断面には熱の籠って赤くなっていた。
「こいつは、アストルフォの言う通り、ブルーデスティニーの特典だな。
それも、俺が映像で見た特徴だと、1号のだ。
今焼け跡から解析してるが、その辺りは間違いないだろうぜ?」
「その可能性は、高いですね……!?
待ってください、この近くで転生者のすさまじい反応が見られます!!」
バンが解析していると、かこが驚いたように、探知機の反応を確認した。
「この探知機でこの反応だなんて、まさか暴走?」
「ちっ!
だとしたら、早くその転生者を止めに行くぞ!」
「「了解!!」」
三人は探知機の座標を頼りに森の中を走った。
「あそこだな!
行くぜ二人とも!」
「「「警察チェンジ!!!」」」
『1号!』
『2号!』
『3号!』
「パトライズ!
警察チェンジ!
パトレンジャー!!」
転生者が近くにいることを確認した三人は変身し、転生者の下へとたどり着いた。
「そこまでだっ!
…!?」
「あれは!」
「ルパンレンジャー!?」
三人はvsチェンジャーを構えけん制しようと入り込むと、転生者が変身したブルーデスティニー1号とルパンレンジャーが戦っていたのが見えた。
「またお前らかよ!」
「こんな時に…」
「今はお主らの相手をしている暇はないのじゃ」
三人に気づいたルパンレンジャーは忙しそうに言う。
それもブルーデスティニー1号の猛攻を避けながら。
「そいつ、暴走してるんだろ!
だったら、俺達が更生する!
行くぞ!」
「「了解!」」
1号は二人に号令すると同時に、vsチェンジャーとパトメガボーを構え、ルパンレンジャーと転生者に攻撃を仕掛ける。
3号は青いルパンレンジャーを、2号は黄色のルパンレンジャー、そして1号は赤いルパンレンジャーとブルーデスティニー1号と戦うことになった。
「なっ!?
邪魔をしないでよ!」
「邪魔はお前らだ。
あいつの特典は俺たちがもらう」
「うっ!」
「お主らの相手は、儂らじゃ!」
「そこをどけ!
今はお前らと戦ってる場合じゃねえんだよ!」
「それはこっちのセリフだ!
あの爺さんは、特典に振り回されてる状態なんでな!」
「爺さん!?
だとしたら、負担かかりすぎで死んじまうじゃねぇか!」
1号と赤いルパンレンジャーはブルーデスティニー1号の猛攻を避けながら、vsチェンジャーで撃ちあい、パトメガボーと剣をぶつけ合いつばぜり合いになる。
「だからその前に、俺たちが特典を奪う!」
「いいや!
それよりも早く、俺たちが更生するんだよ!」
1号と赤いルパンレンジャーはいったん距離を取る。
『キュウレンジャー!
パトライズ!
セイザ・チェンジ!』
1号はコジシボイジャーを使って、キューソードとvsチェンジャーを構える。
「それはキュウレンジャーの!?
なら、こっちはどうだ!?」
『キョウリュウ!
0、3、8!
マスカレイズ!
アームド・オン!』
それに対抗するように、赤いルパンレンジャーは恐竜型の機械で恐竜型の銃と剣を取り出した。
すると、ブルーデスティニー1号は1号に目掛けて、ビームサーベルで斬りかかる。
「うおっ!?」
1号はキューソードの刃幅を盾に受け止め、ブルーデスティニー1号の胴体をvsチェンジャーで撃ち抜く。
後ろに後退した転生者はスラスターを使って空を飛ぶ。
「はあ!!」
転生者の背後にまわった赤いルパンレンジャーは剣で転生者を斬ろうとするが、それを察知して、転生者はビームサーベルで受け止め、ビームライフルを使って撃ち抜こうとする。
「やらせるか!」
赤いルパンレンジャーはビームライフルを持つ手を蹴り上げ、腰のベルトからワイヤーを取り出し、転生者の体を縛り付ける。
「くらえ!」
そして、激しく動こうとするので恐竜型のエネルギー弾で攻撃した。
強力な攻撃で木の幹に叩きつけられたブルーデスティニー1号は、いくらか装甲にひびが入りながらも、起き上がろうとしてる。
「どんだけタフなんだよ。
だけど、これを使って大人しくさせてやるよ」
赤いルパンレンジャーはヘリコプターのような機械を取り出した。
すると、1号はvsチェンジャーで赤いルパンレンジャーの足元を撃ってけん制した。
「待て!
