とある神器持ちの日記   作:ウメ種

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なんか、支取さんばっかりになってしまった……
レヴィアタン様絶好調


113(不死鳥日記)

 !月C日

 

 明日から、イッセー様と同じ駒王学園へと編入する事になっている。

 冥界の学校ではなく人間と同じ学校へ行くのは初めなので、少し楽しみで、少し怖い。

 ドキドキしている。

 イッセー様は元気だろうか?

 お兄様のドラゴン恐怖症を治してもらった時以来あまり会えていないので、早く逢いたいと思う。

 

 

 

 !月D日

 

 クラスの皆さんと打ち解けられずに困っていた時、イッセー様が来て下さった。

 久しぶりに会ったイッセー様はあまり変わっておられず、お優しいままだった。

 リアス・グレモリーと一緒だったのは……まぁ、しょうがないと諦めるしかないのだろうが。

 それにしてもあの猫又――本当にイライラする。

 それでも、イッセー様から仲良くするようにと言われたので、私から喧嘩を売るような事はしない……ように気を付けよう。。

 

 今日で、駒王学園に在籍している悪魔や堕天使、天使の方々への挨拶は済ませた。

 生徒会長であるソーナ様や教師であるアザゼル様にはこれからも色々とお世話になると思う。

 それに、最上級生の上代徹様。

 リアスさんとお兄様のレーティングゲームの時以来会っていなかったが、私の事を覚えていて下さった。

 あの時は気にもしていないかった――精々が魔王ルシファー様の御友人程度の認識でしかなかったが、その人間が今や世界の中心となっているのだから驚きだ。

 まぁ、その事を知らされているのは最上級悪魔と極一部の上級悪魔。彼に関わった人たちだけ。

 ほとんどの悪魔には知らされていない情報だ。

 中級、下級――その殆どには、徹様の情報は隠されている。

 魔王ルシファー様、レヴィアタン様の御友人。そして、レヴィアタン様の妹様であるソーナ様の想い人……というのは、レヴィアタン様が言って回っている情報だ。

 何処まで信じられるかは判らない。他の上級悪魔の方々は、その話になると言葉を濁すからだ。週刊誌でも、その話題になると誰もが口を噤む。話して回っているのはレヴィアタン様だけだ。

 ……魔王の妹と強力な『神器』を持っているとはいえ、ただの人間。釣り合いが取れるか、となると微妙だろう。私も貴族の家系なので少しは判る……。

 でも、せっかく近くに居るのだから――気になる。聞いてみたい。

 

 

 

 !月E日

 

 イッセー様にソーナ様と上代様の事を聞いてみたが、どうやらイッセー様もよく判らないらしい。

 と言っても、本人たちが恋人同士と公言していないだけで、第三者から見たら恋人同然のようですが。聞いた話によると、よくお二人で昼食を食べられたり、話されていたり。噂では、休日にはデートをしているのだとか。

 今日も、学園生活の事で疑問があったので生徒会室に赴いたのですが、上代様とソーナ様が二人っきりで話されていた。

 どうやら、あのお二人が話す時は他の生徒会役員の方々は気を利かせているようだ。

 話の内容は次のレーティングゲームの事でしたが。色気も何も無いと思う。

 

 そういえば、今度イッセー様もサイラオーグ様とのレーティングゲームが組まれていたはずだ。

 応援に行こうと思う。

 それにしてもあの猫又娘。部活への参加は最低限で、すぐに帰っていった。

 イッセー様から聞いた話によると、上代様と一緒に住んでいるのだとか。

 ……少し羨ましい。

 

 

 

 !月F日

 

 赤龍帝――伝説の二天龍の精神状態が最悪です。

 今日はオカルト研究部の部室で、ずっと影を背負っていた……ような気がします。

 なんでも、上代様がイッセー様に「おっぱいドラゴン」のサインを貰った事で暗黒面に堕ちたとかどうとか。

 上代様は「サタンレンジャー」として冥界で活躍されているらしいですが、「おっぱいドラゴン」にも興味があるらしい。

 番組上はライバルのような関係の二つの番組だが、当人同士は仲が良いようだ。

 やはり、週刊誌の情報はあまりアテにならないようだ。

 

