「そいつらをぶっ潰すのに、束さんたちに協力しない?」
束はどこか怒気の含んだ目で、バンたちに聞いた。
「…それを聞いて、あんたはどうする気だ?」
「決まってるさ。
そいつらを潰すためなら、束さんは一切の協力も惜しまない。
それに、君たちの力があれば、転生者とやらをこの世界から消してくれるだろうからね」
「そうか…。
だが、その代わり条件があるが、それを受け入れるなら、俺たちも考えるさ」
「ほうほう。
で、その条件は何?」
「さっきも言った通り、俺たちはパトレンジャーだ。
立場で言えば、警察だ。
だから、俺たちは転生者を更生するにしても、関係のないやつを巻き込むつもりない」
「というと?」
「あんたが、あんたの都合で他人を巻き込むなら、俺たちはあんたに協力しないってことだ。
あんただって、そのせいで自分の妹が悲しい顔するの、見たくねぇだろ?」
「そりゃあね。
他人を巻き込まないというのが条件か…。
それが君たちの条件だね?」
「あぁ。
…お前たちも、それでいいか?」
かことアストルフォは、バンの言葉にうなづく。
「あんたにとっては少し肩幅狭くなるかもだが、どうなんだ?」
「そうだねぇ…」
束は少し真剣な顔で、ウサミミを動かしながら考える。
「…良いよ。
その条件を受け入れるよ。
ただ、それで君たちが転生者をぶっ潰してくれるならね。
だけど、その代わりちーちゃんたちにも連絡して、協力してもらうから」
「そのちーちゃんってのは、IS学園の教師をやってる、織斑千冬のことか?
それはつまり、あの学園との協力も得るってことだな」
「もちろんだよ。
この世界で転生者が暴れたんなら、いっくんやちーちゃん、箒ちゃんたちとも協力するのも、君たちにとっても得だからね。
束さん的には、箒ちゃんといっくんのラブラブシーンが見れれば、良いんだけどねぇ♪」
束は肩を抱きながら、わなわなして震え上がる。
バンたちはそれを見て内心、呆れていた。
「じゃあ、それで話は終わりか?
俺たちはこれで帰らせてもらうぞ」
バンたちは束を通りすぎて帰路に着こうとする。
「おや、もう帰るのか?
せっかくなんだし、もうちょっとゆっくりしなよ。
何なら、今からクロちゃん連れてきて、お茶会するってのも…」
「悪いが、それはまた今度で良いか?
俺たちは、あんたがさっき言ってたクソヤロウを更生させて、あちこちがボロボロなんだ。
どうせ休むなら、自分たちの拠点の場所が一番だしよ。
あと、俺から一つ言っといてやるよ」
「何かな?」
バンは足を止めて、束の方に振り返り、口を開いた。
「転生者に、自分にとっての娘さんを傷つけられたからって、あんまり根詰めんなよ?」
「っ!」
束はバンの言葉を聞いて驚く。
バンたちは、再び歩みをはじめ、その場を去った。
一人、その場に取り残された束は、バンの言葉を聞いて、下を向く。
「君に、何がわかるってのさ…!」
怒りと悲しみの混ざった表情で、一度地面を強く蹴る。
「まぁいいさ。
束さん的には、転生者を潰せれば、それで良いし」
そう言って、束は携帯を取り出す。
「…さて、ちーちゃんにも伝えないと」
二日後、IS学園に時空管理局を名乗る役員たちが、ISのコアの回収のために、押し寄せてきたと、バンたちパトレンジャーに通報で届いたのだった。