コカビー(老衰にて書けず
ディオドラ(精神崩壊
ロキ(神性奪取
……改めて書くと酷いな
凸月O日
興味深い『神器使い』を見つけた。
名前は上代徹。
時間を操る『神器使い』だと認識している。
未知の『神器』――名も判らないものだが、強力ではある。
『停止世界の邪眼』よりも上位なのは明らかだろう。まさか、オーフィスの『蛇』にまで干渉できるとは思わなかった。
面白い人間だ。
どうにかして手に入れたいと思うが、今はまだ目立つ時ではない。
しばらくは様子を見ようと思う。
オーフィスにまで干渉できるほどの強力な『神器』…いずれは必要になるだろうが。
凸月S日
『蛇』に干渉された事で、オーフィスに変化が現れるかと思ったが、目立った変化は見られない。
まぁ、どれほどの時間を生きているのかも判らないが、その永い時間の中でオーフィスに干渉できるほどに強力な存在など、上代徹だけではないだろうし、そこまで興味深い存在ではないのかもしれない。
そもそも、オーフィスに変化など起きるはずもないのだが。
アレはいまだに、『次元の狭間』とグレートレッド以外に興味を示さない。
世界など見ていない。
自身の願い――欲望のみを追い求めている。
それでいい。
『次元の狭間』へは俺達が道を開く。
アレには、戦争を起こしてもらわないといけない。
オーフィス、グレートレッド――二匹が争えば、世界は永遠の戦火に焼き尽くされるだろう。
それでいい。
戦いの無い現代に、英雄の居場所は無い。英雄は必要無い。
それでは駄目だ。
俺が――『曹操』が生まれた意味。それは、戦場にしかないのだ。
凸月U日
上代徹。強力な『時間操作能力者』。
どうやら、彼の『神器』は能力を使い過ぎると使い手が倒れてしまうようだ。
欠陥品にも程がある。
強力なのは良いが、その後倒れてしまっては連続して使う事が出来ない。
それは、戦場ではガラクタも良い所だ。
だが、決定的な弱点とも言える、
いずれ、もしかしたら彼を必要とした時に使えるかもしれない。
$月T日
上代徹と、ヴァーリの所の黒猫が接触したようだ。
以前は一緒に住んでいたようだし、何かしらの縁があるのかもしれない。
彼の所の聖剣使いと黒猫が、上代徹を『禍の団』へ攫うことを計画しているようだ。
面白い。
もしそれが叶ったなら、俺も一度上代徹と話してみたいものだ。
彼の能力は強力だ。俺の――英雄派の目標に、役立つかもしれない。
$月W日
どうやらヴァーリ達は、上代徹の拉致に失敗したようだ。
聖剣使いと孫悟空は戻ってきたようだが、黒猫をあれから見ない。
上代徹に討たれたか、それもと寝返ったか…まぁ、調べれば判る事か。
$月X日
上代徹――戯れかどうか判らないが、彼はどうやら周囲からそれなりに信頼される立場にあるようだ。
簡単に調べてみたが、中々に面白い。
堕天使に悪魔、天使も傍に居る。三大勢力のどこにも属さない、とでもいうべきか。
何の目的があるのか、それとも何も考えていないのか。
まぁ、脅威にはならない様なので、しばらくは放っておこうと思う。
いずれ、彼の『神器』を奪う事になるかもしれないが――その時まで、自由に生きると良い。
$月Z日
近いうちに、上代徹と上級悪魔がレーティングゲームを行うという情報を得た。
丁度良いと思う。
少し手を出して、場を混乱させてからついでに上代徹を拉致ろうと考えている。
彼の『神器』には以前から興味があったので、そろそろ手に入れるのも悪くない。
時間を操られるのは厄介ではあるが、以前三大勢力の会談の際に能力を使った時、彼の『神器』は結界の外までは影響していなかった。
その辺りを確認するためにも、手を出すのは悪くない。
ゲオルクの『絶霧』の結界の外から、彼の能力の影響する範囲を計らせてもらおう。
もし結界で封じる事が出来るようなら、そのまま手に入れるのも良いだろう。
$月$日
どうやら、上代徹と戦うのは旧魔王派に属する悪魔らしい。
ディオドラ・アスタロト。
知らない名前だが、アスタロト家の上級悪魔のようだ。
オーフィスから『蛇』を貰っていた。
上代徹はオーフィスの『蛇』を形の無い力に戻す事が出来るのだが、その事を知らないのだろうか?
