とある神器持ちの日記   作:ウメ種

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天使日記、なんかインパクトが無いなぁ、と書きながら思った。



59(天使日記)

 $月N日

 

 徹さんの友好関係はどうなっているのでしょうか?

 人間でありながら悪魔と親しく、堕天使を従えている。

 しかもその悪魔は、魔王も含まれるのだ。いくら『神器』を持っているとはいえ、普通の人間の友好関係ではない。

 朝食の席では、魔王レヴィアタンの妹であるソーナ・シトリーと親しげに話しておられた。

 内容は後日、新人悪魔が揃って行うレーティングゲーム。その事だ。

 私達の『御使い』システムの元となったゲームでもある。

 ソーナ・シトリーは参加するようだが、徹さんは参加しないのだろうか? 今度聞いてみようと思う。

 だが、やはり悪魔の館に天使というのは居心地が悪い。徹さんのメイドである堕天使はあまり気にしていないようだが。

 それどころか、徹さんの身の回りのお世話をし、部屋の掃除をする始末だ。

 こういう事に慣れているのだろうか? よく教育されていると思う。流石は、ミカエル様が気に掛けている上代徹のメイドだ。

 

 それにしても、魔王は徹さんの事をどう思っているのだろうか?

 妹を随分と推していたように感じた。というよりも、推していた。妹本人の方はそんなつもりは無かったようですが。。

 あまり考えたくはないが、やはりそういう関係なのでしょうか? 紫藤イリナは純粋に楽しんでいましたが、私としては複雑です。

 次代の『神』となられるかもしれない方が悪魔となどと……。

 まぁ、そういう考えが正しいのかすら、今はもう判らないのですが……。

 

 ソーナ・シトリーの相手は、リアス・グレモリー。赤龍帝を配下に持つ魔王ルシファーの妹だ。

 興味深い一戦だ。赤龍帝。『神滅具』の一つ。

 紫藤イリナの幼馴染であったはずだ。

 

 午後からは、徹さんとゆっくりお話しする事が出来た。

 といっても、悪魔の館ではする事も無いので、話すくらいしかできない、と言った方が正しいのですが。

 人間が悪魔の館に居て、天使である私達の心配をしてくれる、というのも変な話ではあるが。

 ですが、心配には及びませんよ、徹さん。これでも仕事には慣れているのです。

 

 しかし、徹さんは良くメイドを教育しているな、と思う。

 自身の身の回りの世話に、私達の世話までこなしている。こちらが申し訳なく思ってしまうほどにメイドの仕事をしている。

 徹さん達や私達は魔王に呼ばれた客という立場なのだが、あのメイドにとっては、私達は徹さんの客、となっているらしい。

 良く出来たメイドだ。紫藤イリナにも見習わせたいくらいだ。

 

 

 

 $月O日

 

 なんとなく暇だったので、宛がってもらった部屋と迷惑にならない範囲で掃除をさせてもらった。

 身の回りを掃除すると、気が落ち着くのです。

 紫藤イリナは朝食が口に会ったのか、レシピを聞いていた。

 アレに料理の趣味があったとは驚きだ。懸想している幼馴染みに振舞うのでしょうか?

 相手は悪魔だという事は複雑だが、誠実に相手を想う感情は天使らしい。

 応援は出来ないですが、目を瞑って見守ろうと思う。

 『主』無き今、種族の壁がどの程度の役割なのかも判らないのだし。

 

 今頃、徹さんはソーナ・シトリーと勉強をしているのでしょうか?

 そう言う所は、本当に普通の人間のように思える。

 

 

 

 $月P日

 

 ソーナ・シトリーの夢は……日記に書くような内容ではないか。

 しかし、つい耳に入ったとはいえ、盗み聞きのような真似をしてしまい、申し訳なく思う。

 ただ、廊下を歩いていたら、紫藤イリナが隠れて盗み聞きしていたので、それを注意しようと近寄ってしまっただけなのだ。

 進んで盗み聞きをしようとしたわけではない。注意しようと近寄っただけなのだ。

 ですが、ソーナ・シトリーの夢は随分と悪魔らしくないと思う。

 どちらかというと、普通の人間のような感じだ。

 普通の悪魔にしたら、下らないと一笑されるような夢でしょう。

 悪魔というものを知っている私達からしても、悪魔が何を言っている、と言うような夢。

 その夢を、笑わず、応援出来る徹さんは……そんな徹さんだからこそ、悪魔や堕天使と付き合えるのかもしれない、と思う。

 

