ハリー・ポッターとスリザリンの代理人   作:Farben.AG

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クロックマン研究副主任:フリーヒェンバッハ教授に代わって、お伝えします。物事の初めは常に難しい。とはよく言ったものです。順風なことは何も無いのですから。


7. Aller Anfang ist schwer 2

 木曜日

 朝、ダフネとフレデリック、フェルプスたちとコーヒーを飲みながら、今日の教科について話し合った。

 フェルプスとフレデリックは同学年だが、互いの向いている教科の方向が違うため、古代ルーン文字学、数占い学をフレデリックが受講しているのに対して、魔法生物飼育学とマグル学をフェルプスは受講している。

 結果的に二人の話し合いは意見の交換会のような様相を呈しており、かつ付け入るスキが一つもない。それ故、私たちはこの二方の板挟みになっている。話を黙って聞いて、私はうなずいている。ダフネは先輩たちの話に夢中になって聞いているが、話が徐々に難しさを帯びてヒートアップしてきた時点で離脱し、『魔法の薬草ときのこ千種』をじっくりと読むことに専念していた。ただ、あまり集中はできていないらしく、同じページ(献辞と簡単な薬草についての序章)をずっと読んでいた。

 私も同じ本を読んでいたが、日程表をもう一度思い出してみた。

 1・2限 薬草学

 3・4限 闇の魔術に対する防衛学

 5・6限 呪文学

 

 防衛学については興味がある。どういった内容で生徒たちを教えるのかということで。薬草学にも。あとで朝食の席で聞いてみるか。

 ところで、余談だが、私は新しい問題にすでにこの時に直面していた。コーヒー。まさに生命線が危機に瀕しているのだ。

 原因はコーヒーを大量に消費する輩が現れたことである。それも寄りにもよって監督生のフェルプスだ。というのも、フェルプスはコーヒーをすさまじいスピードで飲み、一回の話し合いにつき大体3杯は消費する。こうして話している間にも常にカップを手放さない。ドイツから持ってきたコーヒーはおよそ10kgで2か月後にふくろう便でコーヒーが到着するが、この消費量だと1か月と半月もっていいほうだ。

 到底持たない。どうすべきか。

 

 懸案事項が増えたな。そう思って、目の前で話すことだけにしか集中していない二人を見て、私はカバンをまとめ、支度を始めた。

 ノットが起きてきたので挨拶をして、カバンをもって大広間へと出発する。

 朝早くの広間というのは人が少ない。上級生たちが試験内容について確認をしあっている以外にはこれといって話声すら聞こえない。

 静かな席に私たちは座り、マグヌセンとワトソンがやってきたのを迎えた。二人に聞いたのはごく単純なことだった。

「今日の日程表にあるクィリナス・クィレル教授の『闇の魔術に対する防衛学』とはどのような授業なのです?教科書によると、何かしらの呪文を習ったりするようですが」

 

 二人は顔を見合わせていた。やがて、マグヌセンのほうが私たちを向いて話し始めた。

「『闇の魔術に対する防衛学』とは簡単に言えば、文字通りの学問だ。基本的には教授の指定する教科書を買って、それらの呪文について習う。上級生 ――つまり、4年生などはプロテゴ。こと楯の呪文について。2年生3年生などは軽い戦闘用の呪文について習う。例えば、レダクト。これは十分に破壊力がある。そして、医療呪文であるエネルベートなどだな。しかし、この学校にはある種のジンクスがこの役職にはある」

 そう言ってマグヌセンは眼鏡をふいて私のほうを見た。

 

「1年以上誰もこの役職にとどまったというためしのない鬼門のような学問だ。何かしらの理由によって教授はやめる。老衰、原因不明の疲れといったようなものから、単純に休み期間に事故に遭って退官を余儀なくされたものもいる。前年度も同じだ」