三大勢力の会談の際、あの時も旧魔王派が上代徹に辛酸を舐めさせられたはずなのだが…まぁ、どうでもいいのだが。
丁度良い。
本当に上代徹がオーフィスの力に干渉できるのか、確認する事が出来る。
あの時がマグレだったのか、それとも彼は本物なのか。
悪魔のお遊びは面白くないが、少しは楽しめそうだ。
#月F日
少し、気になる事があった。
オーフィスが上代徹に興味を持っているように感じた。
まぁ、上代徹の名前を出した際に少し気配に乱れが生じたように感じた。
それも微々たるもの――俺の気のせいだと言われれば、それまでの乱れだったのだが。
その程度なら、気にする必要も無いだろうとゲオルクは言っていたが。
グレートレッド…『次元の狭間』へ至る方法は、もう確立しつつある。
その僅かな時間でオーフィスが変化する筈も無いか。
#月O日
ディオドラ・アスタロトはよく役に立った。
上代徹の『神器』は結界外には影響しないという事が判ったのは大きい。
結界で括れば、あの男を無力化できる。
――だが、あの男の強さは厄介と言える。
ディオドラを存在ごと消そうとするなど――ただの『神器』では不可能だ。
オーフィスですら殺せなかった事といい…あの『神器』は何なのだろうか?
『神滅具』に数えられてはいないが、新しい『神滅具』なのかもしれない。
どのタイミングで手を出すか――いずれ、手に入れたいものだ。
『無限の龍神』が殺せない人間…切り札足り得るかもしれない。
それに、致命的な欠点もある。
大規模な能力行使の後は、力を使い果たしてか、倒れている。
前回といい、今回といい――間隔は狭まっているが、それは確実と言えるだろう。
#月U日
オーフィスが、上代徹に興味を持ち始めている。
あまり面白くない事だ。
いままでアレが誰かに興味を示した事は無い。
それがどういう変化をもたらすか判らない。
多少変化したとしてもグレートレッドと戦いを止めるほどの変化は望めないとは思うが…不確定要素は排したい。
戦争の邪魔だけは困る――が、上代徹という刺激は悪くない。
今までが順調すぎたのだ。
こういう不確定要素も楽しめないようでは、戦争を楽しむ事など出来ないだろう。
そもそも、たった一人の人間がドラゴンにどれほどの影響を及ぼせるのか。
楽しませてもらおう。
#月!日
オーフィスに上代徹の事を話したが、目に見えての変化はなかった。
だが、興味は確かに抱いているようだ。
オーフィスから誰か特定の人間の事を質問されたのは初めてだ。
上代徹――堕天使、悪魔、天使を傍に置く人間。
確かに…あの人間は周囲に影響を及ぼす類の存在なのだろう。
面白い存在ではあるが、厄介でもある。
赤龍帝や白龍皇のように直接的に『強力』な訳ではないが、ある意味それ以上に『強い』存在だ。
周囲を巻き込む強さは、人間の強みとも言える。
英雄、勇者、救世主――呼び名は数あれど、彼らは一人では最弱だ。
仲間を集め、部下を集め、友を集め……そうやって、魔王や神、世界の敵を退けてきた。
上代徹の強さは、そちら側の強さなのかもしれない。
#月”日
時間を操る能力――まさか、会う事が叶わないとは思わなかった。
俺が会おうとしたら、町に入る直前の状態まで時間を巻き戻された。
厄介だな…味わってみると、正面からではどうしようもない事を実感できた。
恐らく、『黄昏の聖槍』でもあの男には届かないだろう。
もしかしたら、上位存在の『神器』には能力が効かないのかもしれないが、オーフィスの力に干渉できるほどだ。期待できないだろう。
そうなると、『結界』で括る程度しか、今は対抗策が思いつかない。
それだけでは不十分だろう。
不確定要素。
彼が俺達に敵対すると決まった訳ではないが、それでも対策は考えるべきだろう。