 その後、徹さんに覗いていたところを見られてしまったが。

 不本意ではありますが、盗み聞きしてしまったのは事実ですし、言い訳はしません。

 私も紫藤イリナも、徹さん……ソーナ・シトリーの夢を応援しようと思う。

 悪魔……冥界では難しい夢でしょうが、こうやって変わっていかないと、冥界は何時までも戦いから離れられないでしょうし。

 

 メイド――レイナーレさんに徹さんの事を話すと、喜んでいた。

 本当に、主人である徹さんが好きなのだろう。微笑ましくすらある。

 悪魔の夢を応援できる人間と、その人間を慕う堕天使。

 何とも奇妙な関係だ。その事を尋ねると、命を救われたから、役に立ちたいのだと。

 徹さんを傷付け、殺しもした――けど、そんなレイナーレさんを、徹さんは救ったのだと。

 徹さんの『神器』は強力だが、その分徹さん自身にも負担があるはずだ。

 それなのに、自身を殺した相手すらも救うのか……救えるのか、彼は。

 

 

 

 $月!日

 

 今日は、堕天使アザゼルが徹さんを迎えに来た。

 なんでも、リアス・グレモリー達の修業に余裕ができ、徹さんの様子を見に来たのだとか。

 そのついでに、今度はグレモリー家へ招待された。……徹さんのついでだが。

 ミカエル様が私達の事は伝えてくれていたようで、アザゼルからはあまり驚かれなかった。

 

 しかし、徹さんは本当に、悪魔とはどういう関係なのだろうか?

 悪魔グレモリーの館に案内されたのは良い。その後、リアス・グレモリー達と挨拶を交わした後、何故かダンスの練習を赤龍帝の少年と一緒に行っていた。

 ……予想としては、今後、徹さんを悪魔の社交界へ出した時、恥を掻かせない為だろう。

 グレモリー家は、徹さんをそれほどまでに深く悪魔に関わらせる気なのだろうか?

 いくら『神器』が強力とは言え、徹さんはただの人間だ。……悪魔に堕とす気なのか。

 やはり悪魔も、徹さんを手に入れようとしているようだ。

 

 それと、珍しい相手にも会った。元聖女のアーシア・アルジェント。私の部下だったゼノヴィア。

 片方は噂しか知らなかったが、もう片方は懐かしい顔だ。

 しばらくは修行で忙しいとの事だったが、落ち着いたらゆっくりと話したいものだ。

 積もる話もあるのだし。

 

 だが、紫藤イリナの幼馴染み……赤龍帝、兵藤一誠。

 彼はいつもああなのだろうか?

 ずっと私の胸に視線を向けていたが……。

 やはり彼は、悪魔に成るべくして成ったのかもしれない。

 

 ……徹さんがテーブルマナーを知らないのは、少し驚いた。

 彼ならそのくらい知っているような気がしていたのだ。

 だから、ナイフとフォークを持って四苦八苦している姿は、失礼だが微笑ましかった。

 自身を殺した相手を赦し、救えるような人格者だが、そういう弱い面もある、というのは……素直に好感が持てた。

 ミカエル様は徹さんに『聖書に記された神』を望んでいるのかもしれないが、やはり彼は、強力な『神器』を持つだけの、普通の人間なのだと思う。

 だからこそ、悪魔と親しくし、堕天使を救えるのだろうから。

 天使なら悪魔と堕天使を、悪魔なら天使と堕天使を、堕天使なら悪魔と天使を敵視する。

 彼は人間だからこそ、そのどれとも平等に接する事が出来るのだろう。

 

 

 

 $月Q日

 

 グレイフィア・ルキフグス。魔王ルシファーの妻であり『女王』。

 今日はなぜか、彼女と共に徹さんにテーブルマナーを教える事になった。

 まぁ、徹さんのテーブルマナーの腕はお世辞にも上手とは言えなかったし、必要な事だとは思う。

 その時の表情は……愉しんでいるように思えた。うん。

 

 しかもその後、レイナーレさんにも、テーブルマナーの教育を施していた。

 こちらは、徹さんの時よりも熱心だったように思う。

 同じメイド同士、何か思う所でもあるのだろうか?

