転生者を更正する警察集団   作:ガンダムラザーニャ

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読者の皆様、投稿が遅くなり大変申し訳ありません。

それと今後の話の都合上、2話の設定の話を一部変更しています。

気になる方はそちらもどうぞ。


ギャングラーの情報と新たな影

かことティアナが墓参りに行ってから数日後、バンたちパトレンジャーはエリスの部屋に集まって説明を聞いていた。

 

その場所にはエリスの他にも、右京と亀山と霞がいた。

 

その内容は、前回倒した金丈公也とギャングラーの関係性と、エボルトを倒すときにルパンレッドから渡されたトリガーマシンについてだった。

 

「金丈については、以前会社が倒産したときに押収した書類から色々なことがわかってきたのです」

 

右京はそう言って、書類を映像化させて、バンたちに見せた。

 

「これは!?」

 

バンたちは驚く。

 

そこにあったのは、バンたちがこれまで転生してきた、金の紋章を持つ転生者からの報告書だった。

 

その中には、かつてなのはを利用してISのコアを回収しようとしたヘビーアームズ改の転生者のことも書いてあった。

 

「これ、時空管理局の上層部のことも書かれてます!」

 

「そう言えば、あいつ、更生する直前であのお方って言ってたからな…」

 

「彼が言っていたあのお方とは、金丈のことを指していたんでしょうねぇ」

 

それからバンたちは他の報告書を見る。

 

ゴーレムの実験のために街を潰そうとした計画書、以前殺したかこを殺す為の依頼書、家甲桜の特典のことや、拷問したときの状況と経過に伴う情報の有無の書類などがあった。

 

その他にも、金丈コーポレーションが吸収した企業の情報や、従わなかった企業や事業などをどのように始末したのかなどを記した書類や、社員の勤務時間や勤務状況の書類などがあった。

 

「何これ…!?

ほとんど社内で生活しているようなものじゃないか!」

 

「しかもこの勤務状況、明らかに過労死するかもしれないプログラムじゃねぇか!?」

 

「それだけではありません。

その無茶苦茶な勤務時間で社員を働かせてるのには、特典の力が関係しているようです。

普通なら、この異常とも言える時間にも、無理やり耐えれるようにしたのでしょう。

最も彼の都合で君たちの言っていた、金丈のアイテムを作るのに関わった数人の社員はすでに死亡していましたが」

 

『っ!?』

 

三人はそれを聞いてゾッとする。

 

もし、それが本当なら、もしあのまますぐに金丈コーポレーションに向かわなかったら、いったいどれだけの人間が過労死していたのかと想像したからだ。

 

しかも、今回相手にした金丈という転生者がどれだけ危険で邪悪な存在だったのかを身に染みたのだ。

 

亀山も霞もエリスも、冷や汗をかいた。

 

そしてそれを言った右京は難しい顔だった。

 

「…しかし、君たちのおかげで、その社員たちの洗脳は解けて、それぞれの道に向かうきっかけになりました。

ですので、彼らは救われたということなのです。

それについて、誇りに思われてもよろしいのではないですか?」

 

「そ、そうですよね…」

 

バンは冷や汗をかきながら言葉を返す。

 

「そう言えば長官、この間はやてからこの件はギャングラーと関係があるって言ってましらけど、あれって結局どういうことだったんですか?」

 

アストルフォが質問する。

 

「それについて、俺が説明するよ」

 

そう言って、亀山は書類を取り出して話し出した。

 

「実は、首謀者である金丈は、ギャングラーと呼ばれる組織の幹部だったんだ」

 

「「「っ!?」」」

 

それを聞いて三人は驚いた。

 

それでも亀山は説明を続けた。

 

金丈はギャングラーの幹部の中で特典の恩恵もあって経済的に優れていて、他の幹部とも取引をしていた。

 

しかし、金に対する異常な執着もあって評判は悪かった。

 

それがおそらく、今回のエボルトに魂を抜き取られる要因の一つではないかと推測されている。

 

