しっかし、どうして木場君はこんなに空気になってしまったんだろう?
今回の出番? その目で確かめてください
△月AP日
だっはー。疲れたー。
というか、キツイー。
身体がすげぇダルい。しかも、左腕は龍のままだし。どーすっかねぇ、コレ。
まぁ、部長を助ける為だったし、しょーが無かったんだけどさ。
しっかし、親にどう説明しよう?
その辺りは今、部長と朱乃さんがどうにかできないか調べてくれてる。
……どーにかなるのかな、コレ。
どーにもならなかったら、夏でも長袖手袋生活だな……死ねそう。
△月AO日
部長から、今日は学園を休むように言われた。
まぁ、この腕じゃなぁ……。
取り敢えず、昨日と今日は部長の家にお世話になった事を家には伝えておいた。
アーシアは学園が終わったら会いに来てくれた。
そう言えば、婚約式の事をアーシアに説明する事を忘れてた。泣かれちまった。
今後は気を付けます、ハイ。
今日は、アーシアも一緒に先輩の家にお泊りだ!!
△月AI日
今日も部長の家に居残りである。
部長と朱乃さんは学園にちゃんと行ってる……寂しいんで、昼間っから日記を書いてる。
だって、部長の家って難しい本ばっかりだし。
読めない。何語? 日本語の本の方が少ないってどういう事?
それと、さっきメールが来たけど、上代先輩に腕の事を相談するようだ。
あー……先輩ならどうにかできそうな気がする。
ちょっと期待してる。
それじゃ、昼寝でもするか。
夢の中でドライグと会った。
なんか、俺の中の龍は上代先輩に治してもらうのは反対らしい。
なんでも巻き戻されてしまうから、面白くないとの事。よく判らんが、焼き鳥野郎にはドライグのお蔭で勝てたってのもあるし、それに先輩に頼りっぱなしってのもアレだしな。
寝てる間に、先輩もこの件は断ったらしい。
もしかしたら、上代先輩もドライグと同じことを考えたんだろうか?
……流石に、それは無い…よな? ドラゴンの考えが判るなんてことはないと思う。もし判ってるなら、どれだけだよ、あの人。
一応、部長が帰ってきたら、夢の事も相談してみよう。
△月AU日
なんでも、ドラゴンの気を散らせば腕の外見だけは人間の腕に戻るとの事。
腕が変質してしまった事は変わらないけど、外見だけ戻れば十分だ。
しかも方法が方法だしな。部長を救えて、強くなれて、こんな役得があるなんて最高だ!
……部長に不謹慎だと怒られた。スイマセン。
でも、本当に後悔とかしてないから。
一日中部長が捜してくれた方法を試していたら、腕が戻った!!
ドラゴンの腕じゃ不便だから助かる。これで、茶碗が持てる!!
腕が戻った後家に帰ると、部長も一緒に俺の家に住むだって!
なんでも、腕がいつ戻るか判らないから、との事。
うぅ、心配して貰えて、この兵藤一誠、幸せです!!
しかも、部長と一つ屋根の下だし!!
△月AY日
上代先輩に、先日のお礼を言いに行った。
あと、部長とも一緒に暮らす事になった事を伝えると、そうか、との一言。
寡黙な人って、上代先輩みたいな人のことを言うんだろうな。
そんな所がいいんだろうな、朱乃さんとか。
それと、サーゼクス様が今回の俺の行動をそう悪く思ってなかったって、教えてくれた。良かったー。
しかし、魔王ルシファー様をサーゼクスさんなんて呼べる人間って、絶対上代先輩だけだよなぁ。
とりあえず、俺には一生無理だと思う。
そんな話をしたことを部長に伝えると、すっごい複雑そうな顔をしてた。
なんでも、今回の婚約の件、全部サーゼクス様の掌の上だったとか。
え? どういう事?
なんでも、魔王様が上代先輩に会う為に部長の婚約パーティを利用したんだとか。
なんだそりゃ? しかも、俺が御破談にするのも全部判ってたとか。
つまり、俺達って魔王様と上代先輩が会うための場を用意するために使われたって事?
しかも、あの場で上代先輩の事を悪魔の貴族連中に知らしめる狙いもあったのかもしれない、って部長が言ってたし。
本当に何者だよ、あの人。あの人が実は魔王の一人でした、とか言われても驚かないかもしれない。部長も同じように感じていたようだ。
……怒っていいのか判んなくなった。もう何か疲れた…。
しかも、魔王様直々に先輩に『悪魔の駒』を渡したとか。
それって、先輩が部長のライバル…俺達の相手になるってことだよな?
うっは、燃えてきた! なんとなく!!
でも、先輩の配下ってどうなるんだろう? 強いんだろうなぁ。
△月AT日
今日は、アーシアが上代先輩の家で晩御飯を食べてきた。
先輩と仲が良いんだな、アーシア。
そういえば、レイナーレも先輩と一緒に婚約パーティに居たんだよな。
あの二人って、どんな関係なんだろう? やっぱり恋人とかなんだろうか? 一つ屋根の下に二人っきりだし。
色々複雑だ……。元カノが別の男と付き合ってるのを見るのって、こんな気分なんだなぁ。
アーシアがお茶を持ってきてくれた。
優しいなぁ、アーシアは。
勉強も教えてくれた。
というか、転校してきたばかりのアーシアに勉強を教えてもらう俺っていったい……。
△月AR日
父さんがアーシアに肩を揉んでもらっていた。
……親のあんな姿を見ると、なんとなく気が滅入る。
でも、部屋に戻ると部長が俺の肩を揉んでくれた。
あー……父さんの気持ちが判ったわぁ。気持ち良かったなぁ。
また揉んでくれるって言ってくれたし、また明日、お願いしてみよう。
その後アーシアも部屋に来たけど、なんでか泣きそうな顔をしてた。え? 俺何かした?
△月AE日
朱乃さんが、部室で少しイライラしていた。
あー、最近、上代先輩が悪魔のチラシを使ってくれないもんなぁ。そのくらいには、朱乃さんを理解しはじめたよ、俺も。
しっかし、チラシを使ってもらわないと会う理由がないとか、朱乃さんって意外と純情だな。
俺なら、理由が無くても会いに来てくれるとうれしいけど。朱乃さん美人だし。おっぱい大きいし。
部長も、なんか生暖かい目で朱乃さんを見ていた。多分俺も同じような顔をしてたかもしれない。
小猫ちゃんは「嫌いじゃないようですし」とか言っていた。何の事だろう?
それだけでイライラが消えた朱乃さんと、ニヤニヤ笑う部長と子猫ちゃん……俺が休んでる時に、何かあったのか?
アーシアに聞いても教えてくれなかったし。
巫女日記(朱乃さん)と聖女日記(アーシアさん)が人気っぽい?
グレイフィアさんは書くつもりなんで、もしかしたらそのうち、二人の日記も書くかもねぇ
期待しないで待っててください