推しキャラが、可愛いのとスパダリと危険な香りでヤバい。(更新停滞中) 作:カミカゼ。
………………………………………ふと気がつくと、そこそこ人通りのある真昼の道に立っていた。
「キャアァー! ひったくりーー!!」
そして追い討ちをかける様に、此方にペティナイフを振り翳しながら走ってくる男。
「おらァ! 退け退けェ!!」
徐々に縮まる距離。
自分の格好を見下ろせば、細身に見えるもののバランスの取れたプロポーションの身体。
服は、持ってないが自分が好きな感じのデザインのかっこいい系の服。 あと、元々持っていた物と若干似ているデザインの肩からかけるバッグ。 靴は、ゴツい感じの黒いミリタリーブーツだった。
再び前を見れば、あと5m位の距離まで近づいた男。
……………止めるか。
この状況は全く理解出来ないが、どうせ一回死んだんだ。 痛いのは嫌いだけども、誰かを救ってもう一度死ぬならそれこそ本望だ。
そう考えて鞄を肩から下ろし、左の袖を伸ばす。 袖を伸ばした理由? うっかり手じゃなくてナイフ掴んでも大丈夫な様にだよ。
そして犯人に思い切り踏み込み、残り3m位の距離を一気に縮める。
なんか思ったより身体が動くけど、夢みたいなもんだしどうでもいいや。
スピードに驚いた犯人はタタラを踏みかけ、その隙を突き振り切った腕を左で掴み、走った勢いそのままに鳩尾にボディブローをかます。
急所の一つである鳩尾を殴られた犯人は前傾姿勢になりつつ怯み、大きな隙が出来た。
そして怯んでいる間に、背後に回って掴んでいた腕を右で捻り上げ、肩で突き飛ばしながら地面に押し倒す。 ナイフを持つ手は緩んでいたので奪い、右側に放り投げた。
捻り上げた腕を左足で押さえ込み、被害者のバッグを取り上げつつもう一度腕を掴み捻る。
バッグを持っていた手は踵で踏み付けて動かせない様にしておいたので何も出来ない筈だ。
「すみませーん! 誰か警察呼んでもらえますかー?」
犯人を押さえたまま周りに問い掛けると、拍手と共に歓声が上がった。
………なんでさ。
犯人の後ろから走ってきた被害者らしき女性に鞄を返しつつ、早く警察来ないかなーと周りを見渡していると、数分もしない内に警官が来たので犯人を引き渡す。
事情聴取している時に、ナイフ持った男に素手で挑むなんて危険な事何でしたんだとかってちょっと警官に怒られたけど、無事だし犯人も捕まったし結果オーライじゃね?って事で説教を流した。
心配してくれるのは嬉しいけどもね。
暫くぷんぷんって擬音がつきそうな感じで怒っていた警官だが、事情聴取が終わったら「今度から無謀な真似はしないでくださいね!」と言って帰って行った。
手をヒラヒラと振りつつ気の抜けた返事をし、気付いたら持っていた、地面に置いていたバッグを拾って肩にかける。
鞄の中身とかも確認したいし、どこか座って落ち着ける場所が無いだろうか。
ひったくりを捕まえたはいいけど、この訳のわからない状況は終わってないからな。
「………………これからどうすっかねー…………」
周りを見渡しながら、思わずポツリと呟く。
………ん? 今電信柱にあり得る筈の無い文字が有った気が……………?
近寄ってよく見てみる。
………………………米花町○丁目○○番地○号。
一瞬思考が停止する。
ち、ちょっと待て。 米花町っていやー……。
そこまで考えたところで、背後の足元から、ショタボイスが聞こえてきた。
「ねぇねぇお姉さん!」
「ん?」
振り返ればそこには…………
「さっきお姉さん凄かったね! ボクびっくりしちゃった!」
………………キッドキラー。
What's?
「お姉さんって何かしてるの?」
「いいや………何もしてないよ。 所詮は素人の猿真似。 凄くなんてないさ」(苦笑
取り敢えず彼の疑問に答えつつ、前にしゃがんで眼を合わせる………様にして、眉間の辺りを見つめる。
眼を合わせるのは苦手なんだよ。 コミュ障舐めんな。
眉間の辺りなら、目を合わせている様に見えるからな。
「へぇー、そーなんだ! あんなにカッコ良くズバーンって倒しちゃったから、何かやってるのかと思っちゃった!」
「昔はかっこいいから習いたいと思ってたんだけどね、お金が無いから見学だけして諦めたんだよ。 後は本をちょっと読んだり、アニメやゲームのキャラの真似をしたりしたくらいさ」
「へぇー!」
ヤバいめっちゃ可愛いwww
中身高二なのにwwwww
ヤバいww マジ可愛い! 撫でちゃっていいかな?
いいや、撫でちゃお!
「君はやっぱり何か、ヒーローとかに憧れたりしてるのかい?」
さり気なさを装いつつ彼の頭を撫でる。
…………おお! めっちゃサラサラ!
やっぱ子供は可愛いなぁー! マジで癒されるわー。
ニヤニヤを必死で抑えるものの、やはり口角は上がってしまう。 シカタナイネ。
だって、こんなに可愛いんだものー!!
「うーん……憧れる程じゃないけど、かっこいいとは思うよ! 仮面ヤイバーとかね!」
「そうかそうか。 やっぱヒーローはかっこいいよなー? …………正義の味方、とか。」
笑いかけつつナデナデワシャワシャしながら話していると、ヒーローという言葉から連想して、正義の味方に憧れたとあるキャラ達の事を思い出してしまった。
あのキャラ大好きなんだけど、色々と報われないんだよね……最後は救われてたからまだ良いけど。 あーいうキャラ見ると救ってあげたくなるんだよねー。
何かを救いたいと強く思い始めたきっかけもそのキャラだし。
「…………お姉さん?」
「ん? どうかしたかい、少年?」
「えっと、その……なんか、哀しそうな笑い方になったから…………」
「っあー………ハハッ、別に哀しい訳じゃないんだ。 ただ、とある正義の味方に憧れたキャラの事を思い出してね。 彼の人生が随分と報われないものだったなーと…………」(乾いた笑い
「そうなの?」
「あぁ。 まぁ、最後は……ちょっと引っかかるものだったけど、本人的には救われてたみたいだから良いんだけどね」(苦笑
「そーなんだ…………」
「だから、別に自分に何か有った訳じゃないから、心配しなくても大丈夫だよ。 ありがとうね。」
まぁ………キッドキラーが目の前に居る以上、おかしな状況だという意味では何か有ったのだけれども。((
これはやっぱアレか? 二次小説に良くあるトリップじゃねーか?
