もしもシリーズ   作:ユッケライス

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あの二人が出てきます。


もしもあの日の話になったら(幼稚園編)

 

これまでと何ひとつ変わることなく、園内は子供達の快活な声で埋め尽くされている。

 皆疲労など知らぬかのようにそれぞれの時間を過ごしている。

 

 そんな中、三人の少女達は机を挟み、向かい合うように座り、以前起きた出来事について話していた。

 

 

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「ああ!あのときのことをおもいだすと、いまだにムカムカするなくそう!」

 

「わたしは、ムカムカというよりは、こわかったかな・・・」

 

凛「まあたしかにね。はちまんがたすけてくれなかったらケガしてたかも・・・」

 

 

 あたしたちは三人であの日のことをおもいだしていた。

 あの日は今ここにいる なお と かれん といっしょにいた。

 かれんは体がよわいらしくて、あまり外であそぶことができない。その日もきょうしつの中でおえかきをしてた。

 ようちえんを休みがちな かれん だけど、その日はきていた。すると男の子がなん人かあたしたちのほうへやってきた。

 

 

 「ほうじょう、きょうはズル休みじゃないんだな!」

 

 

加蓮「え・・・そ、そんな、ズル休みなんかしてないよ・・・。わたしからだがよわいから、来たくてもこれないんだもん・・・」

 

 

 「うそつけ!ほうじょうがズル休みしてたってみんなに言いふらしてやる!」

 

 

加蓮「ほ、ほんとにちがうよ・・・」

 

 

 その男の子たちはかれんがズル休みしてるって言いがかりをつけてきた。いきなりなんなのさ。かれんのこと何もしらないくせに。

 

 はらが立ったから、あたしはその子たちに言いかえそうとおもった。

 

 

 でもあたしより先に、なおがその子たちにむかって言った。

 

 

奈緒「うるさい!かれんのことなにも知らないくせに!かってなうそつくなよ!」

 

 

 「かみやがおこったぞー!男みたいなしゃべりかたでおこられるぞー!」

 

 「ははは!」

 

 

奈緒「なっ! お、おまえらな!いいからかれんにあやまれよ!」

 

 

 「かみやにはかんけいないじゃんか!」

 

 

加蓮「な、なおちゃん。いいよわたしきにしてないから・・・」

 

 

奈緒「いいわけないだろ!かれんはズルなんてしてない!うそだってついてない!」

 

 

 「ほらほうじょう、ズル休みしてましたっていえよ!」

 

 

加蓮「うう・・・」

 

 そうかれんに言わせようとする。かれんがなにしたってのさ。すっごいむかつく。

 

 

凛「いいかげんにしなよ!!あんたたちこそかんけいないじゃん!あんたたちひとりだとなんにも言えないくせに、あんたたちこそズルいよ!」

 

 「しぶやまで!うるせえなあ!」

 

 

 かれんは下をむいてふるえてた。あたしもなおも、ともだちがわるく言われてるのがくやしくて、なみだがでそうだった。でもあたしがないたらもっとあたしたちはバカにされる。だからがんばってたえていた。

 

 

 

 

 そのとき、うしろからひとりの男の子がちかづいてきた。

 

 

 

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「なあ、お前ら女の子からかって楽しいの?なに?好きなの?」

 

 

 「はあ!?なんだよおまえ!」

 

 

 いきなりきてそんなことを言う男の子。もしかしてかばってくれてるのかな。おなじくみなのは知ってるんだけど、なまえがわからない。きょうしつのなかにいるときはボーッとしてるか、ねてる。あそびじかんになるとすぐにどこかにいくことくらいは知ってるんだけど・・・

 

 

「お前らがうるさいせいで、こっちは寝れないで迷惑してんだよ。そんなに騒ぎてえなら外でボールでも蹴ってろよ。」

 

 

 「うるさいなあ!おまえなまいきだぞ!」

 

 

 そういって男の子のひとりが手をにぎってふりあげた。あぶない、なぐられちゃう!

 

 

「殴りたきゃ殴れよ。先生に言っとくからな。あとさっきこいつらに言ってたことも一語一句間違えずに先生に報告しといてやるよ」

 

 

 「なっ・・・!」

 

 「お、おい、もうほっといていこうぜ」

 

 

 そう言って男の子たちはいこうとする。でも・・・

 

 

凛「まってよ!にげるまえにかれんにあやまってよ!言うだけ言ってにげないでよ!」

 

 「う、こ、こいつ!」

 

凛「!」

 

 

 そう言ってひとりがあたしを殴ろうとしてきた。あたしはびっくりして、こわくて目をぎゅっととじた。

 

 

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いやなおとがしたけど、いたくない。あれ?どうして?目をあけると、その男の子があたしの目のまえにいた。この子があたしをかばってくれたんだ。

 

 

「いってえ・・・。残念だったな。もうお前ら先生言っとくわ。仲良く怒られやがれ」

 

 

 「くっ、、!」

 

 

 

 

 

 

先生「こら!!あなたたち、何してるの!!」

 

 

 

 せんせいがきた。ほかの子がよんできてくれたらしい。だれがよんでくれたんだろう。だれがよんだかしらないけど、あとでおれいを言わなくちゃ。

 

 男の子たちはべつのへやにつれてかれた。ふん、とうぜんだよ。あとでぜったいかれんにあやまらせなきゃ。

 でもあとでいくらさがしてもせんせいをよんだ子は見つからなかったんだよね。

 

 

奈緒「お、おい、おまえなぐられてたけどだいじょうぶか?」

 

 

