もしもシリーズ   作:ユッケライス

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こういうガキんちょがほんとに幼稚園時代にいました。


もしも隣の組の噂があったら(後編)

 

 

 

 速水と邂逅してから数日が経った。あれから俺から速水に会いに行くということはもちろん無く、あいも変わらずベストプレイスでの時間を過ごしていた。ゆっくりは出来なかったが。渋谷が話しに来る日もあったり、北条が一緒に昼寝をしに来る日もあったり、雪ノ下が俺に罵倒を浴びせに来る日があったり、また懲りずに罵倒を浴びせる日があったり・・・。くっ・・・、ベストプレイス新しく探そうかな・・・。

 

 

 

 

 

 いつものようにこの場所で寛いでいると、見たことの無い男の子が近付いてきた。この年にしては他の園児達より体が大きいな。なんて言うか、ジャイ○ンみたいだな。え、俺何かしたっけ?してないよね?八幡のくせに生意気だとかされないよね?

 

 

 「おまえ、さいきんちょうしのってるらしいな」

 

 

八幡「あ?いきなりなんだよ」

 

 

 本当にいきなりなんだこいつは。調子に乗ってる?俺が?

 

 

 「おまえ、しぶややゆきのしたたちが近くにいるからってちょうしのんなよな」

 

 

八幡「はあ。別に調子になんか乗ってねえよ。俺はあいつらの気まぐれに付き合わされてるだけだ。つーかいきなり話しかけてきて因縁吹っかけるって何だよ」

 

 ほんと何なんだ。まさにジャイ○ン。ガキ大将だな。ん?ガキ大将?こいつもしかして噂の隣の組のやつか?

 

 

 「とにかく、あいつらはお前のことなんかなんとも思ってないんだから、かんちがいすんなよな。あいつらはおまえみたいなやつじゃなくておれの方がにあってんだよ」

 

 

 ぷっ、なんか言い方がツンデレみたいだな。男がやっても気持ち悪いだけだな。

 どうやら俺はニヤけていたらしい。そいつが俺に更に突っかかってきた。

 

 

 「なにわらってんだよ!」

 

 

 要するにこいつは自分が一番でないと気が済まないのだろう。他人よりも優位に立ちたい、立っていたい。自分は持つものだと思いたい、そんな奴。こいつが件のガキ大将なら自分の立場が優位になるように速水の気をひこうと躍起になっていたのだろう。もちろんそこには純粋な好意もあるのだろうが。

 

 

八幡「速水奏」

 

 

 「!?」

 

 

 表情が変わった。確定だな。こいつだわ。

 

 

八幡「お前噂の隣の組のガキ大将って奴だろ?速水に構って欲しくていろいろちょっかい出してるらしいじゃねえか」

 

 

 「は、はあ?いきなりなに言ってんだよ。おれはべつにかまってほしくなんてねえよ・・・」

 

 

 こらこら、いきなりなんてお前だけは絶対に言うんじゃない。いきなり俺に突っかかってきたくせに。

 

 

八幡「別に俺はお前があいつからどう思われようが構わんが、噂になってるくらいだ。速水へのいたずらが度を越してるんじゃないのか?あんまやり過ぎると嫌われちまうぞ?」

 

 

 「べ、べつにすきじゃないし。た、ただあいつがいじめやすいからであって・・・。」

 

 

八幡「そうか。なら別にいいんだが、実はこの前、たまたま速水と話す機会があったんだ。そしたら男の子からのいたずらが最近度を越してきてうんざりしてるなんて言ってたもんでな」

 

 

 「え・・・」

 

 

 そいつは分かり易い程に顔を歪ませた。口では言ってるが速水から嫌われることは嫌なのだろう。

 

 

八幡「あんまりしつこいと愛想尽かされちまうぞ?まあ気をひこうと悪さをしちまうのかもしれんけど、好きならそういう近付き方じゃなくて、もっと優しくしてやれよ。俺は妹がいるけど、妹だけじゃなくて女の子には優しくしろって父ちゃんからいつも言われてるぞ」

 

 

 「・・・。・・・うるさい」

 

 

 

----------

 

 

 

 

 そう言い男の子は静かに去っていった。その背中は始めに来た時のジャイ○ンの風貌とは程遠く、とても小さく見えた。それはまるでジャ○子のようだった。あんま変わってねえじゃねえか。それにしても・・・