唯の夢オチよりはずっといい。 夢オチだと病院で目が覚めて、暫く痛みに呻かないといけないからな。 痛いのは嫌いだ。
「そっか! ………あ、そう言えばお姉さん」
「なんだい、少年?」
「お姉さんって、何か困ってたの? さっき鞄を拾い上げた時に、これからどうしよう的な事呟いてたよね? その後電信柱の住所見てたし…………もしかして、迷子なの?」
「あー……………………………」
思わず視線が泳ぐ。 独り言呟いたのも聞かれてたとか………ちょい恥ずい。
「えー………まぁ、そうなる……のか? 随分と規模の大きな迷子だが…………………」
「規模が大きい? どういう事?」
「そうだな……話せば長くなるだろうな………」
「そうなの? ならどこかのお店入る? ボク良い喫茶店知ってるよ!」
ポアロですねわかります。((
知らないフリ知らないフリ。
「そうかい? …………あ、そうだ。 ちょっと待ってくれるか、お金確認するから」
「うん、わかった!」
問題はここだ。 元々俺は自分の金を持っておらず、空の財布があるだけだ。
だがトリップした以上、鞄や財布の中身が変わっている可能性が高い。
お金入ってると良いんだけどなー…………。
そう思いながら鞄を開けると、元々持ってた鞄の中身より若干すっきりしている。
パッと見入っているのは、ラベルを剥がして首の所に太めの紺の髪ゴムが括ってある、水が半分位入ったペットボトル(元の世界で使ってた物)が一本。 長財布が一つ(持ってた物に似たデザイン)。 折りたためる、小銭と御札を別々に入れられる財布(これも似たデザイン)が一つ。 密閉式イヤホンと延長コード(持ってたのは百均のだったが、これは明らかに数千円以上はする普通に良い奴)。 判子とケース(デザインは似ているが、百均だった物から明らかにお高いであろう物に)。 ets.ets.
細々した物は後で見るとして、よく使う折りたたみ財布を手にとって小銭を見る………ん?
普通に入ってる。((
も、もしかして札の方も? ………オゥフ。
1、2、3、4、5…………10枚以上。((
どの札だって? 諭吉さんだよ((
……………………ま、まぁ、これなら多分大丈夫だろう。 喫茶店だし足りなくなるなんて事は無い筈……うん。
「………うん、大丈夫そうだし、行こうか?」
「うん! 案内するね!」
「ククッw 宜しく頼むよ、少年」
滅茶苦茶ショタの演技が上手いな、この中身高二wwwww
流石あの有名な大女優の息子だなwwwwww
ニヤニヤが普通の笑みになる様に意識しつつ彼の案内についていく。
やっぱトリップの定番だし、ポアロに案内されるんだろうなー。
********
「ここだよ! ポアロって言うんだ!」
やっぱりね。((
「安室さーん!」
「いらっしゃ…………おや、コナン君」
安 室 さ ん だ と ?
今時系列どこやねん。((
少なくともウエディングイヴだかが終わってるって事だよな?
それにしても……漸くキッドキラーの名前が聞けたな。 中々名乗らないんだもの。 ………てか、よく二次小説で名乗ってないのにポロッと名前呼んじゃってなんで名前知ってるんだ?から〜のお姉さんorお兄さん何者?フラグあるけど、なんであそこまでフラグバンバン建てられるの?
一方的に知っていても知り合いじゃない人の名前軽々しく呼んじゃ駄目でしょうに。
それにしても安室さんナイス。 これで自己紹介フラグが建てられる。
「君は、コナン君と言うのか。 ハーフか何かかい?」
「あ、まだ自己紹介してなかったや。 ボクの名前は江戸川コナン! ハーフじゃないよ。」
「お。 俺でも知ってる有名な推理小説に関連のある名前なんだね?」
「うん、親が推理小説好きなんだ!」
「ハハッ! それは見事に筋金入りだなぁ!」
「コナン君、この人はどうしたんですか?」
「このお姉さんはね、ひったくりをアッサリ倒しちゃったんだよ! その後にお話してみたら困ってるみたいだったから、話が長くなるって言ってたしこっちで話そうと思って連れてきたんだ!」
「そうでしたか。 あ、ここでバイトをやっています、安室透です。」
「安室さんは探偵もしてるんだ! ねぇねぇ、お姉さんの名前は?」
「江戸川少年に安室さんだね。 自分は◼️◼️ ◼️◼️…………ん?」
「え?」
「あの………もう一度伺っても?」
どうせこの人達に偽名言ってもあっさりバレそうだし、元の世界での名前でいいやと思って名乗る……が、何故かノイズが掛かり何を言ったか聞こえなくなる。
なんでさ? もう一度言ってみるか。
「えっと…………私の名前は◼️◼️ ◼️◼️です……………何だこれ」
また名前を言っている時にノイズが掛かる。 その上自分でも何を言っているかわからなくなる。 ゲシュタルト崩壊の酷い版的な感じだ。
「◼️◼️、◼️◼️、です。 ……あの、これ聞こえました? 自分には何故かノイズが掛かって聞こえるんですけど…………何言ってるかもわからなくなるし」
「ボクにもノイズが掛かって聞こえなかったよ。 …………安室さんは?」
「僕も同じです。 口元も、どう動いているかわかりませんし………………」
「……………なんでさ?」
トリップしたせいか?