その転生者は俺が更生する!」
「…しつこいな。
だったら、どっちがやるか、決着つけようじゃねえか」
1号は言葉に応じるように、バイカートリガーマシンを取り出した。
『バイカー!
パトライズ!
警察ブースト!!』
『サイクラー!
3,1,9!
マスカレイズ!
怪盗ブースト!!』
1号は車輪のエネルギー弾を、赤いルパンレンジャーは竜巻のエネルギー弾を撃つ。
二つのエネルギー弾がぶつかり合った瞬間、二人の間に衝撃が走る。
「がっ!?
くうぅ!!」
「ぐっ!!」
二人は衝撃に耐える。
すると、衝撃は爆発を起こし、二人の体は木や崖にぶつかる。
「がはっ、ごほ!
…やるな」
「ちぃ、なんて威力なんだよ…」
二人はダメージを負いながら、起き上がる。
だが、赤いルパンレンジャーは先ほどの衝撃が強かったのか、すぐに膝をついた。
「…悪いが、今回は俺たちが更生させてもらうぜ」
1号はボロボロの体を引きずりながら手錠を取り出し、転生者の方へと足を向けた。
しかし、ブルーデスティニー1号の様子がさきほど明らかに変わっていた。
ブルーデスティニー1号はばったりと動きが止まり、力なく倒れこんだからだ。
すると、ブルーデスティニー1号の体から、赤いオーラのようなものが現れ、転生者の体は老人の体へと変わる。
老人から出たオーラはそのまま宙を飛び、そして巨大ながら、先ほどのようなブルーデスティニー1号へと姿が変わった。
「まだ暴走してんのか!?」
1号はまさかと思い、急いで老人に手錠を嵌める。
「…は?」
老人の体は転送されない。
転生者であるはずなのに。
「まさか、寿命で死んだってのか…?」
呆然とする1号をよそに赤いルパンレンジャーはヘリコプターの機械を巨大化させ、強力な風を巻き起こす。
1号はそれに耐えようとする。
「うっ!?」
赤いルパンレンジャーはヘリコプターに乗り込み、仲間の二人が乗っている飛行機と合流した。
すると、先ほどまであの二人と戦っていた2号と3号が来た。
「バン隊長!
大丈夫ですか!?」
「その転生者、まさか特典を奪われたの!?」
「いや、奪われてねえよ。
けど、この転生者の爺さんは死んじまった。
寿命でな…」
「っ!?」
「そ、そんな…」
二人は1号の言葉を聞いて呆然とする。
しかし、それも束の間。
ルパンレンジャーの乗る飛行機が崖に攻撃し、瓦礫が落ちてきたのだ。
「っ!
お前ら、伏せろ!」
そう言って1号は二人を抱え伏せる。
三人は落ちてくる瓦礫に耐える。
瓦礫の落下が収まったが、三人は動けなくなった。
「痛ぇ、こりゃあ動けねぇな。
お前ら大丈夫か?」
「はい、何とか…」
「ボクも大丈夫だけど、これじゃ動けないね」
「そうか…?
あいつは!?」
1号は空から何が怪盗たちに飛んで行くのが見えた。
グッドストライカーだ。
赤いルパンレンジャーの乗るヘリコプターに入ると、巨大化して飛び出した。
そして、ヘリコプターと二つの飛行機と合体し、巨大ロボットへと変わり、ブルーデスティニー1号と戦う。
「バンさん、皆さん!
大丈夫ですか!?」
「今から助けますので、待ってください!」
すると、なのはとスバルを含めた機動六課が来て、三人を瓦礫から救出した。
瓦礫から出た後、1号となのはたちはブルーデスティニー1号とルパンレンジャーのロボットの戦いを見ていた。
だが、それはすぐに終わった。
ブルーデスティニー1号は、ルパンレンジャーのロボットの手を掴み、海へと飛んで行き、そのまま爆発したからだ。