しかし、リクエスト通りの特典を使っているわけではありませんが、似たような特典を使っています。
バンは千冬たちにダリルの件と一夏がアストルフォと一緒に別世界に飛ばされたことを説明した。
前者は、ダリルが転生者でしかも一夏を殺そうとしたギャングラー暗部組織の一人だったことを受け入れられずにいた教員もいたが、バンが束に用意してもらった資料などから納得せざるを得なかった。
しかし、教員たちもそういうことを見抜けなかったこともあるので、もしパトレンジャーが来てなかったら一夏が殺されていたかもしれないということで、それ以上言及も責任追及もしなかった。
後者は、一夏も巻き込まれたこともあるので、パトレンジャーが責任を持って連れて帰るとして話が決まった。
それによりバンは亀山と一緒にかこと合流した。
かこもかこでアストルフォを探すために霞に連絡はしたが捜索は難航していて、管理局にも協力を仰いでいる。
二人を探してる間、亀山はバンとかこからアストルフォの話を聞いていた。
「…アストルフォくんがそんな」
「俺も驚いてますよ。
あいつがまさか今までずっと死にたがってたなんて、その罪悪感を知りもしないであいつのこと前に殴って怒ってしまって」
「今思えば、アストルフォちゃんは心の、自分でも気づかないほどの奥底で泣いていたのかもしれませんね。
いつも明るく笑って励ましてくれていたのに、私たちはそれに気づかなかったんです…」
「…でも二人にも気づかないほどだから、それは仕方のないことかもしれないんだよな。
話を聞いてる限りじゃ、アストルフォくんは無意識のうちにそのことを押し込んでいたみたいだし」
「だからこそ、俺たちがわかってやらないといけなかったんです!
あいつの苦しみも悲しみも!
具合的とは言えませんけど、俺はあいつを見つけて、あいつに謝りたいんです!」
「私も、わかってるようでわかっていなかったんです…!
だから、アストルフォちゃんを見つけて謝って、理解できるようになりたいんです!」
「そっか…、仲直りできると良いな…?
通信機から連絡が…」
三人で話をしている間に亀山の通信機に右京からのメッセージが来た。
何でも束がこの捜索に手伝ってもらい、所々霞や管理局の補助を借りながらアストルフォたちの位置が分かったらしい。
「この世界の座標に…?
…何か、この世界自体が極小な特異点のようですね」
「あぁ、何で唐突に束さんが協力してくれたのか少し気になるがそれどころじゃない!
早く行こうぜ!」
「うっし、待っててくれよアストルフォくん!」
バン、かこ、亀山は指定された座標の世界へと向かった。
一方、アストルフォたちはというと地下に向かう途中、一夏がこの暗い状況に耐えられないとして様々な話をしていた。
アストルフォは気分が気分なためあまり乗り気じゃなかったが渋々話を聞いていて、映士は先頭を歩きながら黙って聞いていた。
「それでまぁ、箒たちに付き合ってくれって言うから買い物かって聞いたら怒られただけど、それが未だに俺にはわからなくてな…、聞いても自分で考えろって言われるしさ」
「ねぇ一夏、君ってひょっとして好きな子とかいないの?
恋愛的な意味で」
「えっ、恋愛?
あぁ、俺あまりそういうこと考えたことがないっていうか、ずっと千冬姉に憧れてたっていうか…」
「君、一度恋愛ゲームとかしてやってみたら?
絶対バッドエンド直行だよ?」
「それか玉砕覚悟で根強く聞いて、話をよく聞いてやれよ。
そんなんじゃ、いつまで経ってもそんな状況が続くんだぞ?」
「何でそうなるんだよ!?」
などと話をしていくうちに、アストルフォも少しだが心に余裕ができたのか色々とアドバイスができるようになってきていた。
それから一夏と映士から、バンとかこについて聞かれたのでアストルフォは話したが、話をしていくうちに涙を流して、あの二人がとても優しいから死にたいとか言えなかったとか二人を見ているうちにそんな感情も薄れていたなど話し、先ほどトラウマが暴走していたとはいえ飛び降りたことについて二人にあんな顔をさせたとして内心後悔している。
それゆえ、今更どの面下げて会えばいいのかわからないが、もし生きて会うことができれば謝りたいと本音を漏らした。
そしてそうしていくうちに目的地にたどり着いた。
「…ねぇ映士さん、ここってまさか、保管庫?」
「あぁその通りだ。
お前、よくわかったな」
「いや、その、なんとなくだけど…。
でも、何でかわからないけどこの地下だけでなく、この屋敷自体が懐かしく感じるっていうか…」
「じゃあ、この中にプレ何とかが?」
「プレシャスだ、最も俺様ははっきりとわからないからプレシャスらしき物って言ってるがな」
そうしてアストルフォたちは保管庫の中に入ると中はスペースを考慮してか広く作られておりぶつかる心配もなかったのでまっすぐ歩いていく。
そして、その奥で光る小さな石板を見つけた。
「あれがお前を呼んでいたプレシャスもどきだ!」
「これが…!?」
アストルフォが石板を手に取ろうとした途端、ありえないことに近くにあった壺から手が生えてアストルフォの手を掴んだ。
アストルフォはいきなりのことに恐怖に駆られるが、映士がその壺を蹴り飛ばす。
すると壁に叩き付けられるも割れず、そのまま大きくなって人の姿へと変わった。
「…なるほど、壺に変身して始末しようとしたが機転の利くやつがいるとはな。
それと久しぶりだな、男の娘なお坊ちゃん?」
「き、君は…っ、な、何で…!?」
「アストルフォ!?