訳わかんねェ……………取り敢えず、別の名前考えないと。
「名乗っても聞こえないなら意味が無いし………取り敢えず。 仮の名前として、
「柚樹さん、ですね」
「わかったよ、柚樹お姉さん。」
柚樹というのは、自分で書いている小説の主人公の苗字を引用しただけだ。
いつも使ってる名前とかは殆ど外国名ばかりで、まともな日本の苗字がこれくらいしか思いつかなかったのだ。 他の名前とかの場合は、キャラ付けに合わせてつけるから普通とは言えない物だし。
自己紹介も終わり、奥のボックス席に案内してもらって座った。
壁際とかの狭い所が好きなので、鞄を下ろして奥の壁側の席に座る。
………てかなんかチラ見したら、めっちゃ安室さんニコニコしてる。 可愛い。
……………怖くもあるけど。
「まず、何から話すべきでしょうねー……………うーん。」
「じゃあ、最初何に困ってたのか教えてよ」
「そうだね、其処から話そうか。 …………まぁ一言で言うなら、事実は小説よりも奇なり、といった所だ。」
「? どういう事です?」
「そうだな………じゃ、日本の首都を答えてくれる?」
「ボク知ってるー! 〔東都〕だよ!」
「ええ、そうですね。 それがなにか?」
「…………それは、テレビや地図でもそう書いてあるかい?」
「? 勿論! なんでそんな当たり前の事聞くの?」
「………………実はな。 自分が住んでいた日本の首都は…………〔東京都〕。 略称は〔東京〕なんだ。」
「「…………え?」」
「例えば。 日本の首都にある、あの有名な、かつて日本一高かった赤いタワー……なにタワーと言う?」
「……………………東都タワー」
「自分の住んでいた日本ではね? 東京タワーだったよ。 他にも、新しく出来た日本一高い建物。 アレはなにツリー?」
「東都ベルツリー…………ですが、貴女の所では違うのですね?」
「
「…………つまり。 貴女の居た日本と、今ここに存在している日本は、別物だと?」
「その通り。 ついでに言うと、米花町なんていう地名も、存在しない……いや。 【現実】には、存在しないんだ。」
「【現実】には…………?」
「そう、現実には。」
「………まるで、二次元には存在しているとでも言う様な言い方だね?」
「ぴんぽーん! 大正解だよ、少年。 少なくとも、米花町は有名な町だ。 …………なにせ、国民的に人気のある漫画とアニメに出てくる町なんだから」
ぱちぱちぱちぱち、と気の抜けた拍手をしてコナン君を褒める。
「ちなみに、それはどんな物語なんですか?」
「推理モノだよ。 これ以上はまだ言えないな。 取り敢えず、自分は自分の居た世界とは別の世界線にトリップ………転移してしまったのではないか、と仮定している。 トリップ前は夜だったし、普通ならこんなピンピンしていられない様な目にあったからね。」
「成程、トリップですか………ピンピンしていられない目とは?」
「通り魔にね、滅多刺しにされたんだよ。」
「「……………」」(ポカーン
「だから言っただろう? 事実は小説よりも奇なり、と。」
クスリ、と笑いながら口を開けて呆然としている二人を見つめる。
顔文字で言うなら、( ゚д゚)って感じの顔だ。
まぁ、そりゃポカーンてなるわな。
通り魔に滅多刺しされて殺されました(笑)とか言われたら。
「め、滅多刺しって、今大丈夫なの?!」
「大丈夫じゃなかったら、ひったくりにあんな事は出来ないだろうに?」
「あ、それもそうだね…………」
「……………何故そんなに冷静なんですか?」
「冷静ではないですよ。 現実感が無くて受け止めきれてないだけですから」(自嘲
「………本当に大丈夫ですか?」
「ん? だからこんなにピンピン……………」
「いえ。 身体的ではなくて精神的な方です」
「んー…………今の所は? ひったくりも通り魔と同じくらいの背格好の男で、同じ様にナイフを持ってましたけど、別段何ともなかったですから」
「………トラウマになってないなら、良いんですけど…………」
「心配してくれてありがとうございますね。 でも自分、結構図太いんで大丈夫ですよ? (笑)」
「カッコ笑まで普通言います?」(クスクス
ちょっと重い空気になったので軽くジョークを飛ばしてみる。 笑ってくれてよかった。
「ま、トリップは仮定と言うより殆ど事実ですけど。 次は持ち物の確認しても良いですか? 色々変わってるんですよねー、見た目とか着ているのとか、持ってる物とか」
「そうなんですか?」
「ええ。」
後回しにしていた持ち物の確認を始める。
ペットボトルや財布等をテーブルの上に置いていき、一つ一つ見ていく。
「これは持ってた………こっちのは持ってたけどこんな良い物じゃなかった…………これは持ってなかった…………」(ブツブツ
ブツブツ言いながら確認し、大体は良い物にすり替えられていて、持ってなくて勝手に入っていた物は、化粧品や櫛等の身嗜みを整える物だった。 パッチン留めとか髪を縛るアレンジゴムは持ってたんだけどね。
あと、自分はとある病気で病院通いをしていたんだが、それに関する手帳や紙等が全て消えていた。 まぁ軽度だからほぼ普通の人と変わらなかったんだけれども。
鞄の中を見終わったので、次に財布の中身を確認する。
折りたたみの方は、小銭と札合わせて二十万五千七百三十八円入っていた。 やったー俺的には金持ち。((
カード類を見ると、ポイントカードや会員証等の店の名前が変わっている。 此方の世界にある店の物に変わっているのだろう。
名前は………………ノイズが掛かって読み取れない。 住所もまた然りだ。
長財布の方は…………諭吉さんが三十枚。((
……………これだけで二、三ヶ月生きられるんじゃね?
札の他は通帳が数冊と銀行のカード。 試しに通帳を一冊手に取り開いてみれば………………
「…………あれ、おかしいな。 俺こんなに眼ェ悪かったっけ?」
0が1・2・3・4……7つある。 0の隣は二つ数字があり、それは56とあって…………つまり。
「ご、五十六兆円?!!」
「「はぁッ?!!」」
「え、何これ怖い((」
一冊だけでこれだ。 他の奴も合わせたら………………。
「…………………………見なかった事にしよう!」
通帳を仕舞って鞄に長財布を戻し、他の出していた物も片付けていく。
よし、鞄と財布の確認が終わったから次はポケットを確認だ!(現実逃避
ポケットを漁れば………ハンカチとティッシュ(いつもは持ち歩かない上見た事ない物)に、スマホと二つ折りのタイプの定期入れだった。
ハンカチとティッシュは兎も角、定期入れは元々持ってた百均のより質の良い奴に変わっていて、デザインも俺の好きな感じのかっこいい物になっている。
定期入れの中身は、免許とSuicaと診察券二枚とハロワカードを入れていたんだけど………診察券は多分財布に入れてあるんだろう、二枚とも無かった。 ハロワカードは存在が無かった。
Suicaは……名称とデザインが変わっていた。 多分此方の世界の物に変わっているんだろう。
で、免許なのだが………………ノイズ
住所や生年、名前等の個人情報が殆どノイズで読み取れない。 誕生日とか、免許の種類は大体読み取れるんだg……………あれ?
