世界の父 作:Drac
昔も昔、西方歴の名もない頃の話、ある男の子は白色の糸の束と使い物にならなくなって捨てられたのであろう金属片の塊で
そして今男の子が遊んでいるそれもおかしなことがあった。前記のように今彼の目の前にあるのは金属片の「塊」なのだ。そこには先程あげた白い糸以外は何もついていない。金属同士をくっつけるには強力な接着剤や融点の低い金属で接着したり強い圧力などが必要だが、この場には熱も圧力も出せるものはない。それは魔法であっても不可能なことだ。
そうこの世界には魔法が存在する。それは特定の記号の組み合わせで示され、脳内にあるとされる仮想演算領域―
さらには徒人やドワーフは体内に触媒結晶が存在しない。魔法は触媒となる結晶がなければどれだけ演算しようと発動しない。それゆえ魔法を使うためには杖などで外部に触媒を用意しなければならない。しかし彼はそんなものは持っていない。それどころか彼は普通の人にはない特徴があった。他二つの種族には見られない長い耳があった。彼はに種族とは異なり体内に触媒を持つアルヴだったのだ。
そんな彼でもそんな魔法は使えない。それでも金属片は1つ...いや
なぜ彼がこんなことをしているのか、それを説明するためには少し時間を遡らなければならない。
彼が生まれたのは今から10年ほど前になる。
僕はどうなったんだろう。
まどろむ意識の中僕は必死に思い出した。僕はさっき車にはねられた。でもそこからの記憶が無い。目を開けると母親らしき人が見えたがおかしなことがあった。耳が異様に長かったのだ。