不良となったあの人の真意   作:初羅 柊羽

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1話「懐かしき夢とパンをくわえて」

________________夢を見た。

 

あの頃の夢を……

 

幸せだったあの頃が懐かしくて、つい今の現実と比べてしまう。

 

もうあの頃のような楽しい日々はかえってこないのかな…

 

頭に突然よぎった悲しき未来。

 

ポロリと手のひらに何かが落ちた。

 

ふと手のひらを見る。

 

雫が落ちていた。

 

あれ?おかしいな……

 

ここは部屋の中だし、外だって快晴だ。

 

何故、水滴が……?

 

…………………あぁ、あたしの涙か。

 

部屋の中の鏡を見て気づく。

 

………あたしは泣いていた。

 

あの頃を求めて……

 

こんなこと初めてだった……

 

あの頃を思い出す夢はこれまでも何度も見てきた。

 

でも今日ほど鮮明な夢は見たことがなく、そしてここまで胸を締め付けたこともなかった。

 

ふと急に体中の力が脱力する。

 

せっかく起き上がったというのにそのままベットの上に寝転んでしまう。

 

………………あぁ、会いたいな…

 

…………忘れかけてるあの声、聞きたいな…

 

……あの弾ける笑顔をもう一度みたい…

 

また名前を呼ばれたい…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

______________【琉生(あなた)】に

 

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あの後、少し寝入ってしまい、少々寝坊気味となってしまった。

 

友希那に遅れる主旨を伝え、後から追いかけるから先に出発していて欲しいと連絡した。

まるで少女漫画の主人公のように食パンを口にくわえ、家を飛び出す。

 

髪型を整えていたら、朝御飯を食べる時間がなくなってしまったのだ。

 

乙女の朝は忙しいんだよと誰に言い訳するわけでもないのに、心の中でポツリと呟く。

 

少しの間走っていると、友希那の後ろ姿が目に入った。

 

 

「ゆっきな~っ!!」

 

「…………リサ」

 

 

友希那は静かにこちらに振り返ると、友希那に話しかけるために一時的に手に持ったパンに呆れた目線を向けた。

 

 

「………朝ぐらいもう少し余裕を…」

 

「もぉ~!ごめんって~!

 つい二度寝しちゃってさ~」

 

「?二度寝?……リサらしくないわね…」

 

 

あたしらしくない……ね。

 

まぁ、そうだよね~。

 

二度寝なんてそれこそ、何か事情がない限りはほとんどしてこなかったわけだし。

 

今朝はつい脱力しちゃって、そのまま~って感じで二度寝しちゃったけどさ。

 

 

「あっ!そんなことよりさ~、

 今日の練習の後……あっ」

 

「…リサ?」

 

 

今日の練習の後、バンドのみんなでファミレスに行かないかと誘おうとしたら、とある懐かしい面影が視界に映った。

 

思わず、呆然と足を止めていると、友希那が訝しげにあたしを見てきた。

 

 

「ゆ、ゆき、、な。あ、あれ……」

 

 

信じられないと思いながら、指をさす。

 

 

「なっ……!?」

 

 

友希那がらしくもない声を出して目を見開いた。

 

あの友希那がそうなるほどの相手……

 

それは………

 

 

「…………【琉生】」

 

 

ポツリともれた言葉。

 

【琉生】

 

忘れもしない大事な名前。

 

夢にまで出てきた懐かしい人物。

 

あの頃から凄く変わったけど、面影はまだ残っている。

 

現在は学校が同じなのにも関わらず、琉生との接点はほぼないと言っていいほどのものになっていた。

 

恐らく、意図的に避けられていてわざとすれ違いさえほとんどないようにしてることは何となく分かっていた。

 

でも今日の今この時。

 

………………琉生は目の前にいる。

 

琉生はこちらに気づいてないらしく、スタスタと前を見て歩いていた。

 

今、琉生と会えたのは今日の寝坊の成果といったところだろう。

 

普段のあたし達は今よりも15分ほど早く学校へ向かっている。

 

そして今は15分ほど遅れて登校している。

 

いつも琉生はこの時間に登校しているんだろう。

 

わざとあたし達の登校時間から15分ずらして学校へ向かっている。

 

琉生はそういう人だから何となく分かるのだ。

 

計算高いと言うと何となく悪口っぽくなっちゃうかもしれないけどさ、琉生ってきちんと細かいところまで考えて行動するタイプなんだよね。

 

だから意図的にあたし達を避けてるっていうのも分かるし、ここまで接点がないのも相手が琉生だから何となく納得できる。

 

…………まぁ、あたしはもっと仲良くしたいと思ってるんだけど……

 

でもいざ声をかけようと思っても、思うだけで行動になかなか動かせない。

 

今だって固まってるだけで行動に動かせずにいる。

 

そしてそうこうしてる間に琉生の姿は見えなくなっていた。

 

 

「………リサ。今、琉生が…」

 

「う、うん。久しぶりに見たよね…」

 

 

呆然と琉生が去っていた方を見る友希那とあたし。

 

………どうしたら昔みたいに仲良くなれるのかな…

 

 

「って、あぁっ!!!ち、遅刻しちゃうよっ!ゆ、友希那っ!!」

 

「はっ!そ、そうね」

 

 

あたしの一言でハッとなった友希那が早く行こうと目で訴えてくる。

 

もちろん、急がないわけがなく、あたしと友希那は同時に駆け出した。

 

少し冷めてしまった食べかけのパンをくわえて……




【人物紹介】

来栖 琉生
くるす るい

性別 女

一人称 私

年齢 16歳

髪型 黒色の髪をショート
右側の横髪が長くて左側の横髪が短い
右側の髪に一束分青色のメッシュ

瞳 青色

アクセサリー 銀色の十字架ネックレス
銀色の指輪(イニシャルあり)が通ってるちょっとチェーンが長めのネックレス
(服に隠れて見えない)
左耳に銀色のピアス×2
左耳に銀色のイヤーカフス×1
左腕にレザーブレスレット×2
左腕にシルバーブレスレット×1
右腕にシルバーブレスレット×1
右の人差し指に金色の指輪×1
右の薬指に金色の指輪×1
左の中指に金色の指輪×1
左足首にレザーアンクレット×1

服装 元は羽丘女子学園の制服
黒色のTシャツの上に白色のYシャツ
(Yシャツは黒色のTシャツがチラッと
見えるぐらいまでボタンを開けてる)
袖をまくっている
ネクタイなし
ブレザーを腰に巻いてる
制服のスカート

プロフィール
-リサの従妹
(結果的に友希那とも幼馴染みで
それなりに仲が良かった)

-誕生日は2月23日
(リサの方が早生まれで、幼い頃はリサ姉と呼んでいた)
※現在はお前とかばかり

-現在進行形ヤンキー
(口もちょい悪い)
※雰囲気もクール系ヤンキー

-煙草に手をつけてる

-たまにお酒を飲む

-家がリサ達とけっこう近所
(なので出来るだけ会わないように家に帰る時間を調整している)

-学校では授業をサボり煙草を吸ってる
いつも放課後などは特に屋上で
煙草を吸ったりしてる
(屋上の常連で同じく常連の蘭や
たまに来るモカとは顔見知り)
※蘭やモカとは少し話す仲
(よくモカに蘭と琉生は、
メッシュ仲間だといじられる)

-ストレスや苛立ちが募ったときは、その辺のチンピラをボコってる
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