普通免許だけしか取ってなかった筈なのに、バイクのとことかも書いてある。((
大型二輪とか……どういう事なの。((
…………取り敢えず置いておこう。
先程個人情報が読み取れないと言ったが、顔写真もノイズが掛かって見えなくなっている。
唯一わかるのは髪型とその色くらいだ。
色は黒で、ミディアムくらいの長さで、ゴムか何かで括った髪型の様だ。 今も同じ髪型をしている。
免許以外は仕舞い、二人に差し出してみた。
「あの、これの個人情報読み取れます? 自分にはノイズが掛かって読み取れないですけど」
「んー…………名前は読み取れませんね。 あと住所も。 コナン君は?」
「ボクも同じ所が読めないな。 ………柚樹さんって22歳なの?」
「ん? 確かにそうだけど……そこ読めるの?」
「? うん。 19◼️年2月18日でしょ?」
「何年って言った?」
「だから、19◼️年。」
「ちなみに今年は?」
「20◼️年だよ」
「…………悪いけど、下二桁が聞こえない」
「うーん、そうか……………」
「………………ちなみに、顔写真って見える?」
「? うん」
「顔、ちゃんと同じ?」
「同じだけど………見えないの?」
「うん。 髪型と髪色はわかるんだけども」
そこまで言って、はた、と気がつく。
鏡はどうなるんだろう?
化粧ポーチから携帯手鏡を取り出して、顔を見てみる。
…………うん。 ノイズが掛かって見えない。
「………………駄目だ。 見えない」
「自分の顔が認識出来ないのですか?」
「ですね。 無理っぽいです。」
溜息を吐いて鏡を片付ける。
「どんな顔なんです?」
「えっとね、全体で見るとキリッとしてかっこいい系かな」
「目付きは切れ長で少し鋭いですね。 あと瞳の虹彩が珍しいです」
「確かに。 なんて言うか、いろんな色が散らばってて、角度によってキラキラ輝く金色の眼をしているよ」
「総合的に言うと、どこか浮世離れしたオーラのあるイケメンな女性ですね。 さらしを巻いて服を変えれば男性に見えるでしょうね」
「………成程。 容姿まで変わったか」(遠い目
ある意味理想が叶った訳だが、複雑である。
「元々の見た目と違うんですか?」
「ええ。 自分割とぽっちゃりで、顔は中の下くらいでしたから。 こんなオシャレな洋服も持ってませんでしたし」
「へー、そうなんだ」
「益々ファンタジー染みてきたなこりゃ………」
免許を仕舞い、最後に回していたスマホを手に取る。
ブックタイプの黒革っぽいスマホカバーは、元々の奴にトライバルのステッチがプラスされていて新品同様になっているだけで、あんまり変わりは無い。
カードとかも入れておけるタイプなのだが、そこに入れてあった保険証とウォレットカードはデザインや名称が変わっていた。 勿論これは想定内。
問題は…………スマホ本体だ。
まず、カバーから外して本体の裏を見る。
俺が使っていたのは林檎さんの所の奴だったんだが………マークがスペードみたいな物になっていた。
「あ、僕の使ってる所と同じ会社のスマホですね」
「安室さんと同じですか?」
「ええ、ほら」
そう言ってスマホを取り出してマークを見せてくれる。 確かに同じマークがついていた。
まぁ、別に此処までも想定内だ。
まず、ロック画面を出す。 元々は、とあるゲームに出てくる機関の、マークのデザインの画像を使っていたのだが………………同じだ。 あれ?
…………念の為パスワードを入力。 開く。
………………ホーム画面は正義の味方に憧れたあのキャラの画像だったんだが、同じだ。
………………………………あれ?
一旦スリープさせ、ホームボタンで指紋認証をしてロックを解除する。 解除出来たのは別に良い。
…………………………………ホーム画面もロック画面も元々の物から変わってない。
え、マジ? こっちにFateあるの?
SafariからGoogleを開く。 名称も変わってない。
ブクマを確認する。 全て変わってない。
〔名探偵コナン〕を検索してみる………………ヒット。
え? ヤバくね?
「ヤバいぞ少年これオーパーツだ」
早口になりながら慌てて検索した物を消し、報告する。
「え、どういう事?」
「この世界によく似た物語の名前が検索出来てしまった。 しかも中身向こうで使ってたのと丸々同じ」
「………………マジで?」
「真剣と書いて大マジだ。………ハックされたらこの世界、絶対即終わるな。 __(黒の組織的な意味で)」(ボソッ
「ヤベーじゃねぇか?!」
「そうだよヤベェよ」
そんな風に静かに混乱していると、いきなりLINEで通話がかかってきた。
「あ? …………誰だ、これ。 カミヤ?」
〔神矢〕と書かれた画面を見つめて、呆然とする。 だって登録してない名前なんだもの。
アイコン等は、白い背景に白い服を着ている男らしき人物?の背中だった。
「え、何これ怖っ」
「出ないの?」
「だって知らないヤツだし」
暫くして切れるも、再度かかってくる通話。
「出ろという事では?」
「………出るべきかね……怖ェー。 けど、反応しないと始まらない、か。 ………もしもし?」
操作をして耳に当てる。 すると、スマホから若いであろう男の声が聞こえてきた。
『《あ、よーやく出てくれたね!》』
「…………どちら様でしょうか」
『《僕はね、神様だよー!》』
……………………………………………。
「ハ?」(低音
『《こ、怖いよ!?》』
「何
『《いやいや!? ほんとだからね?! 君をトリップさせた神!》』
「…………ハァ?」(極低音
何言ってんだコイツ。
『《だからほんとなんだってー!》』
「じゃあなんでトリップさせたか三行で言ってみろ」
『《こんな風な後悔する人居るんだなー
あんな最期で可哀想だし何かしてあげられないかなー?
