翌日、いつの間にか眠っていた夜一は側に憐椛が居ない事に気付き、急いで隣で眠る浦原を叩き起こした。
「喜助、起きろ!大変じゃ!」
文字通り恐ろしい力で引っぱたかれ、痛みで起きた浦原は寝ぼけ
「なにをボーっとしとるんじゃ!憐椛はどこ行ったっ!?」
夜一の焦った様子と内容で、一気に目が覚めた浦原は周りを見渡し、憐椛が居ない事に気づく。
「憐椛さんっ!?」
二人が慌てて外に出てみると、丁度両手にいっぱいの食材を抱えて憐椛が戻ってきた。
「あら?おはようございます。」
昨日とは打って変わって、いつも通りの憐椛に二人共( ゚Д゚)ポカーン。
「どうかしたんですか?」
「『どうかしたんですか?』じゃないわっ!お主、自分の立場を解っておるのかっ!?狙われておるんじゃぞ!昨日の今日で早速表に出る奴があるかっ!」
「夜一さん!」
浦原にたしなめられ、ハッと我に返る夜一。
「スマン・・・」
憐椛は一瞬悲しそうな顔をしたが、すぐに元の表情に戻った。
「私の方こそスミマセン。夜一さんは心配して叱ってくれたのは解ってます。そして自分の置かれている状況も解ってます。でも、お腹は空くでしょ?」
そう言って、いつもの様にニカッと笑って見せた。
その様子にホッとした夜一は安堵のため息を付き笑みをこぼした。
「まったくお主は・・・」
それから3人で食事を済ませ、今回の件について聞きたいという憐椛の申し出で、仕方なく話す事にした。
「憐椛、お主にとって辛い事じゃろうが、それでも聞きたいか?」
「はい。」
夜一の質問に間を置かず、しっかりとした返答をする憐椛。
「よし!解った。まず、儂は猫に擬態して瀞霊廷の動きを探り、喜助はお主の身代わりとなる
ここで、憐椛が初めて耳にする言葉に引っかかった。
「改造?コン・・・パク?」
「これは、認可されていない物になるんスけどね。簡単に説明すると、人形に憐椛さんの霊圧を少し込めた義魂丸をはめ込んで、もう一人の憐椛さんを作り出そうとしたんスよ。」
「なる・・・ほ・・ど・・・?」
「まぁ、それについては又今度説明しますぅ。夜一さん、続きを。」
解っているようで解っていない憐椛の曖昧な返事に、浦原は苦笑いを浮かべながら先の説明を夜一に促した。
「先日、儂と喜助の話しを聞いておったなら琴吹家が追放された理由は知っておろう?」
「はぃ。でも、どうして琴吹家の力に拘るのか解りません。」
あの時の夜一と浦原の会話の中で、琴吹家の力については詳しく話されていなかった。
どうして、その力に瀞霊廷は固執しているのかも全く解らない。
夜一は憐椛の顔をじぃーっと見つめ、何か思案しているようだったが大きく息を吐き覚悟を決めたように頷いた。
「憐椛。お主が持っておる斬魄刀が初代当主の物と同じだという事は知っておるか?」
「以前に父が話してくれた事があります。」
「その斬魄刀の能力は理解しておるか?」
そう言われてみれば・・・・・。
始解まで出来るとは言え、まだ実践で使用した事が無く全ての力については憐椛自身理解出来ていないのが現状だ。
「これまでの修行で数回使用したが、儂から見ても本来の力を出し切れておらんのは明白じゃ。本来の力を使いたければ斬魄刀との意思疎通が不可欠じゃが、憐椛はまだ精神世界に行った事が無いじゃろう?」
夜一から出た『精神世界』憐椛にとって初めて耳にする言葉だ。
「精神世界とは何ですか?」
「その話しはもう少し後じゃ。」
憐椛がこの質問をしてくる事を当然解っていた夜一だったが、そこには言及はせず話しを先に進める事にした。
「憐椛が斬魄刀の真の力に目覚めた時、その力は瀞霊廷にとって大きな影響を与える。
夜一の言っている事がイマイチ理解出来ていない憐椛は小首を傾げて???を浮かべた。
「その斬魄刀の名前は何じゃ?」
「神々の刃?」
「そうじゃ。その意味するところは?」
「解りません」
「
さっきまで自信有りげで堂々とした物言いだった夜一の言葉の語尾が突然頼りないものになってしまった。
「らしい?」
「儂もようは知らんのじゃ。何しろその斬魄刀が存在しておったのは琴吹家初代当主時代じゃ。さすがの儂も1500年も生きとらんからのぅ。」
なるほど、そういう事か。っと憐椛も納得した。
「私が聞いた話しですと、どうやら古来から伝わる12人の神『
『神の力を制す』そんな大それた事を・・・・・。
浦原の言う文献の文言だと、特に性別には触れてはいない事に憐椛が気づく。
「私の記憶だと産まれて来る子は女に拘っていたように思うのですが・・・。先程の文献の内容だと性別は特に関係無かったんじゃ?」
「その通りっスぅ~。どうやら、琴吹家初代当主が女性だった事から力を受け継げるのは女性だという偏った思い込みがあったようなんスよぉ」
「いや。そうとも言い切れんぞ。現に、これまで琴吹家に産まれたどの子も力を受け継いでおらず男ばかりじゃったからのぅ。そして、結局力を受け継いだのは女である憐椛お主じゃった。」
「ふむぅ~・・・」
浦原はどこか納得出来ていないのか、腕組みをして考え込んでしまった。
「まぁ
ここまで話しを聞いて全てが繋がった。