「あの、一つ質問良いですか?」

 

かこが手を上げる。

 

「金丈の特典は確か、お金を使った洗脳でしたよね。

それで気になったんですけど、生前私の両親は彼からお金を見せられても何ともなかったのは、どうしてでしょうか?」

 

「…それについて、私が説明します」

 

エリスが口を開いた。

 

「私の方で調べさせてもらいましたが、彼の特典には欠点があります。

おそらく、それがあなたのご両親が洗脳を受けなかったことに繋がっていると思います」

 

「欠点、ですか?」

 

「はい。

彼の特典、お金での洗脳には、発動するのにいくつか条件があります。

それは彼自身が意思を持って洗脳しようと、相手にお金を見せること。

そして、洗脳を受ける人の精神力が、理性や何かしらの誇りなどよりも、金銭に対する執着が上回ること。

以上の条件がそろわないと発動しません。

また、人によって洗脳に使うお金の額も変わります。

多ければ多いほど、洗脳の強制力も上がりますので」

 

「でも私の両親はあんな大きいケースに収まった多額のお金を見せられても動じなかった…。

まさか、その欠点って…!」

 

「はい。

あなたのご両親は、決してお金に惑わされることがないほど、強い心の持ち主だったということです」

 

「そ、そうでしたか…」

 

「あなたのご両親のことは、勝手ではありましたが調べさせてさせていただきました。

…お金に全く無頓着ではないものの、図書館や家族のことを大切にされていたのですね」

 

エリスは少しほほ笑みながらかこの家族のことを話す。

 

それに対して、かこは少し思い出したように口を開く。

 

「はい…。

私の両親は読書も好きでしたが、それ以上にお客様の読みたい本を可能な限りお貸ししたいって、ずっと言ってましたし、仕事でもそれに沿えるように努力を惜しみませんでした。

それと同時に、どんなことがあっても私の事を大切にしてくれたんです。

…あの人の部下に連行された時も、せめて娘には絶対に手を出さないでくれって、言ってました」

 

「とても優しい親御さんなんですね…」

 

「はい…」

 

かこがそう言って眼を閉じて懐かしむ。

 

そこで霞が話に割り込むようにせき込む。

 

「あぁ懐かしむのは悪いことじゃないだけど、そんな風にされたら話が続かないわよ。

…特にバン、あんたが怪盗から渡されたこのトリガーマシン、気にならないの?」

 

霞の言葉を聞いて、かことエリスは確かにそうだったと我に返る。

 

そして霞は戦車型のトリガーマシンを取り出した。

 

「あ、あぁ…」

 

それを見てバンは息を呑む。

 

「…さて、これについて調べてみたんだけど、今から説明することは口よりも映像で見せたほうが早いから、それを見なさいな」

 

霞は手を翳して大型の映像を展開する。

 

そこには様々な情報が書いてあった。

 

このトリガーマシンの名前はサイレンストライカーと呼ばれるトリガーマシンだという事、

 

強力な火力を持っていて、砲撃による遠距離射撃を得意としていて、パトレンジャーに装備することができ、その他にも隠された能力がある事。

 

元々ブランクのトリガーマシンだったが、ルパンレンジャーの持つ、トリガーマシンの対となるアイテム、ダイヤルファイター、その中でも特殊なダイヤルファイターと共鳴することで発現した事、などが書かれていた。

 

しかしそこから先はトップシークレットとなっていて、読めなくなっている。

 

「何でここだけ読めなくなってんだ?」

 

バンはそのトップシークレットに疑問を持つ。

 

それを見て霞はため息をついた。

 

「…ここだけ厳重なロックが掛かってたのよ。

向こうとしても、それだけ知られないようにしていたって感じだわ」

 

「じゃあ見られないってこと?」

 

「心配しなくても、パスワードもできてるから、ロックは解除してあるのよ。

後はそれを開くだけ、苦労したわ」

 

「でも、何でそんなにロックが掛かってるものを私たちに…」

 