そうだ! トリップさせよう!←》』
「20文字で詳しく言うと?」
『《君が可哀想だったのでトリップさせました。》』
「ガチで20文字ピッタリ…………」
『《ほんとなんだってばー! 信じてよー◼️◼️ちゃん!》』
「………今俺の名前言ったのか?」
『《言ったよ? あぁ、ノイズで聞こえないって? 仕方無いよ、まだその世界に君の存在が馴染んでないんだから》』
「世界に存在が馴染んでない?」
『《そそー。 あと二、三ヶ月もすれば馴染むだろうけどねー。 あ! 家も用意してあるんだよ! 苗字と名前どうするー? 戸籍作ってあげるから!》』
「……………ちょっと待って」
『《おっけー!》』
怒涛の展開過ぎて頭が追い付かない。
額を押さえていると、コナン君が話しかけてきた。
「誰だったの?」
「自称神。」
「へ?」
「しかもトリップさせた張本人。 家も用意してあるし、戸籍作るから名前考えてって………」
「………………え?」
「……………………………取り敢えず。 神の考えは人間には理解出来ない。」
そう返して、名前をどうするか考え始める。
とりま、苗字はさっきの仮で名乗った柚樹でいいとして、下の名前をどうするか。
…………元の世界での兄の名前から一字貰って、
「………〔柚樹 凌雅〕。 漢字は今送る」
アプリを操作して、漢字を送る。
『《はいはーい! ……ん、来た来た! リョウちゃんだね!》』
「ちゃん付けすんな」
『《えー? ぶーぶー》』
「るせェ」(低音
『《わわっ! ごめんって!》』
「…………てか、このスマホ元の世界のネットに繋げるんだけど、ハッキングされたらヤバいだろ? 大丈夫なのか?」
『《モチのロンだよ! こっち側からハックは出来ても、そのスマホをハックは出来ない様にしてあるからね! あ、でも暫くして馴染んだら向こうの世界に繋げなくなるからね》』
「え、ヤダ」
『《え?》』
「二次小説読めなくなるじゃん。 あとゲームアプリ、こっちに原作無いだろ? Fate出来なくなるとかぜってーヤダし」
『《もー、仕方無いなぁ………。 じゃあ、この世界のアプリとあちらのアプリ、別々に分けておくね。 あとゲームとかのはこっちの世界に丸々コピって、やっていても疑問に思われなくしておいてあげる。》』
「流石神! 太っ腹!」
『《痩せてるけどね!》』
「ちなみに俺の容姿変えたり持ち物を良い奴に変えたのも?」
『《無論、この僕さ!》』
「きゃー、すてきー」(棒読み
『《
「あ、お断りします。 てかジンヤって読むのな。 じんさんって呼ぶわ。」
『《(ズルッと滑った音)え、えぇー………そこは普通呼ぶ所でしょ…………まぁいいけどさ》』
「じんさんあざーっす。」
『《もー……まぁいいや。 あ、お金はいっぱい入れておいたからこれで働かなくてもいいよ! 君NEETしたかったんでしょう? 買いたい物も買えなくて辛かったよね。 これからはそんな事無いから、好きな物いっぱい買ってね!》』
「じんさんマジ神! リアル的な意味で!!」
『《詳しい説明は家に帰ってからにしようか。 あんまり遅い時間まで遊んじゃ駄目だよー? 危ないからね! じゃ、家で待ってるから! 地図と住所はこのアプリで送っておくねー》』
「じんさんマジありがとう! めっちゃ遊んでから帰るわ!」
通話の切れる音がしたので送られてきた住所と地図をチラ見して、アプリを閉じてスマホをスリープにする。
…………地図の目的地付近に大きな敷地の家と工藤家の文字が見えた気がしたけどスルーだ、スルー。
「お話は終わりましたか?」
スマホを片付けると、安室さんがそう言って話しかけてきた。
「ええ。 取り敢えずこちらの世界で困る事はあまり無さそうです。 用意してもらった家に帰ったら詳しい説明があるらしいですけど」
「そうですか。 つまり問題は解決したという事ですか?」
「ええ! 話を聞いてくださって、ありがとうございました。 少年もね」
「ううん! 解決したならよかったよ!」
「じゃあ、喫茶店に来たんだし注文しようか。 君も何か頼むといい、奢ってあげるよ!」
「え、いやでも………」
「いいから! 御礼の気持ちだ。 受け取ってくれ。 それに今自分の財布は、かつて無い程に熱々だからな!」(フンスッ
「えーと………じゃあ、アイスコーヒー」
「それだけでいいのかい? あ、安室さんも話を聞いてもらったし何か奢りますよ?」
「いえ、僕はまだ仕事中ですから。 遠慮しておきますね」
「そうです? じゃー、何にしよっかな………」
メニューを見て、何を頼むか悩み。
「えっと……ハムサンドとー、ハンバーグナポリタン、ダブルベリーチーズケーキに、チョコレートパフェで! あと、ホットのダージリンください。」
「ミルクと砂糖はどうします?」
「入れないで、一緒に持ってきてください」
「かしこまりました。 以上で?」
「ええ!」
「では、少々お待ちください」
注文を取った安室さんは、去り際にちらっと此方を見ながらウィンクをして行った。
……あのベイビィフェイスのイケメンめ。((
とても三十路手前には見えんわ。((
「………結構食べるんだね?」
「まぁねー。 元々大食いなんだよ……普通の女の人と比べたら、だけど。」
「後、さっき電話してた時随分と口調が男の人っぽかったけど、アレが素なの? 一人称も俺だったし」
「敬語使わなくてよくて、尚且つ慣れてる人だったり友人には素の口調だな。 そういう君も猫被りしてるだろう?」(ニヤニヤ
「え?(ギクリッ) な、なんの事ー? ボクわかんなーい!」(冷や汗
「ハッハッハ………俺の世界では君は国民レベルで有名なんだぞ?」
「あ、そういや柚樹さんの世界ではアニメなんだっけか………」
「そうだよー? 君がレーズンを大嫌いな事も知っているよー?」(ニヤニヤ
「うぐッ…………」
「ラムレーズンとか美味しいのにwwww」
そんな風に揶揄いながら待っていると、まずハムサンドとダージリンティー、あとコナン君のアイスコーヒーが来る。
「お、来た♡ このハムサンドめっちゃ美味いって有名なんだよねー♪」(wktk
「あ、そうなんですか?」
「ええ! 滅茶苦茶有名ですよ。 イケメンが作ってますし! パン屋の人が美味さの秘訣を知る為に尾行してきたくらいなんですよね?」
「おや……よくご存知で」
「ファンの中でも猛者の人がアニメを見て再現してたくらいですからね。 公式でも再現した物をイベント的なとこのレストランで売ってましたし」
「そ、そうでしたか………」(苦笑
「まぁ、実際このハムサンドは美味しいもんね」
「んじゃ、頂きまーす!」
(モグモグモグモグ………)
………………………クッソ美味ェ!!
