転生者を更正する警察集団   作:ガンダムラザーニャ

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炎を吹く巳

街は騒然となった。

 

つい先ほどまで、人々が行き交う街は、たった一人の男が振り撒く炎に炙られている。

 

「逃げろぉっ!!」

 

「何なんだあいつ!?

町中で火炎放射器持ってるぞ!!」

 

逃げ惑う人々を1号と3号が、男から攻撃を凌ぎながら避難させた。

 

「くそっ!

いきなり放火するって何なんだよあいつ!」

 

1号は思わず毒づく。

 

「ハァハッハッハ!

ほらぁ、早く逃げねぇと丸焼きになっちまうぞぉ!?」

 

男は狂ったように、酔いしれたように火炎放射器から炎を噴き出す。

 

「隊長、危ない!」

 

「うおっ!?」

 

炎を浴びる寸前、3号は1号を連れて建物の隙間へと入っていった。

 

「あ?」

 

男は追いかけようと建物の隙間を見るが誰もいなかった。

 

「おいおい。

この俺から逃げられるとでも思ってんのかよ!?」

 

男は地面に手を着いた。

 

「…そこか」

 

男は素早く移動し、1号たちを追いかける。

 

「はあはあ…。

流石に、ここまでくれば、あの火炎放射器も扱えないだろうね」

 

3号は1号と一緒に、建物の隙間を縫って、人気のない廃工場にやってきて、体勢を立て直していた。

 

「…」

 

「どうしたの?」

 

1号が黙り込んでいることに気が付いた3号は、1号の顔を覗き込む。

 

「あいつ、何でかこのこと知ってたんだろうな…」

 

その時だった。

 

「そりゃあ、俺があのガキを殺したからだよ」

 

「「っ!?」」

 

1号と3号がいる廃工場に火炎放射器を持った男が、にやつきながらやって来た。

 

「…どういうことだ?」

 

1号は警戒しながら男に聞く。

 

「殺したっても、前世にだがな。

兄貴に親を殺されたあいつの怯えっぷりはたまげたもんだぜ?

それに、ぴーぴー泣き喚いていたし、俺に刺し殺された時の顔なんか、絶望のどん底に突き落とされたようなもんだったからよぉっ!!」」

 

男は良い思い出を語るかのように、愉快に笑いながら言った。

 

「てめぇ…、何で笑ってられんだよっ!!」

 

「あ?

そりゃあ、俺たちは転生者である以前に戦士でもあるんだよ。

干支の十二支の戦士としてな!」

 

「干支の十二支の戦士!?

まさか、君は!」

 

男は自らの素性を言うと、3号は声を荒げる。

 

目の前にいる男の言っていることが本当なら、とある世界の戦士でありながら、転生者だということでも、あるのだから。

 

「さすがに、ここまで言えばわかっちまうか!

なら、手向けに名乗ってやるよ。

巳の戦士、遊ぶ金欲しさに殺す 断罪兄弟 弟!!」

 

男は高らかに自分の名を告げる。

 

目の前にいる獲物を焼き殺すために。

 

 

 

 

 

 

一方その頃、交番にいるかことティアナは。

 

「へぇ、色々あるんですねぇ」

 

「そうなんですよ。

この間なんか、キャロがエリオを連れてお風呂に入ろうとしてて、止めるの大変だったんですよ」

 

「ふふふ。

でも、それだけキャロさんはエリオさんのこと、好きなんですね」

 

「そりゃあそうなんですけどね…。

いや、実際そうだと思いますけども」

 

「そうだ。

そう言えば、この間バン隊長が…」

 

互いにバンたちやスバルたちの話や、書斎の本を通して様々な世界の話をしていた。

 

そのこともあってか、かこの表情も少しずつ明るくなっていた。

 

だが、そんなときにティアナの通信機が鳴った。

 

「…なのはさんから?」

 

「また何か、あったんでしょうか」

 

二人は少し不安になりながら、通信を開始する。

 

「はい、ティアナ・ランスターです」

 

『バンさんとアストルフォさんが転生者と戦っているの!

私たちはバンさんたちのところに向かってるけど、合流できそう?』

 

「…!」

 

「バン隊長とアストルフォちゃんが!?」

 

なのはが慌てた様子で通信した。

 

かこは、まさか買い物の途中で転生者と戦っているとは思わなかったので驚いてしまう。

 

ティアナは、どうしようか迷っていた。

 

なのはの話が本当なら、バンとアストルフォが手こずるほど強い転生者であり、自分達機動六課も向かわなければならない。

 

だけど、自分が向かえば、かこは一人になってしまう。

 

できることなら、かこを置いて行きたくない。

 

そう思っていた矢先だった。

 

「ティアナさん。

行ってあげてください」

 

「かこさん…」

 

かこは少し不安げな顔をしながらも、ティアナに言う。

 

「私は、大丈夫、ですから…。

なのはさんたちと一緒に、バン隊長とアストルフォちゃんを、助けてください…」

 

「…!

わかりました。

でも、何かあったらすぐに連絡してください!」

 

かこは黙って首を縦に振ったと同時に、書斎を抜け出して交番を飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

交番からはるか上空で、巨体なカプセルを背負った男が、その様子を見下ろしているとも知らずに。

 

 

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