とある神器持ちの日記   作:ウメ種

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十九巻で何を書きたかったのか分からなくなり、数日迷った結果、二十巻を先に書く事にしました。
ごめんなさい。
同じところで何日も迷っていると、気力が減って……。



182(二十巻開始)

 

+月A日

 

 自由登校である。

 学校へ行っても行かなくてもいい、三年生の特権……というわけでもなく、最近ずっと休みがちだったので学校へお呼ばれしている。

 出席日数とか、勉強の内容とかで。

 ……泣ける。

 そういえば、学校で兵藤がぽろっと漏らしていたけど。

 なんでも、レイヴェルさんとそのお兄さんがレーティングゲームの最中に行方不明になったそうだ。

 さすがにその経緯は教えてもらえなかったけど、心配だ。

 アイツ、物凄く怒っていたし。

 俺に話して気が緩んだのか、少し荒れて学校の壁に大穴を開けていたし。

 ……今更だけど、悪魔って凄い。

 ドライグさんが兵藤を心配していた。

 白音さんもレイヴェルさんと仲が良いから、今日は元気がない。

 まあ、兵藤の話だと無事ではあるらしい。アザゼル先生がそう言っていたそうだ。

 なら大丈夫だろう。

 早く見つかると良いな。

 

 

+月B日

 

 白音さんの元気がないと、家の中の雰囲気も元気がない。

 オーフィスちゃんも雰囲気が暗い事を気にしているみたいで、いつもより無口になってしまっている。

 気分転換に散歩に誘ってみたら、少し元気になってくれたみたいで良かった。

 白音さんは、レイナーレさんと黒歌が気にしてくれている。

 ロスヴァイセさんの話だと、アザゼル先生がちゃんとレイヴェルさん達の事を探してくれているそうだ。

 ちなみに、今日も学校に行った。

 自由登校とはなんなのか……。

 

 

+月C日

 

 今日も何となくで支取と一緒に昼食を食べる事になったので、レイヴェルさんの事を聞いてみた。

 いや、支取も今日は学校に来ていたのだ。

 なんでも、セラフォルーさんに呼ばれたけどいなくて暇だったそうだ。

 何で学校に魔王様?

 それで、レイヴェルさん。

 行方不明になっている事は悪魔の方でもあまり知られていないようで、驚かれた。

 悪い事をしたような気になったので、教えてくれたのは兵藤だとは言えなかった。

 ……よかったのかな?

 魔王様達が探してくれているみたいだから、大丈夫だろう。

 白音さんにそう言うと、少し元気になってくれた。笑顔でお礼を言われたし。

 明日、色々教えてくれたし取にもう一度、ちゃんとお礼を言っておこう。

 

 

+月D日

 

 今度、進路相談がある……らしい。

 いや、俺はもう三年だから無いけど。

 アーシアさんから教えてもらった。廊下でばったり会ったのだ。

 兵藤が沈んでいるから自分は元気でいないと、と笑顔だった。

 偉いなあ、あの子。

 レイヴェルさんとライザーさん、早く見つかると良いな。

 ちなみに、白音さんの進路相談には黒歌が行くそうだ。

 白音さんは嫌がっていたけど、アレは照れだな。

 最近は落ち込んでいたけど、元気になってくれたみたいで良かった。

 

 

+月E日

 

 グレモリーと姫島がクラスに来た。

 部活の方はもう卒業したけど、兵藤の事が心配らしい。

 補習の俺を笑いに来たのかと思った……。

 心配なのはいいけど、それは恋人が慰める事で、俺に言われても困るしかない。

 恋人辺りで照れていたけど、アレは……あれだ。

 クラスまで惚気に来たのだろうか?

 そう思えてならない。

 会話の内容自体は真面目だったから休み時間、ずっと話していた。

 ……暇なのかな、アイツら。

 

 

+月F日

 

 まあ、あれだ。

 補習している時に進路相談が始まると、凄く気まずいよね。階は違うけど。

 教室に人が少ないから、声が響くのだ。相談の。

 そんな俺を気にしてか、レイナーレさんが教室に遊びに来た。オーフィスちゃんと一緒に。

 白音さんの保護者として学校に来た黒歌の付き添いだそうだ。

 ……うん。凄く嬉しかった。

 一人で寂しかったし。

 補習そっちのけで、色々な話をしてしまった。ごめん、先生。

 けど、こう。

 普段とは違うシチュエーションというか、学校でキスしてしまった。

 オーフィスちゃんにはちゃんと目隠ししてたけど。

 帰りまで待っててくれたし。

 こんなに幸せでいいのかな、って思ってしまう。

 

 

+月G日

 

 黒歌から襲われた。

 いや、朝起きたら馬乗りになっていたというか。

 昨日、学校で……話した事が黒歌的には『ズルイ』らしい。

 オーフィスちゃんも一緒だったというのも、黒歌的には言い訳でしかないらしい。

 今日は朝から夕方まで、ずっと黒歌と一緒だった。

 勿論学校でも。

 学校では猫の姿だったり、人間の姿だったりしたけど。

 気付かれないか心配だったけど、俺のそういう反応が楽しいようでずっと笑っていた。

 ……まあ、黒歌が楽しかったならいいか。

 笑ってくれていると、俺も嬉しいし。

 こんな事、恥ずかしくて言えないけどさ。

 

 

+月H日

 

 ヴァレリーさん、という方からお礼を言われた。

 ……いや、誰?