 面白いだろう?というかのような目で私を彼は見た。

 私はそういった彼の話を聞いて、なかなか情緒不安定になっているクィレル教授を思い出した。昨日、廊下ですれ違った時、挨拶をしたが、飛び上がらんばかりに驚いて、100mほど前にいたにもかかわらず、どこかへ走って消えてしまった。同じことは7年生のマクヴェイにも相談したが、似たような、落ち着きのない人物だということだった。それ故、何となく彼については知りたい。

「クィリナス・クィレルとはどのような人物なのです?」

 

 そう言った瞬間、朝食が姿を現した。ソーセージやよくグリルされたベーコンとジャガイモ、ニンジン、インゲン豆(よく出てくる)、様々なパンやヨーグルト、ジャム、紅茶、水、ジュース類など。そして、私と彼の目の前には巨大なトースト立てことトーストスタンドが出現した。

 マグヌセンはトーストスタンドの山の向こうから応対する羽目になった。

「詳しくは今日の昼に伝える。だが、奇妙な奴だとは言っておく。取りえず、食べよう」

「はあ」

 ひとまず、オムレツとベーコンをとって食べ、紅茶を飲み、最初となる『薬草学』の授業に出発した。道中、クラッブとゴイルが迷うという極めて素晴らしい事態になったので、セオドール・ノットが呆れた顔をしながら、マルフォイとともに引き返して探した。私は気にも留めなかったのでそのまま一人(ダフネはポートランドと何か重大な話をしていた)黒カバンをもって、茶色カバンのスリザリン生たちとともにゆっくりと温室を目指した。

「『薬草学』の教授は……」

 

 とジョン・スチュアートが私に聞いてきた。

 

「ポモーナ・スプラウトですね。ハッフルパフの寮監」

 私の見立てでは、公平性があり、勤勉な学生を重んじるというものだった。そうしたこともスチュアートに伝える。ジョン・スチュアート。父親が純血、母親が一般人の家系に生まれ育ったが、ここでは純血の一族スチュアート家であると称している。幸いにも、同じ家柄が存在するので、嘘はほんとになっている。

 では、私がなぜ彼が半純血なのかを知っているのかといえば、それは、彼が打ち明けてくれたから。正確に言うのであれば、友人であるポートランドが私にそう言ってきて、フォン・ピュックラー=ブルクハウス家とスチュワート家との間には友好関係があるという嘘を言ってくれ。という大それたお願いをされたからである。それについては、いつか話すとしよう。

 

 スプラウト教授はその日使われるであろう薬草の鉢を見つめ、何かを点検していた。その間に温室にスリザリン生たちは続々と入っていった。そして、遅れながらレイブンクロー生たちも入ってくる。レイブンクロー生の青色のネクタイと対照的に緑色のネクタイであるスリザリン生が一堂に会する。スリザリン生1年生総勢36名、レイブンクロー生36名と総勢72名であるため、自然と温室は窮屈になる。そこに来て、見つかったクラッブとゴイルの組が入ってくればこれほど素晴らしい状況もない。しかし、やがては慣れるもので、私たちはちょうどいい間隔をあけて並んだ。そのちょうどのタイミングでスプラウト教授は皆に挨拶をした。

「初めまして。薬草学のポモーナ・スプラウトです。この授業を通して、皆さんはよく薬品系統で使われる特殊な薬草およびきのこについて学びます。さて、何よりも実践です。まずはちょっとした試しをしてみるとしましょう」

 

 そう言って教授は植木鉢を取り出し、皆の前に並べた。

 

「では、レイブンクロー生とスリザリン生はそれぞれ一人ずつペアを組んで。そこから始めましょう」

 

 私は右から三番目にいた落ち着いた様子のレイブンクロー生と目が合った。頷いてペアを組む。私から名前を名乗って、彼にも自己紹介をさせる。アンソニー・ゴールドスタイン。ゴールドスタイン…ドイツ・ユダヤ系イギリス人かそうでなくとも、ドイツ系でもあるな。そう思いながら、彼とともに目の前の布をかぶった植木鉢を眺める。

 教授が説明を行う。

「この中に、使える薬草が2種類と完全な毒になる薬草が2種類あります。ペアと協力して見つけるように。先に見つけたペアに対して得点を与えるものとします。なお、図鑑等は見ても構いません。では、始め」