 

 

 !月G日

 

 ドライグ様が落ち着かないと思っていたら、上代様がドライグ様のカウンセリングをする事になっていた。

 リアスさん達、オカルト研究部の誰もが驚いていた。上代様はのほほんと「自分も驚いてる」と言っていたが。何処まで本当か判らない……結構悪戯好きなのだろうか? そうかもしれない。

 結局今日は、あまりイッセー様と話せなかった。

 イッセー様…というか、ドライグ様が上代様から離れなかったからだ。

 カウンセリングだから――とも言えるが、それにしては、ドライグ様は何処か上代様に依存しているように思えた。

 その後イッセー様に聞くと、ドライグ様は上代様と話すと精神が落ち着くのだとか。

 ……ドラゴンのカウンセラーなど、そう簡単になれるものではないと思う。そもそも、ドラゴン自体にカウンセリングが必要な個体が少ない。

 あの人は、一体どれだけの才能を秘めているのか――。

 

 今日も、猫又娘は私達よりも早く帰っていった。というよりも、上代様と一緒に帰った。

 判りやすいと思う。

 猫又と人間の恋は叶うのだろうか? まぁ、私には関係ない事だが。

 

 

 

 !月H日

 

 最近、猫又娘の様子が変だ。

 別に心配している訳ではないが、イッセー様に相談すると気付いておられなかった。

 まぁ、私の気のせいだろう。それに、別に気にするような事でもない。

 お兄様から連絡が来た。こちらでの生活には慣れたか、という内容だった。

 イッセー様やリアスさん達が良くして下さるし、私ももう子供ではないのだから、過保護はやめてほしいと思う。

 それと、今日行われた次回レーティングゲームの記者会見の内容を聞かれた。

 リアスさんとサイラオーグ様の勝負。

 前予想ではサイラオーグ様の勝ちが濃厚。誰もがそう予想している。

 番狂わせの赤龍帝と聖魔剣使い、聖剣使い――時間停止の『邪眼』持ちも居るが、それでもサイラオーグ様の勝ちを誰もが期待している。

 私は……イッセー様の勝利を信じている。お兄様もだ。

 素直じゃないと思う。

 御友人なのだから、素直に心配しても大丈夫だと思うのだが。そう言うとムキになって否定された。

 本当に素直じゃない。

 

 

 

 !月I日

 

 今日、イッセー様の記者会見の様子がテレビで放送された。

 もちろん録画させてもらった。これで、私の宝物が一つ増えた。

 それにしても――イッセー様は、やっぱり胸が大きい女性が好きなのだろうか? おっぱいドラゴンと言われるくらいだし、そうなのだろう。

 リアスさんの胸を何時も見てますし。

 ……色々と複雑だ。

 

 

 

 !月J日

 

 ドライグ様が落ち込んでいた。というよりも鬱になっていた。

 先日、イッセー様が何かやらかしたようで、上代様から怒られて顔を青くしていた。

 イッセー様は『神滅具』を持つ赤龍帝なのだから、上代様を恐れる理由など無いと思うのに。

 そう言うと、あの人滅茶苦茶ヤバいから、とイッセー様が言われていた。

 そんなに凄いのだろうか?

 魔王様方の御友人、程度の事しか知らないので何とも言えない。

 そういえば、上代様の情報の秘匿性は凄く高い。

 ほとんどの悪魔は上代様の事は魔王様の友人程度。私でも酷く微妙な立場で、世界の中心にいる人物…程度しか知らない。

 強力な『神器使い』。その能力がどのようなものか、どの程度のものか、というのも隠されている。

 ただ、彼の人がとてつもなく強くて危険、という事だけ知っている。あまり信じていなかったが。他の悪魔達もそうだろう。

 ……イッセー様が言うなら、その話にも信憑性がある。

 どれくらい強いのだろう? 気になった。

 

 

 

 !月K日

 

