でも良い曲・・・・・一番好きなのは『ユメ見ノクニ』
ビー助「くっ!?大人しくしたまえ!!」
ディノビーモン「Grrrrrrrrrrrrrrr!!!!!!」
Mグラウモン「うわぁぁぁぁぁ!?風~!どうしよう~!?」
ミレニアモンから救出されたディノビーモンは、再びミレニアモンへと突撃しようとしていた。
それを黙って見ている歌野たちでは無い。必死になってディノビーモンを抑えようとしている。
それで無くともミレニアモンの『タイムアンリミテッド』の脅威を目の当たりにしたばかりなのだ。無策に突撃すれば、命が幾つ有っても足りなくなる。
風「────かと言って、あんなのにどうやって勝てばいいのよ・・・・」
棗「風・・・・・」
風は完全に意気消沈していた。そんな風に、棗は寄り添う。
そこに
ライラモン「何よ何よ。樹に言われて来てみれば・・・・まったくだらしの無い!」
風「え?誰?」
ロゼモン「まさか・・・ララモン!?あなた、遂に完全体にまで・・・・」
ライラモン「はい!お姉様を手助けする為に、ライラモンへと進化して参りました!!」
歌野「あら、頼もしいじゃない!でも、どうするの?あの子はタイラントだし、ミレニアモンは強敵よ・・・?」
ライラモン「だから、このままナノモンの思い通りにさせるって言うの?冗談じゃない!!私は──私達はイヤよ、そんなの!」
風「私・・・"達"?」
ライラモン「樹も同じ気持ちでいるって言ってんのよ」
その一言に、風の瞳に活力が戻った。
風「樹が・・・・?」
ライラモン「樹は今、ミレニアモンに立ち向かっている。自分にできる"精一杯"を全力でこなしている」
風「────────」
ライラモン「ねえ、風?あんたはそれで良いの?
追い討ちと言わんばかりのその一言に、遂に風も覚悟を決めた。
風「・・・・・ええ。ええ、そうよね!妹が・・・・樹が頑張っているのに、あたしがへこたれていたら、姉として失格よね!!」
棗「ああ、それでこそ風だ」
完全にいつもの調子に戻った風を見て、ライラモンは満足そうに頷く。
ライラモン「もう大丈夫そうね!それならあなたが達はミレニアモンをどうにかして!この暴れん坊は、私がなんとかするワ!」
歌野「ワッツ!?一人で平気なの!?」
ライラモン「ふふん♪今の私ならこんなヤツ、天井のシミを数える暇も与えてあげないわ!!」
風「言ってる事がなんだかわからないけど、凄い自信ね・・・・!分かった、お願いねライラモン!!」
ライラモン「任せて!」
そうして、風たちはミレニアモンと戦う樹たちの下へと向かって行ったのだった。
―――――――――――†――――――――――
そうして駆け付けて来た三人と共に、ミレニアモンと戦う樹たち。
だが、ミレニアモンとそれを操るナノモンは、やはり手強い。
夏凛「さっきから見ていれば、アイツ、隙を見ては仲間を喰って回復している・・・・!?とんでもないヤツだわ!」
夏凛の指摘通り、ミレニアモンは宙を飛ぶデビドラモンを捕食し、欠損した肉体を回復させているのだ。現に、最初に樹が切り落とした足は、既に完治している。
これでは、いくらダメージを与えてもキリが無い。
歌野「────いっそのこと、ミレニアモンからナノモンを引き剥がすのは、どう?」
芽吹「そうね。それでなんとかなるかはわからないけど・・・・・やらないよりはマシかも・・・・」
風「よーし・・・・・樹!ひさしぶりにあれ、やるわよ!!」
樹「え?アレ?どれ?」
風「アレと言ったらアレよ!!合体技よ!!」
夏凛「合体!?」
棗「がったい・・・?」
歌野「フュージョン!!」
デュラモン「あ?人間もジョグレス進化するのか?」
風「ちっがーう!!合体じゃなくて合体"技"!!さあ、行くわよ樹。犬吠埼姉妹の女子力!アイツに見せつけてやりましょ!!」
樹「なんだかわからないけど・・・・うん!!」
芽吹「各員、犬吠埼姉妹の大技?が炸裂するわ!ミレニアモンの注意を引き付けて!!」
デュラモン「応!!」
Sハックモン「こっちだ!!喰らえぇ!!」
Rグレイモン「オレのことも忘れてもらっちゃァ困るぜ!!」
Mグラウモン「じたばたするな~~!!」
ペロ「ちょこーっと、ちくっとするだけだよ~」
ロゼモン「注射かしら?」
いいえ、大技です。
樹「ほ・・・・本当にやるの?」
風「ええ!樹、やっちゃって!!」
樹「ええい!ままよ!てやぁぁぁぁぁ!!!!!!」
デジモン達がミレニアモンの注意を引き付けている間、樹は、ワイヤーを風の足に巻き付けていた。
そしてそのまま回転。風は樹によって振り回される。
風「見なさい!これが犬吠埼姉妹の女子力─────名付けて!『犬吠埼大車輪』だぁーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
回転速度がある程度まで出た時点で、樹はワイヤーを切り離す。当然、風は蒙スピードで射出される。
これこそ、犬吠埼姉妹の合体技、『犬吠埼大車輪』である!
