ドルグレモンに乗り、友奈たちは崩壊を始めたタワーから、どうにか脱出した。
友奈「・・・・タワー、崩れちゃった」
ドルグレモン「驚いたよ。外で戦っていたら、タワーが急に崩壊を始めたからね」
園子「ねえわっしー、タワーの中で何があったの?」
園子からの問いに、東郷は思考を巡らせる。
その時、そっぽ向いて吹けていない口笛を吹くダリアの姿が視界に映り、思い至る。
美森「──────まさか、あなた・・・・」
ダリア「ふん。ナノモンのヤツが慌てふためく姿が目に浮かぶのです♪」
美森「・・・・・・・・・・やっぱり」
呆れて物も言えない東郷。
友奈「?」
きょとんとする友奈。
園子「あ・・・・あはは・・・・」
事の次第を察して、苦笑いする園子。
ダリア「そんな事よりも、そこのひなた似の若葉」
そんな状況でも我を通すダリアであった。
友奈「ひなちゃん似の・・・・・誰?」
ダリア「お前なのです。こいつのテイマーであるお前」
園子「え~、私~?」
ダリア「他に誰がいるというのですか。ひなたの下へと向かうのです。ナノモンが何のために地下施設を造ったのか。それを報せなくては・・・・」
美森「思ったよりまともな理由ね」
園子「うん。わかったんよ~。ドルるん!」
ドルグレモン「跳ばすよ。しっかりと掴まっていることだ」
タオモン「・・・・・・ム?」
突如として上空から飛来した影にテントの周辺を警戒していたタオモンが反応する。
即座に攻撃できるよう、暗器を構えるが、降りてきたデジモンとそこに乗っている人物達を見て、警戒を解いた。
タオモン「美森!園子達も!良かった・・・無事であったか」
美森「タオモン!あなたも無事でなにより・・・」
ダリア「ふむ?お前、まさかルナモンの妹分のレナモンですか?」
タオモン「────────うげぇ」
ダリア「人の顔を見るなり嫌そうにしかめるとは、無礼なヤツです」
美森「そうされるような事をしてきたからじゃないの?」
両者の間にて行われる、火花でも散りそうな視線と視線の応酬。
そんな二人を見て友奈はおろおろしていた。
友奈「け・・・ケンカしちゃダメだよ~~(汗)」
ドルグレモン「やれやれ・・・・仕方ないな・・・・」
ドルグレモンが二人の仲裁に入った。
その間に、タオモンは友奈にディノビーモンの事を報せようと思い立ち、友奈に話しかけた。
タオモン「友奈・・・実はブイモンとワームモンの事なのだが────」
友奈「うん、知ってるよ・・・・私のせいで、あの子たちが苦しんでいるって・・・」
タオモン「ああ、実はそうなn─────なんだと?」
これにはタオモンも驚いた。
友奈「あの子たちなら大丈夫!私に任せて!!」
タオモン「む・・・・ああ。分かった」
満面の笑顔で告げる友奈に、タオモンはただ、頷くのみであった。
友奈「よっし!それじゃーそのちゃん。ディノビーモン?のところに私を連れてって!!」
園子「え?ゆーゆ、どうするつもりなの?」
友奈「どうするもこうするも─────ちゃんと、面と向かってお話するだけだよ?」
全員『・・・・・・・・へ???』
友奈「へ?」
―――――――――――†――――――――――
園子「ゆーゆ。ちょっと考え直した方が良いと思うんよ・・・・私が言えたことじゃないけど」
美森「そうよ!今回ばかりはそのっちと同意見だわ!」
タオモン「今のディノビーモンは危険過ぎる。君の言葉でも止まるかどうか・・・・」
ドルグレモン「暴走するデジモン程危険な者は無い。話を聞く限り、シェイドラモンの時以上に危険な様だ。止めるべきだと思うよ、僕も」
蒙反対である。流石にこれには友奈も涙目だ。
友奈「・・・・そこまで言わなくてもいーじゃん」
美森「うぐっ─────いいえ駄目よ東郷美森ここは心を鬼にしなくてはならないわ友奈ちゃんに危険な真似をさせる訳にはいかないもの!!」
涙目の友奈に折れかけた東郷だったが、それよりも友奈の身を案じた結果、どうにか折れずに済んだようだ。
友奈「・・・・あのね、ディノビーモンはそれほど危険じゃないよ」
タオモン「は?」
友奈「私には分かるんだ・・・・だから、信じて?」
友奈は真っ直ぐに、東郷たちを見つめる。
美森「・・・・・友奈ちゃん」
ドルグレモン「─────ふむ。もしかしたら、他のテイマーと違って、友奈は自身のパートナーとの繋がりが強いのかも知れないな」
園子「・・・・・だとしたら、ほんとに、ディノビーモンを止められるかも?」
ドルグレモン「可能性は無くは無い」
ドルグレモンの考察から、園子は友奈の作戦が、現状で最もディノビーモンを止められる可能性の高いものであるかもしれないと考えた。しかし───
美森「それでも心配だわ・・・・・もし、友奈ちゃんに何かあったら・・・・」
その思慮深さ故に、かつて思考の沼に陥り、四国を覆う壁を破壊したことのある東郷が『待った』をかける。
これも単に友奈の身を案ずるが故。
しかして友奈は動じず、「う~~ん・・・・」と少し唸ると、一つの提案を二人に出した。
友奈「じゃあ、東郷さん。そのちゃん。もし、ディノビーモンが私を襲ってきたら───────」
友奈「その時は、ディノビーモンの事を倒して」
美森「っ!?」
園子「ゆ・・・ゆーゆ!?本気なの!?」
これには流石の二人も動揺を隠せない。
確かにシェイドラモンが暴れていた時も、友奈は「許さない」と口にした。
しかし、今回は行き過ぎだ。
ともすれば、友奈らしくない発言。
それを受けて東郷は
美森「─────うん。分かった」
園子「わっしー!?」
友奈「ありがとう東郷さん!」
友奈の案に乗ったのだった。
園子「ほ・・・・ほんとに良いの?みのむーとブイブイだよ?」
友奈「このまま、沢山の人に迷惑かけるくらいなら・・・・本当は私がするべきなんだけど、ね」
園子「────────」
完全に覚悟を決めてしまった友奈の瞳を見て、園子は一瞬、友奈が神婚を受け入れた時の事を思い出した。が、今回はあのときのような追い詰められている様子は微塵も無い。
園子(もしかしたらこれこそが、ゆーゆ本来の強さなのかも・・・・だったら、信じてあげなきゃだよね)
園子「は~もう、しょうがないなぁ~。ゆーゆって案外ワガママさんなんよ~」
友奈「え?そうかなぁ・・・」
園子「でも、そんなゆーゆも結構アリなんよ~~♪」
美森「ふふふ、そのっちにも漸く友奈ちゃんの真の魅力が理解できてきたみたいね!」
タオモン「美森は何を言っているんだ・・・・」
ドルグレモン「気にしたら負けだと思うよ。僕はそう思う事にしている」
東郷と園子のやり取りに、各々のパートナーは辟易する。
ダリア「んで?お前たち、どうするつもりなのですか」
と、その時。それまで黙って事の次第を見守っていたらしいダリアが訪ねてきた。
なので、友奈は自信満々に答える。
友奈「もちろん!ディノビーモンを助けに行くんだよ!!」
ゆゆテ!
最近になって、アルファモンの正当な進化前が、グレイドモンだと知った小生。
最近はドルシリーズの最終進化として有名だけど、よもやグレイドモンとはなぁ・・・・・
このネタは・・・・使える!(オリジナル笑顔)