インフィニット・ストラトスの世界のとある研究所。
暗い一室の中、ウサミミを着けた紫色の髪をした女性が、パソコンの画面でIS学園を観測していた。
「…まさか、いっくんまであのクソヤロウにやられちゃうなんてねぇ…」
彼女が見ているのは、IS学園のアリーナで乱入した鎧の男に、一夏を含む複数のIS操縦者が蹂躙とも呼べるほどまでやられる様を見て、少し肩をすくめる。
「ん?
何あの三人?」
アリーナの画面からISでもないスーツを纏った三人の少年少女が写っていた。
「…確か、束さんが作った平行世界への観測機でもいたような」
そう言って、女性、束は機材のデータを取り出し少しの間見比べた。
「あぁ、思い出した!
別世界で箒ちゃんにいっくんへの応援してくれた連中だ!!」
思い出した束はニマニマと笑いながら画面を見る。
「まさか、平行世界だけじゃなくこの世界の観測でも見れるなんて…!
よし決めた!」
束は勢いよく立ち上がり、別の機械のコンソールを叩く。
「せっかくこの世界にいるんだし、ちゃんと挨拶しなきゃね!」
バンたちはIS学園の教員たちに、あの転生者のことを伝え、帰路に着こうとしていた。
「とりあえずは、これで一件落着ってところだな♪」
「そうですね、これならしばらくあの学校も大丈夫でしょう。
…これは?」
なのははそう言って、懐から通信機を取り出した。
「失礼します。
…はい、高町なのはです。
はやてちゃん、どうしたの!?
え、わかった、すぐに戻るから!」
なのははそう言って、少し慌てた様子で通信機をしまう。
「すみません、パトレンジャーの皆さん。
急遽管理局から戻るよう連絡が入ったので、失礼します!
皆も、帰るよ」
「ちょ、なのはさん!?」
いきなり変身したなのはに驚きながら、スバルたちも変身して、なのはについていくように飛んで行った。
「…管理局から?
一体、何があったんだろ?」
「彼女たちの世界、ミッドチルダで何かあったんでしょうか?」
「わからねぇ。
だが、これは向こうの問題だからな。
俺たちが入る隙間もねえよ。
とりあえず、交番に戻ろうぜ…!?」
その瞬間、バンたちの背後からとてつもない衝撃が走った。
思わず固まったバンたちは、ギギギと音を立てて、ゆっくりと振り向いた。
「なぁ、お前ら」
顔が引きつらせたまま、バンは二人に聞いた。
「もし、俺の眼が正常だったらだけどな。
俺には、でっかいニンジンが地面に突き刺さってるのが見えるだが、どうだ?」
「…安心してください。
バン隊長の眼も、私たちの眼も正常です」
「うわぁー、でかいニンジンだねえ…」
三人の言う通り、背後に大きなニンジンが地面に突き刺さっていた。
正確には、ニンジン型のロケットだが。
すると、ロケットのハッチが開かれ、一人の女性が飛び出し、三人も前に降り立った。
「ハロハロー、皆のアイドルぅー!
束さんだよぉ!
君たちに会いに来たよ!!」
束と名乗った女性はピコピコと機械のウサミミを動かしながら、そう言った。
その瞬間、バンは頭を押さえ、かこは少し顔をひきつらせ、アストルフォは呆然としていた。
「…とんでもねぇのに、遭遇しちまった」
バンは聞こえないように呟いた。
なぜなら、束はこの世界でのIS開発者であり、天災と呼ばれる女性だったからだ。
一方、時空管理局に戻ったなのはは、スバルたちを帰宅させて、一人の少女から一枚の紙を渡された。
「これは、どういうことなの、はやてちゃん?」
「ごめん、私も最初は反対してたんやけど。
上層部の圧力がとんでもなくて、な」
はやてと言われた少女は申し訳なさそうに、頭を抱えながらなのはに謝った。
「ううん、はやてちゃんのせいじゃないよ。
でも、いくら何でもこれはやり過ぎだよ」
なのはは一枚の紙を見る。
「全てのISのコアを、ロストロギアとして回収するなんて…!」