「おそらくですが、これはパトレンジャーとルパンレンジャー、その共通の敵に関する情報であるがゆえに、それ以外の人に見せないためではないでしょうかねぇ」

 

「…じゃあ、開くわよ」

 

霞はデータに手を翳して、トップシークレットの表示がなくなり、新しい情報が映し出される。

 

「これは…」

 

そこに写っていたのはギャングラーの幹部に関する情報だった。

 

そこにはいくつか名前に塗りつぶすかのように上から赤い線が引いてあった。

 

それを見た右京は顎に手を置いて考え、エリスはどこか思うところがあるのか目を伏せていた。

 

「…どうやら、ルパンレンジャーが早くからギャングラーと接触していたようですねぇ」

 

「えっと、右京さん…。

まさか、ここに書いてある赤い線は」

 

「おそらく、彼らが倒したギャングラーの名前なのでしょう。

ですが、金丈とエボルトについては違う線がありますねぇ」

 

「あ…」

 

バンたちはデータをよく見る。

 

幹部のリストには金丈の名前には黄色い線が、エボルトの名前には赤と黄色の罰点がひかれていた。

 

「そこにあるのはあんたらが倒したことを表している黄色い線ね。

区別をつけるためにやったのかしら?」

 

「…?

おいちょっと待て。

一人だけ、まだ線が光れてないやつの名前が載ってるぞ!」

 

バンがその名前に指を指して、全員がそれを見る。

 

その『赤嶺 友奈』と書かれた名前があって、まだ線がひかれていない。

 

おそらくはまだ倒せていないのだろう。

 

「ギャングラーの最後の幹部、ってところか…」

 

「そのようですねぇ。

そして、ギャングラーのボスもいる、ということなのでしょう」

 

「てことは、そのギャングラーもあと一息ってところですよね右京さん!」

 

「そうだと思いたいのですが…。

では最後に、このことは後々僕の方で管理局にもIS学園にもお伝えします。

それでは、以上とさせていただきます。

亀山くんも、休んで大丈夫ですよ」

 

「皆様もどうか、体を休めてくださいね?」

 

「ほらバン、このトリガーマシン、あんたが持っときなさい。

それと訓練の時でも良いからちゃんと使いこなせるようにしなさいよ!」

 

右京は話を締めくくり、エリスはバンたち四人を労い、霞はサイレンストライカーをバンに渡した。

 

そうしてバンたち四人はその場を後にした。

 

「…じゃ、私もやれるだけのことはやったから、休ませてもらうわね」

 

「えぇ、ごゆっくり、お休みください」

 

それを見た後、霞もそう言ってその場を後にして、部屋にはエリスと右京だけになった。

 

「…そう言えばエリスさん。

先程ギャングラーの幹部のリストを見た時、目を伏せていましたが、それはなぜでしょう?」

 

右京は先ほどのエリスの様子を思い出し、エリスに質問した。

 

「そ、それは…」

 

「確かに、ルパンレンジャーと共通の敵ではありますが、僕たちが今知った時点では金丈やエボルトを除いて、ほとんどの幹部がルパンレンジャーに倒されています。

…確かにパトレンジャーの手で倒すどころか、ギャングラーの存在に気づくのが遅くなりましたが」

 

「はい…」

 

「あなたはおそらく、ルパンレンジャーに先を越されたとお思いでしょうが、それは仕方のないことです。

パトレンジャーも我々も、完璧な存在ではないので」

 

「…」

 

「それに、ルパンレンジャーに関しては、確かに転生者の特典を奪い、ただの人間となっています。

それが起因して犯罪行為をして捕まる者もいれば、家族との幸せな生活を送る者もいます。

そうですね、例えば今本部で保護している家甲桜さんの様子も見てみれば、わかるでしょう」

 

右京の言葉を聞いて、エリスは病室にいる桜の映像を映す

 

「あ…」

 

そこには父親である家甲達人と楽しそうに遊んでいる桜の笑顔があった。

 