 

 布が取り払われ、緑色の完全に見分けのつきにくい薬草と毒草が登場した。周りで一斉に図鑑をめくる音が響き渡る。

 そんな中、私たちは少しばかり黙ったままだった。

 

「フォン・ピュックラー。ああ、アドルフと呼んでも?」

 とゴールドスタインが言う。

 

「ええ、どうぞ。では、代わりにアンソニーとお呼びしても?ああ、どうも。アンソニー。わかりますかな?」

 ちなみに私は一つ目の薬草を見つけた。緑色であるのは変わらないが、ややホウレンソウに似た葉の形をしていて、少しまがった根っこ。パヌルスという頭痛に聞く薬草だ。

 思案している顔だった彼にその旨を伝えた。彼のほうもうなずいて図鑑を見て、彼も薬草を発見する。

「うーん、これかなあ。確か、図鑑によればパルミラにある“旅人草”」

 

 彼はちょっとだけ日に透けた緑の草を見せた。別名グリューネ・ゾフィー。咳止めに最も聞く薬草だな。

「すごいですな。ところで、これは毒草かもしれません。レンテングラス。即効性の毒もち」

 

 ちょっとだけこぶのある薬草を見せる。なるほどという顔を彼もする。ちなみに、先ほど言った二つの薬草はいずれもピュックラー=ムスカウ邸の庭で栽培しているので知っていた。

 

 残るは、謎のレモングラスにも似た草となった。二人で図鑑を見る。ベネズスベーンでもない。パウロッテンでは……形状があまりにも小さすぎる。考える時間は刻々と経過した。その間にもゴールドスタインとはしばし、あれかこれかといったことを話し合ったがはかばかしい回答は得られそうにもなかった。

 

「スプラウト教授。引っこ抜いてもいいですか?どうも」

 

 許可をもらって手袋をつけて、引っこ抜く。柔らかい土から姿を現したのは十字架のような根っこだった。

「レンテン・イペゾールだ!すさまじい強毒性の汁を持っている」

 そうゴールドスタインが叫んだ。

 

「なるほど。教授。終了しました」

 私のほうは冷静に教授に終わった旨を伝えた。

 

「よくできました。スリザリンとレイブンクローにそれぞれ5点加点します。ちなみにレンテン・イペゾールの薬効は?」

 

 ゴールドスタインと私はうなった。冷静に考えよう。少ない量で毒は薬になる。確か、これは神経性だ。チョウセンアサガオ並みの毒性となれば……。

「麻酔でしょうか?」

 

「そうです。よくできました。スリザリンに1点加点。おや、もうこんな時間ですか」

 教授の言葉通りだった。腕時計を確認すると1限は終了し、休み時間も終わり、2限目に入っていた。

 

「15分ほど休憩を取ります。皆様よくできました。お疲れ様です。では2限目は30分程度として、そののちはお昼といたしましょう」

 

 休憩時間の間、私はゴールドスタインがどこから来たのか、そして、授業はどうだったかということを話し合った。

 会話をしている間、私はゴールドスタインの性格を分析するのに傾注していた。話し方と発音だけというあいまいな情報だけだが、これを頼りにして分析するのであれば、彼はなかなか思慮深い性格で言葉一つ一つに注意を払って発音する。

 そして、スリザリン生特有の「家柄」というブランドをなるべく傷つけないようにしていた。なかなかできた人物だな。

 一方のゴールドスタインのほうも私がほかのスリザリン生と違った変わった視点を持つ人物だと気が付いたようで、それが分かった瞬間、一気に警戒を解いて話し始めた。面白い変化を見ることができたな。そう思っていると、2限目が始まった。

 2限目は今回取り扱った薬草の中で”旅人草”ことヴュルンテルトの調合方法についてだった。薬鉢で磨り潰し、ある程度の材料を加えて、咳止め薬を作り上げた。出来上がった薬は教授の審査を経た後にストック用の瓶に入れ持ち帰った。何かあったときに飲むといいとのことだった。

