とある神器持ちの日記   作:ウメ種

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少しオリジナル展開?
この調子じゃ、配下二人目までに100話くらい掛かるんだよ……泣けるぜ


25(三巻開始)

 

 □月B日

 

 グレモリー達が、旧校舎の裏手で野球の練習をしていた。

 そういえば、そろそろ球技大会だ。

 思い出してなんだが、俺は帰宅部なので、どこかの部活に駆り出されるわけだ。

 今年はどの部活だろうか? 基本的に人数が足りない所に行くからな。

 ……オカ研は勘弁だな。できれば普通の部活動に行きたい。

 というか、先月プリントを貰ったような気がするので、あとでゴミ箱でも探すとしよう……捨てられてる可能性が高いが。

 

 

 

 □月C日

 

 隣のクラスに用があったので行ってみたら、グレモリーのヤツ……。

 ハウツー本っていうのか? 恋愛マニュアルとか書かれている雑誌を隠し読みしてやがった。

 えらい熱心に読んでるな、と思ったらソレかよ…反応に困るわ。

 姫島の奴は知っていたようで、驚く俺を見て笑ってたが。学校で読むなよ、こんなの。

 いいのか? まぁ、本人が良いんならいいけどさ。せめて部室で読め。

 お相手は木場君だろうか? 大穴で兵藤? どっちにしても、俺でない事は確実だ。

 ……書いてて、ちょっと悲しくなった。

 俺って、実は不憫な高校生活を送ってるのだろうか? そんな気がしてきた……。

 

 

 

 □月D日

 

 今日は珍しく、家にアーシアさんが遊びに来た。というか、一緒に帰ってきた。ちょっと役得というか、嬉しい。……マジで、女の子と一緒に帰ったのって、中学以来じゃなかろうか? 枯れてるなぁ、俺の高校生活。

 レイナーレさんと一緒にお菓子を作ってて、分けてもらった。とても美味しいクッキーだった。

 形が歪なのはレイナーレさん作だった。こちらも大変美味しかった。

 夕食も二人で作ってた。俺って、実はかなり幸せ者ではないだろうか?

 しかし、兵藤のヤツ……こんな可愛い彼女が居るのに、グレモリーと同棲とか。爆ぜろ。

 お前の彼女さん、心配でレイナーレさんに相談に来てるぞー。

 俺? 女の子の話に加わる勇気は無いよ。

 今日は遅くまで、隣の部屋の電気は点いてそうだ。

 

 

 

 □月E日

 

 なんか知らんが、放課後に兵藤と姫島が来た。

 聖剣を知ってるか、とのこと。またいきなりだな…。

 あれだろ? エクスカリバーとかデュランダルとか――なんだっけ? アスカロンとか天乃叢雲に天乃羽々斬とかもだっけ?

 アレは神剣か、というと驚かれた。

 や、それくらい誰だって知ってるだろ? ゲーム知識で。

 なんか、木場君の様子が最近おかしいらしいんだが、ソレと聖剣にどんな関係が?

 色々あるらしいが、人に話を振っておいて説明しないとは……ブレないな、オカ研。

 

 

 

 □月F日

 

 放課後、いきなり生徒会室に呼ばれた。

 馬鹿な――この成績普通、生活態度普通の俺が呼ばれるとは……。

 まぁ、蓋を開けたら支取のヤツも悪魔の一人だったわけだが。

 ……この学園に悪魔って、何人いるんだろう?

 怖くて聞けない……人間より多かったら目も当てられねぇし。

 こうやって人間社会は、徐々に侵略されていくのだろうか……どこのB級ホラーだ。

 ちなみに、支取はセラフォルーさんの妹らしい。一瞬誰だっけ、と思ったがサーゼクスさんと一緒に居た魔女っ娘な。

 ……大変だな、支取。と同情した俺に、ありがとう、と返してくれた支取。微妙に友情が芽生えたかもしれない。

 生徒会室に居た2年の視線が怖かったけどな。

 帰り道に、すっごい可愛い猫を見かけた。黒猫だったけど。

 毛並みは艶々してて綺麗だし、その鳴き声にも気品が感じられ、何より真っ直ぐこっちを見た目が印象深かった。

 黒猫は不幸を呼ぶとか聞くけど、アレは絶対違うと思う。すっげぇ可愛かった。

 また明日も会えるだろうか?