 

 アーシア・アルジェントは、悪魔に堕ちても変わらず、優しかった。

 神が居ない今、天使、悪魔、堕天使に関わらず優しさを向けられる彼女は、本当の意味で『聖女』なのだろうな、と思う。

 『主』を失くした私には、何が正しいのか、いまだに判らない。

 だからこそ、魔女と断じ、見捨てた私を赦した彼女は『聖女』なのだと思う。

 ……彼女のこれからに、幸多からんことを。

 

 

 

 $月R日

 

 徹さんと紫藤イリナがリアス・グレモリー達の特訓を見学しに裏山に行っている間、魔王の『女王』グレイフィア・ルキフグスと、レイナーレさんが手合わせをしていた。

 特訓や修行とはとても言えない、一方的な勝負とも言える。

 なにせ、二人の間には歴然の差が存在しているのだ。

 レイナーレさんに乞われ、私も何度かレイナーレさんと手合わせしたが……彼女は、根本的に…劣っている。

 実力も、経験も、才能も……だ。

 そんな彼女を何故魔王の『女王』であるグレイフィア・ルキフグスが相手にするのか、不思議でならない。

 相手にしない、一顧だにしない……それが普通だろう。

 昨日もグレイフィア・ルキフグスはレイナーレさんを気にしていたように思える。

 あの二人に、どんな繋がりがあるのだろうか?

 その後、手合わせが終わると、徹さんが裏山から帰ってくるまで、メイドの仕事を教育されていた。

 レイナーレさんを教育してるのは、徹さんではなくグレイフィア・ルキフグスらしい。

 ……本当に、よく判らない関係だ。

 というよりも、『銀髪の殲滅女王』が特定の誰かを教育すると言う事すら驚きだ。

 天界では、彼女はまさに悪魔そのものとして語られているというのに、その悪魔が堕天使を教育している。

 何とも不思議な光景を今日は見た。夢かもしれないと思う。そんな光景だ。

 

 そんなレイナーレさんを、アーシアは癒していた。

 体力までは戻らないが、いくらかの痛みは抑えられるようだ。

 ……随分と仲が良い。堕天使と悪魔。しかも元聖女で、以前の報告ではレイナーレさんはアーシアの『神器』を奪おうとしていたのだという話だ。

 本当に、徹さんの周りは不思議な関係ばかりだ。

 

 

 

 $月S日

 

 今日も、レイナーレさんとグレイフィア・ルキフグスの手合わせは行われた。

 そして今日も、一方的な勝負でしかなかった。

 しかもその後には、メイドとしての仕事が待っているのだ。正直、とても仕事どころではないように思える。『銀髪の殲滅女王』に一方的に打ち据えられて、その後に、今度はメイドとして扱き使われるのだ。

 そこまでしなければ、徹さんのメイドとして居られないのだろうか?

 そこまでしなくても、徹さんならば、レイナーレを傍に置くのではないだろうか?

 あの慈悲深い、優しい人間ならば。

 

 どうしてそこまでするのかと訪ねようとしたところで、徹さんとリアス・グレモリーの『戦車』が話している場面に遭遇してしまった。

 いや、盗み聞きするつもりは無かったんですよ? 本当ですよ?

 偶々通りかかっただけなんですから。

 でも、あれだけ言われて、それでも黙って聞くなんて…普通は出来ませんよね。

 聞き上手で、空気が読めると言いますか……。

 『戦車』…塔城小猫さんが話し疲れて眠ってしまったあと、徹さんに見つかってしまった。

 ……いや、盗み聞きしてたんじゃないですよ?

 

 

 

 $月T日

 

 明日は新人悪魔を集めてのパーティらしいが、そんな事は関係無いとばかりに、レイナーレさんは扱かれていた。早朝からだ。

 しかも、その疲れを顔に出さずに徹さんの身の回りの世話をしていた。徹さんの傍を離れずに行動していた。

 正直に、凄いと思う。

 命を救われたからと、そこまで出来るものなのだろうか?