 そして、昼食。

 昼食の席において私はマグヌセンに再び会い、クィリナス・クィレル教授についての詳しい話を聞いた。

 彼曰く、クィレル教授はもともと、マグル学を教えている立場であって、防衛学というよりも、むしろ論理的な学問に特化した人物であるとのことだった。

 

「……とてもではないが、防衛術のような魔法を扱えたとしても、それをうまく生徒たちに伝えられるのか?と聞かれれば、私は失礼だがこう答えざるを得ない。不可能だと。絶対的にな。情緒不安定という問題で彼を見ているのではない。私の言う問題というのは至極単純だ。彼は学者だ。それも、生粋の。生粋の学者はものを教えることには向いていない。なぜならば、こうした学者というのは優れた頭脳の故に、一足先に神髄に到達する。そして、最もたちが悪い事態は、自分が分かった。そのため、周りもわかると早とちりをする」

 

「より正確に言うとどのようなことに?」

 彼はしまったという顔をした。自分自身が熱弁をふるうあまりにわれを忘れたことに気が付いたのだ。

 

「物事を理解するときには前提がある。学者たちや才能ある者たちは前提を当たり前としてなかったかのように扱ってしまう。一方の普通の私たちはどうだというのか、前提をまず教えてもらうことから始めないとわからない。だが、さっき言った才能のある者たちというものは前提を無視して応用から始める。例えば、物体を針に変えよという授業はもうすでにしたと思うが、私たちはその前提条件を(黒板に書かされたと思うが)学んで初めて実戦に移ることができる。幾多の失敗を重ねて。では、才能ある者たちはどうか?そうしたことをすぐにマスターし、失敗せずに進むだろうな。周りができて当然というように。クィレルも同類だよ。ああ、まったく」

 そう言って彼は卓上に置いてあったぶどうジュースを一息に飲み干した。明らかに、普段よりも機嫌が悪い。

 

「彼はマグル学をとっていたのだが、クィレル教授は頭がいい。そして、すぐに物事をせかして考えようとする。そう言ったところに気が付いたのだよ」

 こう、隣りから言うのは同じく4年生のアイザック・フォルスター。

 

「そして、彼は実際のところ、生徒を見下している。高慢な人物でもあるのだ」

 こう続けるのは、フェルプスである。

 

「気を付けることだ。クィレルはその見た目に反して明らかに狂暴な、もしくは冷酷な一面を備えている。用心して当たれよ」

 そうマグヌセンは言って、昼食の魚のソテーにナイフを入れた。

 ザクッ という骨を切る音が普段よりも大きく聞こえた。

 

 3・4限目

 おっかなびっくりの様子でクィリナス・クィレル教授は、教壇に上がった。

 やせぎすに落ち着きがなく、ターバンを巻いている。

 それが始めの印象だったが、すぐにもう一つの項目が付け加わることになる。臭いだ。異常なまでのニンニクの香りだ。それも、胃や肌などの奥からせりあがってくるような嫌なにおいなのだ。私はにおいを放っているような人間はもともと好きではない。可能な限りならば、後ろの席に引っ込みたいほどだが、私自身の持っている恐るべきほどの目の悪さによって後方に下がれば、黒板は自然とみることができなくなるので、あきらめて、臭いに耐えながら座った。隣席を見ると、ノットが珍しく不快そうな(彼はあまり感情を表に出すタイプではない)顔をして座っていた。隣のポートランドも、クラウンもだった。誰も同じ気持ちか、とため息をついていると出席が始まった。

 出席はどもりながらも進んだ。少なくとも私の名前に来るまでは比較的流ちょうに進んだといえるだろう。

「あ、アドルフ・フォン・()()()()()君」

 

 そう、これがウムラウトを無視して話す人物のことである。

「フォン・ピュックラーです」

 

私はあわてて付け加える。自分の名前を間違えられることほど、不快なことはない。言われた教授はあわててどもりながらも、フォン・ピュックラーといった。

そしてもう一人名前を間違えられた人物もいる。ウンベルト・ティッロである。彼の名前は、巻き舌音が入るので、本来ならばティッロ(Tillo)と発音されて然るべきなのだが、教授はこれまた間違えて。