 

 

 

 

 

 ・・・っはあーーー、こ、こわかった。何生意気にアドバイスしてんだよ俺!何で他人にはそういうこと言えるのに!頭では理解してるのに友達できないんだよ!・・・やめよ。考えるだけ無駄だ。

 

 

奏「お疲れ様♪」

 

八幡「うお!?」

 

 

 物陰から速水がひょこっと出てきた。し、心臓に悪い・・・。

 

 

奏「ふふ、やっぱりあなたは周りにいないタイプだから面白いわ」

 

八幡「き、聞いてたのか?」

 

奏「全部ね♪」

 

八幡「あああああ」

 

 

 思わず主人公の名前を決める時適当につけるような言葉が出てしまった。恥ずかしすぎる・・・。穴があったら入ってしばらく滞在してたい・・・。

 

 

奏「さっきの子、うちのクラスで一番やんちゃで、力も強くて、すぐ手が出ちゃうから、他の子たちも怖くてなかなか言えなかったのよ。だから凛たちに愚痴のような形で話してみたら、あなたの話になったのよ。あの時話してみて正解だったわ」

 

 

 だからあの時現れたのか。渋谷たちと友達なのか。類は友を呼ぶってやつだな。て言うか、もしかして速水にはこうなることが読めてたのか?だから渋谷たちに話した?だからあの時俺に接触した?こ、この女、相当キレるな。

 

 

八幡「はああ・・・。殺してくれ・・・。」

 

奏「ふふ。すてきだったわよ。ミステリアスな感じだと思ってたけど、紳士な所もあるのね♪」

 

 

 初めて話した時から思っていたけど、こいつは苦手だ。俺のテリトリーをいとも簡単に越えてくる。褒められ慣れていない俺を褒めてくる。むず痒い恥ずかしいかわいい。おい、騙されるな俺。まあでも、

 

八幡「・・・明日から、あいつからの接し方が変わってるといいな」

 

奏「そうね。でもきっと大丈夫と思うわ。あなたの熱い言葉に思うところがあったと思うから。去り際の彼をみたらそんな気がしたもの。ま、始めの凛や雪ノ下さんのこともあんなこと言ってたのは私的にマイナスだけどね」

 

八幡「いちいち俺を恥ずかしがらせるんじゃねえよ。ほら、用が済んだなら教室に戻れよ」

 

奏「あら、つれないのね。女の子には優しくしなくちゃいけないんじゃないの?」

 

八幡「ぐっ・・・。」

 

奏「ふふ。それはそうと」

 

 

 速水が少し近くにくる。やめて近い恥ずかしい!

 

 

奏「ほんとうにありがとう。凛たちに話してみてよかったわ。あなたがいてくれてよかった」

 

 クールな速水の素直な笑顔は、こちらが恥ずかしくなる程に可愛いものだった。

 

八幡「お、おう。まあ、ガキ大将とか言われてたくらいだったから、殴られたりしないか内心ビクビクしてたけどな」

 

奏「あら、それじゃあとても勇気を出してくれたのね。ならごほうびをあげなきゃ」

 

 

 

 そう速水が言うと、俺の右頬が熱を帯びた。what?え?は?速水さん?な、何を

 

奏「ふふ、今はそれで我慢してね。ありがとう。はちまんくん♪」

 

 

 そう言い速水がクスリと笑い、教室に帰っていった。なんだか雪ノ下たちと言い、この速水と言い、これからの将来、もし、万が一関わることがある将来があるとするなら、俺は一生敵わないんだろうと思った。女の子に弱いのか、それともあの子達が一枚上手なのかは分からない。でも、彼女達と笑い合える未来があるのなら、それも悪くないのかもしれないな。そう思い、いつもより少し遠くの空を眺めた。

 

 

 

おわり

 

 

 

 

----------

 

 

 

 

 

 

 

〜おまけ〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奈緒「あわわ・・・ひ、ヒキガヤ、かなでと・・・」

 

 

八幡「!?」

 

 

奈緒「り、りんたちにほうこく・・・」

 

 

八幡「ち、違うんだあ!待ってくれ神谷ぁ!!」

 

 

おわり

 

 

 

 

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