 レイナーレさんにペットは好きかと聞くと、犬が好きとの事。

 犬が苦手な俺としては、心苦しい回答だ……。だって、吠えると怖いし。

 

 

 

 □月G日

 

 帰宅部連中の球技大会の振り分けが変更された。

 何か知らんが、俺は生徒会だった……それってどうよ? 生徒会って、人数足りてるんじゃね?

 だって、振り分けられてるの俺だけだし。明らかに狙ってるよね? 支取もやっぱり悪魔って事か……。自分勝手すぎるだろ、悪魔様。まぁ、魔王からして一般人を普通に拉致るからな。支取も生徒会権限とか使ったんだろうか? あるかは知らないけど。ああ、嫌な予感しかしない…。

 取り敢えず生徒会室に行くと、この振り分けに間違いはなかった。嫌な予感が加速度的に増した気がしたかもしれない。日本語がおかしいかもしれないが、大体そんな感じだ。

 帰り道に、また黒猫に会った。黒猫に会ったから不幸なんだろうか? こんなきれいな黒猫なんだから、違うだろ。というか、セラフォルーさんと知り合い(?)だからか? あー、ありそう。

 ちなみに黒猫は、呼んでも寄って来ず、しばらくすると逃げていった。

 ……明日も会えるだろうか? ちょっと奮発して、ネコ缶でも常備してみるか。

 レイナーレさんは、猫も好きとの事。良かった良かった。

 

 

 

 □月H日

 

 生徒会では、放課後に残って練習とかはしないようだ。素晴らしい。まぁ、球技大会は明日だけどさ。

 こんなんでいいのだろうか? そうは思うが、練習が面倒なので楽なのは助かる。

 そんな事を考えていた時期が僕にもありましたよ?

 今回は支取に連れられて、オカ研を訪問した。連れられて、だ。ちゃんとこっちの予定を聞き、並んで歩いての訪問だ。これだよコレ。こういうのが大事なんだよ。グレモリー家は支取を見習うべきだと思う。 

 オカ研にはいつもの面子が居た。

 なぜかグレモリーと姫島には睨まれたが……俺が何をしたと? 実は俺は、巷で人気の鈍感系なのか? 気付かないうちにフラグでも立てたのだろうか? 実はグレモリーの恋愛マニュアルの相手は俺なのか? ……ないな。書いててなんだが、それは無いな。というか、そうだったとしても断る。多分。うん、多分。多分断ると思う。絶対とは言えないけど、多分断るだろう。ほら、二人とも気が強そうで、俺じゃ絶対釣り合わない。

 なんか、支取とグレモリーがライバルらしくて、大会前に挨拶なんだと。俺を巻き込むな。生徒会以外のメンバーという事で俺を連れてきたようだ。あの2年の男子。俺を睨むな。名前は匙らしい。馬路と場篤も居るのだろうか?

 帰りに、また黒猫を見つけた。

 相変わらずの可愛さに、ネコ缶を差し出してしまうのも仕方のない事だ。

 人目も気にせずに差し出すが、最初は警戒してこなかった。

 だが、ネコ缶の匂いには耐え切れなかったのか、最後には俺の手元に寄ってきた。

 ……ヤバイ。この猫は魔性の猫だ。吸いつくような柔らかな毛並み、餌を頬張る愛らしさ、そして何より、偶に見上げてくるその瞳。まさに魔性。人間というものを理解し尽くした獣。