「んまぃ………♡ 幸せ♪」(もきゅもきゅ
「本当に幸せそうに食べるね………」(苦笑
「お気に召したのなら良かったです」(微笑
「ほんとーに美味しいです! このアムサンド!」
「アムサンド?」
「あ、ファンの間ではそう呼ばれるんです。 安室さんの作ったハムサンドなので」
えっと、確か…………ハムにオリーブオイルを薄っすら塗って、マヨネーズの隠し味に味噌を使ってるんだったか?
まぁ美味ェからどーでもいいや♪
「さいこー♪」(もきゅもきゅ
腹が減ってたし、ドンドン速いペースで食べてしまう。
そんな沢山ある訳ではなかったハムサンドは、すぐに無くなってしまった。
「無くなっちゃった……(´・ω・)」(しょぼーん
「ックw お、お待たせ致しました、ハンバーグナポリタンです……www」(笑い堪えつつ
「*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*」(パアァ
「クッ…………wwwww」(顔背けて笑い
「頂きます! (もっきゅもっきゅ)うんまぁー♪(*´꒳`*)」(キラキラキラ
めっちゃ幸せやわー♡
今度から時間あったら通おうっとー♪
緩む口角をそのままに、もっきゅもっきゅと食べ進め、ジューシーなハンバーグと共に太麺で懐かしい味のナポリタンを食べ終わる。
ダージリン? 食べながら飲んでましたよ?
香りも滅茶苦茶良くて美味い奴でした。
「主食ごちそーさまー♪ あ、ダージリンお代わりください」
「はい、デザートと共に持って来ますね」
「お願いしまーす♪」
コナン君苦笑したまま静かだね。
それにしてもこの時間は客が来ないのだろうか。 他に人が居ないから貸切状態だな。
「ダブルベリーチーズケーキと、チョコレートパフェと、ダージリンのお代わりです」
「来た♡ ベリー♪ベリー♪ チーズケーキ♪ チョーコのっパフェ♪」(るんるん
「凄い嬉しそうだね、柚樹さん………甘いの好きなの?」
「
「ホー、そうなんですか。」
「
思わずドイツ語で返事をしつつ、ワクテカしながらまずはパフェに手をつける。
「あ! これ甘さ控え目で美味しい!」
「甘いのが苦手な人でも手を出せる様に、甘さを控えてあるんです。」
「そうなんですか! 美味しいですー♪」
「それは良かったです!」(ニパー☆
「ん゛ん゛っ、イケメン眩しいッ…………」
ベイビィフェイスのイケメンスマイルを食らい、ダメージを受ける。
かっこいいのに可愛いってマジ最強。
安室さん可愛スギィ! 抱き締めて頭を撫で回したい! わしゃわしゃーって!
クッソ、可愛い可愛いかわ(ry
んにゃにゃー! もちつけ、落ち着くんだ俺! Be cool, Be cool!
安室さん推しキャラの一人だから、ダメージヤバい! 推しが天使過ぎて辛い!!
安室さんマジ天使!!!
に゛ゃぁ゛ーーーーッ!!! マジ可愛過ぎて辛いィ!!
「(フゥー……スウゥーー……)………フゥ。 落ち着いた。」
内心が荒ぶっていたのは僅か数秒間のみ。
ニヤつく顔を俯かせ手で隠し、深呼吸をして真顔に戻す。 オタクとかって割とニヤつく顔を真顔に戻す特殊スキル持ってそうだよね。
よし! 話を元に戻すぜ!
「にしても、ほんとこのパフェ美味しいな………少年もどうだい? ほら、あーん」
先程から苦笑して静かなまま、あまり会話に入って来ないコナン君に、少し多めにすくったパフェのスプーンを口元に差し出す。
間接キス? 然程気にしないが?
「え゛っ?! い、いや、オレは………」(わたわた
「? 美味いぞ? そら、食えよ」
「あ、えっと、その……………」
「あーん、だ」(ぐいぐい
「え、えっと………あ、あー……ん」(照れつつ
戸惑ってはいたものの、ちょんちょんとスプーンで唇をつつくと、頬を染めつつおずおずと口を開けたのでパフェを突っ込む。
「どうだい? 美味いだろ?」(にへー
「う、うん…………」(耳まで真っ赤
わー、間接キスだけで照れるとか
可愛い可愛いwwww
…………あ。
「っと……ちょい垂れちゃったな。 少年、動くなよ」
「え?」
「よっ…………うし、これで良いだろ」(ペロッ
「ッ!!?」(赤面
何をしたかって? 溶けたパフェがコナン君の唇に垂れちゃったから、右手を伸ばして親指で拭い、拭ったパフェが勿体無いから舐め取って、ニッと笑いかけただけだ。
………あれ? これイケメンが彼女にやる様なヤツじゃね?
コナン君めっちゃ赤面してるし。 可愛い。
だが敢えて俺は鈍感なフリをするぜ!
「ん? 真っ赤になってるけど、どうかしたか少年?」(キョトン
「ば、バーロー! 何でもねぇよ!」(赤面
「んー? そーかぁ?」(もきゅもきゅ
ん゛ん゛ッ、生バーロー頂きました。((
赤面バーローご馳走様です。((
ニヤつきはパフェで誤魔化す!