 流石に会った事の無い人からお礼を言われるのは驚いたので、何となく日記に書いている。

 ちなみに、ギャスパー君のお姉さん的立場の人らしい。

 あと、彼が女装しているのも、彼女の所為なのだとか。

 それにしても、この家にもいろんな人が来るようになったなあ、と思った。

 お隣さんは天使だし。

 ヴァレリーさんは吸血鬼だし。

 それにしても、スコルとハティが吠える吠える。

 アイツら、女の人が来るといっつも吠えているような気がする……慣れるとそんなでも無いけど。

 黒歌だけは、今でも吠えられているのを思い出した。

 

+月I日

 

 ふと思い出したけど。

 ヴァレリーさん。そういえば前、ギャスパー君から相談されたような気がする。

 昨日のお礼はそれか。

 まあ、思い出したのは学校でギャスパー君と会って話したからだけど。

 それにしても、ギャスパー君も女の子みたいに可愛いけど、お姉さんのヴァレリーさんは凄く美人だった。

 ……そうぽろっと口にして、白音さんがずっと口をきいてくれない。

 白音さん経由でみんなに広まって、黒歌とロスヴァイセさんも口をきいてくれないし。

 しょうがないじゃないか。俺だって男なんだし。

 ごめんなさい。

 レイナーレさんだけは、ずっと笑いを堪えていた。

 

+月J日

 

 今日の補習は、ロスヴァイセさんが教えてくれた。

 いや、歳は近いけど教師だから。

 学校で何度か授業を受けたけど、補習まで受けるというのはなんとも恥ずかしい気持ちになった。

 なんでも今日は担当の授業が無かったらしく、ずっと一緒だったし。

 ……家ではジャージ姿ばかりだから、スーツ姿が新鮮だった。

 まあ、いまさら言うような事でもないだろうし、言うのも照れ臭かったので言えなかったけど。

 家でその話をしたら、夕方から黒歌がスーツ姿である。

 凄く似合っていたけど、それを白音さんに見られて冷たい目をされた。

 白音さんが元気になったのはいいけど、最近はずっと口をきいてくれなかったり冷たい目で見られたりしている気がする。

 

 

+月K日

 

 白音さんの事を、隣に住んでいる天使のグリゼルダさんに相談した。

 レイナーレさんや黒歌に相談しようかと思ったけど、女の子の事を相談するというのもどうかな、と思って保留。

 これで仲直り……じゃないけど、また口をきいてもらえないような事になったら二人に相談しようと思う。

 といっても、明日は休日なので二人で買い物に行くだけだけど。

 物で釣るといと言葉は悪いけど、やっぱり女の子はそういうのが好きらしい。

 グリゼルダさんからは、絶対にレイナーレさんと黒歌の話はするなと念を押された。

 忘れないように、日記にも書いておこう。

 

 

+月L日

 

 白音さんと買い物に出かけた。

 服を選んでもらったり、ご飯を一緒に食べたり。

 あと、なんでか興味を持っていたサタンレンジャーの映画を一緒に見たり。

 アレは、アレだね。

 俺が恥ずかしがっている姿を見て、絶対に楽しんでいたと思う。

 ……オーフィスちゃんが楽しみにしていた映画だったみたいで、パンフレットを持って帰ったら今度はオーフィスちゃんと一緒に見に行く約束をした。

 あと、途中でヴァーリ君や美猴さん、デュリオさんにも途中で会った。

 気を利かせてくれたみたいで、挨拶だけだったけど。

 楽しい一日だったし、今日はずっと白音さんの機嫌が良かった。

 うん。

 俺も嬉しい。

 

 

+月M日

 

 レイヴェルさんとライザーさんが無事に保護されたらしい。

 見付けたのは魔王アジュカ様。

 自由登校だっていうのに、わざわざ学校まで来て支取が教えてくれた。

 

 

+月N日

 

 タンニーンさんに呼ばれた。

 ……そうやってほいほいと冥界に行くから補習をしてるんだろうな、俺。

 でも、だ。

 だって、ドラゴンの卵である。見たいし触りたいし、どんなのか気になるのは男として当然だと思う。

 『虹龍』の卵が孵化するのに冥界の空気は良くないそうで、駒王町へ運んだらしいけど、様子を見ていてほしいとお願いされた。

 ちなみに冥界へは、サーゼクスさんに相談したら二つ返事で連れて行ってくれた。

 というか、朝からグレイフィアさんが家に居たから不思議に思っていたよ。

 相変わらず暇をしているなあ、魔王様。

 まあ、サーゼクスさんはさて置き。

 魔王様公認でドラゴンの卵を見るだけじゃなくて、触る事も出来た。ちょっと感動した。まだ興奮してる。

 オーフィスちゃんは偶に様子を見ているそうで、色々と教えてくれた。

 あと、卵の傍でラマーズ法をしていた。ひっひっふーってやつ。

 

 




二十巻を読むと、リゼヴィム爺ちゃんとかが大変な事になりそうな気がしました、まる
主に、異世界の神様的な意味で。

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