「ん?ああ、気にすんな。・・・ちょっと痛いけど」

 

 

奈緒「いたいんじゃんか!あとでせんせいにみてもらおう!」

 

 

「本当にいいって。おい、そこのお前、大丈夫か?」

 

 

加蓮「あ、あたし・・・?」

 

 

「なんかありもしないこと言われてたみたいだけど」

 

 

加蓮「う、うん。だいじょうぶ」

 

 

「勝手に知った気になって言われるのってすごいムカつくよな。俺もよくあるから分かる」

 

 

加蓮「・・・」

 

 

 そう言うと男の子はあたしとなおのほうを見た。

 

 

「お前らも二人で言い返してるんじゃなくてどっちか片方さっさと先生呼んでやれよな」

 

 

奈緒「な、なんだと!」

 

 

凛「!」

 

 あたしとなおもそう言われ、いいかえそうとすると、

 

 

「でも」

 

 

 その子が言った。

 

 

「その子のために戦ったんだよな。友達が馬鹿にされて許せなかったんだろ?俺は友達いないからわかんないけど、かっこよかったぞ。お前も頑張って耐えたんだろ?えらいえらい」

 

 

 男の子はかれんのあたまをなでた。そう言われあたしもなおも、かれんも、がまんできなくなって三人ともないた。

 

 そのあとなまえをきいた。

 ひきがやはちまんっていうらしい。

 

 

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~~~~

 

 

 

加蓮「あのときのはちまんくん、やさしかったなあ。」

 

 

凛「そうだね。ないちゃったのははずかしかったけど・・・」

 

 

加蓮「うう・・たしかに」

 

 

奈緒「でもあのあとのヒキガヤはおもしろかったよなあ。じぶんがなかせちゃったっておもって、あたしたちにめちゃくちゃあやまってきたもんな」

 

 

加蓮「ふふ。あんなにあやまられたら、なんかおかしくなっちゃったよね」

 

 

奈緒「しかもそれを見たせんせいが、かんちがいしてヒキガヤまで しかられるところだったもんな」

 

 

凛「あたしたちがせんせいにものすごいせつめいしたんだよね。ちがうんです!って」

 

 

奈緒「そうそう!」

 

 

あたしたちはあの時のことをはなしていた。あのあとあたしたちははちまんに、ありがとうって、おれいを言った。はちまんは、

 

八幡『別に礼なんていいぞ。俺の自己満足だし』

 

 

 そう言ってた。じこまんぞくってなんだろ。はちまんはむずかしいことばをつかうからときどきわかんないや。

 

 

 

加蓮「ああ、はちまんくんかっこよかったなあ」

 

 

凛「!! ふ、ふーん。たしかにそうだね」

 

 

 たしかにあのときのはちまんはかっこよかったな。いつものはちまんもかっこいいけど。ちょくせつはぜったい言えないけどね。

 

 

奈緒「お!かれんもりんも、ヒキガヤのことすきになっちゃったのか!」

 

 

 そういってなおがわらった。

 

 

加蓮「!!ち、ちがうよ!」

 

 

凛「ち、ちがうから!ほんとそんなんじゃないから!」

 

 

奈緒「あっはっは!ふたりともかおがあかいぞ〜!」

 

 

凛・加蓮「ちょっとなお!!」

 

 

 あわてるあたしたち。いつもあわてるのは なおなのになあ、そうおもった。

 

 

 

 

 まだふたりとともだちになってすこししかたってないけど、ふたりともあたしのだいじなともだち。ふたりがたのしかったら、あたしもたのしいし、うれしい。

 

 ふたりがかなしかったら、あたしもかなしくなる。

 

 

 だからねはちまん。

 

 あのときかっこよかったって言ってくれてありがとう。

 

 あのとき、あたしたちをたすけてくれてほんとうにありがとう。

 

 

 

 

 

おわり

 

 

 

 

 

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〜おまけ〜

 

 

 

(廊下)

 

 

先生(ふむふむ。八幡くんモテモテね〜。意外と隅に置けないわねえ)

 

 

八幡「先生」

 

 

先生「ひゃいいん」

 

 

八幡「びっくりしすぎでしょ・・・。地味に傷つくんですけど・・・。それより早く中入ってくださいよ。ドアの前で先生がコソコソしてるから教室入れないんすよ」

 

 

先生「あら〜?いま入っていいのかしら〜?八幡くん悶絶しちゃうわよ〜?」

 

 

八幡「意味がわかんねえよ・・・。先生なんだからちゃんとしてくださいよ・・・。渋谷たちが男子と揉めてたときも、割と早めに先生呼びに行ったのに先生下痢でトイレにこもってたじゃないすか」

 

 

先生「こら!八幡くん、女性に下痢とか言っちゃ駄目よ?」

 

 

八幡「はいはい。でもあのとき俺殴られるわ女子三人に泣かれるわ大変だったんですよ?お兄ちゃんスキルが勝手に働いちゃって北条の頭撫でちゃったのが原因かと思って家帰って枕に顔埋めながら叫んじゃいましたよ」

 

 

先生「いやあ、それは本当にごめんなさい」

 

 

八幡「まあいいや。ほら、寒いんで俺入りますよ」

 

 

先生「あ・・・だから今は・・」

 

 

 私の言うことを無視し教室の中に入る八幡くん。すると奈緒ちゃんの大笑いする声と凛ちゃんと加蓮ちゃんのとても慌てた声が教室内に響き渡った。

 

 それを聞き、自分も若い頃に戻りたいと切実に思った。

 

 

・・・はあ、彼氏ほしい。

 

 

 

おわり

 

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