ゲオルクもジークも、英雄たちも、ヤル気を出している。
――楽しくなってきたな。
自分より格上の存在に挑むのは、嫌いではない。
それこそが人間の、英雄の本質だからだ。
=月A日
オーフィスが特撮に興味を持ち始めた。
……理解に苦しむ光景だ。
永遠のような時間を生きた『無限の龍神』が特撮のDVDを熱心に見ている光景は、正直どうかと思う。
それにしても、今代の赤龍帝は女性の乳房でパワーアップするというのも、どうかと思う。
強くなる方法をどうこう言うつもりは無いが。
=月B日
北欧が動くようだ。
恐らく、上代徹に興味を持ったのだろう。
それくらいに、彼の『神器』は強力だと俺も思う。
オーディンが彼にもたらす変化を観察させてもらおう。
彼の情報は俺達も欲しい。
オーフィスに、変化は無い。
先日はDVDを見ていたが、今日はいつも通り無表情で一日を過ごしていたようだ。
――だが、確かにあれは変化しつつある。
その変化の先を見極めなければならないだろう。
もし俺達の望まない変化なら、切り捨てる事も考えなければならないか。
=月K日
凄まじいな。
あそこまで行くと、驚くしかない。
まさかフェンリルの、神殺しの牙の傷すら癒すか、あの『神器』は。
いや、癒すというよりも傷を受ける前まで時間を巻き戻した、の方が正しいのか。
やはり、あの男を無力化するには世界と切り離す――時間の干渉を結界で遮断するしかないのかもしれない。
一見万能だが、弱点も確かにある。
これだから、戦力を分析するのは楽しいのだ。
『次元の狭間』への干渉する方法も決まった。
京都の九尾を利用しよう。
他にも方法はあるが、それが一番楽しめそうなのだ。
=月L日
ヴァーリ達も、上代徹と共に行動しているのか。
ジークからの報告だが、どうしてあの白龍皇が他人と共に行動するのか…。
どうやら、ヴァーリも上代徹の『強さ』に惹き寄せられたか。
面白いな、本当に。
古くから人間は――ドラゴン、魔王、神を打倒してきた。
だが、人間の最大の敵は人間か。
お前はやはり、俺に敵対するのか…上代徹?
=月R日
ヴァーリ達が戻ってきた。
しかも、神殺しの牙を連れて。
フェンリル――神を喰い殺した狼。
面白い物を手に入れたものだ。
海外の神話体系との交渉材料だろう。
力だけなら更なる力で潰されるが、神殺しの牙なら別格だ。
どんなに強力な神でも『殺される』可能性が生まれてしまう。
赤龍帝のように戦い一辺倒ではなく、頭もまわるヴァーリは厄介だ。
だからこそ、楽しく、面白い。
強くなれ――もっと。
まだまだ、赤龍帝も白龍皇も、俺には遠く及ばない――俺はもうすぐ『次元の狭間』への道を開く。
その時、世界は戦火に包まれる。
今のままでは、二天龍のどちらも生き残る事すら難しいだろう。
=月S日
オーフィスの変化が、顕著に表れ始めた。
今日、ヴァーリを撫でていた。
あのオーフィスが、だ。
正直、目を疑う光景だったが…アレの変化は以前からあった。
それが行動にも出始めたのだろう。
面白くない変化だ。喜べない変化でもある。
ここからは時間との勝負か。
俺が『次元の狭間』への道を開くのが先か、上代徹の与える変化がオーフィスを変えるのが先か。
笑ってしまう。
力の究極と言える赤龍帝と白龍皇よりも、同じ人間である上代徹の方がけた違いに厄介だ。
やはり――人が最後に争うのは、人間なのかもしれない。
いきなり12巻から書くと訳判らん状態になりそうだったので、
興味を持ち始めたころからちょこちょこ書いていく予定。
まぁ、今回で7巻分まで進んだけど。
ちなみに、4~7巻が今回の分です。
ある意味で曹操さん苛めの始まりでもあるかもしれないかもしれない(謎