 ガブリエル様に救われた私は、そこまでガブリエル様に尽くせるだろうか?

 ……判らない。それが答えだ。尽くしたいと思う。だが、思うだけで、尽くせるかと聞かれると…判らない。自信が無い。

 そこまで彼女を惹き付ける、徹さんと言う人物を知りたいと思う。

 もしかしたらそれが、ミカエル様が望む、次代の『聖書に記された神』の姿なのかもしれない。

 

 しかし――『神滅具・赤龍帝の篭手』の攻撃力の凄まじさは異常だ。

 ただの一撃で、山を一つ消し飛ばすなんて……。

 流石は、神や魔王を滅ぼしうる『神器』だと言えるだろう。

 あれで、いまだ未熟の域を出ないのだから恐ろしい。

 

 

 

 $月U日

 

 魔王ルシファー、堕天使総督アザゼル。

 この二人に挨拶を済ませた後、紫藤イリナと共に上級悪魔の貴族連中に挨拶をして回った。

 これから、天使と悪魔はより良い関係を築いていかなければならないのだ。

 こういう小さな事をコツコツとこなしていかなければならない……面倒だが、だ。

 それが、私達天界スタッフの最初の仕事だ。……華なんか在りはしない。

 紫藤イリナは良い気分ではなかったようだが、コレも大事な仕事なのだ。我慢してもらうしかない。

 ああ、今日は本当に疲れた。

 何やらあったようで、パーティは途中でお開きになったが、中々に有意義な時間を過ごせたと思う。

 いくらかの有力貴族に顔を覚えてもらえたし。

 

 ……これからもこんな事が続くのかと思うと、溜息しか出てこない。

 

 

 

 $月V日

 

 私達の知らない所で、色々と問題が起こっていたらしい。らしい、と言うのは、その問題がすでにほとんど解決してしまっているからだ。……ガブリエル様の『クィーン』だと言うのに、なんという体たらくか。

 しかもその問題が、天界でも問題になっていた猫魈の黒歌が関係しているらしい。

 今朝方から、グレモリーの館に見慣れない黒猫が一匹紛れ込んでいた。

 『主人殺し』で、上級悪魔クラスの実力を持つ猫魈。

 その彼女が、徹さんのペットになるらしい。……悪い夢だ。

 彼女には、私は会った事は無いが、仲間が何人も辛酸を舐めさせられている。

 正直、喜べない。

 

 

 

 $月W日

 

 冷徹で、快楽的に命を奪う悪魔の猫。それが、私が聞き、知っている猫魈・黒歌だ。

 ……正直、疑問を抱かずにはいられない。

 徹さんに心を許し、甘え、身を委ねる猫。それが、私が見た猫魈・黒歌だ。

 どちらが正しいのだろうか?

 レイナーレさんも喜び、受け入れていた。

 彼女は冥界で指名手配されている存在なはずだが、徹さんとレイナーレさんは警戒していなかった。

 猫魈・黒歌を受け入れ、彼女がペットとして傍に居る事を喜んでいるようだった。

 

 それと、思い出した、

 リアス・グレモリーの『戦車』。塔城小猫。本当の名前は、白音。

 彼女は、黒歌の妹だったはずだ。

 ……奇妙な縁、と言えるのだろうか?

 『主人殺し』で追われていた姉が、また妹とこうやって一緒に居られるようになったのは。

 それも、徹さんが魔王ルシファーを説得し、猫魈・黒歌をペットとして扱うようにしたからだ。

 

 それは、優しさなのだろうか? それとも憐れみか?

 ……何とも不思議な人だ。

 

 

 




なんか、天使日記は盛り上がらないなぁ、というのが自分の意見。
なんででしょうね?
書いてても今一つ、うーん、って感じです。

何が足らないんだろうか?
やはり、妙に手を加えず、紫藤さんで天使日記を書くべきだったかなぁ、と少し後悔。

PS 閃の軌跡やっとクリアした!
   次はアーマードコアだorz
   なんか、ネクストが出るらしいから、スゲェ楽しみだw
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