“チロ”と発音した。思わずウンベルトは舌打ちをした。慌てて教授はティッロといいなおし、妹のほうはティッロと正確に発音したが。

こういった形で出席はとられ、終了した。

 教授は自分の略歴などを語り、そのターバンについて聞かれたときには、ゾンビとたたかいターバンをさる国の皇太子から頂いたのだという話をした。

体臭でうんざりしていた私は、どのようにしてゾンビと戦い、かつ勝利したのかという方法を聞いたが、教授は天気の話に及んで話をそらした。マルフォイも同じく質問したが、これまた『天文学』の話に及んでやはりそらした。どうにも怪しい男だ。経歴以前に話し方が。

「では、親愛なる教授殿。一つ質問があります。簡単な質問です」

 

「ど、どうぞ、ミスター・ノット」

 

「いかにして鬼婆と戦うべきなのでしょうか?またそのような方法をこの場で学ぶはずですが」

この皮肉のきいた話し方はクィレル教授に届いたらしい。

「そうしたことは……」

 

そうしたことは?

「ふ、不可能です!だ、第一に鬼婆と遭遇するなど、あ、ありえません!い、生きている限りで私のようにどっ、どこかしらの辺境へ行ったものです!じょ、冗談じゃアない!」

 

明らかに英語の発音はおかしくなっていた。吃音も激しくなっていた。そして、教授はニンニクのにおいをまき散らしながらも、パニックを起こした。

私たちは口を思わずあんぐりと明けた。仮にも教授たる人物が、ここまでおかしくなるものなのか?それも、実力のあるはずの魔法使いにとって(仮にゾンビを倒したというのならば)、化け物では序の口ともいえる鬼婆程度で。

しばらく、教授はパニックを起こしていたが、ついに正気を取り戻した。

「きょ、教科書の2ページを開いてください」

 

こういった形で、私たちは簡単な護身的魔術のガイダンスを行うに至ったが、前述のパニックが私の脳裏に焼き付いて離れなかった。なにが、彼をあそこまでにおびえさせるのか。

 

それとも、あれも演技なのか?

 

明らかなクィレル教授のパニックといい、うまく進まない授業といい(同じページを何度も読まされた)、奇妙極まりない形で『闇の魔術に対する防衛学』の初回講座は幕を閉じた。

最後に、私たちは『妖精の魔法』の講座へ行く際に教授に挨拶をしていったが、それぞれの挨拶ごとに飛び上がらんばかりの様子で応じていた。

今、こうして日記を書いていれば笑うこともできよう。しかし、明らかにあの状況での完全なパニックは笑うことができないほど歪んでいた。恐怖を感じるほどだった。そして、無意識のうちに感じ取っていたが、ノットが質問した時、彼は一度呼吸を置くようにした後、パニックを起こしていた。何かを示し合わせていたかのように。そして、その質問をしたノットを警戒してみるのであれば、少しばかり視線の片隅に置いていた。

何か妙だ。

 

なぜ彼はノットをにらみつける必要があり、常に「自分」という存在について聞かれるとあそこまでにそれこそ「発作」を起こしたように応答するのだろうか?

道中そんなことを考えながら、私は歩いていたが、次の『妖精の魔法』で数々の傑作的な魔法を見るにしたがって、あるいは実践するにしたがって、すっかり記憶から追い出した。

 

私の信条に従ったこともあるが。

つまり、

気味の悪いことは早急に忘れるべきだ。

ということのみである。

 

しかし、あの気味の悪いパニックは大なり小なり私たちの頭にしこりを残してもいった。どこかアンバランスさを感じさせずにはいられないという様子だ。

気を付けてみるべき人物なのかもしれない。




物語のほうでは、クィレル教授に不気味さが追加されたと思ってはおりますが、伝わったでしょうか。

誤字報告などありがとうございます。今後とも、感想よろしくお願いします。
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