世界の父   作:Drac

3 / 6
この世界

 それから数年の時が過ぎた。

 え?いきなりだって?うるさい馬鹿野郎。お前は父と母のあれこれとか隣の部屋で躊躇なしに聞かされる身になったことがあるのか。誰もそんな時から覚えてるなんて思ってないからすごかったよ...

 まぁそのへんは置いといて僕は異世界に転生したらしい。この国では三つの種族が暮らしている。僕が前暮らしていた世界の人間のような人―僕達は徒人と呼んでいる―とその近縁種とされるドワーフ、そしてエルフのような僕達アルヴだ。種族的な特徴は前の世界でのイメージ度だいたいおんなじ。でもよくあるような「この世界は〇〇という名前で〜」なんてことは無かった。むしろ今自分たちが過ごしている大陸―島?―の一部しか知らない。

 数千年前迄は僕達の後ろにそびえる山―オービニエ山脈―の麓でそれなりの国を作って過ごしていたらしい。しかしある時山の向こうから巨大な何かがやってきた。それはこちら側に住む魔獣と呼ばれる者達と姿形が似ていたが小さいものでも10mもの大きさだった。それも1匹や2匹ではなく大量に。いまだ魔法がアルヴが研究している段階だった当時はなすすべもなく大型の魔獣たちにより領土は踏み荒らされ、人類は大陸の隅へと追いやられて行った。それが今僕達が住む山と海に三方を囲まれたここだ。

 そしてそれから数百年後、僕達アルヴの先祖は魔法のほぼすべてを解読し、徒人へとその方法を伝えた。アルヴだけでは数が少なくいつ魔獣に滅ぼされてもおかしくなかったからだ。それから攻勢へと出たが人の力で効力があったのは10m級の魔獣まででそれより大きいものには全く効果がなく、人類の歩みはたったのいっぽで立ち止まってしまった。

 大型の魔獣に人類の攻撃が効かなかった理由も今では解明されている。それは食料調達兼斥候の狩人たちが20mを超える魔獣の死骸を目撃したことに起因する。それは誰も、魔獣でさえも何もしていないのに大きな音を立てながらすこしずつ崩壊していったという。更には興味本位で刺した剣が抵抗はあったもののすんなりと入っていったそうだ。それにより、大型の魔獣は自らの体を強靭な肉体へと変質する強化魔法を使って本来自重により自壊するはずの体を保ち、それにより金属も魔法もなかなか通らないことを証明した。それからは様々なことを発見しながらも一進一退で今僕達が住んでいるところから進展したことは無いらしい。

 ちなみにドワーフは人類が魔法という武器を手に入れた後に出会ったらしい。10mより大きな魔獣との戦いで国境が進んだり戻ったりし始めた頃先祖たちと同じく魔獣の被害を受けて逃げてきた方向がちょうどこの生存圏だったみたいだ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。