お前、こいつと知り合いなのか!?」
「…っ」
男の姿を見たアストルフォは腰を抜かし後ずさりしたまま恐怖で何も言えなくなっている。
「決まってるだろ?
私はこいつの執事に化けて、両親の毒殺と財産を奪い取ったのだからね」
「…ってことはお前が!」
「おや、あいつから話を聞いていたのか?
だとするなら、私に構っていて良いのか?」
「何?」
『STAND BY』
機械音と何かカサカサと音が聞こえ、誰かが刀のようなものを持って歩いてきた。
「全く真向のやつめ、しくじったか。
まぁいいさ、相手は良い男、まとめてしゃぶりつくしてやる、変身!」
『HENSIN!』
もう一人の男が足元に近づいたサソリ型のロボットを刀に装着するとサソリを連想する鎧を着て襲い掛かる。
「うわっ!」
「ぐっ!」
「ひぃっ!」
三人はどうにか躱し、アストルフォと映士はパトレン3号とボウケンシルバーに変身し。一夏はISを展開した。
「うおぉおぉぉぉおお!!」
「ふっ!」
一夏はサソリの男と刃をぶつけ合い交戦する、しかし鎧のチューブが伸びて攻撃をしてくるため一夏は苦戦している。
シルバーと3号は真向と呼ばれた変身する男と戦うが、真向が腕を巨大な刃に変えて攻撃を仕掛けその他にもkらだの各部を武器に変えてトリッキーな戦いをするため、対処が困難な上、3号がトラウマと罪悪感のせいか上手く戦えずほとんど無抵抗だった。
「うぅ…!」
「アストルフォ、戦いに集中しろ!」
「でも、ボクには…、うわっ!!」
3号は真向のハンマーに変わった足で蹴り飛ばされて変身を解除される。
「アストルフォ!」
アストルフォは口から血を吐きながら体を引き摺り、光る石板に手を伸ばそうとする。
だが、その時にアストルフォの背筋が凍って思わず後ろを振り返ると、特殊な形をした短剣を持った男が立っていた。
「…っ!?
き、君は!?」
「真向、上場身、この小僧の首は俺がもらうぞ」
「おい待てよ狩矢、その男の娘は俺の獲物だぞ!
死体で遊ぶなんて趣味は俺にはないんだよ!」
「知るか、お前らはそいつらの相手でもしておけ」
「…っ!」
狩矢と呼ばれて男は無慈悲に短剣をアストルフォに突き立てようとする。
アストルフォはもはやここまでかと目をつぶり潔く殺されようとした。
「させるか!!」
しかし、その刃はアストルフォに刺さることはなく、何者かに阻まれた。
目を開くと、1号がパトメガボーで狩矢の短剣を防いでいた。
「隊長…!」
「よぉアストルフォ、怪我はないか?」
「隊長、あの、その…!」
あまりの衝撃にアストルフォは言葉にできなかった。
「…話は後だ。
よくわからないけど、それがこの特異点のコアみたいなものなんだろ?
俺たちが食い止めるから、お前はその石板を取れ!」
「俺たち…?」
他にもいるのかと疑問を抱いていると、2号とパトレンXが一夏とシルバーの援護をしていた。
「えぇい!
アストルフォちゃん、大丈夫!?」
「援護はまっかせてくれよ、アストルフォくん!!
あ、どもボウケンシルバーさん、俺亀山って言います」
「かこ、亀山さん…!
うん、わかったよ…!」
そうしてアストルフォが石板を掴んだとたん、石板から強い光を発してアストルフォを飲み込んだ。