 気付いたら、猫を撫で回していた。もう、時間を忘れるレベルでだ。実際、今日は30分ほど遅く帰宅して少しだけレイナーレさんに心配された。それくらい撫でていた。

 ネコってどうして、撫でまわしてるとお腹を見せるんだろう? そんな事を考えながら撫でていた。今思うと、人懐っこい猫だと思う。普通はもっと時間を掛けて仲良くなるものだからな。

 ちなみに雌だった。確認した瞬間に逃げられたけど。

 明日も猫缶を用意しておこう。

 

 

 

 □月I日

 

 球技大会は、個人戦はテニス。部活対抗はドッジボールだった。

 ちなみに俺は、個人戦は1回戦敗退だ。書くまでも無い。せめて一回くらいは勝ちたかった。支取にすっごい怒られた。何故だ……負けたけど、一生懸命頑張ったのに。

 というか、なぜ俺をエントリーした、支取。せめて本人に一言言ってくれ。当日に知らされても困る。

 どうして悪魔は自分勝手なのか……これで成り立つ悪魔社会が怖い。まぁ、トップがサーゼクスさんだしなぁ。

 ちなみに決勝では、グレモリーと支取が人外の勝負をしていた。テニヌすんな、テニスしろ。

 そのあと、兵藤がアーシアさんのブルマを拝んでありがとうと叫んでいた。……あんなののどこが良いんだろう? 普通に疑問だ。今度家に遊びに来た時に聞いてみよう。

 3回戦でオカ研とドッジ対決だったけど、俺はなぜか真っ先に狙われてリタイアした。

 始まって、気付いたら保健室だったからな。

 やったのは兵藤だと塔城さんが教えてくれた。くそ、まだ鼻が痛ぇ……顔面直撃したらしい。

 後で謝りに来たから、まぁ、別に良いけど。

 今日は、校門前で黒猫を見つけた。この辺りも縄張りなのだろうか?

 猫缶をやろうとしたら逃げられた…ショックだ。

 でも、家の近くでまた会った。行動範囲が広いな、この猫。

 猫缶を上げると、今日は警戒する事無く寄ってきた。可愛いのぅ、可愛いのぅ。

 その後ネコを撫で回している所を買い出しから帰ってきたのだろう、両手にスーパーのビニール袋を持ったレイナーレさんに見られてしまったが、後悔は無い。可愛いは正義。

 お腹と乳首を撫で回すとウニャウニャ啼いて転がってた。……なんて愛いやつ。どこまで俺を虜にすれば気が済むのか、この黒猫は。毛並みが良いし、どこかの飼い猫だろうか? 首輪してないけど。野良なら飼いたいなぁ。

 家に帰ると、レイナーレさんが目を合わせてくれなかった。なんで?

 

 

 

 □月J日

 

 今日は雨だった。どしゃ降り。昨日じゃなくて良かった。

 しかも、そんな雨の中を後輩の木場君が傘も差さずに歩いていたわけだ。

 ……どういう状況だよ。失恋でもしたんだろうか?

 帰る方向も同じだったので声を掛けると、いきなり走り出すし。

 よく判らないが、逃げられると追ってしまうのが人間の心理。

 そのまま追いかけると、曲がり角で木場君とぶつかってしまった。

 んで、気付いたら家に居た。

 ――久しぶりだな、俺の帰巣本能。よく判らないが、また気付いたら家に帰ってきていた。

 俺、本格的に病気なんだろうか? 最近は無かったから、忘れかけていたけど。

 レイナーレさんに相談するのも勇気が要るし……もう少し様子を見ようと思う。

 一過性のものかもしれないし。というか、レイナーレさんは俺がどうやって帰ってきたのか見てないのだろうか?

 そう思ってそれとなく聞いてみたが、買い出しに出ていたから知らないとの事。うーむ。

 

 




このSSの二人目のヒロイン(?)登場
基本的に、イッセー君のハーレムじゃないキャラがヒロインです(ぇ
多分。途中で心変わりする可能性が高いけど。

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