デュークモンは『ファイナル・エリシオン』で、カオスは『デモンズディザスター』なのに。
それだったらズワルトの必殺技も『ガルルキャノン』にしてやれよ・・・・・
これ言ったらアレだけど、技モーションなんて他ゲームの使い回しだろうに・・・・
-前回までのあらすじ-
アンダークーロン中央の階段を降る歌野たちは、その先の部屋に閉じ込められた。
そこへ刺客として送り込まれたのは、かつて歌野と共に農作業を行っていたローヤル部隊の仲間たちだった………
爆発が轟く最中、ロゼモンとタイガーヴェスパモンが斬り結ぶ。
TGヴェスパモン「────────」
ロゼモン「くぅ・・・・!?」
しかし状況はとても悪い。タイガーヴェスパモンの速度に反応しきれないロゼモンは防戦一方だ。
歌野「くっ・・・・・ビー助!!」
TGヴェスパモン「───────────」
しかも、歌野も同時に相手取りながら、である。
タイガーヴェスパモンの力量はかなり高い事が伺える。
他のメンバーはタイガーヴェスパモン以外の蜂たちの相手で忙しく、歌野たちに加勢できない。
なんとかタイガーヴェスパモンからイービルリングを外してやりたい歌野は、焦りを覚えはじめていた。
歌野「─────こうなったら!」
ロゼモン「駄目よ歌野!アレを使ってしまえば、歌野は無防備になる・・・・今は駄目」
歌野「でもっ!!」
と、その時だった………
???「ただいま戻りましたーーーっ!!」
天井の穴から、一匹のキャノンビーモンが現れた。
Cビーモン「いやぁ、フローティアからぐるーっと一周してここまで戻ってくるの大変でしたよー。いくら配達がボクの仕事だからって、流石にキツいッスよー・・・・・・・・・・・・・って、あれ?お取り込み中?」
歌野「─────へ?」
Cビーモン「あ!歌野さんじゃないッスかー!?こんなところで何をしてるんです?訓練?にしちゃあなんか殺伐としてるッスけど・・・・・隊長?」
どういうわけか、このキャノンビーモンは普通のようだ。
それもそのはず、彼はナノモンがこの街に戻ってくる前に、野菜配達の為にあちこちを移動していたのだ。
しかし戻って来るタイミングが悪かった。
TGヴェスパモン「Cー753。命令ヲ更新シマス。侵入者ノ排除ニ協力シナサイ」
Cビーモン「へ?侵入者?誰が?」
TGヴェスパモン「命令シマス。侵入者ヲ排除シナサイ」
Cビーモン「ちょーっと隊長~~。どーしちゃったんスかー?なんか様子がおかし・・・・い・・・・」
キャノンビーモンが命令に従わない事を知ると、タイガーヴェスパモンは彼の頭を掴み上げた。
Cビーモン「がっ!?」
TGヴェスパモン「命令ノ拒絶ヲ確認。プログラム更新ヲ実行シマス」
瞬間、タイガーヴェスパモンのイービルリングから無数のコードが伸び、キャノンビーモンに接続された!
Cビーモン「うぐっ!?・・・あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」
TGヴェスパモン「命令シマス。侵入者ヲ排除シナサイ」
Cビーモン「い゛っ・・・・・嫌だぁぁぁぁぁ・・・・・ボクの、仕事・・・・は・・・・」
TGヴェスパモン「命令シマス。侵入者ヲ排除シナサイ」
Cビーモン「ボクのっし・・・ごと、は!!みんなの食卓に、野菜と笑顔を届けることだからああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
だが、必死の抵抗も虚しく、キャノンビーモンのプログラムは書き換えられ・・・・・
Cビーモン「───────────」
TGヴェスパモン「命令シマス。侵入者ヲ排除シナサイ」
Cビーモン「了解」
芽吹「・・・・・なんてことを!!」
夏凛「あいつ・・・・仲間を!!」
歌野「ぅうううううう!!!」
歌野は、怒りに震えていた。
こんな事を見せられて、彼女が、頭に来ない訳が無かった。
歌野「ロゼモンッッッッッ!!!!!」
叫び、歌野は纏っている勇者服を剥ぎ取る様に脱ぎ捨てた。
ロゼモン「───────そうね。流石に今回ばかりは
普段着のジャージ姿になった歌野の手の上には、デジソウルが塊になって浮かんでいる。
それを歌野は、端末に押し込む。
歌野「チャージ!!」
そして、端末をロゼモンに向けた。
歌野「デジソウル・・・・・・バーストォォ!!!!」
端末の画面から迸った閃光は、ロゼモンに全て注がれ───
┌────────────┐
│ロゼモン・バーストモード│
└────────────┘
ロゼモンB「────────────」
Sハックモン「バーストモード・・・・?」
デュラモン「なんか凄そうだなっ!!」
歌野「・・・・七分よ」
TGヴェスパモン「─────?」
ロゼモンB「この姿を維持できるのは、七分が限度。でも──────」
ふわり、とロゼモンが舞う。
瞬間、全てのワスプモンとキャノンビーモンがその機能を停止させ、地面に落ちたのだった。
ロゼモンB「そんなに必要ないかも・・・・ねぇ?」
TGヴェスパモン「──────────」
睨み合う両者。
そんな最中、それまで鍵開けに集中していたワイズモンが声を上げた。
ワイズモン「よし!開いたぞ。ワタシの周りに来い!!」
夏凛「そういえば、ワイズモンは・・・・って、なにあれ?」
ワイズモンの声がした方を見れば、メタルシードラモンがとぐろを巻いて眠っていた。
ワイズモン「何をしてる!?早く来い!!」
夏凛「ってあんたその中かい!!!」
どうやら、とぐろを巻くメタルシードラモンの中にいるようだ。
確かにこれならちょっとやそっとじゃビクともしないだろう。
歌野「みんな、ここは私に任せて」
芽吹「歌野!?何を言って」
歌野「いいから」
有無を言わせない歌野の圧に圧され、さしもの芽吹もたじろいだ。
夏凛「・・・・・・・無理だけはするんじゃないわよ」
歌野「平気よ。七分しか持たないもの」
夏凛「────────行くわよ、芽吹」
芽吹「・・・・癪だけど、そうするわ」
そうして、夏凛たちは先に地下施設へと向かって行った。
ただ一人、棗は残ったままだったが・・・・
歌野「棗さん・・・・」
棗「私は見届け人だ。七分経っても決着が着かない場合の、な」
歌野「・・・・・サンクス」
言葉とは裏腹に、棗は「この勝負は一発で決着が着くだろう」と考えていた。
そして、二人が動いた─────
─次回予告─
歌野たちを置いて、漸く地下施設へとたどり着いた一行が見たものは、巨大な水槽を攻撃しようとするディノビーモンと、それを阻止しようと奮闘する杏たちの姿であった!
次回『わたしの罪-sin-』
今、新たな冒険の扉が開かれる………