「いけま…せん、心を棄ててしまっては人ではなくなってしまいます」
理性と言う名のリミッターが外れかかり変な笑いが声から漏れる、心が壊れる寸前という時になって声が聞こえた。
「フヒッ…ダレ?」
「わた…しは、光の…国の…女王、クイーンと、呼ばれています」
クイーン?あそこで倒れている人が喋っているのか、テレパシーと言う奴か。
「わたし…は、もう力が…残って、いません…ジャァクキング、の力は強大…
ですから…プリ、ズ…トーンを妖精に託し…
お願い…です、心をすてな…で。
わたし…よりも、あの子達を…まも」
途切れ途切れに聞こえていたクイーンの声は小さくなって、消えてしまった。
命が、途切れてしまったのか、俺は護れなかったのか、誓いを破ってしまったのか。
妖精、護る?クイーンは俺にこの世界を護らせてくれるというのか?
こんなどちらかと言えば闇よりな俺に、大切な住民たち妖精を任せてくれるのか。
俺の心配をして、心を棄てないようにと語りかけてくれた。
今まで俺にそんな風に心配をかけてくれたのは誰もいなかった、実の母でさえ俺を虐げたのだ。
「…嬉しい?いや、そんなはずは無い、俺は悲しみを貯めなければ護れないんだ。
クイーンの意志を護るために」
最後の力だ、もう俺はどうなっても良いこの力でジャァクキングを葬れれば。
「…ダーク・ホーミングボール!」
自分を纏う鎧をはずし黒球を作り上げ、それに残っている全エネルギーを込める。
命の灯火も使う、クイーンは救えなかったがまだ光の園は残っている、それだけは絶対に護ってやる。
生身の身体が黒球に吸い込まれていく、俺自身をエネルギーに変えて放った技だ。
これで、決めてやる。
「…来いウチバよ全部飲み込んでやるわ!」
余裕なのも今のうちだ、すぐに後悔する事になるだろう。
「うおおおおおっ」
「ハハハハハッ」
二つの黒が交差してとてつもない衝撃が丘全体に広がった。
反響する音を聞きながら、人間の形を取り戻した俺は意識を失った。
沈んでいく意識の中で、光が俺に輝いていた。
暖かい、包み込まれるような心地よい気分にさせてくれる光。
「内場、呼守…あなたはまだ消えてはいけません。
私の残っている力であなたを虹の園へと送ります、そこであなたは悲しみではない大切なものを得ることでしょう。
そして、私の意志を継ぎ奪われてしまったプリズムストーンの残りの2つを持って虹の園へと向かった妖精を助けてあげてください。
…あなたは私の事を慈悲と、悲しさがあると思っていましたね。
ですが、それは違います。私の抱えるこれは悲しみではありません。
…これは信じる気持ち、あなたは信じる気持ちも感じることが出来る。
それらはきっとあなたを助けてくれるでしょう」