あ、ダージリンまたお代わりしました。
「 ________ 」(ボソッ
「うん? 安室さん何か言いました?」
「……いえ。 何でもないですよ?」
カタン、と安室さんはコナン君の隣の椅子に座り、テーブルに肘をついて両手を組んで顎を乗せて、何も無かったかの様に微笑みを此方に向けてくる。
なんか聞こえた気がしたんだけどな………。
そう考えている間に、パフェは俺の胃に全て消えた。
パフェが無くなったので、最後までとっておいたチーズケーキに手をつける。
「ん、ま〜っ♡ 甘酸っぱくて濃厚〜♪」
ベリーソースが酸っぱめで、ケーキ自体の甘さと合わさってサッパリ食べられる。
サンドイッチと同じく毎回注文決定だな♪
…………まぁ。 美味いのは、良いんだが……
「……………あのー、安室さん? 自分になんかついてます?」
安室さんが何故か、先程からめっちゃガン見してくるんですけど。
「あぁ……いえ。 本当に美味しそうに食べてくれるので、店員冥利に尽きるなーと思っていただけですよ?」(ニコニコ←
「…………そうです?」
確かに、視線は口元に固定されてた気はするけども……………?
……………………そんなガン見されると食べ辛いんだが。 グリーン・アイズ渡さないと。
あ、ちなみに。
グリーン・アイズはメロンリキュールやホワイト・ラム等をグラスでステアしたカクテルで、カクテル言葉は[見つめないで]である。
「…………えっと。 安室さんもいります?」
貴方にそんな見られると、居た堪れない上に穴が開きそうです。
なのでこれでガン見やめてくれないかなーと思いつつチーズケーキを一口分取って安室さんの口元に差し出した。
「おや、良いんですか?」
「ええ。 あげるんでガン見やめてください」
「あぁー…………それはすみませんでしたね。 では……」
あー、ん……と、前のめりになって口を開けてきたのでそのまま食べさせる。
口を開け目を瞑っていると、どことなく色っぽく見えるのはイケメンだからなのか。 それだけでエロく見えるとか俺もかなりの重症だな。
雑食なオタクで腐ってもいる自分としては、若干溶けかけているアイスの棒を彼の口に突っ込んでみたい。 勿論バニラかミルクで。
そして咥えたまま上目遣いとかされたら、無い筈のモノがいきり勃つ勢いだな。 ちょい眼が潤んでたりトロンとしてたらなお最高。
口の端とかから溶けたアイスが垂れていても美味しい。
そんな腐りきった内心を隠しつつ、美味しいですか?とか聞いてみた。
「(ムグムグ…ゴクン)はい、美味しいです!」(ニッパー☆
「ン゛ン゛ン゛か゛わ゛い゛い゛ッッ………」(ボソッ
叫びそうになるのを全力で堪えて、バッ!と俯いてから滅茶苦茶小声で呟く。 無論口元は左手で押さえている。
ガチの安室ファンならかなりの吐血物だな。
これに耐え切ってみせた俺、よくやった。 全くもって誤魔化しきれてないけど。
「柚樹さん? どうかしましたか?」
「い、いえ………何でもないです。 ええ。 何でもないですとも」
「そうですか?」
自分に言い聞かせる様にして、何でもないと返す。
てかこれ確信犯ではなかろうな? そうだとしたら、かなりの小悪魔だぞ。
天使で小悪魔とか最強か。 流石安室さん。 可愛過ぎて辛い。
安室さん単体でこんなに辛いんだから、赤井さん(沖矢さん)が一緒に居たら萌えが無限大で俺悶え死ぬのでは?
死因・萌え死、とかオタクの本望過ぎるわ!
………………Be cool, Be cool.
大きく深呼吸を一つ。
「……………………よし。 大丈夫だ問題無い。」
「柚樹さん。 それいわゆるフラグって言うんだよ?」←
「知ってる。」←
シカタナイネ。((
内心荒ぶっていたのが漸く落ち着き、無心で食べていたベリーのチーズケーキも、もう無くなってしまった。
ミルクと砂糖を少し多めに入れたダージリンを飲んで一息吐く。
やっぱダージリン美味しいわぁー。 香りが華やかで。 一番好きなのは、オータムナルをミルクティーにする事かなー。 セカンドフラッシュをミルクティーにしても美味しいけど、一番高品質な収穫期らしいし、特徴的な香りが濃厚なモノだからストレートで飲みたい。
ミルクティーにするのはアールグレイとかも良いんだけども、紅茶はやっぱりダージリンが大好きだな。
というか、飲み物の中では紅茶が一番好きだ。 一応コーヒーも飲むんだけど、紅茶の方が頻度が高めだ。 コーヒーのあの酸味が苦手なんだよなー…………。
紅茶の淹れ方や茶葉とか色々調べたりして、結構凝ったりもしてるんだよね。 コーヒーの淹れ方とかも一時期詳しく調べたし。
まぁ知識があっても上手く淹れられるかどうかは別だけどな!
「そういえば柚樹さん、今日この後どうするつもりなの?」
「そうだなー……色々と自由になったからねー。 なんか本屋とか無い? こっちにはどんなのがあるか気になるんだよねー。 個人的に左文字とか読んでみたい。 向こうには無かったからさ………題名が似たのはあったけど」
「あ、探偵左文字シリーズならウチにあるよ! 貸してあげる!」
「お、マジで? ……って、ウチってもしかして工藤邸の方だったりするか?」
「うん!」
「………………誰か居候なんてしてないよな?」
「居候? 沖矢昴って人が居るけど………どうかした?」
「…………マジで時系列いつなんだよ((」
沖矢さんが居る=来葉峠の偽装工作と木馬荘だったかの火事の後って事だよな?
ほんまに時系列いつなんや…………。((
「工藤邸に行くなら、ホームズの方が読みたいな。 気になってはいたんだけど、読む機会が無かったんだよ」
「ホームズ読みたいの?」(パアァッ!
