転生者を更正する警察集団   作:ガンダムラザーニャ

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読者の皆さん、申し訳ありません。

どう話を繋げたら良いかわからず、投稿が遅くなりました。


怯えるかこ

ソルソルの実の転生者の件から数日後、バンたちパトレンジャーはようやく、なのはたち機動六課のメンバーと再び行動を共にすることができるようになった。

 

しかし、一つだけ問題があった。

 

「…」

 

「おいかこ。

調子はどうだ?」

 

「…バン隊長。

すみません、まだ調子が悪くて…」

 

前回の件から、かこは体調を崩すようになってしまった。

 

ソルソルの実の転生者に、トラウマを呼び起こされた時から。

 

特典の力で体調を整えようと試みたものの、すぐにぶり返してしまうので、現在は書斎のベッドで安静にしている。

 

「気にするな。

何かあったら、すぐに呼んでくれ」

 

バンはかこの頭を一回撫でる。

 

「…ありがとう、ございます」

 

バンはじゃあなと言って、書斎を後にする。

 

書斎に一人残ったかこは、大人しく本を読もうとした。

 

すると、かこは頭に激しい頭痛を覚えた。

 

「っ!?」

 

手に取った本がベッドから落ちることを気に留めず、かこは頭を押さえた。

 

かこの頭の中で、かつての記憶が蘇る。

 

それは自身が殺された時の記憶。

 

そしてそれは謂れのないクレームを突きつけられ、両親が目の前で処刑された記憶。

 

「いやぁ、やめて…!」

 

その記憶が、そのトラウマが、激しくフラッシュバックし、かこを苦しめる。

 

かこはたまらずベッドから落ちた。

 

「はぁはぁ…!

くぅ…!」

 

かこはベッドから落ちて、そのまま身を守るように手足を丸める。

 

すると、音を聞いたのか、バンが駆けつけた。

 

見舞いに来たと思われるティアナと一緒に。

 

「かこっ!

大丈夫かっ!?」

 

「かこさん、しっかりしてください!」

 

二人の声が聞こえた途端、かこは意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ…ここは?」

 

かこが目を覚ますと、視界に書斎の天井が映っていた。

 

「気が付きましたか?」

 

かこは声がする方向に目を向ける。

 

そこにいたのはティアナだった。

 

「ティアナさん…」

 

「さっきはビックリしましたよ。

バンさんからかこさんのことを聞いていたら激しい音が聞こえたので…」

 

「そうでしたか。

私、倒れてたんですね…。

そう言えば、バン隊長は?」

 

「アストルフォさんと合流して、かこさんの体調を整えるよう、食料を買いに行ってるようです。

…パトロールも兼ねて、ですが」

 

「そうですか…」

 

かこはそこまで言うと、顔を下に向ける。

 

「…やっぱり、以前の件のことで、何かあったんですか?」

 

「…」

 

「ごめんなさい、変なこと聞いて」

 

「…バン隊長から」

 

ティアナが申し訳なさそうにすると、かこは下を向いたまま、口を開いた。

 

「へ?」

 

「バン隊長から、聞いているとは思うんですけど、以前の転生者に、私を殺した転生者の顔を、見せられたんです」

 

「…」

 

「それを目の当たりにして、怖くなって…」

 

「そうなんですか…。

でも、その転生者は特典が怪盗に奪われたから、もうその顔を見ることはないんじゃないですか?」

 

「それもそうなんですけど…」

 

かこは手を強く握る。

 

「だけど、やっぱりあの顔を見たせいか、生前のことを思い出して、今も、あの光景が蘇りそうになるんです…」

 

「かこさん…」

 

ティアナはかこに対して、居た堪れない気持ちになる。

 

ティアナは、かこのことをあまり知らない。

 

だから、かこがどんな生前を送っていたのかも知らない。

 

でも、協力関係としても、かつてにゃんこ大戦争の転生者の件で行動を共にしていた仲だとしても、かこのことを放ってはおけなかった。

 

「かこさん」

 

「…?」

 

ティアナは、かこの背中をさすりながら声を掛ける。

 

「私は、かこさんにしてあげられることはないと思うんですけど…よかったら何かおもしろい話とかしませんか?

そしたら、いくらか気が済むかもなんですけど」

 

かこは、ティアナの言葉に思わず目を見開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街の商店街で、バンとアストルフォは、パトロールを兼ねた買い物を終えて、交番へと向かおうとしていた。

 

「ちぇー、せっかく面白そうな食材見つけたのに」

 

アストルフォは買い物袋をぶら下げたまま不貞腐れる。

 

「病人に飯作るのにハバネロ入れるバカがどこにいるんだっつーの♪」

 

「ボクだよ?」

 

「本当にバカじゃねぇか…」

 

バンはアストルフォの食材に対する考えに呆れる。

 

「でもさぁ、キムチのチョイスはどうなのさ?

隊長ったら、結局辛いもの選んでんじゃん」

 

「ハバネロよりかずっとマシだ♪

それに豚キムチとかチャーハン、鍋にも使えるしよ♪」

 

「へぇ、キムチってそういう使い方もあるんだけど」

「まぁな♪

んじゃ、さっさと交番に帰ってかこに飯作ってやらねぇとな」

 

「うん、そうだね。

…?

隊長、あれ…」

 

「あ?」

 

二人は帰路につこうとした時、目の前に妙な男が立っていた。

 

背中に大きな火炎放射器を背負った、蛇のような鋭い目付きの男だった。

 

男はバンとアストルフォを見て、にやけていた。

 

「何だこいつ?」

 

すると、男は火炎放射器を構えた。

 

「お前ら、あの緑の髪のガキの仲間だな?

良かったら俺と遊ぼうぜ?」

 

「「っ!?」」

 

男が言った言葉に二人は驚く。

 

目の前にいる男は、明らかにかこのことを言っていたのだから。

 

そして、男の片目には、お金の紋章が浮かび上がっていたのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ…」

 

その頃、右京は転生者のデータを見ていた。

 

「長官、頼まれてた資料、持ってきたわよ」

 

長官室に来た霞はファイルを右京に渡す。

 

「ありがとうございます、霞ちゃん」

 

「お礼なんて良いわよ。

それで、何か気になることがあるんじゃないの?」

 

「えぇ、その通りですよ。

この前の管理局にいた転生者の反応の一部と、ある世界で観測された反応の一部が、どこか似ているような気がしましたのでね」

 

右京は分かりやすく説明しようと、データととある世界の記録を見せる。

 

「…長官、これってまさか…!?」

 

「その、まさかです。

あのお金の紋章は、すでに他の世界にもあったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この、生前かこちゃんがいた世界も、含めて」

 

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