それを見てエリスは涙をこぼした。

 

右京はエリスの顔を見ないようにハンカチを取り出して渡す。

 

「…パトレンジャーとやり方は違いますが、彼らは決して敵ではありません。

おそらく彼らは、彼女のような存在を守りたいがために、今も戦っているのでしょうかねぇ…」

 

「…」

 

「しかし、だから言って、僕たちには責任はあります。

パトレンジャーにやらせてきたこともまた、人々を守るためとはいえ、それ以外の転生者を切り捨てる形で更生してきました」

 

「だから、これからはその選択を誤ってはいけない、ということ、ですか…?」

 

エリスは涙をハンカチで拭きながら言った。

 

「…えぇ、そう言う事になるのでしょう。

僕たちはこれから、本当に更生すべき転生者を探さなくてはなりません。

なのでエリスさん、これからもよろしくお願いします」

 

「…はい!」

 

 

 

 

 

 

 

一方そのころ、とある小学校の廃墟では数人が何かしらの作業をやっていた。

 

その時にハンマーやカミソリを持って何か作業していた一人が口を開いた。

 

「なぁ、幹部が赤嶺さんだけになったって話、あれって本当なのかな?」

 

「嘘だろうと何だろうと、アートが描ければいいんですけど?

というか、それってギャングラー大丈夫なの?」

 

そう言って一人は億劫そうに答えて絵の具を取り出して絵を塗っていく。

 

その時に廃墟から誰かの悲鳴が聞こえて、刃物で切り付けられる音と爆発音が聞こえた。

 

「もう、話をしてるのに…。

ちょっと、作業なら静かにして欲しいんですけど?」

 

絵を描いていた一人が鬱陶しそうに別の部屋にいた人物に注意する。

 

その人物は両手に汚れた巨大な鉈を持っていて、足場に二つに斬られた何かが転がっていた。

 

そして奥にもう一人いて、何かを頬ずりしていた。

 

「ごめんね?

この子とお友達になりたかったから、つい…」

 

「すまない、注意していたがこうなってしまった」

 

そこにいた二人は申し訳なさそうに言う。

 

「はぁ、別に今に始まったことじゃないけど、こっちはアートを描いてるんだから、出来る限り静かにしてよね」

 

絵を描いていた人物はうんざりした様子で作業に戻ろうとする。

 

その時に誰かがひょっこりと顔を出した。

 

「はぁい、調子良い?

さっきこの部隊のリーダーから、近いうち自分たちも本格的に動くことになるって話が出たんだ。

結構おすすめするぞ?」

 

「へ?

それってどういうことなんだよ?」

 

「今ギャングラーの幹部の座がいっぱい空いてるから、自分たちの働きでメンバー全員が幹部に昇格できるってリーダーがボスから聞いた話だ」

 

「はっ?」

 

「へぇ?」

 

「あん?」

 

「マジで?

すげぇじゃねぇか!」

 

ひょっこり顔を出した人物の言葉を聞いて、全員が驚いた。

 

「最っ高だ!

超COOLだよあんた!」

 

「君の言う事が本当なら、これからはいっぱいお友達が作れるってことだよね?」

 

「…私としては、今の生活を送ることができれば構わないが」

 

「あぁ、幹部の座は良いぞ…?

これまでお前たちにおすすめしてきたことのどんなことよりもな…」

 

「別にその辺りの情報提供ご苦労様。

ところでその情報、他の奴らとかあのフールたちにも届いてんの?

そう言うのに一番食いつくと思うんですけど?」

 

「オウ…、まだ伝えていなかったね。

じゃあすぐにこのことをおすすめしてくるよ」

 

そう言って顔を出していた人物はそう言って顔を引っ込めてどこかへと行った。

 

「…それにしても幹部の座か。

ま、あまり期待はしていなかったけど…」

 

一人は顔を押さえながらくつくつと笑う。

 

「だとしたらどんだけ最高なアートをクリエイトすればいいのかって、アイディアが浮かぶんですケド!!」

 

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