「そそ。 まぁ自分は謎解きよりもストーリー重視だから別にネタバレしても大丈夫だよ。 色々聞かせてね。」
「うんッ!」(キラキラキラキラ
「ハハ、めっちゃキラキラしてやがる………流石はシャーロキアンでホームズの弟子。 平成のシャーロック・ホームズとも呼ばれてたんだっけか? 工藤少年は」
「まぁ、オレなんかまだまだだけどな! ホームズはマジで凄いんだぜ!」(キラキラキラ
「ゔっ、眩しい………………((」
眼をキラキラとさせ宝石の様に輝かせながらホームズがどんなに凄いかを語るコナン君。
本当にホームズが好きな事が伺える反応だ。 とても可愛い。
「良いねェ……そんなに楽しそうに語れるとか。 本当に好きなんだな?」
「おう! 大好きだ!」(キラキラキラ
「蘭ちゃんも?」
「おう…………って何言わせやがる!?」(赤面
「おーおー、アオハルだねェ」(ニヤニヤ
「う、ウッセェ!」(真っ赤っか
ニヤニヤニヤニヤwwwww
「いやー、ほんと羨ましいわーwww そんなに誰かを好きになれるなんて。」
「そ、そう言う柚樹さんには誰か居なかったのかよ!」(赤いまま
「恋人居ない歴=年齢の喪女でしたが何か? それに恋なんてした事無いから全くわからん」
「えー………本当に居なかったのかよ?」
「おうとも。 二次元にキャーキャー言ってたオタクだからな。 あちらに居た時は見た目もアレだったし…………ん?」
LINEの通知音がしたのでスマホを見てみると、じんさんからメッセが入っていた。
そこには一言、『この世界ではちゃんと幸せになってね!』とだけ書かれている。
どういう意味?と返すと、十数秒程で返信が来る。
「え、速ッ…………なになに?」
『だからねー?
この世界は僕達というイレギュラーが居る以上あくまでパラレルワールドなんだから、シナリオなんて全然関係無いんだよ!
よって、原作キャラ達とバンバン恋愛おっけーな訳!
前の世界では色々あって恋愛なんて出来なかっただろうけど、この世界では幸せになって良いんだよ!
頑張ってね!』……………との事。
「………………オゥフ、マジか((」
コミュ障の俺にはかなりハードル高過ぎっすじんさん。((
「どうしたの?」
「何が書いてあったんですか?」
「あー………要約すると、頑張って恋愛して幸せになってね!だそうです」
「「は、はぁ………」」(ビミョーな顔
容姿が良くなってるから、ある意味ハードルは若干低くなってるけどな。
「………ま、俺なんかを好きになる様な奴なんて居ないだろーがな。」(遠い目
「自身を卑下し過ぎでは?」
「そうだよ! 柚樹さん綺麗だし、きっと沢山アプローチされるよ!」
「有象無象には興味無いがね………」(苦笑
好きになったら、そういうのは関係無くなるのかもしれないけど…………うーん。
「でも、どーせならイケメンが良いなぁ………」
「あ。 じゃあ、恋愛対象に立候補しても良いですか?」
「…………………………へ?」
「僕、貴女に興味が湧いたんです」(ニパ☆
「……………なんでさ?((」
…………いや、ほんとなんでさ?
「えー………ちなみに一体どんな所に興味を?」
「だって柚樹さん、ずっと演技してますよね?」
「……………………ぇっ」
ワ、What's?
「貴女の被っているその仮面を、引き剥がしてみたくなったんです」(ニコニコ
「か、仮面……? 演技……? そんなの、してないんですけど……………?」
「言わなくてもわかってますよ、僕は」(ニコニコ
え? なんでさ?
一体何がどうしてそうなった?
コナン君もポカーンとしてるぜ?
「……………安室さん、柚樹さんに一目惚れでもしたの?」
「ふふっ、どう思います?」(ウィンク
コナン君の問い掛けに、小悪魔めいた笑みではぐらかす安室さん。
ウィンクをしながら、人差し指を立てて唇に当てるその様は非常に似合っている。
これだからイケメンは!((
「何をどう勘違いしたのかわかりませんけど……俺なんかよりずっと良い人居るでしょうに?」
「今、僕が気になっているのは貴女ですから」(ニコー☆
「…………………そっすか((」
なんか全力で落としに来てないか安室さん?
何? パラレルとはいえ、シナリオ知ってるから情報源にでもするつもりなの?
ハニトラにしか思えないんですけど?((
あ、男から女にだから
どちらにせよ色んな意味で怖いわ。((
「えーっと……この件は保留にしておきますね」
「おや、残念です」(ニコニコ
「あー…………………お会計お願いしまーす!」
「はい、かしこまりました」
現実逃避して逃げよう。((
お金を払い、コナン君を連れて早足でポアロを出る。
梓さんとか他の人に会えなかったのは残念ではあるが、どうせまた来るしその時に期待しておこう。
「いつでも待ってますからね、凌雅さん!」
「ハ、ハハハ…………また来ます………………」(乾いた笑い
「ありがとうございましたー!」
下の名前呼びに変わりやがったあの人。((
満面の笑みを浮かべた安室さんを尻目にスタスタと歩いてポアロから離れる。
「少年、今テキトーに歩いてるんだが工藤邸はこっちで合ってるか?」
「一応大丈夫だよ、このまま案内するね。 …………でもまさか、安室さんがああなるとは」
「ハハハ……………」(白目
一体どうしてあんな勘違いをしたのか………。
「後半は割と素で対応してたんだが…………。 そんなに俺、胡散臭かったか?」
「ううん? 普通だと思うけど………」
「だよなぁ………謎だ。 あ、そうそう。 別に猫被らなくても良いぞ? 知ってるんだから」
「あ、そーいやそうだったな………わかった。 そうするよ」
「おう」
そんな会話をしながら歩いて、数分程で工藤邸に到着する。
此処に、沖矢さん(in 赤井さん)が居るんだよな………………。
チャイムを鳴らそうと手を伸ばすも、コナン君はそのまま中に入っていってしまう。
「ちょっおまっ、待て少年! 沖矢さんが居るならチャイム鳴らさないとっ…………」
「大丈夫! いつもこうだからさ!」
「いやそういう問題じゃなッ…………!?」
「昴さーん!」
そんなこんなで心の準備も出来ず、コナン君に手を引かれ工藤邸に連れ込まれたのだった。
………………せ、せめて心の準備くらいさせてくれ…………………………((