 リアスさんの眷属の皆様に、上代様の事を聞いてみた。

 リアスさんや副部長、イッセー様や『騎士』の二人は勝てる気がしない、と。

 アーシアさんはとても紳士的な方だと。

 ギャスパーさんは尊敬できる人だと。

 ……猫又娘は、今日は部活に参加しないで帰っていたので聞けなかった。

 休日だったが、皆様はイッセー様のご自宅に集まって研鑽していると言うのに、不真面目だと思う。

 そういうと、あの猫又娘を全員が庇っていた。……ちょっと複雑だ。

 どうやら、あの娘の恋心は、全員が気付いているようだ。結構複雑だ。

 まぁ、とりあえず、あの方はオカルト研究部の皆さまから信頼を得ているようだ。

 

 

 

 !月L日

 

 上代様が、ドライグ様にお薬を用意していた。

 天使と黒歌という女性が調合した薬らしい。

 その天使は、おそらく上代様の家の隣に住んでいる者の誰かだろう。それくらいは駒王学園に編入する時、事前に調べている。

 黒歌、というのは上代様の眷属の一人、元テロリストの黒歌で間違いが無いだろう。

 そんな方の薬は安全なのだろうか?

 イッセー様は信頼できる、と言っていたが。元テロリスト。元指名手配のS級犯罪者。

 ……そんな人を手元に置いているだけでも信じられないのに、それを信頼しているイッセー様達も信じられない。

 ドライグ様はそのお薬で随分と落ち着かれていたが…やはりまだ、信用できない。

 それに、黒歌が用意したお薬は飲み薬で、イッセー様が服用していた。

 副作用など無ければいいが……。

 

 

 

 !月M日

 

 今日はどうしてか、イッセー様達と……ソーナ様と上代様と昼食を摂った。

 お二人の邪魔をしてしまったか、とも思ったが、イッセー様やリアスさんはあまり気にしてなかった。そんなモノなのだろうか? 私が気にし過ぎ?

 まぁ、猫又娘の無神経さには苛々したが。

 どうしてあんな場でさえ、私に喧嘩を売ってくるのか。

 周りに誰も居なかったら燃やしている所だ。まったく。

 

 それにしても、やはりソーナ様と上代様はお付き合いされているのだろうか? 貴族と平民の、隠れたお付き合い…というのは、少し憧れるかもしれない。

 昼食の時も、凄く仲が良さそうだった。

 というか、慣れているというか、自然体というか……。

 レヴィアタン様が言って回っている事も、実は本当なのだろうか?

 ……あの方はいつも変な事を言って回っているので、どこまで信用していいのか判らないので困る。

 気になる……今度聞いてみようか?

 でも、当たってても間違ってても気まずくなりそうな気がする……。

 

 

 

 !月N日

 

 リアスさんに聞いてみた。

 友達以上、恋人未満らしい。でも、副部長はリアスさんは女心の機微に疎いと言っていた。

 アーシアさんは、判らないと言っていた。複雑そうだった。上代様の周りには女性が多い。その中にはアーシアさんの御友人も含まれるらしい。なるほど、確かに複雑だろう。

 ゼノヴィアさんは気付いてすらいなかった。そこからか。

 

 結局、あの二人は付き合っているのだろうか? 誰も知らないあたり、謎だ。気になる……。

 サイラオーグ様とのレーティングゲームを控えていると言うのに、変な事を気にしていると思う。

 でも、上級悪魔のソーナ様と、魔王様方の友人である上代様。

 お二人の恋愛には、悪魔なら誰でも興味があると思う。

 それに上代様は、冥界でも謎の多い方だ。ミステリアス、というのは少し違うかもしれないが。

 

 

 

 !月O日

 

 お母様にも困ったものだ……ほんとうに。いや、私もか。

 イッセー様が私を守ってくれると言ってくれて、それで舞い上がってしまった。

 私達親子の所為で、イッセー様とリアスさんが喧嘩された。

 他の皆さまはそうではないと言われていたが、とてもそうは思えない。

 副部長の話では、イッセー様が八方美人だから、という話だった。

 でも、それもイッセー様の魅力の一つだと思う。

 なら、やはりお二人が喧嘩したのは私達親子の所為だろう。

 ……どうしよう。

 

 

 




今日気付いたけど、クリスマス近いですね?
や、日付を全く気にしてなかった……。
クリスマス特別編どうしよう? なんか読みたい?
取りあえず、今年中に10巻部分は完結させたいですね

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