風「でやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」
ナノモン「な・・・・・なんだと!?」
『人間は空を飛べない』
そんな常識を覆し兼ねない大技に、一瞬だが、ナノモンの判断が遅れた。
並みの高層ビル程の巨駆を誇るミレニアモンを、真正面から飛び越した風は、背部に居座るナノモンの前に降り立った。
風「さあ、年貢の納め時y───」
ナノモン「『プラグボム』!」
間髪入れずに、風に向けて指先からミサイルを放つナノモン。
爆煙により確認は取れないが、これだけの至近距離だ。無事で済む筈が無い。そう思った矢先である。
突如として爆煙の中から現れる巨大な鉄板────否、大剣。
ミレニアモンと接続しているが故に、身動きの取れないナノモンは、その後ろのムゲンキャノンごと、風が巨大化させた大剣によって、思い切り殴られる!否、叩かれる!
風「喰らいなさい!あたし達の女子力を込めた、渾身の一撃ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」
ベギン!!
ムゲンキャノンを支える支柱をへし折りながら、大剣は振り抜かれた。
ナノモン「ゴ・・・・・ァァ・・・・・」
当然、ナノモンも共に吹き飛ばされる。
ミレニアモンの背中より落下していくナノモンは、視界に写る千切れたケーブルを見ながら思う。
────夢は、潰えた。と
―――――――――――†――――――――――
ガシャン、という音を聞きながら、風は呆然としていた。
風「やった・・・・?」
Mグラウモン「風~~!やったよ~!ミレニアモンの動き、止まったよ~~!!」
迎えに来たメガログラウモンが嬉しそうにはしゃいでいる様を見て、風にも漸く理解が追い付いた。
風「あたし達、勝ったのね・・・・!」
樹「お姉ちゃーーーーん!!大丈夫ーーーー?」
風「樹ーーーー!!やったワ!!あたし達、勝ったのよーーーー!!!」
樹の呼び声に風は応える。
その瞬間、周囲から歓声が沸き上がる。
「やった・・・・!オレたち勝ったんだ!!!」
「万歳!万歳!フローティアに栄光あれ!!」
「また、スワ・シティの肉が食べられるー!」
その喜び方は千差万別。しかし、皆一様に笑顔だった。
芽吹「終わった・・・のね」
歌野「ふう・・・・私達、あんまり活躍できなかったかも」
棗「そんな事は無いさ」
樹「そうですよ!歌野さんも棗さんも、お疲れ様でした!」
そこに、風を連れたメガログラウモンが降り立つと、風を出迎える為に、全員がメガログラウモンの下に集まり────
夏凛「待って!!!ミレニアモンが動き出した!!!」
夏凛のその一言に、冷や水を浴びせられたかの如く、静まりかえる。
Sハックモン「・・・・アイツ、何を?」
ミレニアモンが、緩慢な動作で掴み上げたのは、先程落ちたナノモンだ。
ナノモン「おお・・・・我が・・・・子・・・・よ・・・・・ワタシの・・・・・夢を・・・・叶えてくれる・・・・・のか・・・・?」
ミレニアモンはそのまま、大きく口を開けて───
ナノモン「さあ・・・・ワタシを・・・・連れて行って・・・・くれ・・・・・はじ・・・まr」
バクン
ゆゆテ!
ラストのシーンは、旧エヴァの初号機に喰われるゲンドウ氏のシーンをモデルにしました☆