とある神器持ちの日記   作:ウメ種

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主人公は主人公を尊敬し始めました。


15(赤龍日記)

 

 △月○日

 

 決戦前に部室に集まって皆で話していると、上代先輩とレイナーレが来た。 

 そう言えば、先輩って審判だったな、と今になって思い出す。

 グレイフィアさんは? と聞いてきたが、こっちも知らないのでどうしようもない。

 部長は知ってたようで、今は会場を作っているらしい。

 へー、会場って当日作る物なんだ。

 その後は、上代先輩といくつか話をした。

 先輩はもっぱら小猫ちゃん達と話してたけど。

 やっぱり、アーシアがレイナーレと仲良く話してるのはちょっと微妙な感じだ。

 だって、アイツは一度アーシアを殺してるし。

 そんな事を考えながら、アーシア達の話に耳を傾ける。

 小猫ちゃんと先輩は修行の話。アーシアとレイナーレは修行と料理の話だ。

 そんな話をするんだな、レイナーレ。

 メイド姿だから、余計に似合ってるような気がする。

 俺は部長に膝枕をしてもらって、優しくしてもらった。

 ……朱乃さんの方は、あえて見ない。だって怖ぇし。

 上代先輩って、朱乃さんに冷たいよなぁ。なんでだろ? こんなに美人なのに。おっぱいも大きいし。

 そうやってしばらく話していると、先輩とレイナーレは部室から出ていった。

 何処に行くんだろうと思ったら、多分焼き鳥野郎の所だろうと、部長が教えてくれた。

 ああ、見回ってるんだ。真面目だなぁ、先輩。

 俺が審判なら、絶対決戦前まで寝てると思う。

 こういう真面目な所が女の子にモテる秘訣なのか? なるほど、一つ勉強になった。

 その後は、みんなで思い思いに過ごしていると、時間が来た。

 さぁ、決戦だ。

 

 

 

 

 △月◎日

 

 ちくしょう。

 

 

 

 

 △月□日

 

 夢の中で、赤いドラゴンと喋ってた。妙な感じだ。

 これから、部長を奪いに行く。もしかしたら、これが最期の日記になるかもしれない。

 っていうか、日記を書き始めて一ヶ月も経ってないし。

 短い間で色々あったなぁ。

 まぁ、また明日日記を書けるように、頑張ろう。

 部長が日記を書くように言った理由がよく判った。

 俺は部長の『兵士』だ。

 部長を守り、部長に勝利を。

 部長が胸を張って言える『兵士』になりたい。

 なら今は、部長の為に婚約パーティをぶち壊す。

 ドラゴンってのはそう言う存在なんだろ、ドライグ。

 まずは左腕だ。次は右腕か? それとも眼か? 脚か? 心臓か?

 なんだって捧げてやる。部長、今行きます。

 アーシア、絶対帰ってくるからな。

 

 

 

 △月√日

 

 かったぞー。

 

 

 

 

 △月☆日

 

 婚約パーティから三日、毎日のように部長に滅茶苦茶怒られている。

 でも、後悔はしていない。まぁ、左腕はこれからどうするか考えよう。

 うへぇ、キモチ悪いぜ。

 まぁでも、左腕一本で部長を守れたなら安いもんさ。

 これからはもっと強くなろう。

 犠牲無しでみんなを守れるくらいに、強く。

 結局、左腕一本じゃ焼き鳥野郎と互角だったから、上代先輩に手助けしてもらった。

 ドライグが言うには、俺という存在の時間を世界から切り離したとか言っていた。

 意味は判らないが、それがどれだけ凄いのかは少しだけ判った。

 左腕一本を捧げて、俺の『禁手』は10秒が限界だとドライグは言った。

 けど、上代先輩は苦も無くその限界を三倍の30秒まで伸ばしてくれた。

 ドライグは、先輩の『神器』が時間の支配に特化していると言っていた。

 俺の様な戦う力はないが、絶対に戦いたくない相手だとも。

 まぁ、先輩と戦うなんて御免だし、想像も出来ない。

 絶対勝てる気がしない。

 だって、魔王ルシファー様、レヴィアタン様と並んで立ってるんだもんな。

 あの人、本当に何者だよ。

 すっげぇよな。俺もいつか、上代先輩みたいになりたいぜ。

 

 

 

 




相変わらず短い。
……三話まとめてが、ちょうど良かったかもしれないなぁ。

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